ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
e・ラーvs遊馬&シャーク&真月 2となっております。

お待たせしました。
ヤツの登場です。

それでは、どうぞ。


第149話

アルティマヤ・ツィオルキン

☆‐(12) 闇属性 ドラゴン族

ATK 0

DFE 0

ルール上、このカードのレベルは12として扱う

このカードはS召喚できず、自分フィールドのレベル5以上で同じレベルの、チューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる

(1):1ターンに1度、自分フィールドに魔法・罠カードがセットされた時に発動できる

「パワー・ツール」Sモンスターまたは

レベル7・8のドラゴン族Sモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する

(2):フィールドのこのカードは、他の自分のSモンスターが存在する限り、攻撃対象及び、効果の対象にならない

 

宣言と共に放たれた光が消えると、e・ラーの姿はなく、視界には赤が広がっていた。

「赤…?」

シャークか遊馬か、どちらかがそんなことを呟くと、その赤は素早く動く。

やがて、視界から赤が消えると、そこにはe・ラーと共に紅い巨大なドラゴンの姿があった。

『なんだ、このドラゴンは…⁉︎』

 

アストラルの言葉にドラゴンが大きく咆哮を上げ、それだけで空気がビリビリと震える。

「赤き…竜…‼︎」

俺の手にスターダストがある以上、いずれ直面するとは思ってはいたが…まさか、赤き竜そのものが敵として出てくるとは。

 

「知っているのか、真月」

「ああ…あのドラゴンは5000年周期で起こる戦いの時に地球を守る為に生み出された存在だ」

「ご、5000年⁉︎」

『それ程のドラゴンがe・ラーの手に…‼︎』

「フフフフ…このドラゴンはたいしたものよ。5000年毎に世界の希望となる力は我をして、見事だと言わざるをえない。だが‼︎ それも休眠期を叩かれてしまえば呆気ない」

休眠期…そうか、シンクロモンスターがないはずのこの世界で遊星達がシンクロモンスターと共に戦ったのはここ何年かの話。

ということは、戦いに向けて力を蓄えていた赤き竜が、力の使い果たさないまでも、大部分を使い切っていたとしてもおかしくはない。

 

「…だとしても、攻撃力も守備力も0のモンスター。攻撃さえ通せば問題ねぇ‼︎」

「フフフフ…我はカードをセットする」

『このタイミングでカードをセット…?』

「この瞬間、アルティマヤ・ツィオルキンの効果発動‼︎ カードをセットしたことにより、シンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する‼︎ 来るがいい、ブラックフェザー・ドラゴン‼︎」

 

ブラックフェザー・ドラゴン

☆8 闇属性 ドラゴン族

ATK 2800

DFE 1600

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分がカードの効果によってダメージを受ける場合、代わりにこのカードに黒羽カウンターを1つ置く。

このカードの攻撃力は、このカードに乗っている黒羽カウンターの数×700ポイントダウンする

また、1ターンに1度、このカードに乗っている黒羽カウンターを全て取り除く事で、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、その攻撃力を取り除いた黒羽カウンターの数×700ポイントダウンし、ダウンした数値分のダメージを相手ライフに与える

 

フィールドに突如、視界を塗り潰す程の黒い翼の嵐が吹き荒れる。

「今度はなんだ⁉︎」

「くっ…‼︎」

俺達が腕で顔を守っていると、唐突に翼の嵐が吹き飛んだ。

晴れたそこに、赤い瞳を光らせ、嘴や細かい部分以外全てが黒いドラゴンが姿を現す。

 

『この力、真月のドラゴンと同じ…⁉︎』

「フフフフ…そうか、逃した1枚は貴様が持っているのか」

逃した…ということは、赤き竜が襲われたのは俺があの扉にいた頃か。

遊星に会った時から、ずっと不思議に思っていた。

何故不動遊星がいるにも関わらず、俺にスターダスト・ドラゴンが渡ったのか。

それが、なんとなくだがわかった気がする。

おそらくは、苦し紛れに放っただけだったんだろう。

誰か、e・ラーを倒せる力を持った者が手にすることを願って飛ばしたんだろう。

それが、たまたま扉と契約を交わしていた俺の下に辿り着いた。

それだけなんだろう。

 

