IS 深海の探索者   作:雨夜 亜由

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第九話 専用機

「箒、醤油とって」

 

「ほら」

 

「ん、ありがと」

 

「沙良、ご飯粒がついているぞ?」

 

「え、うそどこ?」

 

 箒は右頬を指差している。

 

「あ、本当だ」

 

 沙良はにへらと笑い、ご飯粒を口へと運ぶ。

 

「……沙良は良くこの状況で、普通に飯が食えるな」

 

「ん?」

 

 一夏は暢気にご飯を食べる幼馴染に、ため息を吐く。

 何故この視線の中、そんな暢気にご飯が喉を通るのだ。

 一夏は食べづらくて仕方ないというのに。

 チラッと周囲を窺うと、案の定、女子が一定の距離を保ちながらこちらの様子を窺っている。

 

――なんだ、この状況。今なら動物園のパンダの気持ちがわかる気がする。

 

 居辛いのはそれだけが理由ではない。

 

「ねえ、織斑君、深水君、隣いいかな?」

 

――来た。

 

「ヤダ」

 

「ど、どうしても駄目かな?」

 

「ん? だって他にも席空いてるよ?」

 

「え、あ、うん。そうだよね」

 

――違うんだ、沙良。相席したいのは席がないからじゃなくて、一緒に食べたいってことなんだ。

 

「ん? どうしたの? ご飯冷めちゃうよ?」

 

「あ、そ、そうだね。ありがとう」

 

――哀れな女生徒がこれで六人目か。

 

 一緒にご飯を食べようと近寄ってくる女子を、沙良が追い払う。

 そんな光景がなんやかんやで十五分近く続いている。

 

「同じクラスでも駄目だなんて」

 

「天然ほど恐ろしい壁はないわね」

 

「まだ、まだ一週間も経ってない。大丈夫、まだ焦る段階じゃないわ」

 

「作戦を立てましょ」

 

 周囲も、目的が、一緒にご飯を食べることから、沙良を頷かせる事に移り変わっている。

 沙良と一緒に食べたいのだったら、その旨をはっきりと言えばいい。しかし、全員が様子見から攻めてくるせいで、沙良は本当の意図に気付かない。沙良は、自分に向けられている関心の意味を疑うのだから。

 

「箒、インターミドル優勝だってね」

 

「ほう、知っていたのか」

 

 箒も、邪魔が入らずにご飯が食べれるおかげか、機嫌が良さそうだ。沙良が追い払うたびに小さくガッツポーズを取っている。

 

――箒も、ここまで人見知りだとはなぁ。

 

 そんな感じで、このIS学園で友達を作れるのだろうか。

 

「一夏が教えてくれたんだ」

 

「そういえば、一夏は会場に居たらしいな」

 

「ああ、一応選手として出てたよ」

 

「そうなのか?」

 

「まぁ、剣道じゃないけどな」

 

「でも、剣道は続けてるんでしょ?」

 

「独学だけどな」

 

 篠ノ之道場に通っていた時の練習をベースに、たまに千冬に教えを受けている。

 

「それは、腕を見てみたいな」

 

 箒が無表情に言う。

 

「久しぶりに打ち合うか?」

 

「ならば、放課後を空けておけ、剣道部には私が話を通しておく」

 

――人見知りなのに大丈夫か?

 

「今、余計なことを考えなかったか?」

 

「いえ、なんでもないですっ!!」

 

 

 

 

     ◆ ◇ ◆

 

 

 

 放課後、沙良たちは剣道場にいた。

 沙良は竹刀を膝の上に置き、一夏と箒が稽古しているのを眺めている。

 箒は全国の頂点に立ったと聞いていたため、一夏が負けるのであろうと思っていたが、一夏は箒相手に善戦していた。

 

「ふん、腕は落ちていないようだな」

 

「伊達に稽古を重ねてきたわけじゃねえよ」

 

