シャーク・璃緒・真月君vsベクター 2となっております。
来月の改定でネフィリムと征竜がまとめて禁止落ちだそうですね。
KONAMIいいぞ、もっとやれ!(キーパーツの差もあるんでしょうけど、散々暴れまくったわりには全盛期の【カオス】よりはまあ保った方ですかね)
それでは、どうぞ。
「クレイジー・ボックスでジャッジ・バスターに攻撃‼」
俺の攻撃宣言と共にクレイジー・ボックスの目から一直線に光線が飛び出す。
その攻撃はベクターの前に立つジャッジ・バスターにーーー
「リバースカードオープン‼」
当たる寸前、デュエル開始前にも見せた人を馬鹿にした顔と共にベクターはリバースカードを発動させた。
「ヘイト・バスター‼」
ヘイト・バスター
通常罠
自分の悪魔族モンスターが攻撃対象に選択された時、攻撃モンスター1体とその攻撃対象モンスター1体を対象として発動できる
その攻撃モンスターとその攻撃対象モンスターの2体を破壊し、破壊した攻撃モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える
「ヒャアハハハハハァ‼ ひっかかったァ‼」
「どういうことだ、ベクター‼」
ベクターの突然の変わりように状況について行けなかったらしい遊馬が切り出す。
「どうもこうもあっかよォ‼ みんな俺様の名演技に引っかかったのよ‼ どうしようもねェアマちゃんだな、お前らはよォ‼」
「くっ…‼」
「さァて…ヘイト・バスターの効果を発動させる前に…邪魔な神とやらを先に始末するかァ」
ーどういう意味だ、ベクター‼ー
「俺はとおっくに気付いてたのさ。お前が俺の記憶を改竄していたことなんてなァ。だからよォ、こうやって俺様がお前の力を超える瞬間を待っていたンだよ」
そう言い放つと、ベクターの身体が光を放ち、消えたそこには何度か見たバリアンの姿になる。
「七皇の力を取り込んだ俺は今やお前よりも上なんだよ‼」
そう叫び、瞳が怪しく光るとドン・サウザンドが紫の炎に包まれた。
ーば、馬鹿な‼ これ程の力を…‼ ベ、ベクタアァァァ…ー
ドン・サウザンドは炎の中、悶えていたが、やがてそのまま炎が消えるようにして、その場に小さな塊を残し、消え去った。
「そしてェ、ドン・サウザンドの力を奪うことで、俺は更なる力を手にする‼」
そう叫ぶや、塊を握り、自分の胸へと染み込ませた。
「ぐっ…⁉」
「零君…?」
「これ、は…」
身体が、熱い…‼
ベクターの影響か…‼
「うぉぉおおおお‼」
ベクターが叫ぶと、ベクターの身体が再び紅い光に包まれ、大きく強靭に変化していく。
やがて、光が消えたそこには翼が消え、筋肉質になったベクターの姿があった。
「ククククッ…さァて、次はお前らの番だ。俺はジャッジ・バスターを選択し、クレイジー・ボックスを破壊‼ クレイジー・ボックスの攻撃力3000をくらってお前は終わりだァ‼」
ヘイト・バスターが光を放ち始める。
このままでは、俺達も光の中に飲み込まれてしまうだろう。
だが…‼
「っ…訂正してもらおうか、ベクター」
「あァ?」
「少なくとも、俺達はお前の嘘なんて見抜いていた」
そう言って俺がシャークと璃緒に顔を向けると、2人は揃って不敵な笑みを浮かべる。
「俺はチェーンして神秘の中華鍋を発動‼ クレイジー・ボックスをリリースし、攻撃力を選択。選択した分、ライフを回復する」
真月 LP2000→5400
瑠那がクレイジー・ボックスと共に姿を消すと、暖かい光が俺を包み込む。
「ヘイト・バスターは効果解決時に破壊するモンスターがいなければ、効果は発動しない‼ よって、効果は不発だ‼」
「テメェ、信じたんじゃなかったのか‼」
「お前の言葉の何を信じろっていうんだ」
「…ええ。ベクター、貴方の言葉には信じるに足るものが何1つとしてないわ」
「くっ…‼」
「カードを1枚伏せてターンエンドだ‼」
真月 LP5400
手札 2
モンスター 0
魔法・罠 1
⁇?
