ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。

遊馬vs真月零 1となっております。

今回に辺り、【セイクリッド】を見つめ直すいい機会になりました。
いろんなデッキに持ち替えて楽しむのもアリですが、1つのデッキを突き詰めていくのも面白い。
そんな私の愛用は【磁石の戦士】です。
スリーブなんて無い頃からの使用なので、ややボロいですがもはや私の相棒。

それでは、どうぞ。


第154話

「「デュエル‼」」

 

真月 LP4000

遊馬 LP4000

 

「先攻は貰う‼ 俺のターン、ドロー‼」

『遊馬、真月は強い。速攻で攻め立てなければ、このデュエルーー』

「ああ」

真月の強さは俺もよくわかってる。

気を抜けねぇデュエルになるのは間違いねぇ。

幸い、俺の手札はいいカードが揃ってる。

返しのターンに勝負をかけられるはずだ。

さあ、来い。真月‼

 

「俺は手札抹殺を発動‼ 手札を全て捨て、捨てた枚数分新たにドローする‼」

「…っ‼」

手札抹殺…‼

「俺の捨てたカードは5枚。よって、新たに5枚ドローする。遊馬、その分だといいカードが揃っていたみたいだな」

「…俺も5枚だ。ドロー‼」

くそっ、読まれてた。

流石は真月だ。

「いいカードだ。まずは混沌空間を発動‼」

フィールドが宇宙みたいな状態へと姿が変わると、あちこちに小さな渦がいくつも現れる。

「そして、セイクリッドの超新星を発動‼」

 

セイクリッドの超新星

通常魔法

自分の墓地の「セイクリッド」と名のついたモンスター2体を選択して手札に加える

このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない

 

「俺は墓地のセイクリッド・ソンブレスとセイクリッド・シェアトを手札に加える。そして、ソンブレスを召喚‼」

真月のフィールドに見慣れた白と金の鎧を着た機械のような騎士が現れる。

「ソンブレスの効果発動‼ 墓地のセイクリッド・アクベスを除外し、セイクリッド・カウストを手札に加える‼ そして、ソンブレスの効果でカウストを召喚だ。こい、セイクリッド・カウスト‼」

ソンブレスの隣に馬の蹄の音と共に見慣れた金の弓を片手に、白い鎧を着たケンタウロスが姿を現す。

 

混沌空間

カオスカウンター 0→1

 

「ソンブレスにカウスト…」

『真月が信頼を寄せるモンスターがいきなり2体。ということは、来るのか…⁉︎』

 

「カウストの効果発動‼ 1ターンに2度、セイクリッドモンスターのレベルを1つ上下できる‼ 俺はカウスト自身とソンブレスを選択し、レベルを1つ上げる‼」

 

セイクリッド・ソンブレス

☆4→5

 

セイクリッド・カウスト

☆4→5

 

カウストが矢を空へと放つと、光がフィールドに降り注ぐ。

これで、レベル5が2体。

「セイクリッドの聖痕を発動」

セイクリッドの聖痕…ということは、間違いねぇ‼

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 我が闘いはここより始まる。世界の全てを光で満たせ‼ セイクリッド・プレアデス‼」

大きな爆発が起こると、爆煙を拳の一振りで振り払い、宇宙色のマントをはためかせ、白と金の騎士が姿を見せた。

 

「セイクリッド・プレアデス…‼」

いきなり、真月のエースモンスターかよ‼

「セイクリッドの聖痕の効果で1枚ドロー‼ 2枚伏せてターンエンドだ」

 

真月 LP4000

手札 2

モンスター 1

セイクリッド・プレアデス 攻撃

魔法・罠 4

混沌空間(カオスカウンター 1)

セイクリッドの聖痕

⁇?×2

 

「俺のターン、ドロー‼」

『遊馬、プレアデスの効果には気をつけろ』

「わかってるって」

プレアデスの効果は1ターンに1度、フィールドのモンスターを手札に戻す効果。

真月が狙うとしたら、俺のエクシーズ召喚の瞬間しかない。

だったらーーー

 

