シズクルート   作:眼鏡最高

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第三話 島

拝啓、名も顔も知らない父上母上、今、俺は、とても幸せです。

 

船が難破し、自力で泳ぎ、たぶん無人島に着いた。南国っぽい雰囲気だ。

 

しばらくし、夜が明け、嵐も去ったようだ。びしょ濡れだから、寒い。

で、おもむろにシズクさんは茂みに隠れ、少しして湿った服を脱ぐ音が、聞こえるがな!エロす!

 

そして現れたシズクさんの御姿は…、葉っぱ水着だ!

ひゃっはー!この野郎!生きてて良かったぜ!神様あざーす!

 

ただ泳ぎ疲れていたのか、俺は葉っぱ水着に着替え、寝落ちした。

 

 

 

で、たぶん太陽の位置からして昼頃だろう。そんぐらいに俺は起きた。

シズクさんは既に起きて果物を食べていた。俺が寝てる間に周辺を歩き、果物や湧き水を見つけた、らしい。俺はシズクさんが取った果物を頂き食べた。俺って役立たず、なのかな…

 

そんな落ちた気分もなんのその!今一度、明るい日差しで見るシズクさんの葉っぱ水着は最高だった、よー!

 

葉っぱ水着は前の部分やお腹は隠れているが、横と背中がガラ空きだ!

つまり横乳が!ハンパない!背中がキレイ!たまらんぜよ!

 

俺は深く葉っぱ水着に感銘していた。

 

しかし、だがしかし、誠に残念ながら服が乾いたので、葉っぱ水着様とは御別れになられました。俺は精一杯、目に焼き付けましたマル

 

で、とりあえず俺とシズクさんは島を探検し人を探す事にした。居ればいいけど、いなかったら、どうしよ。どうか居ますように、神様お願いします。のちに、この願いは最低な形で成就する。

 

数時間ほど密林を歩き、今は水を飲みながら休憩している。水分は大事なので自分のナイフで木を切り手製の水筒を作っておいた。ちなみナイフは海に浸かったのに一本もサビていない。すげーナイフだ。

 

また密林を俺とシズクさんは歩き出した。数時間ほど歩きシズクさんが立ち止まったのて休憩だと思い、どっこいしょと地面に腰をおろしたらヒュンと風を切る音が聞こえ、顔を上げると俺が先程まで立っていた場所に矢が刺さっていた。はい?何これ?

 

矢の刺さり具合から飛んで来た方向を見ると、仮面を付け、葦の服を着てる。どっかの部族っぽい人が数十人ほど、弓を構えていた。

 

人が居ればと言ったけど!もっと平和的な人々が良かったよ!

 

そして島の部族の人達は一斉に矢を放った。ヤバ!この状態じゃ!よけれねぇ!矢がグングン俺に迫り、矢の速度がスローモーションに見えるよ。

あぁ、これ死んだかも。

 

シズクさんに出会い、風呂の匂いをスーハーし、耳掃除の声はヤバかった、寝顔が可愛かった、葉っぱ水着は最高だったな。つか、しょうもねぇ走馬灯!しかも短い!

 

矢が目と鼻の先まで迫り、シズクさんの焦ったような声が聞こえ、当たる寸前に俺は真っ黒い穴に吸い込まれるように落ちた。

 

√〻ゞ〆!?

声にならない程、痛い!!

頭がカチ割れる!

 

そして頭の中に念能力の事が一気に流れ込んできた。

だが部分的に、まだモヤがかかってる所があるな…

 

「つか凄く痛い…、シズクさんは?!」

 

上を見ると地面が透けて、地上の風景が見える。これは!パンツ見放題だ!いやいや違うだろ俺よ。今は、それ所じゃないだろ。キョロキョロ見回すと10mほど先にシズクさんを見つけた。綺麗に矢を避けてる。

 

シズクさんの足元まで歩き『ブラック・ラビット』から俺は出た。

 

普通、人が地面から出て来たら驚くと思うがシズクさんは無表情だった。まぁ今は置いておこう。矢がビュンビュン飛んで来てるからな。さっさと話さないと。

 

「シズクさん。今から俺の念能力の事を話します。『ブラック・ラビット』「黒兎の抜け穴」は地面の中を50mほど横に歩いて移動出来。『ホワイト・ラビット』「白兎の落し穴」は縦に一瞬で移動出来ます。弱点は、この念を使って攻撃すると全部が自分に跳ね返ります」

矢を避け逃げながら、俺は一気に話した。

 

「なんで、話したの」

シズクさんは無表情だが、微妙に不思議そうな顔だった。

 

「『ブラック』と『ホワイト』の念能力を話して初めて使える能力『ストレンジャー・ガイド』「異邦人の案内人」手を掴むと『ブラック』『ホワイト』が連動します」

 

俺はシズクさんの手を握り『ブラック・ラビット』を発動させた。

手が柔らか〜い。ちっちゃくて可愛いし、スベスベだ!