「ここまで集まれば、後1枚も欲しくなるというもの。貴様を倒し、回収するとしよう」

「やらせるかよ‼︎」

たとえそうだったのだとしても、今、スターダストは俺と共にある。

誰かに、ましてやe・ラーなんかにおいそれとやるわけにはいかない。

「ならば、やってみせるがいい。リバースカードオープン、ハーピィの羽根帚」

 

ハーピィの羽根帚(制限カード)

通常魔法

相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する

 

「これで貴様のリバースカード。そして、エクシーズ・ユニットは破壊される‼︎」

まずい‼︎

エクシーズ・ユニットが破壊されれば攻撃力は200まで落ちる。

このままでは…‼︎

「っ、シャーク‼︎」

「わかってる‼︎ リバースカードオープン、進入禁止!No entry‼︎」

 

進入禁止!No entry‼︎

通常罠

フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て守備表示にする

 

「FA‐ブラック・レイ・ランサーとお前のフィールドのブラックフェザー・ドラゴンを守備表示に変更する‼︎」

 

FA‐ブラック・レイ・ランサー

ATK 1000→200

 

「それで破壊を免れたつもりか? 我は地砕きを発動‼︎ FA‐ブラック・レイ・ランサーを破壊する‼︎」

「させるかよ‼︎ FA‐ブラック・レイ・ランサーの効果発動‼︎ 破壊される時、ORUを1つ取り除くことで破壊を免れる‼︎ 耐えろ、ブラック・レイ・ランサー…‼︎」

頭上に迫る巨大な手をブラック・レイ・ランサーが槍を盾にして受け止める。

 

FA-ブラック・レイ・ランサー

ATK 200→0

 

「破壊は免れたか。だが、貴様のモンスターにもはやORUはない。幸運は2度は続かぬぞ。我はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

e・ラー LP2000

手札 2

モンスター 2

アルティマヤ・ツィオルキン 守備

ブラックフェザー・ドラゴン 守備

魔法・罠 3

守護神の宝札

リビングデッドの呼び声(対象なし)

⁇?

 

「さあ、貴様のターンだ」

状況はかなり悪い。

奴のフィールドに、モンスターは3体。

うち2体はシグナーのドラゴン。

対する俺達のフィールドのモンスターは守備表示で攻撃力0のFA‐ブラック・レイ・ランサーが1体。

 

「…俺のターン、ドロー‼︎」

だが、手が全くないわけじゃない‼︎

「俺はセイクリッド・ソンブレスを召喚し、効果発動‼︎ 墓地のセイクリッド・ダバランを除外し、セイクリッド・アクベスを手札に加える‼︎ そして、効果を発動したソンブレスの効果により、セイクリッド・アクベスを召喚‼︎ さらに、アクベスの効果でセイクリッドと名のついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする‼︎」

 

セイクリッド・アクベス

ATK 800→1300

 

セイクリッド・ソンブレス

ATK 1550→2050

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎ こい、励輝士 ヴェルズビュート‼︎」

 

励輝士 ヴェルズビュート

★4 光属性 悪魔族

ATK 1900

DFE 0

レベル4モンスター×2

相手の手札・フィールド上のカードを合計した数が自分の手札・フィールド上のカードを合計した数より多い場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する

この効果を発動したターン、相手プレイヤーが受ける全てのダメージは0になる

この効果は自分のメインフェイズ時及び相手のバトルフェイズ時にのみ発動できる

 

フィールドで大きな爆発が起こると、白い鎧を着込み、ハエのような顔をしたレイピアを持った悪魔が現れた。

e・ラー自らが叩き伏せた赤き竜。

あれが戦力の中核なのは多分、間違いない。

あれを叩けさえすれば。

「『ドラゴンさえ叩けば』そう思っているのだろう?」

「…‼︎」

「フフフフ、わかりやすいなぁ貴様は。リバースカードオープン、サイバー・シャドー・ガードナー‼︎」

 

