ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。

カイトvsミザエル 導入(ひょっとしたら前編)となっております。
ZEXAL再放送開始!
出た!KONMAIさんの再放送コンボだ!
…5D'sのが良かったなとか思ってはいけない。
それでは、どうぞ。


第138話

「………」

 

ドルべが消えた。

どうなって最終的にドルべが消えたかはわからない。

でも、誰がやったかはわかる。

ベクターだ。

 

「…っ‼」

…俺があそこでベクターを再起不能にしておけば…‼

「…ベクターの、行方は…」

「…多分、バリアンに向かったとドルべは言っていたわ」

バリアン世界…

今頃、遊馬達が向かっているはず。

ということは

「狙いは遊馬とアストラル…‼」

なら、こうしているわけにはいかない。

俺の目標を叩き壊したベクターがこれ以上の凶行に及ぶ前になんとしても止めなくては…‼

「しかし、どうやって…っ⁉」

俺がそう呟いた瞬間、俺の耳にドラゴンの嘶きのようなものが聞こえる。

今のは…?

 

「…真月、聞こえたか?」

どうやら同じく聞こえたらしい遊星が俺に話を振ってくる。

「ええ。今のは一体…」

「どうした?」

「今、ドラゴンの嘶きが聞こえたんだ」

「ドラゴンの嘶き?」

そう言うとシャークと璃緒は不思議そうな顔をする。

どうやら、2人には聞こえなかったらしい。

しかし、だとしたら何故俺達に…

 

「あの嘶きは…赤き竜?」

遊星がそう呟くとデッキケースが光を放ち始める。

開いて見るとカードが1人でに飛び出してきた。

同時に、光が溢れると俺達の前にスターダスト・ドラゴンが現れる。

 

「スターダスト…」

遊星の言葉にスターダストは低く唸ると姿勢を低くする。

どうやら、連れて行ってくれるらしい。

「ありがとう、スターダスト」

そう返すと以前と同じように背中へと飛び乗り、シャークと璃緒に手を伸ばし、2人も乗り込む。

「遊星さんも」

「いや、俺はここまでだ」

そう言うとビルの谷間や曲がり角から現れた操られた決闘者に蹴りを入れた。

「まだ逃げ遅れた人間がいるかもしれない。俺は彼らを助けに行く」

「でも、遊星さん1人でこの中を動くのは…‼」

「大丈夫だ」

そう言うと遊星は腰のデッキケースからデッキを取り出し、自身のデュエルディスクにセットする。

「俺には、真月…お前やみんなとの絆を積み上げたデッキがある。1人じゃない」

そう言うと不敵な笑みを浮かべる。

「いけ、真月」

「…わかりました。遊星さん、どうか無事で」

そう返すとスターダストがその場から飛び立ち、遊星の姿はたちまち小さくなっていった。

 

「璃緒さん」

「何かしら?」

「俺の頬を叩いてくれないか? 喝を入れたい」

 

俺が手緩かったからベクターを逃がし、結果こうなってしまった。

そういった後悔はある。

2人に対する後ろめたさもある。

でも、今立ち止まるわけにはいかない。

なんとしても、ベクターを倒す。

「いくわよ」

俺の顔を見た璃緒は意を決すしたのか、片手を振り上げると俺の頬を思いっきり叩いた。

鋭い音と共に痛みが俺を襲う。

 

「っ…ありがとう、璃緒さん。気合が入った」

「お礼を言いたいのはこっちよ。少し、吹っ切れたわ」

璃緒がそう返し、儚げな笑みを浮かべたところで、俺のDパッドが突然着信を告げる。

相手はどうやらⅣのようだ。

 

[まだ生きてるか?]

Dゲイザーを起動させ、着信を撮るなり開口一番そんなことを言う。

「なんとかな」

[そうか。その頬には触れないでおいてやる。こっちはちょっとしたカーニバルだ]

 

カーニバル、ね…こんな非常時に何やってるんだか。

いや、まあ元気でやってるってことなんだろうけど。

 

「要件は?」

[っと、そうだった。兄貴から連絡をもらってな。取り急ぎで連絡を入れたってわけだ]

Ⅳの兄貴というと…

「たしか…あのVとかいう…?」

[ああ、そうだ。凌牙達と別れた後、雑魚共に襲われたらしくてな。あいつらが壁になっている間に遊馬とアストラルと小鳥はバリアン世界へ向かった]

ということは、遊馬達とベクターが鉢合わせしている可能性は高いな。

[で、だ。カイトの方だが…]

「? 遊馬達の壁をしていたんじゃないのか?」

[いや。あいつは月に向かったらしい]

「月?」

そう言われて、俺はなんとなく空へと目を向ける。

空は紅く分厚い雲に覆われており、当たり前だが月はおろか太陽すら見えない。

 

 

 

「カイト様、間モ無ク目的地二到着デアリマス‼」

「ああ…」

オービタルの声に俺は視界を目の前へと向ける。

宇宙船のメインモニターの向こうには巨大な浮かぶ衛星ーー月の姿がある。

 

 

 

ー光と時の龍 生まれし地にて合間見えし時、銀河の瞳真に見開きて新たな世界の扉を開くー

 

 

 

「………」

俺が手にした遺跡のナンバーズで見付けた遺跡に描かれた石碑に書かれていたあの言葉…

光と時の龍…この言葉が意味するものは、俺とミザエルの持つギャラクシーアイズ。

2体のギャラクシーアイズの激突によって、新たな世界の扉…ヌメロン・コードが機能する。

そういうことなのだろう。

だが…

「鍵が月とはな…」

そう呟くと目の前に浮かぶ巨大な月を見据える。

遺跡の守護者は1匹のドラゴンとヌメロン・コードの成り立ちを俺に伝えた。

ヌメロン・コードは地球に、鍵は月に、それぞれあるらしい。

同じ場所に置かないことは想定していたが…まさか惑星単位になるとはな。

 

 

ゴゴゴゴゴ…ッ‼

 

 

「っ、なんだ⁉」

月に突然大きな揺れが起こり始める。

同時にそれまで安定していた宇宙船が小刻みに揺れ始める。

「アワワワ‼」

警報が鳴り響く中、オービタルの叫びが俺の耳に届く。

「引っ張られているのか…⁉」

だが、一体何に…?

「カ、カイト様‼」

「今度はなんだ‼」

「月ガ…‼」

オービタルの言葉に月へと視線を向けると1つの巨大なクレーターを取り囲むようにして石柱が月の内側から伸びてきた。

「あれは…⁉」

「ブ、ブツカル〜‼」

そんな情けないオービタルの声が聞こえた直後、俺達を乗せた宇宙船は石柱に激突し爆散した。

俺はといえば

 

「宇宙スーツモード‼」

 

オービタルに搭載していた機能を爆散前に起動させ、宇宙服を着込んで月面に降り立つ。

「これは…」

そのまま背後にある一際大きな石柱へと視線を向ける。

そこには巨大な金の竜の姿が刻まれてあった。

このドラゴンは…

「カイト様、地球ヨリエネルギー体ガ接近‼ コチラニ向カッテ来マス」

 

オービタルに指し示されたままに地球へと視線を向けると地球から黄色のエネルギー体がこちらへと一直線に向かっているのが見えた。

エネルギー体は上空でこちらへと方向を変えるとまっすぐに落下する。

 

「来たか…ミザエル」




いかがでしたでしょうか?

ただいまTFSPをプレイ中。
なんかTF3以前っぽくなってますが、まあこれはこれで…
新録は…まあこの際置いておくとしても、ボイスカット&ストラクチャ買えばすぐ強くなるところはいただけませんが。

それでは。

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