ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
いよいよ今回、ベクターとのデュエルとなります。
真月君は勝てるのか⁉
それでは、どうぞ。


第19話

「ベク、ター…」

 

ベクター

バリアン七皇の1人にして物語を通した黒幕の1人ともいうべきバリアン。

正しく悪逆非道といった性格の持ち主で、まず間違いなくコイツが現れた時点で物事がいい方向に転がることはない。

 

「なんで…」

「俺がここにいるか、か? いいだろう教えてやる。今明かされる衝撃の真実ゥ。真月、お前は俺の隠れ蓑だったんだよ‼」

隠れ蓑…⁉

「バリアン世界からテメェの住む世界を見ていた時だ。テメェに目を付けて人格を吸い上げるまでは良かったんだが…吸い上げたテメェに俺は呑み込まれかけた。なんとか消えずには済んだが、終わってみれば俺は小さな意識の塊。テメェの維持に力をほとんど持って行かれた後だったってわけだ。苦労したぜぇ? つまんねぇ学園ラブコメ眺めさせられたり、テメェが心が折れそうになって声をかけてやったり、逆転できるよう力を貸してやったりなぁ」

 

…じゃあ、俺がここにいるのはベクターのせいだったのか。

ちょっと待て、なら

「お前がここにいる説明にはなってない」

 

そう、ベクターが俺を吸い上げたことでベクターが消えかけたことはわかった。

でもそれはベクター消滅の回避であって、ベクター復活の話ではない。

 

するとベクターは呆れたと言わんばかりに溜息を吐き、続ける。

「焦るんじゃねぇ。この俺がただ黙って眺めてるわけがねぇだろ。ずっと力を蓄えてたんだよ、テメェから身体を奪い返す為にな。そして俺はついに主導権を取り戻すことに成功した。この間、テメェがあのカードショップでデュエルした後のことだ。その時に手っ取り早くテメェが倒した奴らから力も奪ったが…一時的なものにすぎなかった」

そうか‼あの時ミザエルが言っていた大きなバリアンの力の観測は、その時のものか。

「アリトの奴からも奪ったがまだ足りねぇ。そこでミザエルから渡されたRUM‼ あれが俺に力を与えた。RUMはバリアン鉱石でできているカード。持っているだけでバリアンの力を流し込む」

 

…そしてベクター復活のキーになり、今に至るというわけか。

クソ、そうとわかっていればRUMをすぐに破棄していたものを‼

 

「さて、じゃあ俺の身体を返してもらおうか? なにせこの分身の状態ですら、いつまで保てるかもわからないんでなぁ。今度は俺がお前の意識を食らってやるよ‼」

…俺の意識を食らう。

それはつまり、俺という存在の消滅とほぼ同義ということだろう。

「…断る」

「あん?」

 

俺にはやることがある。俺は璃緒に、まだ返事を返していない。

それを伝えるために…ここで消える訳にはいかないんだ‼

 

「ベクター、お前はお前の都合で動いていてお前の都合で俺を消そうとしている」

「ああ」

「なら、俺は俺の都合で動きお前に勝つ‼ デュエルだ‼ベクター‼」

「面白ぇ‼やってみろよ、真月‼ スフィアフィールド‼」

ベクターが叫ぶと見覚えのある球体の空間が現れ俺達は取り込まれた。

 

「これで俺はバリアンとしての力を使える‼万が一デュエルの最中に俺の力が尽きたらたまらねぇからなぁ」

「デュエルディスク、セット‼ Dゲイザー、セット‼」

 

ARビジョン リンク完了

 

「「デュエル‼」」

 

ベクター LP4000

真月 LP4000

 

「俺の先攻‼ドロー‼ モンスターをセット‼ターンエンド‼」

 

ベクター LP4000

手札 5

モンスター 1

裏側守備

魔法・罠 0

 

「さあ、攻めてきな‼真月‼」

「俺のターン‼ドロー‼」

俺達の今後がかかったデュエル…出し惜しみはしない‼

「セイクリッド・グレディを召喚‼効果により手札のセイクリッドと名のついたモンスターを特殊召喚する‼ 来い‼セイクリッド・アクベス‼」

 

セイクリッド・アクベス

☆4 光属性 機械族

ATK 800

DFE 2000

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時自分フィールド上の全てのセイクリッドと名のついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする

 

「セイクリッド・アクベスの効果発動‼」

 

セイクリッド・グレディ 1600→2100

セイクリッド・アクベス 800→1300

 

「いけ‼グレディ‼ セットモンスターに攻撃‼」

「破壊したのはキラー・トマトだ‼効果発動‼」

 

キラー・トマト

☆4 闇属性 植物族

ATK 1400

DFE 1100

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時自分のデッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる

 

「効果によりデッキからキラー・トマトを特殊召喚する‼ 残念だったなァ、真月」

「まだだ‼2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ‼セイクリッド・ビーハイブ‼」

フィールドのグレディとアクベスが球体になり天へと昇ると爆発と共に赤いマントをはためかせ、白と黄色を基調とした甲冑を纏った機械戦士が現れた。

「1枚伏せてターンエンド‼」

 

真月 LP4000

手札 3

モンスター 1

セイクリッド・ビーハイブ 攻撃

魔法・罠 1

⁇?

 

キラー・トマトで出鼻は挫かれたものの、まずまずの出だしといったところだろう。

問題はベクターのデッキがどういったものなのか、というところだが…

 

「俺のターン‼ドロー‼ キラー・トマトを召喚‼ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来い‼No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル‼」

ベクターのフィールドのモンスターが球体となり昇っていき爆発しが起こる。そこから、金色の巨大なカブトムシのようなモンスターが現れた。

角の右側には自身のナンバーである66の数字が刻まれている。

 

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル

★4 闇属性 昆虫族

ATK 2500

DFE 800

闇属性レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除きこのカード以外の自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り選択したカードはカードの効果では破壊されない

フィールド上のこのカードが破壊される場合代わりに選択した自分のカード1枚を墓地へ送る事ができる

 

「ナンバーズ…‼ だが、ビーハイブには攻撃力を1000ポイントアップする効果がある‼ 突破はできない‼」

「なら試してみるか⁉ マスター・キー・ビートルでセイクリッド・ビーハイブに攻撃‼」

1000ポイントアップをわかっていながらの攻撃…何を狙っているんだ、ベクター。

「手札から収縮発動‼」

 

収縮

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する

選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる

 

「対象はセイクリッド・ビーハイブ‼」

 

セイクリッド・ビーハイブ 2500→1250

 

収縮…‼ これを狙っていたのか‼

「攻撃を続行‼ いけ、マスター・キー・ビートル‼」

「くっ…‼セイクリッド・ビーハイブの効果発動‼ ダメージステップ時ORUを1つ使いエンドフェイズまで攻撃力を1000ポイントアップする‼」

 

セイクリッド・ビーハイブ 1250→2250

 

「ぐっ…おああ‼」

 

真月 LP4000→3850

 

「1枚伏せてターンエンド‼ あっさり倒れてくれるなよ?真月」

 

ベクター LP4000

手札 3

モンスター 1

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル 攻撃

魔法・罠 1

⁇?

 

「俺のターン‼ドロー‼ リバースカードオープン‼エクシーズ・リボーン‼ 自分墓地のエクシーズモンスターを1体選択し特殊召喚‼その後このカードをORUとする‼ 蘇れ‼ビーハイブ‼ いけ‼ビーハイブ‼マスター・キー・ビートルに攻撃‼」

「くっ…」

 

ベクター LP4000→3100

 

よし、ナンバーズを破壊した。

「そして‼ セイクリッド・ビーハイブでオーバーレイネットワークを再構築‼ 来い‼セイクリッドトレミス M7‼」

すると、ビーハイブは大きく跳躍し爆発が起こると機械騎士は機械仕掛けの巨竜へと姿を変えて真月のフィールドに降り立った。

「出やがったな、トレミス」

「1枚伏せてターンエンド‼」

 

真月 LP3850

手札 3

モンスター 1

セイクリッドトレミス M7 攻撃

魔法・罠 1

⁇?