サイバー・シャドー・ガードナー

永続罠

相手のメインフェイズ時に発動できる

このカードは発動後モンスターカード(機械族・地・☆4・攻/守?)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する

このカードを攻撃対象とした相手モンスターの攻撃宣言時、このカードの攻撃力・守備力は相手攻撃モンスターと同じ数値になる

このカードは相手のエンドフェイズ時に魔法&罠カードゾーンにセットされる

このカードは罠カードとしても扱う

 

e・ラーのフィールドに突如、モンスターが現れる。

「サイバー・シャドー・ガードナー…っ‼︎」

だが、もはや関係ない‼︎

全て蹴散らしてやる‼︎

「ヴェルズビュートの効果発動‼︎ 俺達のフィールドと手札の合計がお前のフィールドと手札の合計より少ない時、ORUを1つ取り除き、ヴェルズビュート以外の全てのカードを破壊する‼︎ 俺達のフィールドはモンスターが2体と手札が4枚の計6枚‼︎ お前のフィールドはモンスターが3体と魔法・罠が2枚。そして、手札が2枚の計7枚‼︎ よって、効果は成立‼︎」

『これが決まればフィールドからカードは消える‼︎』

「そうすりゃ、あのドラゴンも破壊できる‼︎」

「いっけぇ、真月‼︎」

「やれ、ヴェルズビュート‼︎」

 

俺達の声にORUが弾けると、ヴェルズビュートが光を放ち始める。

その光は轟音と共にフィールドを呑み込み始める。

「甘い‼︎ リバースカードオープン、デモンズ・チェーン‼︎」

「なっ…⁉︎」

破壊するチャンスを奪われた…‼︎

「フフフフ、今破壊されるわけにはいかんからな?」

「…2枚伏せてターンエンド‼︎」

 

真月 LP2900

手札 2

モンスター 2

FA‐ブラック・レイ・ランサー 守備

励輝士ヴェルズビュート 攻撃

魔法・罠 2

⁇?×2

 

「貴様のターンのエンドフェイズ、サイバー・シャドー・ガードナーは再びセットされる」

『セット…だと…⁉︎』

「フフフフ、セットされたことでアルティマヤ・ツィオルキンの効果を発動‼︎ エクストラデッキからモンスターを特殊召喚する‼︎ 来い、エンシェント・フェアリー・ドラゴン‼︎」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン

☆7 光属性 ドラゴン族

ATK 2100

DFE 3000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる

この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない

また、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる

フィールド上のフィールド魔法カードを全て破壊し、自分は1000ライフポイント回復する

その後、デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える事ができる

 

e・ラーのフィールドに緑色のドラゴンが姿を現す。

そのドラゴンはブラックフェザーとは異なり、何かを発しようとはしない。

「我のターン、ドロー‼︎ 我はカードを1枚セットすることで、アルティマヤ・ツィオルキンの効果発動‼︎ 来るがいい、ブラック・ローズ・ドラゴン‼︎」

アルティマヤ・ツィオルキンが咆哮をあげると、光が放たれ、そこに見上げる程巨大な一輪の薔薇の蕾が現れる。

その薔薇が光られると、そこから赤黒い薔薇のような鱗を蓄えたドラゴンが姿を現した。

「また新たなドラゴン…‼︎」

「フフフフ…これで4体」

? …4体?