いや、だから違うんだ!今は、そんな時じゃない!俺よ!

邪念を振り払いシズクさんと一緒に地面に潜った。

シズクさんは地面が透けているのを見て「凄いね」と感想を呟いていた。

 

そこからは『ブラック・ラビット』で出たり入ったりを繰り返した。

 

部族の人達から逃げ延び『ブラック・ラビット』から出て、普通に歩いていた。そんな時シズクさんに声を掛けられた。

 

「話して良かったの」

 

「えっ?…念の事ですか?」

 

「うん」

 

「色々と多大に迷惑を掛けているので、俺が助けられるなら助けたいですから。それにシズクさんになら話して良いと思ったからですよ」

 

「…そう」

 

しばらく歩き、多分さっきの人達の集落が見えた。

 

また『ブラック』で潜りながら進み砂浜にカヌーっぽい舟があった。近くまで行き、見つからないように俺とシズクさんは舟に乗り込んだ。

 

いざ行かん!大海原へ!…後になって思うが航海にはしっかりと準備が必要です。海は広いよ、大きいよ。

 

島から脱出したのは良いが、凄く疲れたし眠い、念能力を使い過ぎたのか?俺はシズクさんに一言声を掛け気絶するように眠った。

 

出航して一日目、俺は殆ど寝て過ごした。二日目にはオールが流され、漂流状態に。3日目、完璧に遭難中です。幸いココナッツが三つあったので、まだ生きてます。

ココナッツが無ければ既に死んでたね、うん。

 

つか、こんな舟で外洋に出るのが間違いだった…

 

そして漂流生活の六日目に大きな船に救助されました。シズクさんは余裕そうな表情だったが、私は死ぬギリギリでした。

 

船員に飯と水を出され、ゴクゴク水を飲み、バクバク飯を食った。

水と飯が美味い!美味すぎる!こんな水と飯が美味いなんて感動で涙出る。マジ涙出る。ただ食い過ぎて、その後、俺は気持ち悪くなった。

 

一日ほどして船は近くの港に到着した。船長と船員達に御礼を言い、俺とシズクさんは船からおりた。

 

まず銀行に行きシズクさんはお金を引き出した。流石に疲れていたので、その日はホテルに泊まり俺とシズクさんはさっさと寝た。

久しぶりのベッド、フカフカだぁ。

 

お休みなさい…

 

 

 

俺は爆睡しました。

起きて時計を見ると昼過ぎだった。

シズクさんは出掛けてるようで部屋にいない。

 

ぼーっとしてたら、シズクさんが帰ってきた。

 

色々と買い物をしてきたようで、大き目の紙袋を一つ持っていた。

シズクさんは紙袋から地図を取り出し、眺めていた。

 

「仕事場所の方が、近いかな」

地図をにらめっこしながら呟いていた。

 

「俺が一緒に行っても良いなら流星街は後回しにして、先に仕事場に行きますか?」

 

「うん。じゃあ、それで」

 

そんな感じで行き先は変わり、大図書館の町に行く事になった。

 

目的地の大図書館の町まで馬車で移動する。幌馬車に揺られる長閑な旅だ。あの船旅とは大違いだな。優しいアルプスって感じだ。

 

一日ほど馬車に揺られ夜になり、今は湖畔の近くで野営している。

ちなみ同じ馬車に乗ってる人達は、お爺さんとお婆さん、父親と小さい娘、ご高齢の御者、俺とシズクさんだ。

 

そんな方々なので深夜の火の番は進んで引き受けた。

 

皆さんが寝る準備をし始めた頃、またシズクさんに耳掃除を頼まれた。嫌だが仕方なく耳掃除を始めた。何故に嫌かと言うと高確率でシズクさんは、そのまま俺の膝の上で寝る。実際は嫌じゃないが、心底困る…

 

案の定シズクさんは眠り、一人で火の番をしている。

 

丑三つ時に父親が起きて来て、軽く話し、からかわれた。

 

それから朝日が登り、お爺さんお婆さんに御者が起きてきた。

生暖かい目で見られたのが微妙な気持ちでした。

 

また馬車に揺られ、夕闇が包む頃に大図書館の町に到着した。

 

時間が時間なのでホテルに泊まり、寝た。

 


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