遊馬vs真月零 3となっております。
遅れて申し訳ないです。
色々と見直していたら時間が過ぎてしまいまして。
Q.今欲しいものはなんですか?
A.時間とエクシーズ・トレジャー
それでは、どうぞ。
「俺のターン、ドロー‼」
ドローカードは…よし‼
「まずは強欲なカケラの効果からだ。通常ドローをしたことで、強欲カウンターを1つ乗せるぜ」
強欲なカケラ
強欲カウンター 0→1
「俺は二重魔法を発動‼」
二重魔法
通常魔法
手札から魔法カード1枚を捨て、相手の墓地の魔法カード1枚を選択して発動できる
選択した魔法カードを自分フィールド上の正しいカードゾーンに置き、使用する
「俺は手札の2枚目のガガガ学園の緊急連絡網を墓地に送り、真月‼ お前の墓地にある魔法カードを使わせてもらうぜ‼ 俺が使う魔法はーーー」
そう言うと、二重魔法が光を放ち、墓地から1枚のカードがゆっくりと出てくる。
そのカードはーーー
「リミテッド・バリアンズ・フォースか…‼」
「俺は希望皇ホープ1体でオーバーレイネットワークを再構築‼カオス・エクシーズ・チェンジ‼」
ホープレイでも、ホープレイVでもダメだった。
なら、次はコイツだ。
いくぞ、真月‼
「こい、CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー‼」
ホープが皇の鍵みたいな形に姿を変えると、ゆっくりと開いた穴に沈み込み、爆発を起こす。
すると、赤と白のホープよりも一回り以上大きなホープが姿を現した。
「ホープレイ・ヴィクトリー…‼」
「いくぞ、真月‼ 俺はーーー」
「させるか‼ リバースカードオープン、威嚇する咆哮‼」
俺の勢いに、剣を抜こうとしたホープレイ・ヴィクトリーは、突如フィールドを襲った咆哮の前に動きを止める。
「威嚇する咆哮の効果で、このターン攻撃宣言はできない。Dark Knightへの攻撃は不発だな、遊馬」
『くっ…ホープレイ・ヴィクトリーの効果の穴をつかれたか…‼』
後少しの壁がすっげぇ分厚い。
けど…
『遊馬?』
「けどさ、なんかすっげぇワクワクする」
どうやったら真月を攻めきれるのか。
どうやったら受け止めきれるのか。
そんなことばっか考えて、つい楽しくなっちまう。
「遊馬、デュエルは楽しいか?」
突然、真月が俺に声をかけてくる。
「え?」
「最近、笑ってデュエルをしてなかったからな」
どうだ?
そう言って、真月が俺に投げかけてくる。
俺はと言えば、そんな言葉に思わず呆然としちまっていた。
思い返せば、最近、俺はデュエルを楽しむ余裕すら無かった。
襲いかかってくるバリアンに支配された人や、七皇、ナンバーズの守護者、アストラル世界の住人に、e・ラー。
誰も彼もが俺達に牙を向けてきて、それを打ち払うのに必死になって、泣いて、怒って…
デュエルって、もっとワクワクして楽しいものだったはずなのに。
「まさか…」
真月、お前その為に…?
「さあ、遊馬。まだお前のターンだ」
『遊馬。どうやら、我々はいつの間にか見えなくなっていたようだな』
「…ああ」
真月風に言うのなら、『見えるんだけど見えないモノ』ってやつだ。
けど、なら本当のデュエルはここからだ。
「1枚伏せてターンエンドだ」
遊馬 LP300
手札 0
モンスター 1
CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー 攻撃
魔法・罠 3
強欲なカケラ(強欲カウンター 1)
エクシーズ・チェンジ・タクティクス
⁇?
「俺のターン、ドロー‼ …フッ」
‼ 真月の奴、笑った。
一体何を引いたんだ?
