私のデッキレシピに関する質問がありましたので答えておきます。
私のデッキレシピは本作における下地となっています。なので、ナンバーズが3積みだったりしています。あしからず。
それでは、どうぞ。
「わざわざ呼び出して、なんの用だ?」
時刻は放課後。あの後先程までのあのなんとも言い難い空気も何処へやら、怒りに燃え上がる璃緒をひたすらに宥めすかし、火消しに追われた俺達は璃緒にテニスコートに呼び出されたシャークを少し離れた場所で見守っている。
「デュエルを申し込むわ、凌牙」
「またか…最近多いな」
「今度という今度は堪忍袋の緒が切れたわ‼」
そう言うと璃緒はシャークに校内新聞を見せつけた。
だが…
「馬鹿馬鹿しい」
そう一蹴するとロクに内容も確認せず立ち去ろうとした。
「あら、逃げるの?シャークの名が聞いて飽きれるわね。本当はタマネギ嫌いなクセに」
…は?
「ピーマンもいっつも残して」
「黙れ‼」
…シャークがタマネギとピーマンが嫌い? え?
「兄を愚弄するような真似は許さん‼」
「デュエル、受けてくれるわよね?」
「いいだろう…‼」
「「デュエルディスク、セット‼ Dゲイザー、セット‼」」
ARビジョン リンク完了
「「デュエル‼」」
シャーク LP4000
璃緒 LP4000
「真月、どっちが勝つと思う?」
「さあ…でもシャークも璃緒さんも強い決闘者だ。いいデュエルは見れると思う」
「俺の先攻‼ドロー‼ ハンマー・シャークを召喚‼」
ハンマー・シャーク
☆4 水属性 魚族
ATK 1700
DFE 1500
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる
このカードのレベルを1つ下げ手札から水属性・レベル3以下のモンスター1体を特殊召喚する
シャークのフィールドに頭部が鈍い銀色を放つ鮫が現れた。
その姿は頭の形もあってか何処となくトンカチのように見えなくもない。
「ハンマー・シャークの効果発動‼ レベルを1つ下げ、スターフィッシュを特殊召喚‼」
ハンマー・シャーク ☆4→3
スターフィッシュ
☆3 水属性 水族
ATK 300
DFE 300
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる
自分フィールド上の全てのスターフィッシュのレベルを1つ上げる
あっという間にレベル3のモンスターが2体…どっちが来る?
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ‼潜航母艦エアロ・シャーク‼」
潜航母艦エアロ・シャーク
★3 水属性 魚族
ATK 1900
DFE 1000
レベル3モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる
ゲームから除外されている自分のモンスターの数×100ポイントダメージを相手ライフに与える
「出た‼エアロ・シャークだ‼」
ブラック・レイ・ランサーかとも思ったが…まずは小手調べというわけか。
「1枚伏せてターンエンド‼」
シャーク LP4000
手札 3
モンスター 1
潜航母艦エアロ・シャーク 攻撃
魔法・罠 1
⁇?
