ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
シャークvsアビス 1となっております。

今更ですが、エクシーズ・ドラゴンってアレですね。
・フォース内臓(攻撃力アップは永続効果)
・闇属性、ドラゴン族というサポートに恵まれた属性、種族
・素材2体、縛りのないランク4
上位互換とはいいませんが、ブラック・ミストが可哀相になってきますね。
まあ、だからといってじゃあエクシーズ・ドラゴンを使うかと言われると…

それでは、どうぞ。


第88話

「ここもダメ、か」

 

 どのくらい歩いたか、進めども進めども行き止まりに当たっている。

 両側が壁しかなく、また似たような景色が続いていることもあってか少し疲れた。

 

「璃緒さん…」

 何処に行ってしまったのか。

 はぐれただけで俺と同じようにさ迷っているとしたら、それでいい。

 探しまわれば時期に見付かるだろう。

 だが、もしバリアンや遺跡のナンバーズに襲われたのだとしたら…

 いや、そもそもこの遺跡に辿り着いてなかったとしたら。

 

「ああもう、止め止め」

 どうにも、後ろ向きに考えてしまいがちになる。

 ともかく、歩こう。ひょっとしたら遊馬達も来ているかもしれない。

 

 そうやって気持ちを前向きに歩き出そうとしたところで空から鈍い光を放たれた。

 

「なんだ…⁉」

 見上げたそこから海水が滝のように降ってくる。

 どうやら、穴が空いたらしい。

 

 一体何が…?

 俺が身構えると、海水の中にゆらゆらと人影が現れた。

 その人影は躊躇いなくこちらに歩を進めると出てきた。

 

「お前は…」

「ドルべ…⁉」

 

 

「そなたを待っていました、神代凌牙」

 

 なんの感情もこもっていないような瞳で俺を見つめながら璃緒に取り憑いているらしい存在が呟いた。

「璃緒…じゃねぇな、誰だお前」

「我が名はアビス」

 

 そう告げると璃緒の背後にうっすらと巨大な男の姿が現れる。

 コイツが璃緒を操ってやがるのか…‼

「我とそなたは戦うべき運命にある。目覚めよ、我が力を受け継ぎし者よ」

 

 受け継ぎし者…?

「何を言っているのか知らねぇが、デュエルしたいってんならやってやる‼ だから璃緒を放せ‼」

「勿論。我を倒すことができたならば」

「いいだろう。お前をぶちのめして璃緒を取り戻す‼」

 

「デュエルディスク、セット‼ Dゲイザー、セット‼」

 

「「デュエル‼」」

 

 シャーク LP4000

 アビス LP4000

 

「先攻は俺が貰う‼ 俺のターン、ドロー‼」

 いい手札だ。

 

「スターフィッシュを召喚‼ さらに、水属性モンスターが召喚されたことにより、シャーク・サッカーを特殊召喚する‼」

 俺のフィールドにフワフワと漂うヒトデとコバンザメが現れる。

 2体のモンスターのレベルは3。

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来い、ブラック・レイ・ランサー‼」

 

 俺のフィールドに爆発と共にもはや見慣れた黒い姿に真紅の槍を持ったモンスターが現れる。

 赤い槍を振り回すと切っ先を相手に向けて構えた。

「フフフ…この瞬間、手札のドラゴン・アイスの効果を発動‼」

「何…⁉」

 このタイミングでだと…⁉

 

 ドラゴン・アイス

 ☆5 水属性 ドラゴン族

 ATK 1800

 DFE 2200

 相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、自分の手札を1枚捨てる事で、このカードを手札または墓地から特殊召喚する

「ドラゴン・アイス」はフィールド上に1枚しか表側表示で存在できない

 

「手札のカードを1枚墓地に送り、特殊召喚する‼」

 アビスのフィールドにドラゴンらしさの見当たらない日本足で立つドラゴンが現れる。

 まるで黒い布のような羽を羽ばたかせるとそのままフィールドに降り立った。

「さらに、墓地に送った海皇の重装兵の効果発動‼」

 