 二人は喋りながらも激しい打ち合いを続ける。

 一夏が稽古を再開したのは、あの事件からだったはずだ。

 この長くない期間で箒相手にここまで出来るようになるとは相当訓練を積んだのだろう。

 しかし、それでも箒には及ばないのだろう。足元が覚束なくなってきているようだ。

 

「面っ!!」

 

 少し、もたついてしまった一夏は、竹刀を面で受け止めることとなった。

 

「くっそぉ」

 

 面を外し、悔しそうな表情を見せる一夏。

 

「次は、沙良の番だ」

 

 箒に呼ばれ、沙良は竹刀を片手に立ち上がる。

 

「お疲れ、はいタオル」

 

「お、サンキュ。やっぱ剣では勝てねえな」

 

 一夏に汗を拭くタオルを渡し、箒の前に立つ。

 

「一夏と違って、そんなに出来ないんだから手加減してね」

 

「冗談はよせ、沙良相手に手加減など出来るわけないだろう」

 

 箒は苦笑いを浮かべ、竹刀を正眼に構える。

 沙良はそれを見て、竹刀を下段に構える。

 箒はそれを見て、一瞬嫌そうな顔をした。

 剣道において、下段の構えはあまり好まれていない。見た目が地味な上に、結局は正眼に引き戻さなければ、相手の攻撃を受け太刀出来ないからだ。

 しかし、沙良が使うのは剣道ではない、剣術だ。それも大太刀と薙刀を使う、実戦的な古流剣術。沙良の持つ竹刀も普通の物より、長めに作られている。

 下段に構えると地面に付くぐらいに長い竹刀は、沙良の体格で扱えるのか不安に思うものも多いだろう。

 しかし、箒の表情は真剣そのもの。

 箒は知っているのだ。この構えが篠ノ之流薙刀術の基本の構えであると。

 故に、沙良が一切の手抜き無しで相対しているのだと分かっているのだろう。

 

「はあぁぁぁ!!」

 

 箒が、掛け声と共に、沙良に踏み込む。それは、素人には目視さえ難しいキレと速さを掛け合わせていた。

 しかし、その踏み込みから放たれる竹刀が、沙良を捉えることはなかった。

 下だ。

 沙良は箒の踏み込みに合わせ、重心を落とすことによって、動きの工程を最小限に抑え、箒の足元を竹刀で払った。

 普通なら力を込め、踏み出し、下へ潜り込み、剣を振るう。

 大まかに分けても四工程の動作を、沙良は身体の力を抜き、自然に倒れる力を利用することで一工程で行ったのだ。

 動きは工程が少ないほど相手に認識されにくい。

 箒にはいきなり目の前から消えたように見えただろう。

 床に伏せた箒を見る限り、上手くいったみたいだ。

 

「箒、大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

 箒に手を貸して、立ち上がらせる。

 

「沙良の剣はいつ見ても凄いな。俺も太刀を習えばよかったかな」

 

 一夏が二人分のタオルを持って二人に近寄る。

 

「今のは、太刀じゃなくて薙刀の応用なんだ。相手の力を利用する柔の技だね」

 

 沙良は圧倒的に体力が足りていない。

 その華奢な身体では、相手の動きを利用することぐらいしか出来ない。

 

「俺も沙良みたいに強くならねえとな」

 

「箒とは相性が良かっただけだよ。一夏とやったら半々ぐらいかな勝率は」

 

「はは、じゃあ六割は勝てるようにならねえとな」

 

 沙良は、一夏の言葉を聞き、いい事思いついたと箒に声をかける。

 

「ねぇ、箒。一夏に、稽古つけてあげたら?」

 

「は?」

 

 一夏が腑抜けた声を出すが、沙良はシカトする。いまいち理解していない様子の箒に小声で話しかける。

 

「一夏と一緒に居れるチャンスだよ」

 

