ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

92 / 161
こんにちは。
シャークvsアビス 5となっています。

(野 ^ω^)<クトゥルフ系のシリーズそろそろ出てきてもよくない?
極星の二の舞になる可能性大>(・Д・ 友)
Σ(゚д゚lll)

それでは、どうぞ。


第92話

「そんな…」

 

起こった出来事に俺は風景がデュエルに戻っていることも忘れ、その場に崩れ落ちた。

足元では揺れが起こり、周囲からは何かが崩れるような音がし始める。

「凌牙、この遺跡はお前の心そのもの。お前は再び、この世界でも妹を失う」

そう言うと璃緒の真下にあの時と同じく渦が現れる。

 

「大切なものを全て失う」

そう言い切った瞬間、浮かんでいた璃緒が力を失い落下を始めた。

 

失う? 璃緒を失う。

あの時と同じようにーー

「璃緒‼」

 

俺が手を伸ばした瞬間俺に一瞬影が落ちる。

それと同時に強風が俺を襲い、地面に手をつく。

 

再び顔を上げたそこには璃緒がーーいない?

何かが羽ばたく音と綺麗な嘶きが聞こえる。

 

見上げると、そこには純白のドラゴンがいた。

背に璃緒を抱きかかえた真月の姿が見える。

「ぬぅ…奴は…」

「シャーク‼ 璃緒さんは救出した‼ 後はそいつを倒すだけだ‼」

 

「…そうか…」

気絶しているのか、持たれかかったままのー安らいだ表情のー璃緒と、そんな璃緒を心配そうに見ながらも大切に支える真月を見て、俺はあることに気付く。

 

そうか、璃緒。

お前はもうーーー

 

「…ああ。任せろ、真月。コイツは俺がぶっ倒す‼」

そう言い、立ち上がった俺の前に光る1枚のカードが俺の前に降りてきた。

 

そのシルエットはあの記憶で見た姿に酷似している。

「これは…」

手に取ると光は消え、姿が露わになる。

 

「さあ、見事我を打ち倒し、記憶を取り戻し、世界を導く王となってみせよ」

「ふざけるな‼ 俺は王じゃねぇ。俺は俺‼ 他の誰でもねぇ…神代凌牙だ‼ 俺のターン、ドロー‼」

…‼ まだまだ俺のツキも死んじゃいねぇ‼

「サルベージを発動‼」

 

サルベージ

通常魔法

自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を選択して手札に加える

 

「俺は墓地のシャーク・サッカー2体を手札に戻す‼ さらに強欲なウツボを発動‼」

 

強欲なウツボ

通常魔法

手札の水属性モンスター2体をデッキに戻してシャッフルする

その後、デッキからカードを3枚ドローする

 

「この効果で俺は手札に加えたシャーク・サッカーをデッキに戻す‼」

シャーク・サッカーをデッキに差し込むとオートシャッフルが始まり、デッキが高速でシャッフルされる。

 

…俺が奴を召喚する為に必要なカードは後1枚。

この3枚のドローで俺の明暗を決する。

いくぞーー‼

「ドロー‼」

 

ドローカードは浮上、そしてーー‼

「よし‼ 俺は浮上を発動‼」

 

浮上

通常魔法

自分の墓地のレベル3以下の魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる

選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する

 

「俺は墓地のスターフィッシュを特殊召喚する‼ さらに、スターフィッシュを召喚‼ スターフィッシュの効果を2度使用し、スターフィッシュのレベルを2つ増やす‼」

 

スターフィッシュ×2 ☆3→5

 

俺のフィールドに2体のレベル5となったヒトデがフワフワと浮かぶ。

これで準備は整った‼

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ、No.94‼ 氷の心をまといし霊界の巫女、澄明なる魂を現せ‼ 極氷姫クリスタル・ゼロ‼」

 

No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ

★5 水属性 戦士族

ATK 2200

DFE 1600

水属性レベル5モンスター×2

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる

選択したモンスターの攻撃力は、自分のターン終了時まで半分になる

この効果は相手ターンでも発動できる

 

俺のフィールドで2つの球になったスターフィッシュが地面に現れた穴に飛び込むと、一際大きな爆発と共に青いドレスを見に纏った女性が現れた。

手に持っている氷の剣を振るうと94と書かれたドレスがフワリと広がる。

「クリスタル・ゼロの効果発動‼ ORUを1つ使い、相手モンスターの攻撃力を下げる‼ 俺は2度効果を発動し、アビス・スプラッシュの攻撃力を4分の1にする‼」

「アビス・スプラッシュの効果発動‼ 攻撃力を2倍にする‼」

 

No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ 2400→4800→2400→1200

 

問題ねぇ‼

「いけ、クリスタル・ゼロ‼ アビス・スプラッシュに攻撃‼」

「ぐおおお‼」

 

アビス LP3600→2600

 

クリスタル・ゼロが剣を低く構えると構えるアビス・スプラッシュ目掛けて飛び込み、すれ違い様に真っ二つに切り裂いた。

爆発が起こると共にアビス・スプラッシュが姿を消す。

「1枚伏せてターンエンド‼」

 

