ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
今回からサルガッソ篇突入です。
璃緒達は真月君を救えるのでしょうか?
私は何話かけることになるのでしょうか?
それでは、どうぞ。


サルガッソ篇
第24話


 船は今のところ、とても静かな空間を順調に航行している。

 

「あ、そうだ。私お菓子を持ってきているわ」

「俺もバアちゃんからデュエル飯作ってもらったんだ‼」

 

 遊馬君達も本来の調子を取り戻したのか、ワイワイと楽しげに喋っている。

「ったく、あいつら」

「フフッ…変に緊張するよりもいいじゃない。いつもの遊馬君の方が彼らしいわ」

 そう凌牙と喋っていると、突然船が大きく揺れ、次いで操舵室に警報が鳴り響いた。

 

「な、なんだ⁉」

 遊馬君が操舵室の正面を見ると船の外に多くのモンスターがおり、船目掛けて攻撃をしていた。

「バリアンの襲撃か⁉」

『そのようだ』

「だったら…シャーク‼カイト‼行くぜ‼」

「私も行くわ‼」

「俺も行くぜ‼」

 そう言うと遊馬君、凌牙、カイトさん、私に鉄男君を加えた面々は船の上部に移動した。

 やはりというべきか…そこにもモンスターの群れで溢れている。

 

「いけ‼ 希望皇ホープ‼」

「やれ‼ シャーク・ドレイク‼」

「打ち砕け‼ 銀河眼の光子竜‼」

「いきなさい‼ 零鳥獣シルフィーネ‼」

「来てくれ‼ ブリキの大公‼」

 そうして現れた私達各々のモンスターが、モンスターをドンドン蹴散らしていく。けど…

「…手応えがない?」

 そう、なんというか…まるで、膨らんだ風船を相手にしているかのような手応えのなさを感じる。

 

『目前に突然巨大な重力場が発生したでアリマス‼』

「重力場⁉」

 そう言われて見た先には、巨大なブラックホールが現れていた。

「オービタル‼ 船をここから離れさせろ‼」

『重力場に舵がとられて…‼』

「くっ…‼ 吸い込まれるぞ‼」

「コイツらは罠だったのか…‼」

 そうして私達はブラックホールに飲み込まれてしまった。

 

 

「う…」

 うっすら眼を開くと、先程と同じ異空間の空が広がっていた。

 どうやら、なんとか無事だったらしい。

「ここは…一体…」

 起き上がって周囲を見渡すと、廃棄されてからかなりの年月が経過したのか、ボロボロになった船があり、そこにはそれぞれ船の上で戦っていた面々がいた。

「凌牙‼」

「‼ 璃緒、後ろだ‼」

「え?」

 振り向くとそこには黒いフードをすっぽりかぶった謎の人物が立っていた。

 目深にかぶっているせいか、顔を伺うことはできそうにない。

「バリアン…‼」

 

 …でも、何故だろう?

 何故か、私はこの相手を知っている気がする。

 知らないうちに何処かで会った…?

 

 [ようこそ。待っていたぜ?]

 思考に流されていた私の眼前に、ベクターの姿が映し出された。

 どうやら、少し離れてはいるものの、遊馬君達と一緒にいるらしい。

「ここは何処⁉」

 [ここは異次元の墓地、サルガッソ。貴様らが最後に見る景色だ]

 サルガッソ…それが此処の名前なのね。いえ、それよりも…

 [ベクター‼ 真月は何処だ‼]

 そう、遊馬君の言う通り。

 私は攫われた零君を探しにここまで来た。さらった張本人である彼なら零君の居場所も知っているはず…‼

 

 [真月ゥ? 今のところ生きている。今のところはなァ。でも、急いだ方がいいかもなァ?]

「待っていなさい‼今私がそこまで行って…‼」

 [おおっと、俺と戦うつもりなら、最低限目の前の奴を倒してからにしてもらおうか]

「…ッ‼」

 どうやら、目の前のバリアンも私を通すつもりはないらしい。

 そちらがそのつもりなら…‼

「貴方を倒して私は進む‼」

「デュエルディスク、セット‼ Dゲイザー、セット‼」

 

「デュエル‼」

「…デュエル」

 

 璃緒 LP4000

 ⁇? LP4000

 

「私の先攻、ドロー‼ モンスターをセット‼ ターンエンド‼」

 

 璃緒 LP4000

 手札 5

 モンスター 1

 裏側守備

 魔法・罠 0

 

 私のセットモンスターはペンギン・ソルジャー。

 何が来ても手札に戻せば、相手のフィールドはガラ空きになる。

「…俺のターン、ドロー。異次元の古戦場ーサルガッソを発動」

 

 異次元の古戦場ーサルガッソ

 フィールド魔法

 エクシーズ召喚に成功する度にそのプレイヤーは500ポイントダメージを受ける

 また、エクシーズモンスターをコントロールしているプレイヤーはそれぞれの自分のエンドフェイズ毎に500ポイントダメージを受ける

 