「俺はDark Knightの効果発動‼ ホープレイ・ヴィクトリーをDark KnightのCORUにする‼」
真月の言葉に、Dark Knightが槍を振るうと、ホープレイ・ヴィクトリーが光になり、CORUへと姿を変えて地面に突き刺さった。
「さらに、混沌空間の効果発動‼︎ 除外したセイクリッド・ポルクスを手札に加える‼︎」
混沌空間
カオスカウンター 6→2
「セイクリッド・ポルクスを召喚‼︎」
真月のフィールドに2つの刃のついた剣を握る騎士が姿を見せる。
「これで遊馬君のフィールドは空…」
「これでもし、真月のダイレクトアタックが通れば遊馬のライフは…」
「尽きる」
「いくぞ、遊馬‼ S・H・Dark Knightでダイレクトアタック‼」
真月の言葉に従うようにして、Dark Knightが弓を引くようにして槍を構える。
「やれぇ‼」
真月の言葉と同時に、槍が放たれる。
スピードに乗ってぐんぐん飛び、俺達にーーー
・
ードオォン…ッー
放たれた槍が遊馬達へと飛び、派手な音と共に土煙を舞い上がらせる。
「遊馬‼」
静かになったフィールドに小鳥の悲痛な声が響く。
「っ…真月‼ 次は俺とーーー」
「無理だ。今、この世界はアストラル世界との衝突の危機を迎えている」
「なんですって⁉︎」
「時間がないんだ。デュエルはこれ以上受けることはできない」
さっきよりも、かなり近付いているのがわかる。
これ以上、最初から誰かとデュエルをしていたら、2つの世界は吹き飛ぶだろう。
「それにーーー」
段々と土煙が晴れていき、槍の矛先の2人のシルエットが見えてくる。
「まだ、終わってない」
・
「っ…あっぶねぇ…」
土煙が晴れ、俺の視界に真月や小鳥達の姿が見えてくる。
「遊馬‼」
「アイツ…心配かけさせやがって…‼」
『一時休戦で得たカードが無ければ、負けていたな』
「ああ」
そう言って俺達のフィールドへと目をやる。
「俺は攻撃の無敵化を発動した‼︎ このターンのバトルフェイズで俺が受ける戦闘ダメージは0になる‼︎」
そこには、Dark Knightの槍の矛先と俺との間に壁のように立つ1枚のカードの姿があった。
「フン…1枚伏せてターンエンドだ」
真月 LP1150
手札 1
モンスター 2
CNo.101 S・H・Dark Knight 攻撃
セイクリッド・ポルクス 攻撃
魔法・罠 3
混沌空間(カオスカウンター 2)
セイクリッドの星痕
⁇?
『遊馬、このチャンスを無駄にするわけにはいかないぞ』
「おう‼」
これが多分、このデュエル最後のZEXALだ。
「いくぜ、アストラル‼ 俺と」
『私で‼』
「『オーバーレイ‼』」
俺達の身体が再び心地のいいエネルギーみたいなものに包み込まれ、溶けて1つに混ざっていく。
「『眩き希望の光が未来を導く‼』」
これが、俺達の最強の形。
絶望という闇を振り払い、希望という光の形。
「『アルティメット・エクシーズ・チェンジ‼ ZEXAL‼』」
・
「3度目のZEXAL…‼」
俺の眼前には、まるで遊馬そのものがホープへと姿を変えたかのような姿がある。
その姿は覚えている。
ついさっき、e・ラーとの戦いで見た形態だ。
なら、あの姿は正しく2人にとっての最強の形。
「いくぜ。俺のターン、ドロー‼ ドローしたことで、強欲カウンターに更に1つ乗せる‼」
強欲なカケラ
強欲カウンター 1→2
「強欲なカケラの効果発動‼ カウンターの2つ乗ったこのカードを墓地に送り、2枚ドローする‼」
ZEXALの言葉に、強欲なカケラが光になって消えると同時に、手から強い光が放たれ始める。
「決闘者はカードを導く‼ 我が身が放つ一点なる光を目指し、来たれ勝利と希望のカード‼ シャイニング・ドロー‼」
そんな言葉と共に勢いよくドローすると、光がアーチのようにその場に漂い、消え去る。
さあ、何をドローした?
「いくぜ。俺はエクシーズ・リベンジを発動‼ 墓地から希望皇ホープを特殊召喚し、真月‼ お前のフィールドのDark Knightのユニットになっているホープレイ・ヴィクトリーをORUにする‼」
ZEXALの言葉と共に、フィールドに光が溢れると、Dark Knightのユニットが1つ消え、同時にホープがフィールドに現れた。
「またホープ…‼」
何度倒しても、また俺の前に立ちはだかってくる。
まったく、嫌になるくらいしぶとい。
「何度だって俺達と共にあるものさ‼ RUM−アストラル・フォースを発動‼」
RUM−アストラル・フォース
通常魔法
(1):自分フィールドのランクが一番高いXモンスター1体を対象として発動できる
その自分のモンスターと同じ種族・属性でランクが2つ高いモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分ドローフェイズのドロー前に発動できる
墓地のこのカードを手札に加える
この効果を発動するターン、自分は通常のドローを行えず、自分は「RUM−アストラル・フォース」の効果以外でモンスターを特殊召喚できない
「俺は希望皇ホープ1体でオーバーレイネットワークを再構築‼ 現れろ、No.39‼ 人が希望を越え、夢を抱くとき、遥かなる彼方に、新たな未来が現れる‼ 限界を超え、その手につかめ‼ 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ‼」