 

「ブラックフェザー・ドラゴンを攻撃表示に変更‼︎」

アルティマヤ・ツィオルキン以外の全てのモンスターがこちらへと攻撃の姿勢をとる。

「そしてリバースカードオープン、マジック・プランター‼︎ リビングデッドの呼び声を墓地に送り、更に2枚ドロー‼︎」

…シグナーのドラゴンの攻撃が来る‼︎

「ブラック・ローズ・ドラゴンでFA‐ブラック・レイ・ランサーを攻撃‼︎」

ブラック・ローズ・ドラゴンから吐き出された黒いブレスがブラック・レイ・ランサーに直撃する。

「エンシェント・フェアリー・ドラゴンで励輝士ヴェルズビュートを攻撃‼︎」

「ぐっ…‼︎」

 

真月 LP2900→2700

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴンが振り下ろした腕がレイピアを構えるヴェルズビュートを叩き伏せる。

これでフィールドは空になった。

「ブラックフェザー・ドラゴンでダイレクトアタック‼︎」

「っ‼︎ リバースカードオープン、ピンポイント・ガード‼︎ 墓地のセイクリッド・アクベスを特殊召喚‼︎」

ブラックフェザー・ドラゴンのブレスが守りを固めたアクベスに激突する。

「フフフフ…残念残念。我は2枚伏せてターンエンド」

 

e・ラー LP2000

手札 3

モンスター 4

アルティマヤ・ツィオルキン 守備

ブラックフェザー・ドラゴン 攻撃

エンシェント・フェアリー・ドラゴン 攻撃

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃

魔法・罠 4

守護神の宝札

サイバー・シャドー・ガードナー セット

⁇?×2

 

「…何かがおかしい」

「?」

「赤き竜の…アルティマヤ・ツィオルキンの効果はたしかに強い。カードをセットするだけでエースレベルのモンスターがポンポンと出せる。でも、だからこそおかしい」

「どういうことだ?」

「何故レベル7や8のモンスターを容易に出せるはずなのに、それを使ってエクシーズ召喚をしない?」

「‼︎」

『…たしかに。レベル7や8が容易に並べられるなら、より強い効果を備えたエクシーズを繰り出すことも可能なはず』

「…攻撃力の問題じゃねぇか? エクシーズしてしまうと、する前に比べて総攻撃力が落ちることはよくある」

シャークがそんなことを言う。

それは正しいのかもしれない。俺達を叩き伏せるつもりなら、そちらの方がいい。

だが…

 

「…これで4体…」

e・ラーの呟いた言葉が気にかかる。

「4体?」

「さっき、e・ラーが言っていたんだ」

「4体…ということは、まさか…」

「ああ」

…何か、e・ラーはとんでもない何かを企んでいる。

そんな予感がする。

 

『ならば、遊馬』

「ああ‼︎ e・ラーの野望を打ち砕く‼︎ いくぜ、アストラル‼︎」

 

「俺と‼︎」

『私で‼︎』

「『オーバーレイ‼︎』」

 

遊馬とアストラルが手を合わせると、青と赤のエネルギーの塊となり、空へと高く飛ぶ。

「『強き絆が光を導く。エクシーズチェンジ‼︎ ZEXAL‼︎』」

光を放ち、床へと落ちると、そこにはいつか見た姿と同じZEXALの姿があった。

 

「ほう? ZEXAL…面白い、喰らいがいのありそうな奴が現れたな」

「お前は俺達の全ての力に賭けてぶっ飛ばす‼︎ 俺のターン、全ての光よ‼︎力よ‼︎ 我が右腕に宿り、未来を導け‼︎ シャイきニングドロー‼︎」

ZEXALが空へと伸ばした右腕が光を放つと、手に光が集まる。

そのままデッキトップへと手を添えると、軌跡を残してカードを引き抜いた。

「いくぜ‼︎ 俺はゴゴゴギガースを召喚‼︎ 」

 

ゴゴゴギガース

☆4 地属性 岩石族

ATK 0

DFE 2200

このカードが墓地に存在し、自分が「ゴゴゴ」と名のついたモンスターの特殊召喚に成功した場合、このカードを墓地から表側守備表示で特殊召喚できる

「ゴゴゴギガース」の効果は1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない

 

「よっしゃあ‼︎ 俺は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎ こい、No.39 希望皇ホープ‼︎」