「俺はゴゴゴゴーレムを召喚‼」

俺のフィールドに岩を組み上げて出来たひとつ目の巨人が現れる。

「レベル4のモンスターが召喚された時、コイツを特殊召喚できる。こい、カゲトカゲ‼」

ゴゴゴゴーレムの影が蠢いたかと思うと、そこからトカゲの影だけがヒタヒタと現れる。

これでレベル4のモンスターが2体。

 

「よっしゃあ‼俺は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ こい、No.39 希望皇ホープ‼」

俺のフィールドで大きな爆発が起こると、独特な掛け声と共に俺が1番信頼する黄色と白の戦士が現れる。

「ホープか。だが、プレアデスの前では無力‼ 俺はプレアデスの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、ホープをエクストラデッキに戻す‼ 消えろ、ホープ‼」

真月の声にプレアデスの周囲を回るユニットが弾け、プレアデスが持つ武器を振り回し、猛烈な風を起こす。

 

「っ…‼」

猛風に俺が顔を腕で覆うと、ホープが吹き飛ばされ、光になって消える。

「ホープ・バスターみたいなこともあるからな。早々にフィールドから離れてもらう。残念だったな、遊馬」

「いいや‼ 真月ならそうするって読んでたぜ‼」

『遊馬、一体何を…』

「セイクリッド・プレアデスの効果は強力だけど、1ターンに1度だけ。プレアデスが効果を使った今、もう発動できねぇ‼」

「だが、召喚権を使っている今、遊馬に何ができる?」

「こうするのさ‼ 相手フィールドにモンスターがいて、俺のフィールドにモンスターがいない時、コイツは特殊召喚できる‼ こい、ドドドバスター‼」

 

俺の言葉と共に、フィールドにトゲ付きの鉄球のついた棒を握る戦士が姿を現した。

「この効果で特殊召喚したドドドバスターのレベルは4になる‼」

 

ドドドバスター ☆6→4

 

「さらに、ガガガリベンジを発動‼ 墓地のガガガと名のつくモンスターを特殊召喚し、装備する‼ 蘇れ、ガガガガードナー‼」

フィールドに1本の杖が現れると、開かれた穴から手が伸び、その杖を握ってボードを片手に戦士が現れた。

これでレベル4のモンスターが2体‼

「いくぜ、俺は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ こい、H-C エクスカリバー‼」

フィールドにさっきと同じ大きな爆発が起こると、ゴロゴロという音と共に雷が落ちてくる。

すると、その雷を振り払うようにして剣を振るいつつ、赤い鎧を着た騎士が姿を現した。

「ガガガリベンジの効果でエクスカリバーの攻撃力を300ポイントアップする‼」

 

H-C エクスカリバー

ATK 2000→2300

 

「エクスカリバーの効果発動‼ ORUを2つ取り除き、次の真月のターンが終わるまで元々の攻撃力を2倍にする‼」

 

H-C エクスカリバー

ATK 2300→4000

 

「攻撃力4000‼」

「いけ、エクスカリバー‼ プレアデスに攻撃‼」

「っ…‼ リバースカードオープン、セイクリッドの流星‼」

 

真月 LP4000→2500

 

「セイクリッドの流星の効果により、H-C エクスカリバーをエクストラデッキに戻す‼」

真月のフィールドからプレアデスが消え去る寸前、プレアデスから光が放たれると、エクスカリバーが光に呑み込まれて消え去った。

「くそっ」

真月にダメージを与えることはできたけど、フィールドを空にされちまった。

このままじゃまずい…‼

 

『遊馬。リバースカードだ』

「おう。俺はカードを1枚セットして、ターンエンド‼」

 

遊馬 LP4000

手札 1

モンスター 0

魔法・罠 1

⁇?

 

「俺のターン、ドロー‼ …悪いが遊馬」

「?」

「手加減はしない。相手フィールドにのみモンスターが存在するので、太陽風帆船を特殊召喚‼︎」

 

太陽風帆船

☆5 光属性 機械族

ATK 800

DFE 2400

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる

この方法で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる

また、自分のスタンバイフェイズ毎にこのカードのレベルを1つ上げる

「太陽風帆船」はフィールド上に1体しか表側表示で存在できない

 

「太陽風帆船の効果により、攻守は半減する」

 

太陽風帆船

ATK 800→400

DFE 2400→1200

 

