ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
真月vs亡霊 3となっております。

アクションデュエルでDホイール使うとすごいことになりそうなんて思うこの頃。

「見よ!これがデュエルの最強進化型!アクショーン!」
「「デュエル!」」
「アクセラレーション!」

…遊矢ほったらかしで遊星さんがロケットスタートする絵しか浮かばないんだが。
それでは、どうぞ。


第60話

 亡霊 LP3600

 手札 1

 モンスター 2

 インフェルニティ・デーモン 攻撃

 No.85 クレイジー・ボックス 攻撃

 魔法・罠 0

 

 真月 LP1600

 手札 2

 モンスター 3

 竜魔人 クィーン・ドラグーン 攻撃

 トライホーン・ドラゴン 攻撃

 サイバー・ヴァリー 攻撃

 魔法・罠 1

 ⁇?

 

「クレイジー・ボックス…」

 

 何故ここに?

 ここのナンバーズは覚えてはいないが、少なくともクレイジー・ボックスではなかったのは確かだ。

 遺跡1つにつき、カードは1枚のはず。

 …ここに2枚置かなければならないような何かがあるのか?

 それに…

 

「………」

 俺にはクレイジー・ボックスの存在が脳裏にパンドラの箱を浮かばせる。

 パンドラの箱…開けてはいけない箱。

 …まさかな。

 

「クレイジー・ボックスの効果発動‼」

 そう叫ぶ声にそちらを見るとORUがサイコロになり高く跳ね上がるとゴロゴロと転がり、4の数字が出た。

「フィールドのカード1枚の効果を無効にする‼ 無効にするのはクレイジー・ボックス‼」

 

 ‼ クレイジー・ボックスの効果を無効。

 ということはつまり、クレイジー・ボックスの「攻撃できない」の部分が無効になったということ…‼

「いくぞ‼ クレイジー・ボックスでクィーン・ドラグーンに攻撃‼」

「ぐあっ…‼」

 

 真月 LP1600→800

 

 目の部分から発射された光線がクィーン・ドラグーンを貫く。

 すると、クィーン・ドラグーンが撃ち抜かれた場所と同じ場所に今回のデュエル中最大にして強烈な痛みが走り、俺はたまらず胸を押さえ、膝をついた。

 わかってはいたが…やはりこれは闇のデュエルか…‼

 

「インフェルニティ・デーモンでサイバー・ヴァリーに攻撃‼」

「ッ…サイバー・ヴァリーの効果発動‼ このカードを除外し、1枚ドロー‼ バトルフェイズを終了する‼」

「フン…1枚伏せてターンエンド」

 

 亡霊 LP3600

 手札 0

 モンスター 2

 インフェルニティ・デーモン 攻撃

 No.85 クレイジー・ボックス 攻撃

 魔法・罠 1

 ⁇?

 

 あのセットカードは疑いようもなく、インフェルニティ・ブレイク。

 手札は0。墓地にはネクロマンサーとガーディアンかデーモンのどちらかがいる。

 ということは、確実に一度は止められるということ。

 問題はいつ来るか、だが…

 ともかく、慎重に立ち回ろう。

 

「俺のターン、ドロー‼」

 ドローカードは…よし、テラ・フォーミング。

「テラ・フォーミングを発動‼ デッキから混沌空間を手札に加える‼」

 

 問題はここからだ。

 あのリバースカードは、某グラサンバンダナ男よろしくリストバンドから取り出したりでもしない限り、インフェルニティ・ブレイクで間違いない。

 墓地にはクレイジー・ボックスのユニットだったインフェルニティがいる。

 手札は0。確実に狙ってくるだろう。

 

 混沌空間。

 こいつを発動し、Sinスターダストを特殊召喚できれば、ランク8をエクシーズ召喚できる。

 奴にターンを与えれば、残りライフが800しかない俺は間違いなく蹴散らされるだろう。

 一応、俺のエクストラにはランク8は不乱健以外にもいる。

 だが、混沌空間を破壊されるとこのデュエルはこのまま負けかねない。

 

「何を黙り込んでいる、闇の王‼ 何もしないというのならターンをこちらに回せ‼ トドメをさしてくれる‼」

 

 苛立ったような亡霊の声が小鳥の口から吐き出される。

 いずれにせよ、決めるしかない。

 これは賭けだ。

 伸るか反るか…俺は俺の運に賭ける‼

 