フィールドの2体のモンスターがエネルギーの塊となると、地面に開かれた穴へと飛び込み、爆発が起こった。

すると、その爆煙の中から見慣れた黄色と白の姿と共にホープが現れる。

「ほう、『希望』」

名前を聞いたe・ラーが反応を見せると、そのまま凄惨な笑みを浮かべた。

「クハハハ、面白い。貴様らはつくづく我を楽しませてくれる。リバースカードオープン、サイバー・シャドー・ガードナー」

フィールドに再びモンスターが現れる。

これでフィールドは全て埋まった。

 

「遊馬‼︎ 俺の伏せたカードを使え‼︎」

「おう‼︎ リバースカードオープン、RUM‐リミテッド・バリアンズ・フォース‼︎ 希望皇ホープを対象にオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオス・エクシーズ・チェンジ‼︎ 現れろ、CNo.39 希望皇ホープレイV‼︎」

希望皇ホープが皇の鍵のような形へと変わると、再び穴の中へと沈んでいき、爆発が起こる。

舞い上がる爆煙が消えたそこには赤と黒の攻撃的な様子のホープの姿があった。

 

「ホープレイVの効果発動‼︎ CORUを1つ取り除き、相手モンスターを破壊‼︎ 破壊した攻撃力分のダメージを与える‼︎ 俺が選択するのは、ブラックフェザー・ドラゴン‼︎」

「これが決まればe・ラーのライフは0になる‼︎」

「いけ、ホープレイV‼︎」

ホープレイVが曲刀を勢いよく投げると、光を放ちながら円形になり、回転しながらブラックフェザー・ドラゴンへと向かっていく。

「リバースカードオープン、亜空間物質転送装置」

 

亜空間物質転送装置

通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、このターンのエンドフェイズ時までゲームから除外する

 

円状の凶刃がブラックフェザー・ドラゴンに当たる寸前、フィールドに現れた謎の機械がブラックフェザー・ドラゴンを吸い込み、消え去った。

当たるはずの目標を失った凶刃はそのまま行き場を失い、e・ラーへと飛ぶも

「フン」

片腕で弾き飛ばした。

 

「その程度か?」

「まだだ‼︎ 俺はZW‐風神雲龍剣の効果を発動‼︎」

 

ZW‐風神雲龍剣

☆5 風属性 ドラゴン族

ATK 1300

DFE 1800

自分のメインフェイズ時、手札または自分フィールド上のこのモンスターを、攻撃力1300ポイントアップの装備カード扱いとして自分フィールド上の「希望皇ホープ」と名のついたモンスターに装備できる

また、このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、相手は装備モンスターをカードの効果の対象にできない

装備モンスターが戦闘によって破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する

「ZW-風神雲龍剣」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない

 

「コイツをホープレイVに装備する‼︎」

 

CNo.39 希望皇ホープレイV

ATK 2600→3900

 

フィールドに赤い小さなドラゴンが現れると、一振りの剣へと姿を変える。

「いくぜ‼︎ ホープレイVでブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃‼︎」

「っ…」

 

e・ラー LP2000→500

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド‼︎」

 

遊馬 LP2700

手札 2

モンスター 1

CNo.39 希望皇ホープレイV 攻撃

魔法・罠 2

ZW‐風神雲龍剣(CNo.39 希望皇ホープレイV)

⁇?

 

「どうだ‼︎」

ブラック・ローズ・ドラゴンの首を切り飛ばし、爆発の中に消えたe・ラーに向け、光と共に別れた遊馬がそう投げかける。

 

「…フハハハ…」

 

爆煙の中からそんな笑い声が聞こえ、晴れたそこには凄惨な笑みを浮かべるe・ラーの姿があった。

「今の攻撃は良かった。少し響いたな」

そう言うと、肩を震わせて笑う。

「だが、我のライフを奪い切れなかったことが、更なる絶望を呼ぶ‼︎ 亜空間物質転送装置の効果により、ブラックフェザー・ドラゴンはフィールドに戻る‼︎ そして、フィールドにいたサイバー・シャドー・ガードナーの効果により、再びセットする‼︎ そして、アルティマヤ・ツィオルキンの効果により、エクストラデッキのモンスターを特殊召喚する‼︎ こい、レッド・デーモンズ・ドラゴン‼︎」

e・ラーの言葉に地面が吹き飛ぶと、ほぼ同時に三本角の生えた悪魔のようなドラゴンが姿を見せる。

 

