片付けしていたら抱き合わせで買ってそのままだったギレンの野望が出てきたので、連邦でプレイ中。
ギレンが戦艦で前線に出てきたり、ソロモンが無血開城されたり、デギンがソーラ撃たれたのに助かったり、V作戦無くても攻略できたりとカオスな一年戦争を繰り広げています。
それでは、どうぞ。
ドゴォンッ‼
開いた抜け穴に飛び込むと背後でそんな音がした。
振り向くと、抜け穴が塞がれている。
どうやら、危機一髪だったらしい。
この程度、本来の力が使えればなんともないものを…ッ‼
「おい」
凌牙の声にそちらを見ると凌牙は例の壁画の近くにいた。
側まで行き、ザッと見るとどうやら先程の続きらしいことがわかる。
「先程の続きのようだーーー」
騎士達の謀反を知った英雄は城に駆け付けた。
そして彼らに訴えた。
いかなる時でも、心に掲げた正義を。仲間との絆を思い出してほしい、と。
かつての仲間は英雄に刃を向けたのだった。
英雄には仲間を切ることはできない。
彼は無抵抗のまま、仲間の剣に傷つき、倒れた。
その時だった。
愛馬ペガサスが主人を守ろうと騎士達の前に立ちはだかった。
自分を犠牲にして、英雄を守ろうとしたのだ。
「………」
「続きはどうなったんだ?」
「…ここまでだ。ここから先の部分が…」
どうやら剥がれて砕け散ったのか、ここまで来た誰かが剥がしたのか…無くなっており、読むことができない。
「くそっ、遺跡のナンバーズの手がかりになるかもしれないってのに…‼」
そうやって憤る凌牙を尻目に、私は伝説を読み返しながら読んでいるうちに段々と明確化した1つの疑問を考え始めた。
何故、私はこの伝説を知っているんだ?
先程、壁画を読んだ時からずっと疑問に思っていた。
私は、この伝説を何故か知っている。
ここに来たことがあるのか?
いや、そんなはずはない。
ここに来たことがあるのなら、見覚えがあってもいいはず。
ならば、本で知ったか?
私は、人間界に訪れた時には本を持って帰ってくるようにしている。
その中にあったのか…?
いや、私が読む本とジャンルが違う。
そもそも、この遺跡を記した本があるのなら、もっと人間の来ていた痕跡が残っているはず。
しかし、だとすればこの遺跡の伝説を知るはずが…
遊馬 LP1400
手札 0
モンスター 1
No.6 先史遺産アトランタル 攻撃
魔法・罠 1
⁇?
マッハ LP1850
手札 0
モンスター 1
No.44 白天馬スカイ・ペガサス 攻撃
魔法・罠 1
炎舞ー「天枢」
「私のターン、ドロー‼ スカイ・ペガサスの効果を発動‼ 対象はアトランタル‼ さあ、どうする‼」
どうする…‼
ライフは残り1400。
ライフを払えば、残りライフはたったの400。
アトランタルの攻撃力2600はスカイペガサスに勝ってはいるけど、心許ない。
かといって、ここでライフを払わなければ、リバースカードが1枚しかない俺は絶対絶命。
しかもマッハはまだ通常召喚をしてねぇ。
手札のカードにライフ以上の攻撃力のモンスターがいたなら…‼
[遊馬‼]
そうやって悩んでいると玉越しにシャークの声が聞こえてくる。
「シャーク‼」
[遊馬、俺達のことは気にするな‼ アトランタルを破壊して自分を守れ‼]
「俺達はお前の枷になりたいわけじゃねぇ‼」
これ以上、足枷になるのはごめんだ。
遊馬のことだ、少なくともこのターンを乗り切るだけの何かがあるはず。
このターンを乗り切ることができれば、遊馬なら次のターンで巻き返すはずだ。
「仲間を守れ‼ アトランタルを守るんだ、遊馬‼」
その時、そんなことを叫ぶナッシュの声が背後から聞こえた。
「テメェ、適当なことを…‼」
「私は‼ この伝説の続きを知っている‼」
そうナッシュに近付こうとした俺を、言葉で遮りながら言った。
何…?
「続きはこうだーーー」
英雄にはペガサスを見捨てることはできなかった。
彼はその場に留まり、ペガサスと共に息を引き取った。
「わからないのか⁉ この伝説は、仲間を守り、信じる気持ちを説いている‼ 遊馬、仲間を守り、私を信じろ‼」
「貴様、何故そんなことを…‼ やはりお前は‼」
バリアンなんじゃ、そう言おうとした瞬間、足元が崩れ始めた。
「なっ…⁉」
反応の遅れた俺の立っている場所も崩れる。
だが、落ちかけた俺をナッシュが反射的に伸ばした手を掴み、落ちるのを免れる。
「そうだ、私は…‼」
そう言ったところで、ナッシュの腕にある装飾が光を放ち、ナッシュ自身を包み込んだ。
一体何がどうなってやがる…⁉
「お前は…⁉」
光が収まると、旅行者ナッシュの姿はなく、代わりにそこにいて俺の手を握っているのは
「私は、バリアンだ‼」
あの、サルガッソで俺が戦った相手ーードルべだった。
いかがでしたでしょうか?
いよいよドルべがバリアンだと明かしました。
…なんか前も同じようなことがあったような(14話)
それでは。