 

「俺のターン‼ドロー‼ ナンバーズを破壊するとはやるじゃねぇか、真月」

「俺もこっちに来てからのんびりダラダラとしていたわけじゃない」

「だろうな。なら、こいつはどうだ? アンブラル・アンフォームを召喚‼」

 

アンブラル・アンフォーム

☆4 闇属性 悪魔族

ATK 0

DFE 0

このカードの攻撃によってこのカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時デッキからアンブラルと名のついたモンスター2体を特殊召喚できる

アンブラル・アンフォームの効果は1ターンに1度しか使用できない

 

ベクターが呼び出したモンスターは先程までとは打って変わりモンスターの姿をしておらず、そこにはただ闇の塊のようなものが現れた。

かろうじて口のようなものと青白く発光するものがモンスターなのだと教えてくれている。

 

攻撃力0を攻撃表示?

「どういうつもりだ、ベクター」

「今にわかる…今にな。いけ、アンブラル・アンフォーム‼ セイクリッドトレミスに攻撃‼」

「…やれ、トレミス‼」

アンブラル・アンフォームがその闇を広げトレミスを覆うべく襲いかかったが、トレミスは口から光線を放ちアンフォームの闇をアッサリと貫くと、そのままベクターに直撃した。

「ぐおおおお⁉」

 

ベクター LP3100→400

 

ベクターは何も発動させることなく攻撃力0のモンスターを破壊された。

 

「クククッ…リバースカードオープン‼ダメージ・ワクチンΩMAX‼」

 

ダメージ・ワクチンΩMAX

通常罠

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時に発動する事ができる

自分が受けたそのダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復する

 

ベクター LP400→3100

 

そして自ら受けたダメージを回復…何を狙っているんだ?

「アンブラル・アンフォームを破壊してくれてありがとよぉ、真月」

「…どういう意味だ」

「こういうことだ‼アンブラル・アンフォームの効果発動‼ デッキからアンブラル・グールとアンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプを特殊召喚する‼」

 

アンブラル・グール

☆4 闇属性 悪魔族

ATK 1800

DFE 0

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる

このカードの攻撃力を0にし手札から攻撃力0のアンブラルと名のついたモンスター1体を特殊召喚する

 

アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ

☆1 闇属性 悪魔族

ATK 0

DFE 0

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時このカード以外の自分のフィールド上・墓地のアンブラルと名のついたモンスター1体を選択して発動できる

このカードのレベルは選択したモンスターのレベルと同じになる

また、フィールド上に表側攻撃表示で存在する

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時このカードを破壊したモンスターを破壊する

 

破壊したアンブラル・アンフォームの闇が広がり、すぐに晴れていくとそこには深緑の衣を羽織った小さな悪魔のような風貌と、ぽっかり開いた穴から顔だけを覗かせ頭上に青白い発光体を1つ浮かばせたモンスターが現れた。

 

「アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプの効果発動‼ フィールドのアンブラル・グールを選択し同じレベルになる‼」

 

アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ ☆1→4

 

一気にレベル4のモンスターが2体…‼

ベクターはこれを狙っていたのか‼

「忍び寄る闇を発動‼」

 

忍び寄る闇

通常魔法

自分の墓地の闇属性モンスター2体をゲームから除外して発動する

デッキから闇属性・レベル4モンスター1体を手札に加える

 

「俺は墓地のキラー・トマト2体を取り除きデッキから2体目のアンブラル・アンフォームを手札に加える‼ さらにさらにィ?アンブラル・グールの効果発動‼攻撃力を0にしてアンブラル・アンフォームを特殊召喚する‼」

 

アンブラル・グール 1800→0

 

レベル4が3体…ッ‼

「さあ、見せてやるよ‼この俺様のナンバーズって奴をなァ‼ 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ いでよ‼No.104‼ そのまばゆき聖なる光で、愚かな虫けら共をひざまずかせよ‼仮面魔踏士シャイニング‼」

 

No.104 仮面魔踏士シャイニング

★4 光属性 魔法使い族

ATK 2700

DFE 1200

レベル4モンスター×3

バトルフェイズ中に相手の効果モンスターの効果が発動した時このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

その発動を無効にし相手ライフに800ポイントダメージを与える

また、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる

相手のデッキの一番上のカードを墓地へ送る

 

3つの球体が空へと昇り爆発が起こると、そこには青い翼のようなマントをつけ、片手に繋げられたチャクラムのようなものを持った男が現れた。

頭部の右側には104と書かれてある。

 