「…混沌空間を発動‼」

 フィールドが森と古城の風景から至るところで小規模な渦のある空間へと姿を変えた。

 

 どうだ、来るか…⁉

 祈るような想いで、ポーカーフェイスを保ったまま相手を見るが、相手は動く気配がない。

 賭けに勝った‼

 

「エクストラデッキのスターダスト・ドラゴンを取り除き、現れろ‼ Sinスターダスト・ドラゴン‼」

 

 カオスカウンター 0→1

 

 俺のフィールドに身体の一部に黒い鎧を装着した純白のドラゴンが現れると嘶きを上げた。

 まだ発動する動きはない。

 ということは、おそらくエクシーズモンスターを狙っているのだろう。

 しかし、もう遅い‼

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来い、神竜騎士フェルグラント‼」

 

 神竜騎士フェルグラント

 ★8 光属性 戦士族

 ATK 2800

 DFE 1800

 レベル8モンスター×2

 1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる

 このターン、選択したモンスターの効果は無効になり、このカード以外のカードの効果を受けない

 この効果は相手ターンでも発動できる

 

 エクシーズ召喚時に開く穴が空に開かれ、Sinスターダストとトライホーンの2体が穴へと向かいながら球体になり、穴へと飛び込む爆発が起こる。

 爆炎の中、龍の嘶きと共に爆煙に龍の影がちらりと見えると爆煙が散らされ、白と黄色を基調とした騎士が現れた。

 マントをはためかせ、手に持つ剣の切っ先をまっすぐに相手へと向ける。

 

「それを待っていた‼ リバースカードオープン‼ インフェルニティ・ブレイク‼」

 

 インフェルニティ・ブレイク

 通常罠

 自分の手札が0枚の場合に発動できる

 自分の墓地の「インフェルニティ」と名のついたカード1枚を選択してゲームから除外し、相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する

 

「墓地のインフェルニティ・デーモンをゲームから取り除き、フェルグラントを破壊する‼」

 そう叫ぶと頭上から雷がフェルグラント目掛けて落ち、土煙りが舞った。

 土っぽい視界がゆっくりと晴れたそこに、先程と変わらないフェルグラントの姿が現れる。

 

「なんだと⁉」

「残念だったな。フェルグラントはORUを1つ取り除くことで選択したモンスターの効果を無効にし、この効果以外の効果を受けない‼」

 やっぱり、不乱健はやめて正解だったな。

 

「インフェルニティ・ブレイクの効果に対し発動することで破壊から身を守ったのか…‼」

「いくぞ‼ フェルグラントでインフェルニティ・デーモンに攻撃‼」

「ぐっ…‼」

 

 亡霊 LP3600→2600

 

 フェルグラントが一歩の踏み込みでデーモンの眼前に迫り、振り上げていた剣をそのまま振り下ろした。

 

「ターンエンド‼」

 

 真月 LP800

 手札 1

 モンスター 1

 神竜騎士フェルグラント 攻撃

 魔法・罠 2

 混沌空間(カオスカウンター 1)

 ⁇?

 

 フェルグラントを召喚したことで、悪い流れをなんとか断ち切れたように感じる。

 少なくとも、フェルグラントがいればクレイジー・ボックスの5の効果を受けることはない。

 

「私のターン、ドロー‼ クレイジー・ボックスの効果発動‼」

 サイコロが高く舞い上がるとコロコロと転がる。

 俺が出て欲しい目は1か6。来い…‼

 

 勢いを無くしたサイコロがコロコロと1、5、6、2を見せながら転がる。

 段々動きが鈍くなり、5から6へと出目が移り、2へと移ろうとする。

 止まれ、止まれ…‼

 6がグラグラと揺れ…

 

「何…⁉」

 

 2へと出目が動き、そこで止まった。

 2…1枚ドローする効果。

「ドロー‼ …1枚伏せる。そしてインフェルニティ・ガンを発動‼」

 

 インフェルニティ・ガン(制限カード)

 永続魔法

 1ターンに1度、手札から「インフェルニティ」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る事ができる

 また、自分の手札が0枚の場合、フィールド上のこのカードを墓地へ送る事で、自分の墓地の「インフェルニティ」と名のついたモンスターを2体まで選択して特殊召喚する

 