 海皇の重装兵

 ☆2 水属性 海竜族

 ATK 0

 DFE 1600

 このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分のメインフェイズ時に1度だけ、自分は通常召喚に加えてレベル4以下の海竜族モンスター1体を召喚できる

 また、このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する

 

「我が選ぶ対象はブラック・レイ・ランサー‼」

 宣言と共に墓地へと続く穴が開かれるとそこから両手に盾を備えた魚がブラック・レイ・ランサーの胸を高速で貫き、破壊してしまった。

「くっ…1枚伏せてターンエンド‼」

 

 シャーク LP4000

 手札 3

 モンスター 0

 魔法・罠 1

 ⁇?

 

 俺のリバースカードは強制脱出装置。

 これで次のターン、エクシーズ召喚した瞬間にコイツを発動し、フィールドを空にしてやる。

「我のターン、ドロー‼ 我はフィールドに水属性モンスターがいるので、サイバー・シャークを召喚する‼」

 

 サイバー・シャーク

 ☆5 水属性 魚族

 ATK 2100

 DFE 2000

 自分フィールド上に水属性モンスターが存在する場合、このカードはリリースなしで召喚する事ができる

 

 フィールドに顔や脳に当たる部分が機械化しているサメが現れる。

 目に当たる赤い部分が怪しく点滅すると、そのまま俺へと視線を注いだ。

 

「…何か張っているな?」

 アビスの言葉に俺は顔に出さないまでも気を引き締める。

 さあ、来やがれ…‼

 

「カードを1枚伏せる‼ そして、2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れよ、アーティファクト−デュランダル‼」

 

 アーティファクト−デュランダル

 ★5 光属性 天使族

 ATK 2400

 DFE 2100

 レベル5モンスター×2

 1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる

 この効果は相手ターンでも発動できる

 ・フィールド上でモンスターの効果が発動した時、または通常魔法・通常罠カードの発動時にこのカードのエクシーズ素材をつ取り除いて発動できる

 その効果は「相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選んで破壊する」となる

 ・このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

 お互いの手札を全て持ち主のデッキに戻してシャッフルする

 その後、それぞれデッキに戻した枚数分だけドローする

 

 アビスのフィールドに爆発が起こると巨大な両手剣ーデュランダルを握る光る人型のモンスターが現れた。

 そのモンスターは軽々と剣を振り回すと構えをとった。

「それを待っていた‼ リバースカードオープン‼ 強制脱出装置‼」

 

 強制脱出装置

 通常罠

 フィールドのモンスター1体を対象として発動できる

 そのモンスターを持ち主の手札に戻す

 

「甘い‼ デュランダルの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、強制脱出装置の効果を我の魔法・罠を1枚破壊する効果に変更する‼」

「なんだと…⁉」

 

 デュランダルを吸い込もうとしていた勢いが無くなるとそのままアビスの魔法・罠ゾーンへと襲いかかった。

 「我のセットカードはリ・バウンド‼」

 

リ・バウンド

カウンター罠

フィールド上のカードを手札に戻す効果を相手が発動した時に発動できる

その効果を無効にし、相手の手札・フィールド上からカードを1枚選んで墓地へ送る

また、セットされたこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、デッキからカードを1枚ドローする

 

「1枚ドロー‼ デュランダルで凌牙にダイレクトアタック‼」

「ぐあっ‼」

 

 シャーク LP4000→1600

 

 駆けながら振り上げられた両手剣が俺目掛けて振り下ろされる。

 実際に切られたかのようなダメージに俺は思わず膝をついてしまった。

「‼ …なんだ⁉」

 

 辺りに霧が立ち込める。

 その霧はドンドン深くなり、ついにはアビスの姿すらも見えなくなった。

 

 一体、何がどうなってやがる…⁉




いかがでしたでしょうか?

え? 「ネコミミがいない。後書き詐欺じゃないか!」だって?
いるじゃないか、ネコミミ(女がやるとは言っていない)

それでは。

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