地上の風と白き魔女と   作:長靴伯爵

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亀投稿ってタグがあるから問題ない
問題ないったらない


こんなこと言ってますけど、読んでくれて本当に嬉しいです



敵の敵は・・・敵ですね おや、王蟲達の様子が・・・

 

 

 

 

 状況を説明しよう。

 

 押し寄せる土鬼(ドルク)の波を搔い潜り、突き出される刃を弾き飛ばし、無駄に殺意の高い衣装のずんぐりした図体を嫌になるぐらい蹴飛ばしてたどり着いた先には、先程ガンシップから見たのと同じく、ナウシカが指揮官らしき僧侶にナイフ突きつけていた。

 ・・・なんというか、改めて見てみると結構無茶なことしてるよね。さながらハイジャック。え・・・俺の幼馴染、殺意高すぎ・・・。

 しかも、ナウシカの隣には拳銃を構えた男が・・・って、あの服装ってペジテ市の?ということはあいつが・・・。

 

「どうして、ここに?」

 

「ナウシカ、知り合いなのか?」

 

 ・・・ペジテ市の奴がナウシカに気安く話しかけているのを見ると何かムカつくな。ムカついたので、後ろから忍び寄ってきた奴を鞘付き剣でフルスイングで殴り飛ばした。その飛び様に少しだけすっきりしつつ、ナウシカに呼びかける。

 

「ナウシカ。ガンシップでミトじぃと助けに来たんだが・・・」

 

「なんで、ナギが?」

 

「殿下のご命令だ。・・・まぁ、俺も心配だったからな」

 

「え・・・!?」

 

 俺の言葉の何に驚いているのか?

 まぁいいや。取り合えず、場所移動。左右の剣で牽制しつつ、ナウシカの隣に立つ。何かナウシカの反対側に立っているペジテ市の野郎がすごい形相で睨みつけているけど気にしない。殿下って言ったからばれたか。まぁ、それは置いておいて・・・。殺気立つ土鬼(ドルク)達を見据えつつ、ナウシカに問いかけた。

 

「敵の指揮官を脅迫してたんだ。当然、脱出手段はあるんだよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僧侶を盾にして艦橋から移動し、今は格納庫。

 途中、ペジテ市の野郎(アスベルという名だというのをナウシカから聞いた)が絡んできて敵陣の中で内紛という頭の悪い状況に陥りかけたりもしたが、何とか到着はした。

 しかもこの間に、ナウシカの口から土鬼(ドルク)の罠について教えられた。なんと奴らは王蟲を誘導してクシャナ殿下の宿営地を襲わせようとしているのだ。計画は進行中で、すでに王蟲は動き出しているらしい。一刻も早く帰還する理由が出来たな・・・。

 

 格納庫に到達して判明したのが、脱出方法はなんとメーヴェだということだ。

 しかも、このメーヴェ壊れてないか?体を預ける部分がごっそりとなくなって、縄になっているんだが・・・。というか、そもそも3人でどう脱出するのか?

 格納庫の入り口は土鬼(ドルク)の兵士で固められているし、再び艦橋に戻るという面倒は避けたいところだ。

 

「いけよ、ナウシカ。ここは俺が残る」

 

 なのでそう言ってくれたアスベルは渡りに船だった。正直、自分もそう考えていたところ。

 

「そんな、アスベル」

 

「誰かがここを抑えないと誰も脱出できないだろ?それに・・・」

 

 ナウシカには笑顔を見せ、俺には睨み付けてくる。まぁ、俺も睨むけどね。

 

「ナウシカの幼馴染とはいえ、そいつはトルメキアで俺の敵だ。一緒には居られない」

 

「奇遇だな。俺もだよ」

 

 戦争とはいえバカガラスに搭乗していた部下は皆、こいつに殺されたのだ。ナウシカが居なければ即刻剣を抜いていた。視線を外し、先にメーヴェに乗ってみる。ナウシカとアスベルが別れの言葉を交わしているのを無視して、操縦桿の役目を担っている紐を持ってメーヴェの操縦方法を思い出す。

 まぁ、何とかなりそうかな。

 風の谷にいた時もメーヴェよりトリウマの方が好きだったから触るのは7年振りぐらいだが、いけるだろ(慢心)

 

 そんなこんなしていたら、急にナウシカが飛び込んできて二人羽織状態になり紐を握ってしまった。しかも、いきなりエンジンを吹かして離陸するおまけ付き。

 

「ちょ、、、ナウシ・・・!?!?!?」

 

 混乱したまま何とか紐だけは掴み、一気に土鬼(ドルク)の砲艦から脱出していた。

 ダイナミック突入からのこのカオスな脱出。しかも、王蟲が急襲を知らせなければならないという最大級の時限爆弾付き。

 もう思考停止して、ミトじぃと合流に集中しよう。

 目に風ではためくナウシカの髪が入ってきてメチャクチャ痛いけど。

 

 

 

 

 

 時間はナギがガンシップで離陸するまで遡る。

 

 戦場で状況が急変することはよくあることだ。

 それが、朝でも昼でも夜でも。食事時でも、就寝時でも。その合図が、銃声でも、爆発でも、警報音でも。

 

 今回はそれが空に打ち上げられた発煙弾だったということ。

 発砲音はガンシップのエンジン音で掻き消され聞こえなかったが、発射地点が宿営地に近かったために何人かの兵士がそれに気付いた。

 気付いたという事実こそが重要だった。

 幸か不幸か、トルメキア王国第三軍親衛隊の運命が大きく動き始めることになるのだから。

 





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