ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんばんは。
体調は快復に向かいつつも未だ不調です。
横になってちまちまやってたら出来たんで投稿します。
真月君はどうなってしまうのか…‼
それでは、どうぞ。


第14話

 翌日の夕方、遊馬と共にギラグに指定された場所へ向かうとそこにはギラグが立っていた。

 

「…来たな、遊馬。それに真月…‼」

「ギラグ、聞いてくれ‼ 俺は遊馬とアリトがデュエルをしていた時ミザエルとデュエルをしてたんだ‼」

「ミザエルと…だと…?」

「ああ‼ なんならミザエルに聞いてくれても構わない‼ 決着を付けた後俺はミザエルから貰ったダメージが大き過ぎて気絶していた‼ だからそのアリトって奴を闇討ちなんかしてない‼」

「ギラグ‼ 真月の言う通りこいつは病院で目を覚ますまで一度も起きなかった‼ だからアリトは」

「うるせぇ‼ だとしたらアリトを闇討ちした奴の特徴が真月と一致するはずがねぇ‼」

「ギラグ‼」

「くどいぞ‼ 俺はアリトの仇を討つ‼ そして遊馬‼ お前のナンバーズを回収させてもらう‼」

 

 ダメか。ギラグは完全に頭に血が昇ってる。

 こうなっては何を言ったところで聞き入れはしないだろう。ならば

「遊馬、やるしかない」

「おう‼ けど真月、無茶すんなよ?」

「ああ、遊馬こそ」

「バリアンズスフィアフィールド‼展開‼」

 そう叫んだギラグの手の中で何かが光を放つと赤い球体状の空間が広がり俺達とギラグは取り込まれた。

 

「「デュエルディスク、セット‼ Dゲイザー、セット‼」」

 

「うおおおおお‼ バリアルフォーゼ‼」

 そう叫んだギラグは人間の姿から緑を基調とした姿へと変貌した。

「それがバリアンとしての姿か…」

「このデュエルは変則タッグルールとする‼お前達のライフポイントは2人合わせて4000‼いいな‼」

「ああ‼」

「おう‼」

「いくぞ‼」

 

「「「デュエル‼」」」

 

 ギラグ LP4000

 真月&遊馬 LP4000

 

「俺の先攻‼ドロー‼ 俺はモンスターをセット‼ ターンエンド‼」

 

 ギラグ LP4000

 手札 5

 モンスター 1

 裏側守備

 魔法・罠 0

 

「遊馬、先にいくぞ‼」

「おう‼」

「俺のターン‼ドロー‼」

 

 ギラグのデッキは以前のタッグデュエルのままなら【岩石族】だろう。

 となれば岩石族特有の高い守備力を突破しなければならない…が、今の俺の手札に突破できそうなモンスターはいない。ならば

「おろかな埋葬を発動‼ デッキからセイクリッド・カウストを墓地に送る‼ さらにセイクリッド・シェラタンを召喚し効果発動‼ 召喚成功時デッキからセイクリッドを1体手札に加える‼ 俺が手札に加えるのはセイクリッド・ソンブレス‼ カードを1枚伏せてターンエンド‼」

 

 真月&遊馬 LP4000

 手札 4

 モンスター 1

 セイクリッド・シェラタン 攻撃

 魔法・罠 1

 ⁇?

 

「いくぞ‼俺のターン‼ドロー‼モンスターを反転召喚‼番兵ゴーレムを攻撃表示に変更‼」

 番兵ゴーレムだと…⁉

 

 番兵ゴーレム

 ☆4 地属性 岩石族

 ATK 800

 DFE 1800

 このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる

 このカードが反転召喚に成功した時相手フィールド上モンスター1体を持ち主の手札に戻す

 

「効果発動‼ 真月‼お前のセイクリッド・シェラタンを手札に戻せ‼」

「させるか‼ リバースカードオープン‼デモンズ・チェーンを番兵ゴーレムを対象に発動‼ 効果の発動と表示形式の変更を封じる‼」

『これで番兵ゴーレムのリバース効果を封じることができる。中々のタクティクスの持ち主だ、真月』

「くっ…巨大ネズミを召喚‼」

 

 巨大ネズミ

 ☆4 地属性 獣族

 ATK 1400

 DFE 1450

 このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時デッキから攻撃力1500以下の地属性モンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚できる

 

「巨大ネズミでセイクリッド・シェラタンに攻撃だ‼ いけ‼」

「ぐっ‼」

 

 真月&遊馬 LP4000→3300

 

「まだだ‼ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼」

 2体のレベル4…まさか

「この世の全てをその手で握り潰せ‼ 現れろ‼No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド‼」

 

 No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド

 ★4 地属性 岩石族

 ATK 2000

 DFE 2000

 レベル4モンスター×2

 相手フィールド上の効果モンスターの効果が発動した時このカードのエクシーズ素材を2つ取り除き相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる

 このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り選択した効果モンスターの効果は無効化され表示形式の変更もできない

 この効果は相手ターンでも発動できる

 

「出たな…‼オーバーハンドレッドナンバーズ‼」

「さらにフィールド魔法 岩投げエリアを発動‼」

 

 岩投げエリア

 フィールド魔法

 1ターンに1度、自分フィールド上のモンスターが戦闘によって破壊される場合代わりに自分のデッキから岩石族モンスター1体を墓地へ送る事ができる

 

「ターンエンド‼」

 

 ギラグ LP4000

 手札 4

 モンスター 1

 No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド 攻撃

 魔法・罠 1

 岩投げエリア

 

「俺のターン‼ドロー‼ ゴブリンドバーグを召喚‼」

 

 ゴブリンドバーグ

 ☆4 地属性 戦士族

 ATK 1400

 DFE 0

 このカードが召喚に成功した時手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる

 この効果を使用した場合このカードは守備表示になる

 

「効果発動‼ 手札のガガガマジシャンを特殊召喚だ‼」

 

 ガガガマジシャン

 ☆4 闇属性 魔法使い族

 ATK 1500

 DFE 1000

 1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に1から8までの任意のレベルを宣言して発動できる

 エンドフェイズ時までこのカードのレベルは宣言したレベルになる

 ガガガマジシャンは自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない

 このカードはシンクロ素材にできない

 

 レベル4が2体…もう来るのか?

「ゴブリンドバーグを守備表示に変更‼ 俺は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ‼No.39 希望皇ホープ‼」

 

 No.39 希望皇ホープ

 ★4 光属性 戦士族

 ATK 2500

 DFE 2000

 レベル4モンスター×2

 自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

 そのモンスターの攻撃を無効にする

 このカードがエクシーズ素材の無い状態で攻撃対象に選択された時このカードを破壊する

 

『遊馬、ホープの召喚が早過ぎるのではないか?まずは落ち着いて守りを固めて』

「そんなことしてる間にやられたら真月を守れないだろ」

『真月は守られなければならない程弱くはない。それは君もわかっているはずだ』

「だとしても、このデュエルは普通のデュエルじゃねぇ。ただでさえ転校してきてから真月を巻き込んでるんだ。俺が守らねぇと」

『………』

 

「いけ‼ホープ‼ ジャイアント・ハンドに攻撃‼」

「岩投げエリアの効果発動‼ デッキからリバイバルゴーレムを墓地に送り戦闘破壊を無効にする‼ そして墓地のリバイバルゴーレムの効果発動‼デッキから墓地に送られたことによりこいつを守備表示で特殊召喚‼」

「だが戦闘ダメージは受けてもらうぜ‼」

「くっ…」

 

 ギラグ LP4000→3500

 

「ターンエンド‼」

 

 真月&遊馬 LP3300

 手札 4

 モンスター 1

 No.39 希望皇ホープ 攻撃

 魔法・罠 0

 

「俺のターン‼ドロー‼ 2体目のリバイバルゴーレムを召喚‼ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来い‼妖精王 アルヴェルド‼」

 

 妖精王 アルヴェルド

 ★4 地属性 植物族

 ATK 2300

 DFE 1400

 地属性レベル4モンスター×2

 1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

 地属性以外のフィールド上の全てのモンスターの攻撃力・守備力は500ポイントダウンする

 

「まずい…‼」

「え、まずいって何が」

「妖精王 アルヴェルドの効果発動‼ORUを1つ取り除き地属性以外のモンスターの攻守を500ポイントダウンする‼」

 フィールドにいるモンスターはアルヴェルド、ジャイアント・ハンド、ホープの3体。

 ホープは光属性…ということは

 

 No.39 希望皇ホープ

 2500→2000

 2000→1500

 

「ホープ‼」

「さあいくぜ‼アルヴェルドで希望皇ホープに攻撃‼」

「希望皇ホープの効果発動‼」

「甘い‼ジャイアント・ハンドの効果発動‼ORUを2つ取り除きホープの効果と表示形式の変更を無効にする‼ 消えろ‼ホープ‼」

「うっ…‼」

 

 真月&遊馬 LP3300→3000

 

「いけ‼ジャイアント・ハンド‼ 遊馬と卑怯者の真月にダイレクトアタック‼」

「「ぐあああああっ‼」」

 

 真月&遊馬 LP3000→1000

 

「くっ…」

「大丈夫か?真月」

「ああ…」

『うっ⁉』

「アストラル⁉」

 と言った遊馬の目の前でアストラルはゆっくりと崩れ落ちた。

 アストラル…⁉

 

