ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。

インフル気味

バイト先に休めないか連絡

店長「気味なら来れるだろ。来い」

インフルエンザ発症。私を含めたバイト先全滅のお知らせ\(^o^)/

本社から査察。店長解雇のお知らせ\(^o^)/ ←今ここ

そんなわけでバイト先が消滅しましたが私は元気(病気)です。
それでは、どうぞ。


第13話

検査入院程度で済み、翌日退院した俺は放課後に屋上で1人景色を眺めていた。

 

「………」

…ついに俺がバリアンだということがバレてしまった。

まだバレているのがバリアン側だけだというのが不幸中の幸いなのだが…正直、気が重い。

一体いつバレたんだ? あの時って一体どの時なんだ?

「それに…こいつも、だな」

と言うと俺はミザエルから渡されたリミテッド・バリアンズ・フォースを取り出した。

 

こいつは近い将来遊馬の手に渡ることになるだろう。しかし、それはつまり「遊馬に俺がバリアンだと伝えなくてはならない」ということでもある。

 

…はたして伝えても大丈夫なのだろうか。

遊馬は『真月』がバリアンだということを告白されても態度を変えることはけっしてなかった。

しかし、それはアニメの話だ。今回話したとして、そうなるとは限らない。遊馬や…なにより、璃緒との間に取り除かれることのない壁を生み出してしまう可能性もあるだろう。

 

…もし、遊馬や璃緒達と溝が出来てしまったら俺は…

 

「零君」

「璃緒さん」

「掃除、終わったわ。帰りましょう?」

「ああ」

 

 

「もうすぐ文化祭ね」

「ウチは演劇コスプレ喫茶、だっけか」

ウチのクラスは当初、演劇派と喫茶店派に分かれてかなり揉めていた。

まあ俺はどっちでも良かったんだが…

で、壮絶な論議やデュエルの末に「どっちもやる」という2つの意見を1つにするという強引な結論に落ち着いたらしくこうなった。

 

演劇はいわゆる王道のファンタジーモノでコスプレ喫茶は各々それぞれがモンスターのコスプレをして接客を務めるらしい。

かく言う俺も、セイクリッド・ソンブレスのコスプレをすることになったんだが…

「ええ。私は演劇の方にも出ないといけないから大変だわ」

「お姫様役の投票、ダントツだったもんなぁ」

実は俺も一票入れてたりする。

「零君が王子様役じゃなかったのが少し残念ね」

「俺が王子様?」

王子様ねぇーーー

 

 

「璃緒姫‼ 助けに来ました‼」

「まあ‼ 真月王子‼」

 

 

「ーーーないない」

「そうかしら? きっと似合うわよ?」

「ガラじゃないさ」

「ふぅん…ねぇ、零君?」

「ん?」

「文化祭の日、一緒に見て回りましょう?」

「わかった」

「じゃあ約束ね」

「ああ、約束」

 

 

「っと…通信だ。えーっと…遊馬?」

もうそろそろいい時間だが…一体どうしたんだろうか。

「はい、遊馬?」

[真月か?]

「ああ。どうした?」

[今日、帰りにギラグに会った]

「…⁉」

ギラグに…⁉ まさか、ギラグの奴俺の素性をミザエルから聞いてそれを遊馬に…⁉

 

[どうした?]

「い、いや…なんでもない。それで?」

くそ、心臓の音がやけにうるさく聞こえる。

落ち着け、遊馬に悟られるな。

でもギラグの奴、遊馬に何を…

 

[明日の夕方、デュエルをする約束になったんだ。俺とお前で来いって話だ]

「デュエルを?」

[ああ]

ずっと洗脳戦法を取り続け、危険を犯すことを良しとしなかったギラグがここに来て自ら前に出てきた…それはつまり、この間の大量の手駒の使用でとうとう有用な手駒が尽きたということなんだろう。それ事態に疑問はない。だが…

「なんで俺もなんだ?」

 

もしギラグが俺をバリアンだと知っているのならソレをする意図がわからない。

バリアンがバリアンを討つ…それはただの内部抗争だ。

ギラグがそれを理解していないとは思えないが…

 

[なあ真月]

「なんだ?」

[この間のミザエルとのデュエルの後、何かしたか?]

「何かした?」

…どういう意味だ? 俺は間違いなくミザエルとデュエルし、勝敗が着いたところで気絶していたが…

[ギラグはアリトをお前が闇討ちしたって言うんだ]

 

「…は?」

今遊馬は誰が誰をどうしたと言った?

『俺』が『アリト』を『闇討ち』した…

 

………

 

俺がアリトを闇討ちしたぁ⁉

 

「いや、そんな馬鹿な。身に覚えがない。信じてくれ、遊馬」

多分遊馬とアリトの一騎打ち後の話なんだろう。

その時俺は気絶していたはずだ。少なくともその間は何も覚えていない。

大体俺とアリトに関係性は無い。そうなるように他ならぬ俺が気を付けていたからだ。

 

[…そうだよな。お前がそんなことするはずがねぇ‼ きっとアリトが見間違えたんだ‼]

「遊馬…」

[ごめんな、真月。お前を疑ったりして。俺、明日ギラグに1人で会いに行ってくる。だから真月、お前は]

「待て、遊馬。ギラグは俺も来るよう言ったんだろ?」

[ああ、けどお前を巻き込むわけには]

「俺も行く。いや、行かないといけない」

[真月…でもお前]

「わかってる。相手はバリアン。これまでと同じとはいかないだろう…でも、ギラグは俺と遊馬を呼んだんだ。ギラグは敵だ。でも、何か誤解しているのなら、その誤解だけは解いておきたい」

[…わかった。なら明日の放課後、一緒に行こうぜ]

「ああ…遊馬」

[なんだよ?]

「信じてくれてありがとう」

[あったり前だろ⁉ 俺達は仲間なんだから]

仲間、か…

「…だな。じゃあ、また明日」

[おう‼ じゃあな、真月‼]

そう言うと遊馬との通信を終了した俺はDゲイザーを置いた。

 

アリトを闇討ちすることが出来た相手…アリトはそれを俺だと言ったらしい…

しかし、俺はミザエルとのデュエルの後気絶していた。

アリトは遊馬とのデュエルで非常に消耗していたとはいえバリアンの戦士…俺に変装したそんじょそこらの奴に闇討ちされた程度で負けるとは思えない。むしろ、そいつが返り討ちに遭うことになるだろう。

だとしたら…いやでも、まさか…

 

「何処かにいるのか…?」

そう考えるのが自然だろう…お前は今何処かにいて、活動しているというのか…?

 

 

……ベクター




いかがでしたでしょうか?
そんなわけでちょっと更新速度落としますがこれからも続けますのでよろしくお願いします。
それでは

追記
思い立ったのでオマケ
真月→ベクター
璃緒→メラグ
で、王子様のくだり

「メラグ姫‼ 助けに来ました‼」
「まあ‼ ベクター王j」
「なぁ〜んちゃってwww おかしくって腹痛いわぁ〜www」
「ベクタアァァァァァァ‼」

この後メチャクチャラグナ・インフィニティでボコった

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