ドラクエは5か6までしかしていません   作:send

39 / 68
支援した

39

 

 本来であれば行き違いの懸念があるので待つという選択肢が妥当だろう。だが、姫様の願いであればぜひとも叶えたいと思ってしまう。

 パルミドのある方角と女盗賊さんの拠点の位置関係から北の方角を確認。切れた補助魔法を再びかけて足を動かす。そういえばリーザスで爆走した時は足が痙攣したが、ここのところそういう反応はない。歩きまくったおかげで筋肉が少しは付いたのだろう。役には立つが足が太くなるのはちょっとなぁと呑気な事を考える余裕まである。

 すっかり星明かりのみとなってしまった中、一心不乱に走っているといきなり足が泥濘に嵌った。

 泥に足を取られてこけそうになるのを何とか踏ん張ったのだが、ビリっとした痛みを感じてすぐさま足を引っこ抜いて後ずさった。

 何だ? と訝しみながら片手にメラを出すと、橙色の光源に照らされた地面は毒々しい紫色をしていた。己の足を見ると、その泥がべったりとついている。

 つまりこれは、あれか? 一マス動く事に斬撃音らしき音が鳴る、例のあれ。毒沼?

 

「ホイミ」

 

 自分に回復魔法をかけ、ついでに水を出して泥を洗い流す。

 いやぁ驚いた。今までお目にした事が無かったが、普通に毒沼というかダメージを被るような代物があるのにびっくりだ。高度経済成長で汚染水が問題になるような環境ならともかく、ここは自然にあふれている。一体どうやってこんなものが出来るのだろうか首を傾げたくなる。

 まぁそんな疑問は脇にどけといて、適当にメラを散発して辺りを照らしてみる。

 私の肩から降りて人の姿を取ったトーポさんをちらっと見ると、黙って横に首を振られた。目的地がどんなところなのか互いに判っていないので、目視でもトーポさんの感覚でも不明となるともう少し進んでみるより他にない。目の前、毒沼だけど。

 

「あ。トラマナ」

 

 ぽん。と手を打ち唱えてみると、ほんのりとした弱々しい光に包まれた。どういう効果なんだろうと思い、おそるおそる沼に足を踏み入れると、泥に沈み込む前に足が止まった。ビリっとした感覚も今は感じない。なんというか、ある種の浮遊効果と有害物を遮断する膜の効果を併せ持っているような感じだ。

 

「ほぉ。こういう事も出来るのか」

「あー…まぁ」

 

 伊達に歴代のドラクエで遊んできていませんから。とは言えず、ネズミに戻ったトーポさんを手のひらにのっけて沼の上を進む。

 時折メラを照明替わりに投げて確認していると、沼を越えたところに石碑のようなものが見えた。そういえば最近視力が良くなっているような気がするが……いや、あまり変わらないか。

 近づいて見ると、騎士のレリーフのようだ。その足元には地下に向かって伸びる階段がある。

 これかと思い階段を降りてみると開けた空間があった。地下というにはガランとした広い空洞に戸惑いを感じたが、それも長くはなかった。前方に巨大な宝箱を胴体とした魔物とエイトさん達が戦闘を繰り広げている姿があった。

 箱の胴体からにょきりと骸骨のような頭と腕が伸びており、腕の先には宝箱の蓋が半分に割られて片方ずつくっついているという何とも奇妙な魔物だ。だが、振り回している腕が生み出す破壊力は凄まじく、あのヤンガスさんですら手にした鎌で受けているにも関わらず吹っ飛んで行っている。

 ミミックや人食い箱よりもアグレッシブな姿だなと思いつつ、他のメンバーはと視線をやればエイトさん達はかなり疲弊しているのか表情が厳しい。服も血だらけで酷い事になっている。今更だが、ヤンガスさんも同様だ。戦っていられるのはククールさんが回復魔法で支えているからなのだろう。

