ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
次回に向けての導入回です。

待たせたな!

それでは、どうぞ。


第80話

翌日、ネオドミノシティに帰る前に世話になった遊馬と共に真月にもう一度顔を出そうと俺は病室へとやってきた。

だが…

 

「いない?」

 

部屋に入ってみるとベッドの上には綺麗にたたまれた掛け布団と枕が置かれてあり、そこに誰かがいたという痕跡は残されていなかった。

 

「…ん? なんだよ?」

俺の後を続くように入ってきた遊馬が空中を見るとそのまま窓際まで近付いていく。

おそらく、アストラルという存在がいるのだろう。

 

「なんだこれ」

「どうした?」

紙を手に持つ遊馬に近付き紙面を覗き込む。

そこにはただ一言だけ

 

屋上にて待つ

 

それだけが書かれてあった。

 

「屋上?」

「遊馬、これは真月の字で間違いないか?」

「え? あ、ああ。この字は真月の字だ。間違いねぇ」

…襲われた可能性も考慮してみたが、どうやらその可能性もあまり高くはないようだ。

ともかく、屋上へ向かおう。

そこに真月がいるはずだ。

 

 

俺達が階段をあがり、屋上に到着すると、真月と妹シャークが並んで座っていた。

ドアの開く音に気付いたのか、こっちを見ると立ち上がる。

「おはよう。遊馬、アストラル」

「おはようございます。遊馬君、アストラル」

『おはよう』

「こんなとこで何してるんだ?」

「ちょっとな」

『それは?』

 

アストラルが何かに気付いたらしく、視線の先を辿ると輪ゴムで縛られたデッキがあった。

 

「これは…」

「真月」

遊星さんがゆっくりと近付いてくる。

それに合わせ、真月も遊星さんへと視線を向けた。

 

「おはようございます、遊星さん」

そのまま真月は頭を下げる。

 

「おはよう、真月。ここに呼んだ理由を聞いてもいいか?」

そうだった。

真月の奴、なんだってこんな場所に…?

 

「俺とデュエルをしてください」

真月はまっすぐに遊星さんを見据え、不敵な笑みを口に浮かべる珍しい表情をしながら言い放った。

 

 

「デュエルを?」

「はい。 …ただし」

そう前置きすると真月は持っていたデッキを投げて渡してきた。

「遊星さんにはそのデッキを使ってほしい」

 

「………」

このデッキでデュエル…?

「…中身を見てもいいのか?」

「はい」

 

真月に了承をとり、俺は輪ゴムを外すとカードをめくった。

「‼」

このカードは…‼

 

全てのカードに目を通し終え、バッと真月の顔を見ると

「遊星さん、俺とそのデッキでデュエルしてください」

先程と変わらず、そう言う。

 

「真月、カードを見ただけなんだぜ? いくらなんでもそれは」

真月の物言いを見かねた遊馬がそう言いながら俺達の間に入る。

 

「確かに、俺も無茶なことを言っているとは思う」

「じゃあ」

「でも、遊星さんならそのデッキを使いこなせると思うんだ。 …ですよね? 遊星さん」

「…ああ。やってみせる」

そう言う俺の口角が自然とあがるのが自分でもわかる。

 

真月がどういうつもりでこのデッキを組んだのか、俺にはわからない。

だが…このデッキを使う以上、俺は全力を出そう。

それが、真月とこのデッキに対する俺の答えだ。

 

「いくぞ、真月‼」

「来い、遊星さん‼」

 

「「デュエルディスク、セット‼ Dゲイザー、セット‼」」

 

ARビジョン リンク完了

 

「「デュエル‼」」




いかがでしたでしょうか?

テストの成果は…まあ、うん。
のんびりやっていきますので、お付き合いお願いしますm(_ _)m
それでは。

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