仮面魔踏士シャイニング…これがベクターのオーバーハンドレッドナンバーズ‼

「シャイニングの効果発動‼ 相手のデッキトップを墓地に送る‼2枚伏せてターンエンド‼」

 

ベクター LP3100

手札 0

モンスター 1

No.104 仮面魔踏士シャイニング 攻撃

魔法・罠 2

⁇?×2

 

…シャイニングの重圧が否応にもミザエルとのデュエルを思い出させる。

でも、今回はあの時のように倒れるわけにはいかない‼

「俺のターン‼ドロー‼…ッ⁉」

 

これは…⁉ なんでこれがここに‼

これはたしか遊馬に渡したはず。

 

「その顔を見るにドローしたな?」

「ベクター…まさかお前が」

「よかれと思ってェ‼入れといてやったぜ?」

「…リミテッド・バリアンズ・フォース…‼」

 

そう、俺が今ドローしたカードは俺がミザエルから渡され、そして遊馬に渡したカード…RUMーリミテッド・バリアンズ・フォースだった。

 

「これを俺に渡してどうする気だ。俺はカオスエクシーズは持ってない」

「本当にそうだと思うか?」

「…何?」

「お前、忘れているみたいだが元が別人とはいえ俺はお前だしお前は俺だ」

「まさか…」

「よく見てみるんだな。よーくな…」

そう言われ、俺のエクストラデッキを収めているケースを開くと俺が最初から入れていたカードと共にシャイニング、そしてシャイニングのカオスナンバーズであるアンブラルが入っていた。

 

「馬鹿な‼俺はこんなモンスターを入れてなかった‼」

「入れてなかったんじゃねぇ。最初から入っていたのがお前には見えていなかっただけだ」

最初から見えちゃいなかった…?

「だとしても、俺はコイツらを使わない」

「好きにしな。だがいいのか?お前がちんたらやってる間にお前の大事な璃緒ちゃんがここに来ちまうぜ?」

「…ッ‼」

 

そうだった。急がなくては、ここに璃緒が来てしまう。

デュエルが始まってからどれぐらいたった?

 

「さぁて、これで璃緒ちゃんが来たら真月‼ 璃緒ちゃんはテメェのことをどう思うだろうなぁ?」

…‼

 

璃緒に俺がバリアンだとバレる。

もしそうなれば、俺のこの気持ちを璃緒に伝える機会も失われてしまう…

その為には

「ベクター‼このターンでケリをつける‼」

そう、素早くケリをつけベクターという足枷を切り離す‼

 

「トレミスの効果発動‼ ORUを1つ取り除きフィールドまたは墓地のカードを1枚持ち主の手札に戻す‼ 俺が戻すのはNo.104 仮面魔踏士シャイニング‼」

「そうはいかねぇ‼ リバースカードオープン‼ブレイクスルー・スキル‼対象はセイクリッドトレミス‼ お前だ‼」

「…ッ‼まだだ‼ リバースカードオープン‼リビングデッドの呼び声‼ 墓地のセイクリッド・ビーハイブを特殊召喚‼ さらにセイクリッド・カウストを召喚‼ そして強制転移発動‼」

 

強制転移

通常魔法

お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選びそのモンスターのコントロールを入れ替える

そのモンスターはこのターン表示形式を変更できない

 

「テメェ…‼ そのカードは‼」

「俺が選ぶのはセイクリッド・シェラタン‼ さあ‼お前も選べ‼」

「くっ…俺が選ぶのはシャイニング‼」

「これにより互いのプレイヤーのモンスターは入れ替わる‼…っ⁉」

な、なんだ…視界が…⁉

 

「クソッ‼お前のよこしたモンスターの攻撃力は1800‼これでテメェが攻撃すれば…‼」

「お前の負けだ‼いけ‼シャイニング‼」

「クソッ‼クソがああああ‼ …なーんちゃって‼」

「⁉」

「勝負を焦りやがったな‼ リバースカードオープン‼聖なるバリアーミラー・フォースー‼」

「なん…だと…⁉」

 

聖なるバリアーミラー・フォースー

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する

 

シャイニングの放った攻撃はそのままベクターの前に展開されたバリアに激突すると、真月のフィールドに攻撃が拡散し、爆発と共にトレミスとシャイニングはフィールドから消え去った。

「ひっかかりやがった‼ RUMさえ使ってりゃテメェの勝ちだったのになァ‼まったく単純な野郎だなテメェ‼」

 

たしかに…さっきのプレイング、俺は勝ちを焦ってベクターのリバースカードを無視していた。

くそ、冷静になれ…このカードに賭けるしかない。

 

「…1枚伏せてターンエンド‼」

 

真月 LP3850

手札 1

モンスター 0

魔法・罠 1

⁇?