「我のターン、ドロー‼︎ フハハハ‼︎我はカードをセット‼︎ 効果により、パワー・ツール・ドラゴンを特殊召喚‼︎」

フィールドにいやにメカメカしい姿をしたドラゴンが現れる。

「くそっ、また新しいモンスターが来やがつ…‼︎」

「いや、それはそうなんだが…」

『…5体』

 

e・ラーのフィールドにはとうとうモンスターが5体揃ってしまった。

しかし、フィールドにいるのはレベル7が2体と8が2体。

だが、ここからエクシーズ召喚を狙うつもりなら、もっと早い段階でしているはず。

奴は一体何を…?

 

「フハハハハハ‼︎ これで5体。もはや勝敗は決した‼︎」

「どういう意味だ」

「貴様らは真の絶望を知る‼︎ リバースカードオープン、ゴーゴンの眼‼︎」

 

ゴーゴンの眼

通常罠

エンドフェイズ終了時まで、フィールド上に存在する守備表示モンスターの効果は無効化される

 

「守備表示モンスターは我のフィールドのアルティマヤ・ツィオルキン1体。よって、アルティマヤ・ツィオルキンの効果は無効になる」

e・ラーの宣言と共に赤き竜が苦しげに唸り声をあげると、そのまま石になってしまった。

 

「何の真似だ?」

「この竜はちと面倒な効果があるのよ。だが、これで準備は整った。我はギャラクシー・クィーンズ・ライトを発動‼︎」

 

ギャラクシー・クィーンズ・ライト

通常魔法

自分フィールド上のレベル7以上のモンスター1体を選択して発動できる

自分フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターのレベルはエンドフェイズ時まで選択したモンスターと同じレベルになる

 

「ギャラクシー・クィーンズ・ライト…ってことは、レベルを揃えるつもりか」

『ならば、やはりエクシーズ召喚を狙っているとみていいはず』

「でも、一番高いレベルって8だろ? 8を5体も揃えて…」

 

…‼︎

 

「いや、違う‼︎ 8じゃない‼︎」

「…気付いたか。フフフフ、察しの良い奴は嫌いではないぞ、真月。我が選ぶのは、アルティマヤ・ツィオルキン‼︎」

『アルティマヤ・ツィオルキンだと⁉︎』

「けど、そいつにレベルは無かったはず…」

「‼︎ いや、たしかあのドラゴンのレベルは…‼︎」

「アルティマヤ・ツィオルキンにレベルは無い。だが、それはあくまでも表記の上での話。レベル0のモンスターなどいるはずもない。それは、このドラゴンも同じ。アルティマヤ・ツィオルキンはルール上により、元々のレベルは12よ‼︎」

 

ブラックフェザー・ドラゴン

☆8→12

エンシェント・フェアリー・ドラゴン

☆7→12

パワー・ツール・ドラゴン

☆7→12

レッド・デーモンズ・ドラゴン

☆8→12

 

「レベル12のモンスターが5体⁉︎」

「そう‼︎ 我はフィールドの5体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎ 現れろ、CNo.1000‼︎ 混沌の憂えは、浅ましき人の業。天壌の夢は、無窮の幻。虚ろの神よ、闇をもて、光に鉄槌を‼︎ 夢幻虚神ヌメロニアス‼︎」




いかがでしたでしょうか?

ヌメロニアスの強さはボスデュエルで身を持って味わいました。
正面突破でぶち抜いた遊馬やナッシャークさんは流石だなぁ。
なお、ピン刺しのジョウゲンで突破した模様。

それでは。

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