 硬直した私から飛び降りたトーポさんが駆け寄ろうとしたが、何故か途中で止まった。血まみれの彼らに一瞬停止していた私は遅れてそちらを見て、エイトさん達との間に深い溝がある事に気付いた。

 ふらふらしているククールさんを見ると、魔力切れ以前に血を失い過ぎているのではないかという懸念があり、彼が倒れたら他のメンバーも共倒れとなるのは容易に想像出来た。だからこそトーポさんも焦ったのだろう。

 というかこの魔物、寝ていない。もしやモリーさんのところへ連れて行けるタイプかとも思ったが、長い舌を垂らしながらエイトさん達を叩き潰そうとする姿を見ては即座に違うと断定出来た。

 

「スクルト。スクルト。スクルト」

 

 血だらけの姿に軽くパニックを起こしてしまったが、トーポさんが足にタックルをかましてきてくれたお蔭で我に返り、すぐさま支援魔法を飛ばす。

 

「リツか!?」

 

 最初に気付いたのは一番後方、戦闘範囲外と思われる場所に居る王で、その声で他のメンバーもこちらに気付いた。

 

「バギマ!」

 

 視線をこちらに寄越したヤンガスさんの後ろに魔物が迫っていたので咄嗟に狙い重視の空気の塊をぶつけて吹き飛ばす。なんちゅー危ない事をしてくれるんだ。

 

「目の前に集中してください! 援護します!」

 

 了解の声が無いかわりに、ヤンガスさんは鎌を構えなおした。エイトさんもちらっとこちらを見ただけで意識は魔物へと向けたまま。ククールさんはこんな時でも軽く手を上げてひらひらと振ってくる余裕がある模様。ただし、そんな事をしながらもヤンガスさんに回復魔法を飛ばしているので集中はしている。ゼシカさんは私が牽制のために攻撃魔法を飛ばしたのを見て、後ろへと下がりエイトさんやヤンガスさんにバイキルトを掛けている。

 何というか、こう切り替えが早いと……この人達は本当に戦うという行為に慣れていると思わされる。

 感傷はとにもかくにも脇にどかしておいて、魔物が振り回す腕をくらっているように見える前衛だが、スクルトの重ねかけが効いているのかふらつく素振りは無い。所謂スクルト馬鹿戦術だが、実際に目にするとすごいものがある。牙付きの箱に盛大に横殴りにされても軽く転がる程度ですぐさま起き上がるのだ。パワーショベルに殴られても平気ですと言わんばかりの復帰速度にやっておきながら軽く絶句しかけた。

 前衛の耐久値が向上したおかげか戦闘はこちらに有利に運び、最後はリンチ状態になって魔物は腕を切り飛ばされ、頭蓋骨を砕かれて終わった。

 

「リツさん!」

「はい!」

 

 ちょっと距離があるのでエイトさんも私も声を張り上げる。

 

「今からそちらに行くので待っていてもらえますか!」

「わかりましたー!」

 

 箱の中から何かを取り出したヤンガスさんを筆頭に、中央の空間にある階段を降りていくエイトさん。たぶん、地下から行く構造になっているのだろう。ぶっちゃけ目の前にあるので、この程度の溝ならバシルーラで吹っ飛ばすとか、鉤縄とかそういうもので橋をかけるとかすればあっという間のような気がしないでも無い。

 トーポさんとまだかなぁまだかなぁと待って居ると駆け足でエイトさんが戻ってきた。

 

「ちょ、走って大丈夫ですか!?」

 

 慌ててストップと手を出すと、エイトさんは速度をゆるめた。

 

「平気ですよ。ククールが治してくれてますから」

「いや治すって……傷を塞ぐって意味でしょう? その姿見たら貧血になってるって普通思いますよ」

 

 エイトさんは、肩口からべっとりと赤く染まっている自分の身体を見下ろした。ククールさんはもとから赤いので服については染みが酷い程度だが、銀髪からは乾いた血と思われるものがパラパラと落ちている。というか、ククールさんだけでなく皆がそうだった。思わず全員の体温と脈、下瞼を確認してしまった。