だがシャーク、エアロ・シャーク程度じゃ璃緒は止まらないぞ。
「私のターン‼ドロー‼ レスキュー・ラビットを召喚し効果発動‼ レスキュー・ラビットを除外しハーピィ・レディを2体特殊召喚‼」
ハーピィ・レディ
☆4 風属性 鳥獣族
ATK 1300
DFE 1400
人に羽のはえたけもの
美しく華麗に舞い、鋭く攻撃する
璃緒のフィールドに工事現場用のヘルメットを被ったウサギが現れたかと思うと姿を消しフィールドには人に羽が生えたような女性型のモンスターが2体現れた。
鳥獣族が2体…さあ、見せてやれ。
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来なさい‼零鳥獣シルフィーネ‼」
やってやれ、璃緒‼
「シルフィーネの効果発動‼ ORUを1つ取り除き相手フィールド上表側表示のカード効果を全て無効‼その後表側表示のカード1枚につき300ポイントアップする‼」
零鳥獣シルフィーネ 2000→2300
「いきなさい‼シルフィーネ‼ エアロ・シャークを攻撃‼」
「くっ…」
シャーク LP4000→3600
「少しはやるようになったな」
「あまり舐めないでくださる?」
「フン。リバースカードオープン‼激流蘇生‼エアロ・シャークを特殊召喚する‼」
璃緒 LP4000→3500
「2枚伏せてターンエンド‼」
璃緒 LP3500
手札 3
モンスター 1
零鳥獣シルフィーネ 攻撃
魔法・罠 2
⁇?×2
「璃緒さんパーフェクト‼」
「先手を取ったのは璃緒さんだったか」
「ああ‼ このままシャークに勝っちまうかもな‼」
だが相手はシャーク…やられるままとはいかないだろう。
「俺のターン‼ドロー‼ エアロ・シャークでオーバーレイネットワークを再構築‼ 来い‼FAーブラック・レイ・ランサー‼」
FAーブラック・レイ・ランサー
★4 闇属性 獣戦士族
ATK 2100
DFE 600
水属性レベル4モンスター×3
このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材の無い水属性・ランク3のエクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる
このカードの攻撃力はこのカードのエクシーズ素材の数×200ポイントアップする
フィールド上のこのカードが破壊される場合代わりにこのカードのエクシーズ素材を全て取り除く事ができる
また、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、
相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる
放たれていた光が消えるとそこには黒を基調とした重厚な鎧を着込んだブラック・レイ・ランサーがいた。
「FAーブラック・レイ・ランサーの効果によりORU1つにつき攻撃力200ポイントアップ‼」
FAーブラック・レイ・ランサー 2100→2300
‼ 攻撃力が並んだ。
「更にセイバー・シャークを召喚‼」
セイバー・シャーク
☆4 水属性 魚族
ATK 1600
DFE 1200
このカードはシンクロ素材にできない
自分のメインフェイズ時にフィールド上の魚族モンスター1体を選択し以下の効果から1つを選択して発動できる
この効果は1ターンに2度まで使用できる
この効果を発動するターン自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない
・選択したモンスターのレベルを1つ上げる
・選択したモンスターのレベルを1つ下げる
「いけ‼ブラック・レイ・ランサー‼ 零鳥獣シルフィーネに攻撃‼」
「くっ…でも攻撃力は同じ‼相討ちよ‼」
「フッ…FAーブラック・レイ・ランサーの効果発動‼ ORUを全て取り除くことで破壊を無効にする‼」
「‼」
「さらに相手モンスターを戦闘破壊したことにより相手の魔法・罠を1枚破壊する‼」
「くっ…‼」
「いけ‼セイバー・シャーク‼ ダイレクトアタック‼」
「リバースカードオープン‼リビングデッドの呼び声‼ 墓地から零鳥獣シルフィーネを特殊召喚‼」
「ダイレクトアタックは防いだか。1枚伏せてターンエンド‼」
シャーク LP3600
手札 2
モンスター 2
FAーブラック・レイ・ランサー 攻撃
セイバー・シャーク 攻撃
魔法・罠 1
?⁇
「…私のターン‼」
? 璃緒の手が…震えている?
「このリバースカードこそが俺の狙うリバースカードかもしれない…そう思っているんだろ」
「‼」
「当ててみろよ」
「…ッ‼」
「やっぱり見間違いじゃない」
「何が?」
「璃緒さんの手、震えてる」
「え?ああ、ホントだ。妹シャーク、何かあったのか?」
たしかに…続けるのならドローするしかない。
一体璃緒に何が…?
「………」
「お前は昔からそうだったな、璃緒。劣勢に立たされるとそうやってドローを躊躇う」
ドローを躊躇う?