 箒に耳打ちすると、箒はすぐさま一夏に宣言する。

 

「そうだな、私が稽古をつけてやろう!!」

 

 沙良の言葉が聞こえていなかった一夏は、急に箒がやる気を出したことに驚いたが、稽古自体に文句はないのか嫌そうな素振りは見せない。

 

「そりゃあ、こっちとしても稽古に付き合ってくれるのは嬉しいけどいいのか? 付き合わせて。箒だって忙しいだろうに」

 

「もう、好意は素直に受け取るものだよ、一夏」

 

 箒が昔から一夏に好意を抱いているのを知っている沙良は、内心、「ちょろいもんだよ」と思うのだった。

 

 

 

 

     ◆ ◇ ◆

 

 

 

 

 月曜日、決戦の日。

 

「一夏、どうすんの?」

 

「いや、俺に言われても……」

 

「全く、なんという事態だ」

 

 三人はピットで、戸惑っていた。

 それは、たった一つのアクシデント。

 

「何故、専用機が届いていない」

 

 箒の言ったとおり、一夏の専用機がまだ届いていないのだ。

 決闘開始まで、三十分しかないという、この状況にも関わらずだ。

 

「どうする? 打鉄で出る?」

 

 沙良は言ってはみたものの、それは出来ないと知っている。

 ただの会話を繋ぐためのネタに過ぎない。

 

「今更、貸し出し許可が貰える訳がないだろう」

 

「だよねー」

 

 沙良は出来ることなら自分が出てもいいと思っているのだが、そういうわけにもいかない。沙良のISは午後に届くと言われているため、沙良の試合は午後に回されているのだ。

 

「どうしたものかな」

 

 責任が誰にもないため、なんとも言えない空気が漂っている。

 その空気を切り裂くように、甲高いヒールの音が響く。

 

「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」

 

 真耶が後ろに千冬を伴って駆け足で向かってくる。

 

「ふぅ、来たみたいだね」

 

「来ました……来ましたよ! 織斑くんのIS!」

 

 ピット搬入口が開く。

 それはゆっくりと、駆動音を響かせながら、その向こう側を晒していく。

 

 

 そこに、『白』がいた。

 

 

 白。

 真っ白。

 飾り気のない、無の色。

 眩しいほどの純白。

 

「これが……」

 

「はい! 織斑くんの専用IS『白式』です!」

 

 一夏は惹きつけられるかのように白式に近づく。

 

「体を動かせ。すぐに装着しろ。時間がないからフォーマットとフィッティングは実戦でやれ。出来なければ負けるだけだ。わかったな」

 

 一夏は白式に触れる。

 

「背中を預けるように、ああそうだ。座る感じでいい。後はシステムが最適化する」

 

 一夏は、白式に体を任せ、その体に白を纏っていく。

 

「一夏、いけそう?」

 

 沙良は、一夏に声をかける。それはISが動くかと聞いたものではない。勝てるか。そう聞いたのだ。

 

「あぁ、ここまでお膳立てされておいて、やれないわけがない」

 

「じゃあ、今日の夜は祝勝会だね」

 

「はは、期待しておけよ?」

 

「…………」

 

 何か言いたげな箒に気づいたのか、一夏は箒に目を向ける。

 

「箒」

 

「な、なんだ?」

 

「行ってくる」

 

「あ……ああ。勝ってこい」

 

 一夏の意識がゲートに向かったのに気付いた沙良は、一夏に声をかける。

 

「じゃあ、僕はそろそろ戻るよ」

 

 沙良は、この次、セシリアと戦うことになっている。

 そのため、この一夏vsセシリアの試合を見ることを禁じられているのだ。

 少しでも条件を近づけるためだろう。

 沙良としては、データのあるセシリアよりも、全く未知な一夏の機体の方が恐ろしいのだが。

 

「勝ってね、一夏」

 

 沙良がピットを出るのと、一夏がゲートを飛び出すのは同時だった。

 