 結果。いたって健康そうだった。解せぬ。真に、解せぬ。

 

「だから平気だって言ったでしょ?」

 

 くすくすと笑って言うゼシカさんだが、あのですね、あなた髪の毛が血で固まっている部分があるんですよ。判りますか? 客観的に見て、すごくホラーなのですよ。

 

「えーと……回復魔法で負傷も失った血も戻るという事は理解しましたが、それでも見た目からくるインパクトは計り知れないものがあるといいますか」

「まあコレはちょっとね」

 

 ゼシカさんは不快そうに固まったサイドの髪を摘んでパラパラと乾いた血を落した。

 

「罠にひっかかって頭を打ったのよ。結構痛かったわ」

 

 ……つまり。頭、切れたんですね。……頭蓋骨骨折しなくて本当良かったです。

 

「リツさんはどうしてここに?」

 

 ゼシカさんのセリフに慄いているとエイトさんに聞かれた。

 

「宿で待ってろって聞かなかったのか?」

 

 ついでにククールさんにも聞かれて、いえいえと手を振り否定する。

 

「状況が不明でしたので、酒場の奥に居た男性から事情を聞きまして、女盗賊さん、何と言われましたか……ええと」

「ゲルダでげすか?」

 

 王と口喧嘩しているヤンガスさんが器用にもフォローしてくれた。

 

「あ、はい。ゲルダさんからもお話を聞きまして、遅かったのでちょっと探してみようかと思ってみた次第です」

「……予想はしてましたけどね」

 

 とりあえず上に出ましょうと前を行くエイトさんは苦笑気味。

 

「闇商人の方にも言伝(ことづて)たんだけどやっぱ無駄だったか」

 

 同じように若干呆れも込めた調子でククールさんがぼやいた。

 一応、姫様見つけた時点で動く気は無かった。でも姫様が不安そうだったからなぁ。

 

「あ」

「どうしたんです?」

 

 急に声を上げた私に、エイトさんは歩を緩めて隣に並んだ。並んでくれたので益々その姿がよく観察出来る。

 

「その恰好で戻ったら姫様が驚きます」

 

 間違いないだろうなと思ってこそっと言えば、『あ』という顔をするエイトさん。

 

「ど、どうしよ」

「着替えましょう」

 

 さすがにそれは心配されると気付いたのか、慌てるエイトさんに落ち着けと肩に手を置くと、エイトさんは目を瞬かせて恥ずかしそうに視線を逸らした。

 

「ですね。えっと、でも着替えは」

「私が馬車から取ってきますので……」

 

 言いかけて、着替えただけでは髪についた血が落ちない事に気付いた。

 水を出せる事は出せるが、外は既に暗い。暗い中でちゃんと血を洗い落すのは難しいだろう。かといって姫様を長くあの場に縛る事もしたくない。まぁその辺りも交渉がどうなるかで変わってくるのだが……

 

「リツさん?」

「ええと……ゲルダさんとの交渉はとりあえずお願いします。その間に着替えを用意しますから、交渉の結果がどうであれ一旦どこかの町に飛んで整えて来てください」

「交渉って、宝石を持って行けば大丈夫ですよ」

 

 そうだろうか? どういう話をしたのか判らないが、あの女性の口ぶりや雰囲気から、そう簡単に頷くようなタイプではないと感じた。まぁ少なくとも姫様は本来私達と居たのだと認めているようなので、即ち盗品に手を出したという事を認めている事になる。ならば強硬手段に出られても文句は言えまい。言ったところで取り合う気もないが。

 素直なエイトさんはその辺の事は考えてないだろう。まぁこれだけの頭数がそろっているのだから、考えられる人間が考えればいいか。今はまだ。

 

「じゃあ交渉が終わったら小屋の前で待っていてください。こちらの支度が早く終わっても私も小屋の前で待つようにしますから」

「わかりました」

 