「インフェルニティ・ガンの効果発動‼ このカードを墓地に送り、蘇れ‼ インフェルニティ・ネクロマンサー‼ インフェルニティ・ガーディアン‼」

 インフェルニティ・ガンが姿を消すと入れ替わるようにしてネクロマンサーとガーディアンが現れ、守りの体制に入った。

 

「ターンエンド‼」

 

 亡霊 LP2600

 手札 0

 モンスター 4

 インフェルニティ・ネクロマンサー 守備

 インフェルニティ・ガーディアン 守備

 No.85 クレイジー・ボックス 攻撃

 魔法・罠 1

 ⁇?

 

「俺のターン‼」

 クレイジー・ボックスのORUが無くなったことで効果に身構える必要はなくなった。

 しかし、少々まずい事態なのは変わりない。

 

 インフェルニティ・ガーディアンのハンドレス時の効果だ。

 ハンドレスの時、あのカードは鉄壁の盾となる。

 まず破壊による突破はできない。

 さらにあのリバースカード、あのカードが闇次元の解放ならデーモンが特殊召喚される。

 

 鉄壁のガーディアンと、同じレベルにして展開の頭となるデーモン。

 

 その2体が揃った時、既にギリギリの俺に勝機は訪れないだろう。

 となれば、このターンでケリをつけるしかない。

 頼むぞ、俺のデッキ。

 

「ドロー‼」

 

 ドローカードは…エレキテルドラゴン。

 違う。今欲しいのはお前じゃない。

「リバースカードオープン‼ 凡人の施し‼」

 

 凡人の施し

 通常罠

 デッキからカードを2枚ドローし、その後手札の通常モンスター1体をゲームから除外する

 手札に通常モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る

 

「2枚ドローし、手札のエレキテルドラゴンを除外する‼」

 

 カオスカウンター 1→2

 

 ドローカードは…よし‼

「墓地のSinスターダストとエクリプス・ワイバーンを取り除き、カオスソルジャー‐開闢の使者‐を特殊召喚‼」

 

 カオスカウンター 2→4

 

「エクリプス・ワイバーンの効果により、レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを手札に加える‼」

 除外されているエクリプス・ワイバーンが口を開くと俺に向けて光線を吐いた。

 その光線はカードの姿を形取ると、そのまま1枚のカードになる。

 

「カオスソルジャーの効果発動‼ このターンのカオスソルジャーの攻撃権を放棄し、インフェルニティ・ガーディアンをゲームから取り除く‼」

 俺の言葉にカオスソルジャーは飛びかかり、そのままインフェルニティ・ガーディアンを貫いた。

 切っ先に開かれた穴が凄まじい吸引と共にガーディアンを吸い込んでいった。

 

「死者蘇生を発動‼ 蘇れ、トライホーン・ドラゴン‼」

 墓地へと続く穴からぬっと三本角が現れる。

 そのまま赤い目をギラギラとさせながらトライホーン・ドラゴンがせり上がってきた。

 

 …今から召喚するコイツは、俺のとっておきだ。

 正直なところ、俺自身も何処まで保つかわからない。

 でも、これ以上デュエルを長引かせるわけにもいかない。

 

「…よし。俺は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼」

 

 俺がこれからエクシーズ召喚するモンスターを知ってか知らずか、雲の流れが早まり、風が荒々しく吹き、休んでいたであろう鳥が我先にと逃げ出していく。

「なんだ…⁉ 何が起こる…⁉」

 小鳥を通した亡霊の困惑する声が聞こえる。

 しかしもう遅い。

 

「エクシーズ召喚‼」

 

 俺の言葉と共に球体となったカオスソルジャー、トライホーン・ドラゴンが現れた穴へと飛び込み、爆発が起こる。

 

「来い、聖刻神龍ーエネアード‼」




いかがでしたでしょうか?

「アクションデュエル!」
「アクセラレーション!」

・馬に乗って走るアテム
・ネオスに乗って飛ぶ十代
・Dホイールで疾走する遊星
・Dホイール的な乗り物(漫画版参照)に乗って追いかける遊馬
・そこそこ早いカバに乗って走る遊矢

…アカン。遊矢またゴーグル付けてまう。
それでは。

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