 

 

 

     ◆ ◇ ◆

 

 

 

 

 沙良は控え室で自らのISに対峙していた。

 それは深い青。

 深海を思わす深い青。

 

「シークエスト、それも僕がテストパイロットとして使っていた製作試作機か」

 

 沙良は本国から送られてきたISに驚きを隠せなかった。

 訓練機を持たせると聞かされていたから、一般的に普及しているシークエストが送られてくると思っていたのだが、送られてきたのは、沙良が自らの手で作り上げたプロトタイプだった。

 それに、沙良が指示していたように改良が加えられている。

 

「もう、やたら時間がかかってると思ったらそういうことか」

 

 実際、初期化することも出来ず、特殊兵装の研究用としか用いられてなかったということを考えると、有効利用なのかもしれない。

 

 それに、『オルカ』との関連性もある。

 

「もう一度、君と潜れるんだね」

 

 沙良はその青藍を優しく撫でる。

 飛ぶではなく潜る。

 シークエストは、元は水中での活動をメインに開発されたISだった。

 今でもスペインは、海底からレアメタルを取得している。

 ゆえに、シークエストに乗るものは、皆こう言うのだ。

 

 『空に潜る』と。

 

 沙良はコックピットに飛び乗り、その身をシークエストに任せる。

 

――Start system, Access――

――Fitting Start――

――Sea Quest Diving system, Access――

――搭乗者を確認、搭乗者データとの一致が認められました――

――Secret system SARA, Start Access――

――皮膚装甲展開……完了――

――推進器稼動確認……完了――

――ハイパーセンサー最適化……完了――

 

 次々と浮かんでは消えていくモニター。その最後に表示されたモニターに、沙良は頬を緩ます。

 

――『!De la bienvenida, Sea Qwest! !De la bienvenida!, amo Sara』――

 《ようこそ、深海の探索者よ。ようこそ、私のマスター、沙良》

 

「覚えててくれたんだね。カイラ」

 沙良は、身に纏う青を一度解除し、シークエスト製作試作機プロトタイプ『海良』を待機状態に戻す。

 それは同じ色のネックレスに形を変えた。

 指示が来ないことから、セシリアはまだ準備が完了していないようだ。

 一夏の勝利と報告を受けてから二時間は経過しているだろう。

 

「セシリア・オルコット。専用ISは『ブルーティアーズ』か」

 

 BT兵器の実働データをサンプリングすることを目的とした試用機。

 最大稼動時はビーム自体も自在に操るBT偏向制御射撃が可能とのことだが、データを見る限り、未だその領域までは達していないようだ。

 武装は六七口径特殊レーザーライフルが一丁と、射撃型特殊レーザービット四機、弾道型ミサイル二機の自立機動兵器。

 

「他国の最先端機の実働データをこんなに早く手に入れられるなんて、ラッキーだね」

 

 この世で一番信頼できるデータとは、自分が計測したデータである。

 そのデータが入手できるとなれば、僅かに沙良のテンションが上がっても仕方ないだろう。

 

 この一週間、出来ることは全てこなした。

 一夏と戦闘訓練を行い、情報を出来る限り集めた。

 沙良は知っている。

 敵のことを知っているかどうか。それが勝敗に大きく関わってくることに。

 ゆえに調べ上げた。

 敵の機体についての全てを。

 そして、それに対する対策もしてきた。

 後は搭乗者の情報があれば完璧だ。

 

『深水くん、オルコットさんの準備が出来たようです』

 

 真耶の声に、沙良は『カイラ』を纏う。

 カルラはすぐさま戦闘状態のISを感知した。

 

――操縦者セシリア・オルコット――

――ISネーム『ブルー・ティアーズ』――

――戦闘タイプ中距離射撃型。特殊装備有り――

 

「いくよ、カイラ。滅多に取れない他国の最先端技術のデータだ。わくわくするよ」

 