ホープが大きく跳躍し、空高く跳び上がると、墓地やエクストラ、Dark KnightのCORUが光を放ち、ホープレイ、ホープレイV、ホープレイ・ヴィクトリーの姿がホープと並ぶ。
その姿がホープと完全に重なり合った瞬間、大きな爆発が起こる。
すると、ホープのいたそこにはホープレイ・ヴィクトリーよりもさらに巨大な白いホープの姿があった。
「ビヨンド・ザ・ホープの効果発動‼ エクシーズ召喚に成功した時、相手モンスターの攻撃力を0にする‼」
CNo.101 S・H・Dark Knight
ATK 2800→0
セイクリッド・ポルクス
ATK 1700→0
「くっ…‼」
ビヨンド・ザ・ホープが光を放つと、Dark Knightとポルクスが膝をつく。
くっ…だが‼︎
「いくぞ、俺はビヨンド・ザ・ホープでーーー」
「リバースカードオープン、強制終了‼︎ Dark Knightをリリースし、このターンのバトルを終了する‼︎」
俺の言葉に、フィールドからDark Knightが光になると、攻撃の姿勢をとっていたビヨンド・ザ・ホープが構えを解いた。
「攻撃はさせない」
ZEXALから光が放たれると、1つだった人影が2つになる。
『これすらも読まれていたか』
「ああ、流石は真月だぜ。俺はこれでターンエンドだ」
遊馬 LP300
手札 1
モンスター 1
No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃
魔法・罠 1
エクシーズ・チェンジ・タクティクス
さて、俺のターンだ。
遊馬のフィールドには遊馬達にとっての最強の形であるビヨンド・ザ・ホープ。
対する俺のフィールドのモンスターは攻撃力0のポルクスが1体。
攻撃力0をフィールドに残すよりかは、ランク4の可能性に賭けるべきだと残しはしたが、リバースカードも無く、手札にも即効性のカードが無い以上このドローで決まる。
そのカードを、俺が引き寄せることができるかどうか…
ーチッ、いつまでボヤボヤと考え事してるつもりだ?ー
「……?」
不意に、何処からか聞き馴染みのある、しかし懐かしさは感じない声が聞こえる。
遊馬達に代わった様子はない。
ということは、俺にだけ聞こえている…のか…?
ーほら、手を添えろ。この俺様が力を貸してやろうじゃねェかー
……いくぞ。
「俺のターン、ドロー‼」
…ドローカードは…
「俺がドローしたカードはコイツだ。RUM−七皇の剣‼」
『ここでそのカードだと⁉︎』
わかる。
わかるぞ。
あの声。
お前が、俺にコイツを引かせたな。
ベクター‼
「俺はエクストラデッキのNo.104 仮面魔踏士シャイニングを特殊召喚し、オーバーレイネットワークを構築‼」
俺のフィールドに現れたシャイニングが一度屈むと、空高く跳躍する。
「カオス・エクシーズ・チェンジ‼ 現れろ、CNo.104 仮面魔踏士アンブラル‼」
・
「仮面魔踏士アンブラル…‼」
ベクターの…そして、真月のオーバーハンドレッドナンバーズ。
まさか、最後の最後。
こんな場面でコイツが出て来るなんて…っ⁉︎
『遊馬、私の目がおかしくなければ…』
「ああ…俺にも見えたぜ、アストラル」
真月の真横に、ベクターの姿が見える。
真月にもシャーク達にも変わった様子は見えない。
ということは…俺達にしか、見えていないのか?
「アンブラルの効果発動‼ 遊馬のフィールドのエクシーズ・チェンジ・タクティクスを破壊する‼︎」
アンブラルが杖を振るうと、杖先でそのまま叩いて破壊する。
「だが、貪欲な壺を発動。墓地のカードを5枚デッキに戻し、新たに2枚ドローする」
デッキに戻すカード
CNo.101 S・H Dark Knight
No.104 神葬零嬢ラグナ・ゼロ
星輝士セイクリッド・ダイヤ
セイクリッド・トレミスM7
カオス・ソルジャー−開闢の使者−
このタイミングの貪欲な壺…
Dark Knightが墓地にいくのも計算してたってわけか。
「2枚ドロー。 …ポルクスを守備表示に変更し、おろかな埋葬を発動。デッキのモンスターを1体墓地に送り、カードを2枚伏せてターンエンド」
真月 LP1150
手札 1
モンスター 2
CNo.104 仮面魔踏士アンブラル 攻撃
セイクリッド・ポルクス 守備
魔法・罠 4.
混沌空間(カオスカウンター 2)
セイクリッドの星痣
強制終了
⁇?×2
真月のエンド宣言と同時に、足元がグラグラと揺れ始める。
「きゃあっ‼」
「地震…⁉︎」
「いや、違う。アストラルなら、わかるんじゃないか?」
『ああ』
そう言うとアストラルは雲の覆われた空を見上げる。
『アストラル世界がかなり近付いている…‼』
「なんだって⁉︎」
アストラル世界が近い…
それはつまり、真月の言っていた世界の衝突が近いってことじゃねぇか。
世界同士の衝突。
それがどんなことになるのかはわからねぇ。
けど…アストラルの様子で、かなりヤバイことはわかる。
わかるってのに…
「くそっ…」
わからねぇ。
どうすれば、真月を救うことができるんだ…‼︎
いかがでしたでしょうか?
次回、ラストバトル。
それでは。