 こくりと頷くエイトさん。

 

「姫の様子はどうであった? 寂しがっておらなんだか?」

 

 後方でヤンガスさんといがみあっていた王がスタタっと階段を駆けあがって来た。小柄だから足元をすり抜けられたのだろうが階段でそれをやられると危ない。でも苦言を呈する気力も無いのでスルーして答える。

 

「みなさんの心配をされている様子でした」

「何事も無いのじゃな?」

「女盗賊の方も無碍に扱うというような事はされておりません。ご心配される事は無いと判断しております」

「そうかそうか、ならば早く戻って解放してやらねばな」

 

 王は特別血を被っている様子は無い。土埃はあるが、それはまあ許容範囲内であろう。これで交渉がうまくいってすぐさま姫様に突撃するような事になっても問題ないだろう。あぁでもさっさとあの場所を離れようとはするかもしれない。エイトさん達の姿に頓着せず。そうなれば姫様に見られてしまうだろうから……

 

「……ラリホー」

 

 ぼそっと呟くと、ストンと王の意識が落ちた。よし、個体指定のラリホー完成。

 

「リツさん!?」

 

 ぎょっとした顔でエイトさんが王を支えた。一応私も構えてはいたがおそるべし反応速度。

 

「皆さんが着替える暇もなく出立しようとされるかもしれないので、疲れて眠ってしまわれたという事にしてください」

「あ」

 

 その可能性に思い至ったのか、疑問から得心の表情に変わった。

 

「その方がいいだろうな」

「っていうか、ずっとその方が楽よね」

 

 ククールさんはともかく、何気に酷い事を言うゼシカさん。直接絡まれた事は無い筈だが、見ていて鬱陶しいのだろう。気持ちはわからなくもない。

 

「そんな事より早く上に出るでがすよ!」

 

 最後尾のヤンガスさんに促され、王を背負おうとするエイトさんを止めて私がバイキルトを掛けて担ぐ。血は落としづらいので、なるべく衣服は汚してほしくないし、着替えさせるのが面倒だ。と言ったら納得してくれた。

 上に出たらルーラで戻るだけなので、実質大した労力でもない。

 ゲルダさん宅へと戻ると、なかなかな姿のエイトさん達を見て覆面レスラーもどきのドアマンは驚いていたが中には入れてもらえたようだ。それを目の端で確認して私は小屋へと王を担いだまま入る。

 

『お父様!?』

「大丈夫ですよ。疲れて眠ってしまわれただけですから」

 

 意識が無い王を見て姫様が狼狽えたが、私の言葉にほっとしたように力を抜いた。姫様もわりかし純粋培養だ。親しくなった相手にはころっと騙されるのだろうなと考えると、何か教訓でもあった方がいいのではないかと思う反面、この純粋培養を守れるだけの人間がいれば保っていて欲しいとも思う。個人的に見ていてほっこりするのは後者なので、王の手腕に期待したいところだが……鼾をかきはじめている王を見ると望み薄な気がしてならない。

 とりあえず荷台にスペースを作って王を横にし、毛布を掛けておく。

 

「エイトさん達も無事に戻ってこられましたよ。今はあの女性と話をしているところです」

『そうですか……良かった』

 

 心底ほっとしたように微笑む姫様に、私も自然と顔が綻んだ。

 

「姫様はお変わりありませんでしたか?」

『はい。夜分ですから、特に誰かが来るという事もありませんでした』

 

 不届きものは無しか。仕掛けは意味を成さなかったようだが、使う機会が無いというのならそれに越したことはない。

 交渉がどちらであろうと離れる準備だけは必要だろうと、ハーネスの準備をしようとしたら小屋の戸が開いた。

 

「こっちに居たのか」

 

 入ってきたのはドアマン。何事かと身構えかけた私を見て男は両手を上げた。

 

「そう警戒するな。馬車の用意をするだけだ」

「馬車の用意?」

「なんだかんだ言って、あんたらがビーナスの涙を取って戻ってくるって信じてたみたいだ」

 

