ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
今更感がヤバイですが、お気に入りが1000人突破していたようで。
本作を気に入っていただけて感謝感謝ですm(_ _)m
これからも、最終回目指して頑張ります。

それでは、どうぞ。


第44話

 私達が走り始めて数分、玉越しに見る遊馬君は新たなナンバーズを召喚するも、トラップに止められてしまい、依然として不利は続いているようだ。

 

「遊馬…」

 そう呟く零君も、相手の思いもよらぬ強さを前に厳しい顔つきをしている。

「零君、広間が見えてきたわ」

「急ごう、そろそろ詰めデュエルが出題されるはずだ」

「ええ」

 そう言いながら足を早め、広間に足を踏み込んだ。

 Dゲイザー越しにまた別の男が現れる。

[真月]

「遊馬」

[すまねぇ。早くお前達もシャーク達も助けなきゃなんねぇのに]

 そう言って遊馬君は申し訳なさそうに顔を歪めた。

「気にするな。遊馬、俺達は大丈夫だから、お前はお前のデュエルに集中しろ。俺達は俺達のデュエルに集中する」

[ああ。頼むぜ、真月、イモシャー]

「ああ」

 

 …今、不愉快な物言いをされたけれど…まあいいわ。

 零君じゃないけれど、私達は私達の相手に集中しなければ。

 私達の結果が凌牙達を助けることに繋がるのだから。

 

「さて、璃緒さん。次はどうする?」

「私が行くわ」

 こういうのもなんだけれど、零君のフィールドを見る目は私よりも広いと思う。

 なら、私がどういう結果を出したとしても、まずは零君にフィールドを見せる。

「わかった」

 零君も理解してくれたのか、一歩引いた。

 私と男が向き合うようにして残ると、腕にデュエルディスクと手札が現れた。

 デュエルディスクにはカードがセットされている。

 

 璃緒 LP900

 デッキ残り枚数 4

 手札 2

 モンスター 0

 魔法・罠 4

 ⁇?×4

 墓地 0

 EX 0

 

 男 LP5400

 デッキ残り枚数 20

 手札 1

 モンスター 5

 人造人間 サイコ・ショッカー 攻撃

 ホルスの黒炎竜 Lv.8 攻撃

 おジャマ・キング 守備

 死霊騎士 デスカリバー・ナイト 攻撃

 ⁇? 裏側守備

 魔法・罠 3

 ⁇?×2

 地盤沈下

 EX 0

 

 このターン中に勝利せよ

 

「いくわよ、ドロー‼」

 ドローカードはサンダー・ドラゴン。

 手札のカードは成金ゴブリン、溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム。

 対する相手の手札はクリボー1枚。

 裏側守備モンスターはマシュマロン。

 

 私のリバースカードは火霊術−「紅」が2枚に、全弾発射、洗脳解除。

 相手のリバースカードはミラーフォースにスケープ・ゴート。

 

 サンダー・ドラゴンがいるということはデッキにサンダー・ドラゴンがまだ2体いるということね。

 でも、相手のフィールドにはデスカリバー・ナイトがいる。

 あのモンスターを処理しなければサンダー・ドラゴンは無駄打ちに終わってしまう。

 

 まあそれはひとまず置いておくして…結構困った状態ね。

 相手のおジャマ・キングと地盤沈下。

 あれがある限り、モンスターゾーンは埋まったままになる。

 

 さらに、それをかわしても問題はまだある。

 ホルスの黒炎竜 Lv.8は無効にする魔法カードを選べる効果をもったモンスター。

 サイコ・ショッカーはトラップカードを無効にする効果をもったモンスター。

 つまり、私の魔法・罠は封殺されたようなもの。

 

 ただ、手札のラヴァ・ゴーレム。

 このモンスターは相手フィールドのモンスターをリリース素材にする、変わった効果をもったモンスター。

 …でも、どのモンスターに使う?

 デスカリバー・ナイトがいる限りサンダー・ドラゴンは効果が使えず、ホルスがいる限り魔法が使えない。

 サイコ・ショッカーがいる限りトラップは使えず、おジャマ・キングがいる限り洗脳解除は使えない。

 どれか1体だけを残すわけにはいかない。

 

 [くっ…‼]

 玉越しに凌牙の焦るような声が聞こえてくる。

 どうすれば…どうすればライフを0にできるというの…⁉




いかがでしたでしょうか?
今回やたら短めですが、区切りがいいのでここまでということで。

最後まで読んでいただいた皆さんにヒント。
・バトルフェイズは挟まない。

それでは。

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