「リバースカードオープン、リビングデッドの呼び声‼ 墓地のセイクリッド・プレアデスを特殊召喚する‼」

真月の言葉に、開かれた墓地から再びプレアデスが姿を現す。

「もう蘇りやがった…‼」

『‼ まずいぞ、遊馬。これは…』

 

「セイクリッドの星痣の効果で1枚ドロー‼︎ そして、セイクリッド・プレアデス1体でオーバーレイネットワークを構築‼ランクアップ・エクシーズ・チェンジ‼ こい、セイクリッド・トレミス M7‼」

真月のフィールドにいたプレアデスが空高く飛び立つと、大きな爆発を起こす。

すると、そこには何度も姿を見た機械のドラゴンが姿を現した。

「セイクリッド・トレミス…‼︎」

「そして、セイクリッド・ハワーを召喚‼」

真月のフィールドに黄色い杖を握った、同じく黄色い鎧を着た子供が現れる。

 

「セイクリッド・ハワーの効果発動‼ このカードをリリースし、墓地からセイクリッドモンスターを守備表示で特殊召喚する‼ 蘇れ、セイクリッド・ソンブレス‼」

セイクリッド・ハワーが杖を掲げると、視界を潰す程の光が溢れ始める。

 

「うっ…」

俺が光から目を守るように顔を逸らしながら、腕で庇う。

ややあって光が消えたそこには、自分の武器を構えるセイクリッド・ソンブレスの姿があった。

「セイクリッド・ソンブレスの効果発動‼ 墓地のセイクリッド・ハワーを除外し、セイクリッド・カウストを再び手札に加え、召喚‼」

 

混沌空間

カオスカウンター 1→2

 

真月のフィールドに再び弓を構える鎧を着たケンタウロスが現れる。

「カウストの効果により、ソンブレスとカウストのレベルを1つ上げる‼」

 

セイクリッド・ソンブレス

☆4→5

 

セイクリッド・カウスト

☆4→5

 

「フィールドにレベル5のモンスターが3体…‼」

『だが、真月の持つランク5に3体も要求するモンスターはいなかったはず』

 

「それはどうだろうな?」

 

『何?』

アストラルの言葉に真月は不敵に笑って応える。

「言っただろ? 手加減はしないと‼ 俺は3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ こい、星輝士 セイクリッド・ダイヤ‼」

 

星輝士 セイクリッド・ダイヤ

★5 光属性 幻竜族

ATK 2700

DFE 2000

光属性レベル5モンスター×3体以上

このカードは自分メインフェイズ2に、「星輝士 セイクリッド・ダイヤ」以外の自分フィールドの「テラナイト」Xモンスターの上にこのカードを重ねてX召喚する事もできる

(1):X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにデッキからカードを墓地へ送る事はできず、墓地から手札に戻るカードは手札に戻らず除外される

(2):相手の闇属性モンスターの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる

その発動を無効にし破壊する

 

「うわっ…」

真月のフィールドで一際大きな爆発が起こる。

すると、そこには白い鱗を身に纏ったまるでトレミスと対をなすかのようなドラゴンが姿を現す。

 

「マジックプランターを発動。リビングデッドの呼び声を墓地に送り、2枚ドローする‼ ん?…フフ、エクシーズ・ギフトを発動。セイクリッド・トレミスM7とセイクリッド・ダイヤのORUを1つずつ取り除き、更に2枚ドローだ」

 

星輝士セイクリッド・ダイヤ

ORU 3→2

 

セイクリッド・トレミスM7

ORU 1→0

 

「真月の奴、手札が減ってねぇ…‼」

この今までにない、真月から感じるこのプレッシャー…間違いない。

言葉だけじゃねぇ。

真月の奴…本気だ‼

 

『まずいぞ、遊馬‼ 我々のフィールドにはリバースカードが1枚だけ。対する真月のフィールドのモンスターの攻撃力の合計は5400‼ この攻撃が通れば…‼』

「ワンショットキル…‼」

「覚悟はできたか? 遊馬。俺は扉を開き、バリアン世界を消し飛ばす‼ いけ、セイクリッド・トレミス M7‼ 遊馬にダイレクトアタック‼」

 

