vsバリアン七皇 導入です。
大きな章単位だと今回を含めて後2つです。
どういった答えへと至るかはお楽しみに。
それでは、どうぞ。
第123話
俺達の目の前で、先程からバチバチと柱を中心に放電現象を引き起こしている。
「なんだ⁉」
柱の光が一度強くなるとそこから黄、銀、緑、赤、紫の光の塊が飛び出す。
その光は俺達の周囲にあるものを破壊しながら飛び回ると港の一ヶ所に落ちた。
土煙が上がると同時にそれぞれ見知った姿のシルエットが浮かび上がる。
「よォ、久しぶりだなァ?」
「お前は…‼」
黙々と上がっていた土煙が晴れていくとやはりというべきか、そこにはドルべを中心に赤いシャツを着た黒い肌の男ーおそらくアリトだろうーミザエル、ギラグ、ベクターが並んで立っていた。
「ベクター…‼」
「…ハエの機転も少しは役に立ったようだな」
ドルべは冷たい目で倒れたカイトと消耗した遊馬とアストラルを見ながらそんなことを言う。
「ドルべ、カイトは私が認めた倒すべき好敵手。そのカイトへの侮辱は許さんぞ」
「………」
…? やはり、おかしい。
ドルべの硬化した態度は今更だとしても、ミザエルの言葉に何か一言くらいは返しそうなものだが…
「我々の要求は1つ。我々バリアン世界のため、人間世界を貰う」
「そんなことを我々が許すと思うか?」
「スムーズに行くわきゃねぇことくらい、俺達だってわかってる。だから…デュエルだ」
そう言うとアリトが腕だけを変化させ、デュエルディスクを展開させた。
「へぇ、この人数を相手にお前達5人で勝負を挑むつもりか?」
Ⅳが口元を歪ませ、そんなことを言ってのける。
鉄男達ナンバーズクラブの面々、そしてダウンしているカイトを除いても俺達の側には俺に遊馬にシャークに璃緒、それにⅢ、Ⅳ、Vがいる。
俺を含め、この7人がベクター達とぶつかり合ったとしてもそう簡単に負けるとは思えない。
「たしかに、我々5人がぶつかったとしてもお前達を簡単に突破できるとは思ってはいない。当然、我々も策を練ってきた。 …ギラグ」
「おう‼」
ドルべの言葉にギラグが応えると懐からバリアンズ・フォースを取り出し掲げた。
デュエル… デュエル…
デュエル… デュエル…
紅い光が放たれると何処からともなく声が聞こえてくる。
「なんだ、コイツら…⁉」
いつの間にか周囲には額にバリアンの紋章を浮かべた様々な人間が立っていた。
「徳之助君⁉」
小鳥の悲鳴のような声が聞こえ、そちらに顔を向けると先程消えたはずの徳之助の姿もあった。
小鳥の言葉が届いていないのか、ぼんやりとしたままだ。
「まさかコイツら全員…‼」
取り込まれた偽ナンバーズの…⁉
「そのまさかだァ‼ ここにいるコイツら全員‼人柱となっている連中だ‼」
「なんだと…‼」
いや、人数も当然驚異なんだが…なによりも驚異なのはここにいる人柱の連中全員がなんらかのバリアン製偽ナンバーズを最低1枚は所持しているということ。
ナンバーズの力はハートランドとの戦いで見たが、本物と遜色無い力を持っていた。
あれが一斉に襲いかかってくるのだとしたら…‼
「どうする‼」
「どうするっつっても…‼」
「無駄無駄ァ‼ お仲間とお手々繋いであの柱までスキップしなァ‼」
ベクターのその言葉と共に包囲網が僅かに狭まる。
やるしかないのか…‼
「撤退もタクティクスの内じゃぞ」
「殿は我らが務めよう‼」
「‼ 誰だ‼」
「この声は…六十郎じいちゃん⁉」
突然聞こえたそんな声と共にボール状の何かが飛んでくる。
それは地面に当たると炸裂し一瞬にして白い煙を巻き上げた。
煙幕か…‼
「ここは引くぞ‼ オービタル、カイトを頼む‼」
状況を1番に判断したVが叫ぶと包囲網の薄い部分から全員が弾かれたように走り出す。
「チッ…奴らは…‼」
煙幕が晴れるとまあ当たり前だが、そこには誰もいなくなっていた。
逃がしたか…まあいい。どの道奴らに逃げ場はねぇ。
「…私は奴らを追うぞ‼」
そう言うとミザエルの野郎は返事を待たずに走り去った。
やや遅れてギラグ、アリト、ドルべ、人柱の連中がその場から姿を消す。
「…クククッ…」
真月。
遊馬。
少しずつ追い詰めてやるぜ…‼
いかがでしたでしょうか?
(100万人程しか集まらなかったが)歓迎しよう、盛大にな!
バリアンジャーは都合により後回し。
それでは。