 沙良は、とあるシステムを準備させる。

 すぐにウィンドウが表示される。

 

――Diving System――

 

 これで、とある言葉を言うとシステムが作動するようになる。

 

「さて、潜ろうか」

 

 沙良は敵が待つ、海のように青い空に、その身を投げ出すのだった。

 

 

 

 

     ◆ ◇ ◆

 

 

 

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 

 沙良は、セシリアの言葉などそっちのけで、武装の確認をする。その手に持たれている装備、六七口径特殊レーザーライフル《スターライトmkⅢ》を見て、自らの情報収集力を手放しで褒めたくなった。

 

「最後のチャンスをあげますわ」

 

 試合開始の鐘は鳴っているのでいつ撃たれてもおかしくはないのだが、セシリアは余裕を見せ続ける。

 

「チャンスって?」

 

「わたくしが一方的な勝利を得るのは自明の理」

 

 沙良は、右手のアサルトライフルをいつでも撃てるように構える。

 

「ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ」

 

 射撃モードは使わない。自動ロックにより、敵のアラームがなってしまう。

 ゆえに、マニュアル射撃を選ぶ。

 この距離なら。

 

「今ここで謝るというのなら、許してあげな――」

 

 外さない。

 放たれた銃弾は喋っている途中のセシリアに見事命中する。

 

「ちょっと、あなた!?」

 

「試合開始のベルは鳴っていますよ? オルコットさん?」

 

「っ~~~~~~!!」

 

 沙良はアサルトライフルを粒子変換で一回拡張領域に戻してから、手ぶらで肩をすくめて見せる。

 

「可愛い顔して、やることは可愛くないですわね!」

 

――警告! 敵IS射撃体勢に移行。トリガー確認、初弾エネルギー装填。

 

「くらいなさい!」

 

「DIVE!!」

 

 沙良の叫びがISに変化を起こす。

 しかし、変化を待つことなく、耳をつんざく様な独特の音が響き、それと同時に閃光が走る。

 カイラが装甲を閉じる。それと同時に閃光が直撃した。

 

「どうです? これが実力の差というものですわ」

 

「たいした威力だね」

 

 セシリアは、何もなかったようにそこに留まっている沙良の姿を見て驚愕した。

 それは、ダメージを受けた形跡がなかったことではない。もちろんそれもあるが、セシリアはもっと違う所に、驚きを隠せなかった。

 

「なんですの? その姿」

 

 沙良の顔は、目元は完全に覆われ、口元だけがかろうじて見える。普通なら腹部などが露出しているはずの装甲も間接部分だけを露出している。 

 沙良は、先程の射撃のダメージを見るが、エネルギーもさほど減っていないようで安心する。

 

――バリアー貫通黙認。ダメージ56。シールドエネルギー残量794。実体ダメージレベル低。

 

 第一関門突破。

 それは、セシリアの主砲の直撃をカイラが耐え切れるか。

 見事、DivingSystemを作動したカイラはそのダメージを最小で済ませた。

 

「よく耐え切りましたけど、次はそうはいきませんわ!」

 

 射撃、射撃射撃射撃。それはまさに雨のように沙良に降り注ぐ。しかし、それを的確に回避する。それも、最小限の動きで。

 

「いつまでも避け切れるものではありませんわ。わたくし、セシリア・オルコットとブルーティアーズの奏でる円舞曲は!」

 

 セシリアが叫ぶと同時に、四つのパーツが、ブルー・ティアーズから切り離される。

 それは、ビット兵器。もちろん、沙良はその存在を調べていた。

 

「いつまでも避けるよ。舞踏病のようにね」

 

 浮かべる笑みの意味はセシリアには伝わらないだろう。

 自らの武装が調べつくされた戦闘など、誰が想定できようか。

 沙良は、セシリアの攻撃パターンを引き出すために、空を舞台に踊りだすのだった。

 

 


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