「璃緒、お前真月よりも自分の方が強いと思っているみたいだが…少なくとも真月は劣勢に立たされてもドローを躊躇ったりはしねぇ。理由はわかるか?」
「…いいえ」
「アイツは自分の組んだデッキを信頼してる。だからこそアイツはドローを躊躇わねぇし、デッキも応える。少なくとも、そうやって躊躇ってるようじゃ望むカードは絶対に来ねぇよ」
「璃緒さん‼」
「零君…」
「一歩前に踏み出せ‼ 確かに次のドローで何を引くかわからない‼けどそれは誰にも見えない未来だ‼ その見えない未来は誰も決められていない未知のもの‼なら、自分の望む未来を手繰り寄せることだってできる‼」
「おう‼その通りだ‼かっとビングだ‼」
そう言うと璃緒は一度目を閉じ
「ありがとう、零君。そうね…私は一歩前に踏み出す‼」
と言うと同時に目を見開いた。
「ドロー‼ 零鳥獣シルフィーネをリリース‼大皇帝ペンギンをアドバンス召喚‼」
大皇帝ペンギン
☆5 水属性 水族
ATK 1800
DFE 1500
このカードをリリースして発動する
自分のデッキから大皇帝ペンギン以外のペンギンと名のついたモンスターを2体まで特殊召喚する
璃緒のフィールドにいたシルフィーネが姿を消すとシルフィーネよりも一回り以上大きな赤い瞳のペンギンが現れ両方の翼を大きく広げた。
「大皇帝ペンギンの効果発動‼大皇帝ペンギンをリリース‼ デッキからトビペンギンとガード・ペンギンを特殊召喚‼」
ガード・ペンギン
☆4 水属性 鳥獣族
ATK 0
DFE 1200
カードの効果によって自分がダメージを受けた時に発動できる
このカードを手札から特殊召喚し受けたダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復する
「そして忘却の都 レミューリアを発動‼レミューリアの効果によりフィールドの水属性モンスターの攻守は200ポイントアップする‼」
トビペンギン
1200→1400
1000→1200
ガード・ペンギン
0→200
1200→1400
セイバー・シャーク
1600→1800
1200→1400
「更にレミューリアの効果発動‼ 自分フィールド上の水属性モンスターの数だけ自分フィールド上の水属性モンスターのレベルを上げる‼ 私のフィールドにはトビペンギンとガード・ペンギンの2体‼ よってレベルは2つずつ上がる‼」
トビペンギン ☆4→6
ガード・ペンギン ☆4→6
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来て‼セイクリッド・トレミス M7‼」
「何⁉」
「セイクリッド⁉」
「ってまさかあのモンスター‼」
「いつ貸したんだ⁉」
「デュエルが始まる前ーーー」
「零君。1つお願いがあるの」
「ん?」
「貴方のモンスターエクシーズを1枚私に貸してもらえないかしら。凌牙を驚かせたくて」
「ああ。じゃあこいつはどうだ?」
「セイクリッド・トレミス M7?」
「ああ。こいつはランク6の縛りのないモンスター。こいつなら璃緒さんのデッキにも噛み合うだろ?」
「ええ。ありがとう、零君。必ず使うわ」
「ああ」
「ーーーってことがあったんだ」
「驚いたかしら?凌牙。トレミスの効果発動‼ ORUを1つ取り除きFAーブラック・レイ・ランサーをエクストラデッキに戻す‼」
「チッ…真月の奴、余計な真似を…‼」
「いきなさい‼トレミス‼ セイバー・シャークに攻撃‼」
「ぐあっ‼」
シャーク LP3600→2700
「ターンエンド‼」
璃緒 LP3500
手札 2
モンスター 1
セイクリッド・トレミス M7 攻撃
魔法・罠 0
「俺のリバースカードを恐れず踏み出すとはな。少しは成長したか」
「凌牙…」
「…なんてこと‼言うと思ったか‼お前はまだまだだ‼俺のターン‼ドロー‼ ダブルフィン・シャークを召喚‼」
ダブルフィン・シャーク
☆4 水属性 魚族
ATK 1000
DFE 1200
このカードが召喚に成功した時自分の墓地からレベル3またはレベル4の魚族・水属性モンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される
この効果を発動するターン自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない
シャークのフィールドに何もいなかったところからこれまで見た鮫とは違う紅を基調とした二尾の赤い瞳をギラつかせた鮫が現れた。
「効果により墓地からハンマー・シャークを特殊召喚‼更にリバースカードオープン‼ 死者蘇生‼」
死者蘇生(制限カード)
通常魔法
自分または相手の墓地のモンスター1体を選択して発動できる
選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する
シャークが伏せていたのは死者蘇生…ブラフセットだったか。