真月の言葉に機械仕掛けのドラゴンは口から光を漏らしながら、大きく首を反ると、俺達目掛けてビームを吐き出した。

『遊馬‼』

「させっかよ‼ 俺は墓地のタスケルトンの効果発動‼ コイツを除外して、トレミスM7の攻撃を無効にする‼ きてくれ、タスケルトン‼」

 

俺の言葉に墓地からタスケルトンが飛び出す。

だがーーー

「甘い‼ 俺はセイクリッド・ダイヤの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、闇属性モンスターの効果の発動を無効にし、破壊する‼」

 

セイクリッド・ダイヤのORUが1つ弾けると、眩い光がフィールドを呑み込む。

そのまま、タスケルトンが光に掻き消されるようにして消えてしまう。

 

混沌空間

カオスカウンター 2→3

 

「タスケルトン‼」

「バトル続行‼ やれ、トレミス‼」

「ぐあっ…‼」

 

遊馬 LP4000→1300

 

『くっ…』

真月の攻撃を受けて、アストラルが弱々しく点滅を繰り返しはじめる。

いいのをもらっちまった…‼

「これで終わりだ‼ やれ、セイクリッド・ダイヤ‼」

セイクリッド・ダイヤがトレミスがそうしたように、大きく吸い込み、ビームを吐き出す。

『遊馬‼』

「っ…リバースカードオープン、ガード・ブロック‼」

 

俺と真月の間に立ち上がったガード・ブロックが、セイクリッド・ダイヤの攻撃を防ぐ盾になる。

「っ…1度だけダメージを0にし、1枚ドローする‼」

よし、悪くねぇ。

いいカードだ。

「押し切れなかったか…流石は遊馬。2枚伏せてターンエンド‼」

 

真月 LP2500

手札 2

モンスター 2

星輝士 セイクリッド・ダイヤ 攻撃

セイクリッド・トレミス M7 攻撃

魔法・罠 4

混沌空間(カオスカウンター 3)

セイクリッドの聖痕

⁇?×2

 

「くっ…」

今のはかなり危なかった。

流石は真月。油断してるつもりはなかったけど、どっかでしてたのかもしれねぇ。

『遊馬、無事か?』

「ああ。 …よし、こっからだ。いくぜ‼ 俺のターン、ドロー‼」

 

俺の手札はたったの3枚。

とはいえ、まだ手札を増やすチャンスは残ってる‼

「俺はカップ・オブ・エースを発動‼ 表が出れば俺が、裏が出れば真月が2枚ドローする‼」

俺の言葉と共にフィールドに現れたコインが空高く舞い上がると、表と裏を交互に見せながら地面に落ちる。

コインの出目はーーー

 

「表だ‼ 2枚ドローする‼」

よし、まだ俺の運は尽きちゃいねぇ‼

「いくぜ、俺はガガガ学園の緊急連絡網を発動‼」

 

ガガガ学園の緊急連絡網

通常魔法

相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる

デッキから「ガガガ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する

このカードを発動するターン、自分はエクシーズ召喚以外の特殊召喚ができない

「ガガガ学園の緊急連絡網」は1ターンに1枚しか発動できない

 

「デッキからガガガマジシャンを特殊召喚する‼ こい、ガガガマジシャン‼」

俺のフィールドに見慣れた不良スタイルの魔法使いが姿を現す。

「さらに、ガガガガールを召喚‼」

ガガガマジシャンの隣にギャルっぽい姿の魔法使いが並ぶ。

 

「ガガガマジシャンにガガガガール。遊馬の得意な構えだな。けど、遊馬。セイクリッド・ダイヤの効果を忘れたわけじゃないだろ? ガガガマジシャンが効果を発動すれば、俺は破壊する‼」

「忘れてないさ‼ 俺はガガガボルトを発動‼」

 

ガガガボルト

通常魔法

自分フィールド上に「ガガガ」と名のついたモンスターが存在する場合に発動できる

フィールド上のカード1枚を選択して破壊する

 

「俺は星輝士セイクリッド・ダイヤを破壊する‼ いっけぇ、ガガガマジシャン‼」

ガガガマジシャンが握る杖を空高く掲げると、ゴロゴロという音と共に雷がセイクリッド・ダイヤに直撃し、苦しげな声を上げながら消え去った。

「くっ…」

「よし、俺はガガガマジシャンの効果発動‼ レベルを4から5に変更‼ さらに、ガガガガールの効果でガガガマジシャンと同じレベルにする‼」

 