シャーク LP600

手札 1

モンスター 1

No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ 攻撃

魔法・罠 2

⁇?×2

 

「我のターン、ドロー‼ アビス・スプラッシュを倒したのは見事。しかし、その為にORUを使い切ったのは愚策‼ 我は墓地のスクリーチとサイバー・シャークを除外し、タイダルを特殊召喚‼ さらに、リチュア・チェインを召喚‼」

 

リチュア・チェイン

☆4 水属性 海竜族

ATK 1800

DFE 1000

このカードが召喚に成功した時、デッキの上からカードを3枚確認する

確認したカードの中に儀式モンスターまたは儀式魔法カードがあった場合、その1枚を相手に見せて手札に加える事ができる

その後、確認したカードを好きな順番でデッキの上に戻す

 

アビスのフィールドに鎖つきの短い槍をもった魚に近い姿のモンスターが現れた。

魚の顔にも関わらず、理性のようなものをみせるその顔にそら寒いものを感じる。

「リチュア・チェインの効果により、我はデッキトップから3枚を確認し、カードを入れ替える‼」

 

確認したカード

ポセイドン・ウェーブ

深海のディーヴァ

激流蘇生

 

「…1枚目と2枚目のカードを入れ替える‼ だが、もはや関係ない‼ ORUのないモンスターなど恐るるに足らず‼ ゆけ、タイダル‼ クリスタル・ゼロに攻撃‼」

「リバースカードオープン‼ ダイヤモンド・ダスト‼」

 

ダイヤモンド・ダスト

通常罠

フィールド上の水属性モンスターを全て破壊する

その後、この効果で破壊され墓地へ送られた水属性モンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える

 

「この効果により、俺のフィールドのクリスタル・ゼロ。そしてお前のフィールドのタイダル、そしてリチュア・チェインを破壊する‼」

「ぬっ…ぐお‼」

 

アビス LP2600→1100

 

ダイヤモンド・ダストから噴き出した猛吹雪が3体をあっという間に呑み込むと、姿を消した。

「くっ…だが、凌牙‼ お前のモンスターも巻き込まれフィールドは空‼」

「いいや、俺にはもう1枚のリバースカードがある。リバースカードオープン‼ エクシーズ・リボーン‼」

「なんだと…⁉」

「蘇れ、クリスタル・ゼロ‼」

「ぬぅ…‼ 1枚伏せてターンエンド‼」

 

アビス LP1100

手札 0

モンスター 0

魔法・罠 1

⁇?

 

「俺のターン、ドロー‼」

…あのリバースカード。

「ナイト・ショットを発動‼ お前のフィールドのリバースカードを破壊する‼」

ナイト・ショットから撃ち出された弾丸がアビスのリバースカードを撃ち抜くとそのままめくり、破壊した。

今のは…運命の分かれ道か…?

 

運命の分かれ道

通常罠

お互いのプレイヤーはそれぞれコイントスを1回行い、表が出た場合は2000ライフポイント回復し、裏が出た場合は2000ポイントダメージを受ける

 

「………」

「…これでトドメだ‼ いけ、クリスタル・ゼロ‼」

「ぬおおおおお‼」

 

アビス LP600→0

 

「何故、俺と璃緒にこんなことをした」

起き上がるアビスに向け、俺は疑問を口にする。

「我はそなたの命令に従ったまで。そなたの記憶を呼び戻すという命令に」

「俺の命令?」

どういうことだ?

 

「凌牙。先程の答え、ゆめゆめ忘れるでないぞ」

「おい、それはどういう」

そう言おうと顔をあげるとアビスは既に姿を消していた。

代わりにアビス・スプラッシュのカードがその場に残されている。

 

「これが…俺のナンバーズ」

あの記憶がたしかなら…俺、いや俺と璃緒は…

 

「おぉい‼」

思考の海に埋没しかけた俺の耳に聞き馴染んだ声が聞こえる。

振り向いたそこには息も絶え絶えといった様子の遊馬がいた。

「遊馬」

「も、もう終わっちまったのか?」

「ああ」

俺の言葉に遊馬はその場に倒れ込む。

相当走り回ったのだろう。

 

そんな遊馬に歩み寄ろうとすると突然揺れが起こり始めた。

遠くで水が入り込み始めている。

 

「遊馬、シャーク‼」

「真月、良かった。無事だったんだな…って、真月⁉ ど、どうなってんだ⁉」

『デュエル中ではなく、移動していたのか』

遊馬とアストラルがスターダストを見ながら何か言っているが…

「それどころじゃない‼ 役目を終えたこの遺跡はもう長くは保たない‼ 脱出しよう‼」

「お、おう‼ シャーク‼」

「わかった」

…今は後回しだ。

ともかく、ここを脱出する。

 

高度を下げたドラゴンの背に遊馬と俺も乗ると、ドラゴンは咆哮を上げ膜を突き破り海上へと飛び立った。

 

…っておい、海水が…‼




いかがでしたでしょうか?

クトゥルフはアンデットで満足するしかねぇ‼という結論に至りました。
ニャル様、組んだら是非デュエルしよう。

例によって、活動報告に裏話やらデッキレシピやら載せましたので、よろしければどうぞ。
それでは。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。