 

「俺のターン‼ドロー‼ 貪欲な壺発動‼」

 

貪欲な壺(制限カード)

通常魔法

自分の墓地のモンスター5体を選択して発動できる

選択したモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする

その後、デッキからカードを2枚ドローする

 

デッキに戻すカード

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル

キラー・トマト

アンブラル・アンフォーム

アンブラル・グール

アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ

 

「デッキに戻しシャッフル‼そして2枚ドロー‼」

…ベクターは何を引いたんだ。

「クククッ…ヒャハハハハ‼ 真月‼テメェの負けだ‼ 死者蘇生発動‼ 蘇れ‼仮面魔踏士シャイニング‼」

「………」

「そして‼RUMーリミテッド・バリアンズ・フォース発動‼」

「‼」

「仮面魔踏士シャイニングでオーバーレイネットワークを再構築‼カオス・エクシーズ・チェンジ‼ 現れろCNo.104‼ 混沌より生まれしバリアンの力が光を覆う時大いなる闇が舞い踊る‼仮面魔踏士アンブラル‼」

 

CNo.104 仮面魔踏士アンブラル

★5 闇属性 魔法使い族

ATK 3000

DFE 1500

レベル5モンスター×4

このカードが特殊召喚に成功した時フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる

また、このカードがNo.104 仮面魔踏士シャイニングをエクシーズ素材としている場合以下の効果を得る

・1ターンに1度、相手フィールド上で効果モンスターの効果が発動した時このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

その発動を無効にする

その後相手の手札をランダムに1枚墓地へ送り相手ライフを半分にする事ができる

 

「アンブラルの効果発動‼ 真月‼お前のリバースカードを破壊する‼」

「くっ…‼」

「ガード・ブロックか。危ねぇ危ねぇ」

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり自分のデッキからカードを1枚ドローする

 

…これで俺に守る手は無くなった。

「いけ‼セイクリッド・カウスト‼」

「ぐあっ‼」

 

真月 LP3850→2050

 

「くっ…」

「じゃあなァ‼真月‼ いけ‼仮面魔踏士アンブラル‼」

「ぐっ…おおおああああああ‼」

 

真月 LP2050→0

 

「がっ…ぐっ…‼」

と俺はスフィアフィールドから投げ出されそのまま屋上で数回バウンドすると壁際まで転がり止まった。

「くっ…おっ…」

段々と俺の意識が闇の中へと落ちていく。

 

せめて、こいつ…だけ…でも…‼

 

俺はとっさにセットしたままの、あるカードを溝に隠すようにして置いた。

「…璃緒…約束…果たせそうにない……」

その言葉を最後に、俺の意識は光の中から闇深くへと落ちていった。

 

 

「?…零君?」

舞台も終わり演者と共に大団円を迎えた璃緒は、そう呟くと立ち止まった。

「神代さん、急にどうし…」

「ッ‼」

「ああ、ちょ、神代さん⁉」

呼び止める声に耳を貸すことなく、璃緒はそのまま屋上へと駆け上がっていく。

「零君⁉」

勢いよく開け放ったドアから飛び出すが、そこには真月の姿がなく、また誰もいなかった。

「今の悪寒は一体…」

そう呟いた璃緒が歩を進めると溝に何かが落ちているのが見えた。

「カード? これは…⁉」

それは真月が使用し、つい先日璃緒も使用したセイクリッドトレミス M7の名前と姿が描かれていた。

 

「何故このカードがここに…?」




いかがでしたでしょうか?
【速報】ミラフォ仕事をする

今回のベクターの話した内容が「まるで意味がわからんぞ!」という方がいましたら活動報告に補足説明を載せていますのでそちらをどうぞ。
デッキレシピ、裏話もそれとは別の活動報告にありますのでそちらもよろしければ。
それでは。

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