 言いながら男は姫の前の囲いを外した。

 

「……返却する気はあった。だから、荷台の荷物もそのままだった。という事ですか?」

「ゲルダ様は盗賊だが悪党じゃない」

 

 今いちその辺の感覚は私には判別しかねるが、義理人情的なものがあると言いたいのだろう。たぶん。そうですかと相槌をうちながら二人で馬車の準備をして、荷台から着替えを取って男と一緒に小屋の外へと出る。

 まだエイトさん達の姿はなく、話が続いているのだろうと思われた。

 

「思うに……」

 

 不意に言葉を発した覆面男に視線を向けるとこちらを見ていた。どうも観察されていたようだ。

 

「あんたは偉い人なんじゃないのか?」

「偉い人? とは?」

 

 漠然とした質問に問い返せば、男は説明するのがもどかしそうに覆面の上から頭を掻いていた。

 

「あのヤンガスって男は俺達と同じむじなだろ? 他のガキはガキだとして、あんたはやけに上品なんだよ」

「その気になればガキ三名も上品には出来ると思いますよ」

 

 ゼシカさんは家柄的に躾られているだろうし、ククールさんも騎士団と名のつくものに所属していたなら、ある程度のものはあるだろう。エイトさんに至っては王や姫様と直接言葉を交わす事が出来る立ち位置に居る。

 

「まじか……」

「馬と馬車を返却頂ければ特別こちらに拘る事柄はありませんよ」

「……本当だろうな?」

 

 空いた目の部分から鋭い眼光が飛んできた。

 そんなに睨まなくてもとんずらの仕方なら職業柄心得ているのではないかと思うのだが……いや追われるという事自体普通は避けるか。いくらこの世界の住人で盗賊だと言ってもゲルダさんは女性なわけだし、いろいろと大変に――と、そこまで考えて私はお宅に視線を移し、もう一度鋭い眼差しでこちらを睨んでいる男を見て、なるほどと納得した。理解してしまうと簡単な事で、思わず笑ってしまった。

 私の苦笑に、男は憮然とした雰囲気で視線を逸らした。

 

「すみません。まぁ……何と言いましょうか。いろいろと私達も急ぐ旅路でして、かかずらっていられないというのが本音です」

「そうか……まぁそれならそれでかまわない」

 

 やや気まずそうに言う男は、でかい図体に似合わず可愛い。

 

「それにヤンガスさんのお知り合いという事であれば、積極的に報復するというような思考回路を持っている者はあの中には居ないと思いますよ」

「おいおい……じゃああんたは違うってのか?」

 

 おや、よく気付いた。これも愛が成せる業なのだろうか?

 

「時と場合によりけりです。あなたはゲルダさんに何かあってもそれを黙って見ていますか?」

 

 ちょっと意地悪く問いかけてみると、男は「そういう事かよ」と呟いてそっぽを向いてしまった。

 

「そういえば」

「なんだよ」

 

 ふと思い出し、不機嫌そうにこちらを見る男に聞いてみる。

 

「波打ち際のやんちゃボーイって知ってます?」

「は?」

「女盗賊のお宅付近に居るプチアーノンという種族の子らしいんですけど」

「プチアーノンならもう少し南の海岸にはうようよ居るが……」

「貝殻をもって?」

「他にどんなのが居るんだよ。あんな煮ても焼いても食え無さそうな魔物をわざわざ探してるのか?」

「ええまぁ」

「見つけてどうするんだ?」

「お話し出来るかなー、なんて」

 

 男はまじまじと私を見てきた。

 

「……変わってるな」

 

 今いろいろ呑み込んだ気配がした。

 変わってるという一言に収まったが、その裏に変人奇人という言葉が見え隠れしている。

 やっている事だけ見ればその通りなので反論も否定もする気は無いが、覆面レスラーもどきの男に言われると釈然としないものがある。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。