「おい、アストラル⁉」

『遊馬、すまない…私が付き合えるのは…ここまでのようだ』

「アストラル‼」

『遊馬…ギラグはミザエルやアリトに匹敵する力を持っている。君にカードを預ける。落ち着いて、真月と力を合わせるんだ』

 そう言うとアストラルは姿を消してしまった。

「ターンエンド‼アストラル無しでどうするのか見せてもらうぞ、遊馬‼」

 

 ギラグ LP3500

 手札 4

 モンスター 2

 No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド 攻撃

 妖精王 アルヴェルド 攻撃

 魔法・罠 1

 岩投げエリア

 

「俺のターン‼ドロー‼…ッ⁉」

 このカードは…⁉何故このカードがデッキに入っているんだ⁉

 俺はデッキに入れなかったはず…

 

「真月?」

「…セイクリッド・ソンブレスを召喚‼効果発動‼ 墓地のセイクリッド・シェラタンを取り除きセイクリッド・カウストを特殊召喚する‼ 蘇れ‼セイクリッド・カウスト‼カウストの効果発動‼カウスト自身とソンブレスのレベルを1つずつ上げる‼」

 

 セイクリッド・カウスト ☆4→5

 セイクリッド・ソンブレス ☆4→5

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ‼セイクリッド・プレアデス‼」

「きやがったな…真月のエースモンスター」

 

 相手のフィールドはジャイアント・ハンドにアルヴェルド…どちらをバウンスするか。

 アルヴェルドを残すとアルヴェルドの効果の発動を許してしまう。

 ならばORUを使い果たしたジャイアント・ハンドを残すか?いや、バリアンズ・フォースをドローされてランクアップの可能性もある。

 

「プレアデスの効果発動‼ORUを1つ取り除き、アルヴェルドをエクストラデッキに戻す‼」

「ORUの無いジャイアント・ハンドを残すか」

「いけ‼プレアデス‼ ジャイアント・ハンドに攻撃‼」

「岩投げエリアの効果発動‼ デッキから岩石の巨兵を墓地に送る‼」

 

 ギラグ LP3500→3000

 

 …次のターン。奇妙な予感だが、ギラグはバリアンズ・フォースをドローする。そんな気がする。もしそこでプレアデスを突破すれば俺達はピンチに陥る。

 ライフは1000。挽回するのは難しいだろう。

「2…」

 

 ー負けたらどうする?

 負けたら…?

 

 ーもしそいつを使えば勝てていたという負け方をしたらどうする?

 いや…でもそれは…

 

 ー無いとは言い切れない。

 ………

 

「…3枚伏せてターンエンド‼」

 

 真月&遊馬 LP1000

 手札 1

 モンスター 1

 セイクリッド・プレアデス 攻撃

 魔法・罠 3

 ???×3

 

「俺のターン‼ドロー‼ ORUの無いジャイアント・ハンドを残すのは悪くなかったが…残念だったな、真月」

「まさかドローカードが…‼」

「そうとも‼RUMーバリアンズ・フォースを発動‼」

 まずい‼ それをさせるわけには…‼

「させるか‼ プレアデスの効果を」

「チェーンしてリバースカードオープン‼ブレイクスルー・スキルをプレアデスを対象に発動‼」

「…ッ‼」

「お前のモンスターへの対策は済ませてある‼」

 くっ…カオスナンバーズが来る‼

「ジャイアント・ハンドでオーバーレイネットワークを再構築‼カオス・エクシーズチェンジ‼ 現れよ‼CNo.106‼ 混沌なる世界を掴む力よ‼その拳は大地を砕きその指先は天空を貫く‼溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド‼」

 

 CNo.106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド

 ★5 地属性 岩石族

 ATK 2600

 DFE 2000

 レベル5モンスター×3

 このカードがNo.と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合以下の効果を得る

 1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの効果がフィールド上で発動した時に発動する

 このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果をターン終了時まで無効にする

 

 ジャイアント・ハンド・レッド…‼ これがギラグのカオスナンバーズ‼

「いけ‼ジャイアント・ハンド・レッド‼」

「「うわああああああ‼」」

 

 真月&遊馬 LP1000→900

 

 たった100のダメージでこれか…‼

 

「ターンエンド‼」

 

 ギラグ LP3000

 手札 4

 モンスター 1

 CNo.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド・レッド 攻撃

 魔法・罠 1

 岩投げエリア

 

「くっ…効果を無効にするモンスターなんてどうやって倒せば」

「…突破口は、ある。あの効果は強力だ。でも魔法・罠・効果モンスターの発動にCORUを必ず使わう必要がある。ジャイアント・ハンド・レッドのユニットは残り1つ。あれを使わせれば…」

「そっか…‼俺のターン‼ドロー‼ガガガリベンジを発動‼」

 

 ガガガリベンジ

 装備魔法

自分の墓地のガガガと名のついたモンスター1体を選択して発動できる

選択したモンスターを特殊召喚しこのカードを装備する

このカードがフィールド上から離れた時、装備モンスターを破壊する

また、装備モンスターがエクシーズ素材になる事によってこのカードが墓地へ送られた時自分フィールド上の全てのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップする

 

「…ジャイアント・ハンド・レッドの効果発動‼くっ…CORUを剥がしにきたか」

「へんっ‼どんなもんだ‼」

「だが‼ジャイアント・ハンド・レッドはどう突破するつもりだ?」

「大丈夫だ。遊馬、右のリバースカードを先に発動してくれ」

「おう‼リバースカードオープン‼リビングデッドの呼び声か‼で、何を出すんだ?」

「蘇らせるのは希望皇ホープだ」

「ホープ?」

「ああ」

「わかった。俺は墓地の希望皇ホープを特殊召喚‼」

「ホープの攻撃力じゃジャイアント・ハンド・レッドには僅かに足りねぇな」

 

 ………

 

「…遊馬。お前は俺を信じているって言ってくれたな」

「? ああ。仲間だからな」

「すごく嬉しかった。そういってもらえるだけで、俺は報われたような気さえしたんだ」

「真月?」

「遊馬、俺の伏せた最後のカード。そのカードは俺から遊馬への信頼の形だ。使ってくれ」

「…わかった。いくぞ、真月」

「ああ」

「かっとビングだ‼俺‼ リバースカードオープン‼」

 と遊馬がリバースカードの宣言をすると同時にカードから光が放たれた。

「それは…⁉」

「リミテッド・バリアンズ・フォース…?」

 

 RUMーリミテッド・バリアンズ・フォース

 通常魔法

 自分フィールド上のランク4のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる

 選択したモンスターよりランクが1つ高いCNo.と名のついたモンスター1体を選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する

 

「それが俺から遊馬への信頼の証だ。さあ、遊馬‼」

「おう‼ 俺は希望皇ホープでオーバーレイネットワークを再構築‼出でよ‼CNo.39‼混沌を統べる赤き覇王‼悠久の戒め解き放ち赫焉となりて闇を打ち払え‼ 降臨せよ‼希望皇ホープレイV‼」

 

 CNo.39 希望皇ホープレイV

 ★5 光属性 戦士族

 ATK 2600

 DFE 2000

 レベル5モンスター×3

 このカードが相手によって破壊された時自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す事ができる

 また、このカードが希望皇ホープと名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合以下の効果を得る

 ・1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる

 選択したモンスターを破壊し破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える

 

「バリアンズ・フォースだと⁉」

「ホープレイVの効果発動‼ CORUを1つ使いジャイアント・ハンド・レッドを破壊‼攻撃力分のダメージを与える‼」

「ぐおおおっ‼」

 

 ギラグ LP3000→400

 

「いっけぇ‼ホープレイV‼ダイレクトアタック‼」

「ぐあああああああっ‼」

 

 ギラグ LP400→0

 

「うっ…くっ…馬鹿な。真月、貴様は一体…⁉」

 

 ………

 

「いずれわかるさ…いずれな」

 そう言うとギラグは開かれたワームホールのようなものの中に消えると同時にスフィアフィールドが消え俺達は地面に足をつけた。

「真月」

「…遊馬、遊馬にだけ全て話す」

 

 

「真月がバリアン⁉」

 俺達は場所を変え、適当なベンチに座ると素性を明かした。

「ああ。ただ、俺はそれ以外何も覚えてないんだ」

「覚えてない?」

「ああ、バリアンであること以外何も覚えてない」

「なんですぐ教えてくれなかったんだ?」

「怖かったんだ。遊馬達に嫌われるのが。俺には遊馬達との繋がり以外何も無いんだ。だから、遊馬達に嫌われるのだけは絶対に避けたかった。だから隠してたんだ」

「………」

「でも、昨日信じていると言われた時…遊馬になら明かしてもいいかもしれないと思えたんだ。だから遊馬にだけ教える。俺達だけの…アストラルにも内緒の秘密にしてくれないか?いずれ、みんなには俺からきちんと話したい」

「わかった。でも、俺達はこれからも仲間だぜ‼」

「ああ。俺達は信じ合える仲間だ」

「じゃあ真月、これ」

「それは遊馬が持っていてくれ。バリアンが直接来たということはこれから戦いは更に厳しさを増していくと思う」

「わかった。大事に使わせてもらうぜ」

「ああ、そうしてくれ。じゃあ、そろそろ帰るか」

「おう‼ 帰ろうぜ、真月」

 そう言うと夕暮れの通学路を俺達は並んで歩き出した。

 

 …遊馬が信じてくれた。これだけは、ホントに記憶を無くすような何かがあっても大切にしたいな。

 




いかがでしたでしょうか?
真月君は遊馬と秘密を共有する仲に

裏話諸々は活動報告にまた載せていますのでそちらもよければどうぞ。
それでは。

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