「テメェら…許さねぇ‼ 見せてやるよ、俺の本当の力を‼ 俺のターン、ドロー‼ カップ・オブ・エースを発動‼ 表が出れば俺が、裏が出れば真月‼ お前がドローする‼」
ベクターの叫びと共にコインが大きく跳ねる。
「本来なら、確率は2分の1…だが‼ 今の俺にはドン・サウザンドの力がある‼ とくればよォ」
コインがゆっくりと地面に落ちる。
出た面は…
「当然、表だァ‼ リバースカードオープン、エクシーズ・リボーン‼ 墓地のアンブラルを特殊召喚‼ クククッ…さらに、RUM−アージェント・カオス・フォースを発動‼」
「‼」
アージェント・カオス・フォース…‼ そのカードは‼
「Ⅳの使った…‼」
「人類の切り札、だったっけなァ? 馬鹿め、奴らの宿る力自体がバリアンの力だということを忘れたか‼ 俺はアンブラルでオーバーレイネットワークを再構築‼ カオス・エクシーズ・チェンジ‼ 現れろ、CNo.5‼ 混沌なる世界の亡者ども‼今、その魂をひとつに溶かし、混濁とした世界に降臨せよ‼ 亡朧龍カオス・キマイラ・ドラゴン‼」
CNo.5 亡朧龍カオス・キマイラ・ドラゴン
★6 闇属性 ドラゴン族
ATK 0
DFE 0
レベル6モンスター×3体以上
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×1000アップする
(2):このカードが攻撃を行ったダメージステップ終了時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる
このカードは相手モンスターに続けて攻撃できる
(3):バトルフェイズ終了時、LPを半分払い、自分・相手の墓地のカードを合計2枚対象として発動できる
その内のカード1枚を持ち主のデッキの一番上に置き、もう1枚をこのカードの下に重ねてX素材とする
アンブラルが大きなエネルギーの塊となり、空高く昇り紅い一際大きな爆発を起こす。
すると、そこから紫の顔に紅い眼をギラギラと光らせ、瞳と同じくらい紅く巨大なドラゴンの姿が躍り出た。
「カオス・キマイラ・ドラゴン…‼」
これがベクターの切り札…‼
「カオス・キマイラ・ドラゴンはCORUの数で攻撃力が変化する‼ 今のユニットの数は2つ‼ よって、攻撃力は2000だ‼」
CNo.5 亡朧龍カオス・キマイラ・ドラゴン
ATK 0→2000
「いくぞ‼ 俺はカオス・キマイラ・ドラゴンでダイレクトアタックだ‼ くらえ、真月‼」
「ぐっ…おおおおお‼」
真月 LP5400→3400
「真月‼」
「零君‼」
「リ、リバースカード、オープン‼ ダメージ・コンデンサー‼」
ダメージ・コンデンサー
通常罠
自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を1枚捨てて発動できる
受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する
「手札を1枚、墓地に送りセイクリッド・カウストを特殊召喚…‼」
フィールドに現れたコンデンサーから凄まじい稲妻が迸り、大きな爆発を起こす。
すると、そこには白い鎧を着込んだ弓を握るケンタウロスの姿があった。
「自分の身を削ってでも次に託すか。やるじゃねェか、真月よォ。だが、カオス・キマイラ・ドラゴンの効果発動‼ バトル終了時、ライフを半分にすることで、墓地のカードを2枚選ぶ‼ 俺は墓地の仮面魔踏士アンブラルと、凌牙‼ お前の墓地のブラック・レイ・ランサーだ‼」
「俺の墓地のモンスターを…⁉」
「そうだ‼ そして、アンブラルはデッキに、ブラック・レイ・ランサーはCORUに加える‼」
ベクター LP4000→2000
CNo.5 亡朧龍カオス・キマイラ・ドラゴン
ATK 2000→3000
「くっ…‼」
ライフ半減が起こったものの、攻撃力が更に上がってしまった。
「ジャッジ・バスターを守備表示に変更‼ 1枚伏せてターンエンドだ‼」
ベクター LP2000
手札 0
モンスター 2
No.65 裁断魔人ジャッジ・バスター 守備
CNo.5 亡朧龍カオス・キマイラ・ドラゴン 攻撃
魔法・罠 1
⁇?
