最近、アニメ版を見て、気が向いて投稿
時々感想がきていて嬉しいです
出発まで時間が無い中、俺は着替えつつネイルに指示を出す。
「防衛線にはできるだけ兵を置いておけ。
「あるんですか」
「ああ。それと蟲使い達はできるだけ宿営地の近くに移しとけ」
「苦情がきますよ?」
「だとしても、だ。離れすぎてたらいつの間にか殺されてる」
「
そう言って口を噤ませたネイルを俺は軽く睨んだ。
「・・・んだよ」
「よくそんな服を持ってましたね。まさかこうなることを予想していたんですか?」
その言葉に俺は上着のボタンを留める手を止めた。
まぁ、ネイルの疑問も尤もだ。なんせ今の俺は装甲騎兵自慢の甲冑を脱ぎ捨て、風の谷の服に着替えているからだ。ご丁寧に頭巾や頭巾に装着する額当て、ブーツや手袋まで揃ってる。この格好も随分と久しぶりだ。勿論、俺が持ってきた物じゃないがな。
「風の谷から借りたんだよ。流石にあの甲冑じゃガンシップに乗れないからな」
「まぁ、そうでしょうね。慌しい出発ですが、こっちは私がなんとかしますよ」
実のところ、親衛隊を残すことにそこまで不安を感じてない。ある程度指示を出しておけばネイルのことだから後はちゃんとしてくれるだろうし、サポートにカタリもいる。信頼できる同僚がいると安心だね。
「しかし、殿下は何をお考えでこんな命令を出したのでしょうか?」
「さぁな。ま、俺は殿下に従うだけだ」
本当は知ってるけどね。残念ながら秘石についてはネイルにも話せない。こいつのことだからそれとなく察しているかもしれないが。
甲冑は全て諦めたが剣だけは持っていこうか。後は拳銃と・・・自動小銃もか。そこまで荷物は持てないが、そんな時間はかからないだろう。あ~今からミトじぃと2人きりかよ。気が重い・・・。
何人かの親衛隊員と不機嫌な風の谷の者達に見送られて離陸したガンシップは概ね問題なく飛行している。そう、機体には全く問題ない。だが・・・。
「・・・」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
だから言ったじゃないか!針の筵だって!空気が死んでるんだよ!!どうしろっていうんだ!?
こうなるのは当たり前だ。ミトじぃにしてみれば、俺は風の谷の裏切り者。いくら小さい時に面倒をみていたとはいえ、すぐに打ち解ける訳にはいかないだろう。やっぱり、この前風の谷に強行着陸したのが悪かったんだ。でも、殿下の命令だったからな。しょうがない。
「・・・・・・どうやってトルメキアまで行ったんじゃ?」
って、いきなりかよ!?ま、まぁ、確かに気になるよな。
「あ、ああ。トリウマと途中途中で輸送船で・・・」
「ああ。やはりお前が乗っていったのか。城のトリウマが1匹いなくなってたからの」
「う・・・。よく覚えてるな」
「当たり前じゃ。じゃが・・・、その方法だとどれ程の時間がかかったのか・・・」
「半年ぐらいだったか・・・」
「馬鹿なことしおって・・・」
ぎこちなくではあるが少しずつ会話をしていく。ミトじぃはやはり俺が風の谷を出た後のことを聞きたがり、俺も俺が出た後の風の谷について聞いた。やっぱり、ナウシカはしばらくは元気が無かったと言う。しかも理由が俺がいなくなったことよりも俺が無事なのかを心配してだったらしい。
なんか申し訳ないね。でも、殿下のためだったし、シカタナイネ。
「しかし、なぜ風の谷を出ようと思ったのか・・・」
「親父が死んじまったし・・・殿下を忘れられなかったから」
「なんじゃ、女の尻を追って谷を出たのか?」
「その言い方はないんじゃないか?」
まぁ、事実なんだけどね?
殿下の尻・・・。
・・・・・・・。あ、これ以上はヤバイ。色々とヤバイ。
「はぁ・・・。姫様も気の毒なものじゃ・・・」
「・・・ナウシカには悪いと思っているが、後悔はない」
「・・・。それがせめてもの救いかの・・・」
雲海を眼下に収めつつ、ガンシップは風を切る。
当たる風にはどこか懐かしさを感じた。
某シーン
ク)腐ってやがる。遅すぎたんだ。
ん?何か違う・・・
あ、早すぎたのか。