ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんばんは。
遊星vs真月 4となっています。

うっかり投稿し忘れてました。ま、まあまだ14日だし?

それでは、どうぞ。


第84話

「…俺のターン」

 

 前のターンでは、なんとか真月の猛攻を最小限のダメージでいなすことができた。

 だが、真月は今勢いに乗っていると見て間違いないだろう。

 なんとかしなければ…‼

 

「ドロー‼」

 …悪くはないカードだ。

 それにしても、これだけのカードを集めるにはそれなりに時間もかかったことだろう。

 だが、そのおかげでまだ繋ぐことはできる。

「貪欲で無欲な壺を発動‼」

 

 貪欲で無欲な壺

 通常魔法

 メインフェイズ1の開始時に自分の墓地から異なる種族のモンスター3体を選択して発動できる

 選択したモンスター3体をデッキに加えてシャッフルする

 その後、デッキからカードを2枚ドローする

 このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない

 

 選択するカード

 クイック・シンクロン 機械族

 シャインエルフ 魔法使い族

 マッシブ・ウォリアー 戦士族

 

「2枚ドロー‼」

 ドローカードを確認し、墓地とエクストラの内容を思い出した俺の脳裏に一本の光り輝く線が現れた。

 その線は手札と墓地、エクストラのカードを繋げていき、一連の流れを作り出す。

「マッシブ・ウォリアーを召喚する‼」

 

 マッシブ・ウォリアー

 ☆2 地属性 戦士族

 ATK 600

 DFE 1200

 このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる

 このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない

 

 俺のフィールドに岩のようなどっしりとした姿の屈強な戦士が現れた。

 赤い色をした双眸はまっすぐに真月のフィールドを見つめる。

「さらに、マッシブ・ウォリアーをリリースし、ターレット・ウォリアーを特殊召喚‼」

 

 ターレット・ウォリアー

 ☆5 地属性 戦士族

 ATK 1200

 DFE 2000

 このカードは自分フィールド上の戦士族モンスター1体をリリースして手札から特殊召喚できる

 この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分アップする

 

 マッシブ・ウォリアーが消え去ると入れ替わるようにして両肩に砲身を備えた城壁の一部分をそのまま切り取ったような大柄な戦士が現れた。

 開かれた穴の奥から黄色く瞳が光り、モンスターを見つめる。

「ターレット・ウォリアーの効果により、マッシブ・ウォリアーの攻撃力分攻撃力があがる‼」

 

 ターレット・ウォリアー 1200→1800

 

「攻撃力1800…このターン攻撃できないモンスターをその攻撃力のまま残しておくわけがない…ですよね?」

「ああ」

 真月の軽口に俺も返す。

 真月にも俺の思惑がしっかり理解できているらしい。

 ならば、動くのは当然‼

 

「死者蘇生を発動‼ 墓地のクイック・シンクロンを特殊召喚する‼」

 そう宣言すると俺のフィールドに再びクイック・シンクロンが現れる。

 これでレベル5は2体。そして今この状況で仕掛けるモンスターは‼

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来い、終焉の守護者 アドレウス‼」

 

 終焉の守護者 アドレウス

 ★5 闇属性 悪魔族

 ATK 2600

 DFE 1700

 レベル5モンスター×2

 1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる

 選択したカードを破壊する

 

 俺のフィールドにいた2体が球体になり、もはや見慣れた爆発が起こると辺りがやや暗くなった。

 重苦しくもある闇に羽ばたく音が聞こえると、俺のフィールドに紅く輝くナイフをもった全身黒ずくめの悪魔が現れた。

「アドレウスの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、相手のレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを破壊する‼」

 

 俺の指示に従ったアドレウスは大きく翼を広げるとそこから一斉に無数の羽をレッドアイズ目掛けて飛ばした。

 レッドアイズが苦しそうにもがくも、爆発と共に姿を消す。

「1枚伏せてターンエンド‼」

 

 遊星 LP950

 手札 0

 モンスター 1

 終焉の守護者 アドレウス 攻撃

 魔法・罠 1

 ⁇?

 

 

 さて、困った。

 遊星のフィールドにはアドレウスがいる。

 なにかとティラスと見比べられては『残念な奴』という評価を受けてはいるが、表側表示限定とはいえ残りライフ1250で破壊効果は厄介だ。

 破壊しなくてはならないが、あのリバースカード…何かある。

「俺のターン、ドロー‼ 聖刻龍ードラゴンヌートを召喚‼ さらに、除外ゾーンに光属性モンスターが3体いるので、ライトレイ・ソーサラーを特殊召喚する‼」

 

 ライトレイ・ソーサラー

 ☆6 光属性 魔法使い族

 ATK 2300

 DFE 2000

 このカードは通常召喚できない

 ゲームから除外されている自分の光属性モンスターが3体以上の場合のみ特殊召喚できる

 1ターンに1度、ゲームから除外されている自分の光属性モンスター1体を選択してデッキに戻し、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択してゲームから除外できる

 この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない

 

 俺のフィールドに青のラインの入った純白の服を着込んだ魔法使いが現れた。

 青と白の仮面の奥にある瞳はまっすぐにアドレウスとその奥にいる遊星を捉え、微笑を浮かべる。

「ライトレイ・ソーサラーの効果発動‼ 除外しているアレキサンドライドラゴンをデッキに戻し、アドレウスを除外する‼」

「何っ…⁉」

 

 ライトレイ・ソーサラーが両手の間に明るく輝く球体を生み出すとアドレウスに投げつけた。

 アドレウスが叫び声をあげながら姿を消す。

 

 カオスカウンター 6→7

 

『これで相手のフィールドはガラ空き…‼』

「この攻撃が通れば真月の勝ちだ‼」

「零君‼」

 

「いけ、トライホーン・ドラゴン‼」

 悪魔龍が雄叫びをあげ、勢いそのままに片手を振り上げる。

 振り上げた爪がギラリと鈍く輝き、踏み込むと同時にまっすぐ振り下ろされ、直前で止まった。

 

「何⁉」

 

 驚く俺の目にトライホーンの巨体を上回る重機の姿が見える。

「ドボク・ザーク…⁉」

「俺はエクシーズ・リボーンを発動した。この効果により、墓地から重機王ドボク・ザークを特殊召喚し、このカードをORUとする‼」

「エクシーズ・リボーン…‼」

 

 土壇場でそのカードを伏せていたとは…‼

「…バトルを中断‼ 2枚伏せてターンエンド‼」

 

 真月 LP1250

 手札 1

 モンスター 3

 ライトレイ・ソーサラー 攻撃

 トライホーン・ドラゴン 攻撃

 聖刻龍ードラゴンヌート 攻撃

 魔法・罠 3

 混沌空間(カオスカウンター 7)

 ⁇?×2

 

 後一歩で勝ち損ねてしまった。

 一度目を通しただけのデッキに己の全てを預ける…これが不動遊星のデュエルか。

 面白い。俄然やる気が湧いてきた。

 こんな手に汗握るデュエル、ミザエル以来だ。

 不動遊星に勝つ‼

 勝ってみせる‼




いかがでしたでしょうか?

いやぁうっかりうっかり。
少し先の展開について悩んでいました。
いやまあドルべがね…?

それでは。

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