ガガガマジシャン

☆ 4→5

 

ガガガガール

☆ 3→5

 

「レベル5のモンスターが2体…ヴォルカザウルスか?」

「いいや‼ 俺は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼」

攻撃力だけじゃ突破できなかった。

なら、次はコイツだ‼

「こい、No.33 先史遺産−超兵器 マシュ=マック」

 

No.33 先史遺産−超兵器 マシュ=マック

★5 光属性 機械族

ATK 2400

DFE 1500

レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる

選択したモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、与えたダメージの数値分だけこのカードの攻撃力をアップする

 

爆発が起こると同時にゴゴゴゴゴ…と地面が揺れ始める。

すると、地面を突き破って空中を浮かぶ巨大な街が現れた。

浮かぶ下の方には、大きく33の数字が描かれている。

「ガガガガールの効果発動‼ セイクリッド・トレミスM7を選択し、攻撃力を0にする‼」

 

セイクリッド・トレミスM7

ATK 2700→0

 

「トレミス‼」

薄っすらと現れたガガガガールが手に持つスマートフォンを操作し、トレミスに向けると、トレミスは地面に伏せた。

「これで攻撃力は0だ‼ マシュ=マックの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、トレミスを選択‼︎ 元々の攻撃力と今のトレミスの攻撃力の差分のダメージを真月に与え、与えた分だけ攻撃力をアップする‼ トレミスの元々の攻撃力との差は2700‼ よって、真月に2700ポイントのダメージだ‼」

「リバースカードオープン、ダメージ・ダイエット‼︎ このターン、全てのダメージを半分にする‼︎」

 

真月 LP2500→1150

 

No.33 先史遺産−超兵器マシュ=マック

ATK 2400→5100

 

『真月のライフは残り1150。これが決まりさえすれば』

俺達のーーー

 

 

ーこの扉を開く者は新たなる力を得る。しかし、その者は代償として一番大事なものを失うー

 

 

「‼」

なんで、今この言葉を思い出したんだ…?

待て、真月はさっきなんて言った?

 

 

ー俺が契約した時に払ったものも取り戻せるかもしれないしなー

 

 

そうだ。

そんなことを言っていた。

扉を開けば取り戻せるかもしれないってことは、つまり契約を無かったことにするってことだ。

俺は、あの扉を開いて何かを失うことで、アストラルと出会った。

真月が無くしたと感じたものは俺にはまだない。

ということは、ひょっとしたら俺はまだ契約ができていないのかもしれない。

もし、俺がまだ何も失っていなかったとしたらーーー

 

『真月。君のフィールドにモンスターは無く、リバースカードも無い。我々の勝ちだ』

「ぐっ…そう、かな?」

『何?』

「勝てる、そう思うなら攻撃してみるといい。本当に勝てるんなら、な」

そう言うと真月はニヤリとする。

あの笑いは知ってる。

真月の奴、何か握ってる。

 

『…ならば、攻撃するまで。遊馬‼︎』

俺は…

 

 

ーこの世界で生き延びている人間に取り込んだ決闘者達をけしかけてやろうー

 

 

「っ…マシュ=マックでダイレクトアタックだ‼」

「リバースカードオープン、攻撃の無敵化‼︎ このターン、俺の受ける戦闘ダメージを0になる‼」

 

マシュ=マックから放たれた攻撃が真月に激突する寸前、最後の力を振り絞ったトレミスが翼を広げ、真月をダメージから守ると消え去った。

「…ありがとう、トレミス」

『対策済みだったか』

「当然」

「…ターンエンドだ」

 

遊馬 LP1300

手札 1

モンスター 1

No.33 先史遺産−超兵器マシュ=マック 攻撃

魔法・罠 0

 

内心でホッと息を吐く。

自分で攻撃しといてなんだが、良かった。

けど…あのカオスの門の言葉通りだったとして。

もし、俺がまだ何も失っていないのだとしたらーーー

 

俺は、アストラルか真月。

どっちかを選ばなきゃならないのか…?




いかがでしたでしょうか?

本作最強(そこそこ負けてるけど)相手にどう攻めるか。
どんな答えを見つけるか。

お楽しみに。

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