ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
遊馬vsハートランド 3となっております。

ネオ・ニュー・沢渡さんTUEEEE!
まああれだけCMやってたくらいですし、どっちかだろうなとは思っていましたが。
ネーミングセンスは…まあ、中学生ですしおすし。

それでは、どうぞ。


第122話

「私のターン、ドロー‼ フッフッフッ…惜しかったな、九十九遊馬」

 

ハートランドが勝ち誇った笑みを浮かべる。

それもそうだろう。

奴のフィールドにはホープレイVがいる。このままでは遊馬の敗北は確実だろう。

「ホープレイVの効果発動‼ ORUを1つ使い、H−Cエクスカリバーを破壊する‼ これで終わりだ‼」

『遊馬‼』

「おう‼ リバースカードオープン‼ スキル・プリズナー‼」

 

スキル・プリズナー

通常罠

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする

また、墓地のこのカードをゲームから除外し、自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない

 

「俺が選択するのはH−Cエクスカリバー‼ よって、ホープレイVの効果は効かねぇ‼」

ホープレイVが投げた光る円はエクスカリバーが振り下ろした剣に阻まれた。

ギャリギャリと剣同士のこすれ合う音が響き、光の円はそのまま振り下ろしきったエクスカリバーの剣に両断される。

「くっ…‼」

「へっ、どうだ‼」

「…所詮、紛い物は紛い物ということですか。いいでしょう、ならば‼ 私は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 来なさい、我がハートランドを守護するドラゴン‼ No.82 ハートランドラコ‼」

 

No.82 ハートランドラコ

★4 地属性 ドラゴン族

ATK 2000

DFE 1500

レベル4モンスター×2

自分フィールド上に魔法カードが表側表示で存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象にできない

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる

このターン、このカード以外のモンスターは攻撃できず、このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる

 

ハートランドのフィールドに残っていたガネットとサフィアが再び赤と白の球体になり、爆発を起こす。

するとそこにはピンクと白とカラーリングの身体に羽の生えたデフォルメされたようなドラゴンがいた。

腹部のハートマークには自身のナンバーである82が描かれている。

「ハートランドラコ…‼」

『新たなナンバーズ…どうやら、これがハートランドの持つナンバーズらしいな』

「ああ。ぶっ倒してやる」

「いつまでその減らず口が続くかな? ハートランドラコの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、他のモンスターの攻撃権を放棄する代わりにこのモンスターはダイレクトアタックができる‼」

「何⁉」

遊馬のライフは残り僅か500。

対するハートランドラコの攻撃力は2000と、初期ライフの半分のダメージだ。

これを受けたら…‼

 

「フハハッ‼ これで私の七皇は決定だ‼ いきなさい、ハートランドラコ‼ 九十九遊馬にダイレクトアタック‼」

「させっかよ‼ 俺は手札の虹クリボーの効果発動‼ このカードをハートランドラコに装備することでハートランドラコの攻撃を封じる‼」

ハートランドラコが大きく息を吸い込んだ瞬間、現れた虹クリボーがハートランドラコの周囲をグルグルと回り、縛りつけた。

「チィ…‼ ならば、暗黒の扉を発動‼」

 

暗黒の扉

永続魔法

お互いのプレイヤーは、バトルフェイズにモンスター1体でしか攻撃する事ができない

 

「ターンエンド‼ このエンドフェイズ、エクスカリバーの攻撃力は元に戻る‼」

 

Mr.ハートランド LP4000

手札 2

モンスター 3

CNo.39 希望皇ホープレイV 攻撃

No.82 ハートランドラコ 攻撃

プリンセス・コロン 攻撃

魔法・罠 1

暗黒の扉

 

『遊馬、わかるか? この状況を覆すキーカードが』

「ああ…そのキーカードを引けるかどうか。そいつが全てだ‼」

 