「墓地のセイバー・シャークを特殊召喚‼ レミューリアの効果で攻守が200ポイントアップする‼」
ダブルフィン・シャーク
1000→1200
1200→1400
ハンマー・シャーク
1700→1900
1500→1700
「3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ‼No.32 海咬龍シャーク・ドレイク‼」
シャークのフィールドのダブルフィン・シャーク、ハンマー・シャーク、セイバー・シャークが玉になり空へと上り渦の中に姿を消すとそこには紫を貴重とした鮫が現れた。
「アクア・ジェットをシャーク・ドレイクを対象に発動‼」
アクア・ジェット
通常魔法
自分フィールド上の魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
No.32 海咬龍シャーク・ドレイク 3000→4000
「出た‼シャークのマジックコンボ‼」
…なんでもいいが遊馬好きだな、それ。
「まだだ‼シャーク・ドレイクのORUを2つ取り除きエクシーズ・リモーラを特殊召喚‼」
エクシーズ・リモーラ
☆4 水属性 魚族
ATK 800
DFE 800
このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ取り除き手札から特殊召喚できる
この方法で特殊召喚に成功した時自分の墓地の魚族・レベル4モンスター2体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、効果は無効化され表示形式の変更もできない
また、この効果で特殊召喚したモンスターをエクシーズ素材とする場合水属性モンスターのエクシーズ召喚にしか使用できない
シャーク・ドレイクのORUを2つ食らうと緑を基調とした10個の穴の空いた平たいコバンザメのようなモンスターが現れた。
「エクシーズ・リモーラの効果により墓地のハンマー・シャークとセイバー・シャークを特殊召喚‼」
これで再び3体のレベル4…一気にケリをつけるつもりか、シャーク。
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ‼バハムート・シャーク‼」
バハムート・シャーク
★4 水属性 海竜族
ATK 2600
DFE 2100
水属性レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる
水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する
このターンこのカードは攻撃できない
「いけ‼シャーク・ドレイク‼ セイクリッド・トレミス M7に攻撃‼」
「うっ…‼」
璃緒 LP3500→2200
「これで終わりだ‼ いけ‼バハムート・シャーク‼」
「きゃあああああ‼」
璃緒 LP2100→0
シャークの勝利を告げるブザーが鳴りARビジョンが消えていくとシャークは座り込む璃緒に近付いた。
「負けた。悔しいけど、私はまだまだってことね」
「ああ。だがさっきの進化は認めてやる」
「でも、いきなり遊馬君を恋人にしろだなんて」
「遊馬をお前の恋人にしろ…? 誰がそんなこと」
ん…?
「シャーク、校内新聞にはシャークの公認だと書いてあるが」
「知らん。俺はただ、鉄男に俺とデュエルがしたいなら遊馬レベルになってからにしろと言っただけだ」
「え?」
は?
じゃあ…何か? この公認っていうのは盛大な勘違い?
「何よ、それ」
…まあ、いくらシャークでも璃緒の恋人相手に口出しするわけない、か。
そう結論が付くと俺の心にかかっていたモヤが晴れていき、座り込む璃緒に近付いた。
「零君、ごめんなさい。せっかくカードまで借りたのに」
「いや、いいデュエルだった。俺はそう思う」
そう言うと俺は璃緒に手を貸し璃緒は掴むとそのまま立ち上がった。
「前に踏み出せ、か」
「?」
「まさか零君に激励されるとは思わなかったわ」
「あはは…」
そう笑いながら璃緒からトレミスを受け取ると
「零君、私今回のことで決めたわ」
「何を?」
「臆病にならず前に踏み出すことを」
「ああ」
「零君、私貴方のことが好きよ」
「え…?」
と俺はまっすぐ見つめてくる璃緒を見ながら思考が止まった。
璃緒が俺を好き?
俺を?
「必ず返事を聞かせてね」
「え、ちょっと」
と俺が止める間もなく璃緒は誤解を広めた元凶らしい委員長と徳之助に近付いていきその場には俺が残された。
「ーーッ‼」
「おい、真月。どうした?」
「な、なんでもない。なんでもないから…少しほっといてくれ、シャーク」
「? ああ」
いかがでしたでしょうか?
ついに璃緒に告白された真月君。
真月君は一体どういう返事をするのか⁉
また裏話とデッキレシピを活動報告に載せましたのでよければそちらもどうぞ。
それでは。