「俺のターン、ドロー‼ 真月、お前の出したモンスター。無駄にはしねぇ‼ 俺はスピア・シャークを召喚‼」
カウストの隣に赤い体表面の鋭く輝く角を持つサメが現れる。
2体のモンスターのレベルは4…だが、シャークはカオス・キマイラ・ドラゴンに勝てるモンスターを持っているのか?
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 力を貸せ、ナッシュ‼ 現れろ、No.101 S・H・Ark Knight‼」
フィールドに存在する2体のモンスターが白と青のエネルギー体へと姿を変え、爆発を起こす。
すると、何も無い空間に白と紫の一隻の船が現れた。
紅く光る中央の向こうには人影のようなものがぼんやりと見える。
「これは…⁉」
「オーバーハンドレッドナンバーズだとォ⁉ テメェ、まさか…‼」
「そう。俺にはバリアン七皇の1人、ナッシュの魂が宿っている‼」
ナッシュのオーバーハンドレッドナンバーズをシャークが使っている…それは、まさか
「心配すんなよ、真月。俺はナッシュじゃねぇ、神代凌牙だ」
俺の表情を見てか、シャークがそうやって俺に返す。
「でも、ならどうしてシャークがオーバーハンドレッドナンバーズを…?」
「なんてことはねぇ。俺がナッシュから分捕っただけだ」
分捕ったって…
まあ、シャークらしいといえばらしいか。
「ベクター、お前とナッシュの縁は俺も大体は知っている」
「なら、なんだってんだ」
「例えドルべのことが無かったとしても、お前をぶっ飛ばしてやる。それが俺なりのナッシュへのケジメだ。俺はArk Knightの効果発動‼ ORUを2つ取り除き、相手フィールドの特殊召喚された攻撃表示のモンスターをコイツ自身のORUにする‼ 俺が選ぶのは、カオス・キマイラ・ドラゴンだ‼」
Ark Knightから無数の白い糸のようなものが噴出する。
この効果が決まれば勝負は決定的なものになるーーー‼
「甘ェんだよ‼ リバースカードオープン、皆既日食の書‼」
皆既日食の書
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て裏側守備表示にする
このターンのエンドフェイズ時に相手フィールド上に裏側守備表示で存在するモンスターを全て表側守備表示にし、相手はその枚数分だけデッキからカードをドローする
糸がカオス・キマイラ・ドラゴンに触れる寸前、ジャッジ・バスター諸共裏側になり、姿を隠す。
Ark Knight自身も裏側となり、糸が千切れてしまった。
「なんだと⁉」
「裏側になっちまったから、奪取能力は無効ってわけだ。ナッシュの力ってのも大した事ねェなァ?」
「くっ、一時休戦を発動‼ 互いのプレイヤーは1枚ドローし、次の相手のターン終了時まで、お互いが受けるダメージは0になる。ドロー‼」
「なら、遠慮なく。ドローだ‼」
「強欲なカケラを発動‼ カードを2枚伏せてターンエンド‼ エンドフェイズ、皆既日食の書の効果でArk Knightを表側表示にし、1枚ドローする」
シャーク LP3400
手札 1
モンスター 1
No.101 S・H・Ark Knight 守備
魔法・罠 3
強欲なカケラ
⁇?×2
ベクターの勝ち誇るような嗤い声に暗雲が立ち込めているのが俺自身にもわかる。
だが、諦めるわけには…‼
いかがでしたでしょうか?
次回、結着。
それでは。