「? 何か変わったようには見えないけれど」

 そう、フィールド魔法を発動したわりには、フィールド魔法の影響を受け、周囲が変化したようには見えない。

「すぐにわかる。終末の騎士を召喚」

 

 終末の騎士

 ☆4 闇属性 戦士族

 ATK 1400

 DFE 1200

 このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る事ができる

 

 相手のフィールドに甲冑を身に纏った堕ちた騎士、といった風貌の男が現れた。

 口元は赤いマントに覆われ、目はゴーグルで隠し、顔を伺うことはできない。

「効果発動。デッキからBFー精鋭のゼピュロスを墓地に送る。更に精神操作を発動」

 

 精神操作(制限カード)

 通常魔法

 相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる

 このターンのエンドフェイズ時まで選択したモンスターのコントロールを得る

 この効果でコントロールを得たモンスターは攻撃宣言できず、リリースする事もできない

 

「お前のセットモンスターのコントロールを得る」

 ‼ しまった。これでは私のフィールドがガラ空きに。

「終末の騎士でダイレクトアタック」

「きゃあああ‼」

 

 璃緒 LP4000→2600

 

「うっ…くっ…‼」

「ペンギン・ソルジャーを反転召喚」

 

 ペンギン・ソルジャー

 ☆2 水属性 水族

 ATK 750

 DFE 500

 フィールド上のモンスターを2体まで選択して持ち主の手札に戻す事ができる

 

「効果によりペンギン・ソルジャー自身と終末の騎士を手札に戻す」

 これで互いにフィールドはガラ空き…でも、終末の騎士は召喚することで再び効果が発動できるようになってしまった。

「1枚伏せてターンエンド」

 

 ⁇? LP4000

 手札 3

 モンスター 0

 魔法・罠 2

 異次元の古戦場ーサルガッソ

 ⁇?

 

「…私のターン、ドロー‼」

 やっぱり、私は目の前の男に会ったことがある。

 でも一体何処で…

「ブリキンギョを召喚‼」

 

 ブリキンギョ

 ☆4 水属性 機械族

 ATK 800

 DFE 2000

 このカードが召喚に成功した時手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚できる

 

「リバースカードオープン。隠れ兵」

 

 隠れ兵

 相手がモンスターを召喚・反転召喚した時に発動できる

 手札からレベル4以下の闇属性モンスター1体を特殊召喚する

 

「終末の騎士を守備表示で特殊召喚する」

召喚を許してしまった…‼

「でも、ブリキンギョの効果により手札のブリザード・ファルコンを特殊召喚‼」

 私のフィールドに機械で作られたキンギョが現れると、隣にはブリザード・ファルコンも現れた。

 

「いきなさい‼ブリザード・ファルコン‼ 終末の騎士に攻撃‼」

「………」

ブリザード・ファルコンの起こす猛吹雪に守備表示の騎士はなす術なく破壊される。

これで‼

「続けてブリキンギョでダイレクトアタック‼」

「くっ…」

 

 ⁇? LP4000→3200

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来なさい‼深淵に潜む者‼」

 

 深淵に潜む者

 ★4 水属性 海竜族

 ATK 1700

 DFE 1400

 レベル4モンスター×2

 このカードが水属性モンスターをエクシーズ素材として持っている場合自分フィールド上の水属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップする

 また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

 このターン、相手の墓地で発動する魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない

 この効果は相手ターンでも発動できる

 

 ブリキンギョとブリザード・ファルコンが球体になりながら空へと昇り、爆発が起こるとそこには青白く発光する竜が現れた。

 

「サルガッソの効果発動。エクシーズモンスター召喚時、500ポイントのダメージを受ける」

「なっ⁉ ぁぁあああっ‼」

 

 璃緒 LP2600→2100

 

 …エクシーズ召喚をするだけでダメージを与えるフィールド魔法だったのね。

「何もないならターンを回してもらおうか」

「くっ…深淵に潜む者はORUがあるので攻撃力が500ポイントアップする」

 

 深淵に潜む者 1700→2200

 

「1枚伏せてターンエンド」

「エンドフェイズ、サルガッソの効果発動。更に500ポイントのダメージを受ける」

「きゃあああああっ‼」

 

 璃緒 LP1600

 手札 4

 モンスター 1

 深淵に潜む者 攻撃

 魔法・罠 1

 ⁇?

 

 このフィールド魔法…私はどう攻略すればいいの…⁉




いかがでしたでしょうか?
サルガッソの効果に苦しめられる璃緒に逆転の一手はあるのか⁉
璃緒の戦っている相手は一体誰なのか⁉
カイトとミザエルとドルべに出番はあるのか⁉
それでは。

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