ここでやることと言えば…

「ゼアル」

あれしかない。ゼアル形態でドローし、カードを呼び込む。

勝つ為にはそれしかない。

「ここで貴様らがやることなどお見通しだ‼ だが、そうはいかん‼」

ハートランドがそう叫ぶと共に雲に穴が開かれる。

「くらえ‼」

ハートランドの叫びと共に穴の中に白い塊が現れると、その白い塊はひかの柱となり遊馬とアストラルへと降り注いだ。

「『ぐわあああああ‼』」

「遊馬‼ アストラル‼」

「どうだ‼ これでもはやゼアルにはなれまい‼ そして、私のフィールドに魔法が存在することから、ハートランドラコを攻撃対象には選べない。加えて私のライフは4000‼ 例えホープレイVを破壊するようなモンスターを召喚できたとしても私のライフを奪うことはできない‼ 私の勝ちだ‼」

「…冗談じゃねぇ」

ハートランドの高笑いに、しかし遊馬はニヤリとして返す。

「何ィ?」

「どんなに苦しくても、どんなにピンチでも『アストラルとデュエルができる』」

『‼』

遊馬の言葉にハッとしたアストラルが顔を向ける。

「お前とまた一緒にデュエルができるんだ。こんな幸せなことはねぇ‼」

『…遊馬。その感情、今の私なら理解できるぞ』

「アストラル」

そう遊馬が呟くとアストラルは遊馬に手を差しだした。

『この程度の苦しみなど』

「ああ。お前と一緒なら‼」

 

…あの時、アストラルを失ったあの時…遊馬はまるで抜け殻のようだった。

当然だろう。遊馬にとってアストラルはもはや切っても切り離せない半身のような存在。

そんな遊馬が失ったアストラルを取り戻した。それが幸せでないはずがない。

「…璃緒さん?」

ふと、俺が下ろしていた手を璃緒が握った。

「少し、羨ましいと思って」

「…俺だって同じさ。璃緒さんがいれば多少の苦しみなんて辛くない」

「…ええ」

そう言うと璃緒は俺に寄りかかるようにして俺へと身体を預ける。

…なんとなく、だが…そのうち璃緒は酷な選択を迫られるだろう。

その時、俺はーー

 

「俺と‼」

『私で‼』

「『かっとビングだ‼』」

「俺は俺自身とお前でオーバーレイ‼ 俺達2人でオーバーレイネットワークを構築‼」

2人が現れた時と同様、赤と青の光になり螺旋を描きながら空高く飛んでゆく。

 

『絆は進化する‼ より強く‼ より堅く‼』

「『絆結ばれし時‼力と心が一つとなり、光の奇跡と伝説が生まれる‼ エクシーズ・チェンジ‼ ZEXAL‼』」

これまでとは異なる一際大きな光が放たれると、空から降り注いでいた白い光の柱は掻き消された。

同時に光り輝くアーマーを着込み、何処となくホープを思わせるような姿へと変貌を遂げたゼアルが現れる。

「あれが…」

「ゼアル…⁉」

「馬鹿な‼ ゼアルだとォ…⁉」

 

「デュエリストはカードを導く‼ 我が身が放つ一点なる光を目指し、来たれ勝利と希望のカード‼ シャイニング・ドロー‼」

強烈な光と共に放たれたドローの軌跡を残すと、ゼアルは地上に降り立つ。

「来たぜ‼ まずはリバースカードオープン‼ エクシーズ・シフト‼ 俺のフィールドのエクスカリバーをリリースし、リリースしたエクスカリバーと同じランク、属性、種族のモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する‼ エクスカリバーはランクは4の光属性戦士族‼ よって、俺はNo.39 希望皇ホープを特殊召喚する‼ 来い、ホープ‼」

遊馬の言葉に答えるようにしてエクスカリバーが大きく跳躍し、光の中に消える。

すると、入れ替わるようにしてホープが地面に降り立った。

「ホープ…‼」

これでフィールドに2体のホープが向き合うようにして揃った。

後はどちらが本物たり得るか決着をつけるだけ…‼

「さらに俺は銀河零式を発動‼」

 

銀河零式

装備魔法

自分の墓地の「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる

選択したモンスターを表側攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する

装備モンスターは効果を発動できず、攻撃もできない

装備モンスターがバトルフェイズ中に破壊される場合、代わりにこのカードを破壊できる

このカードがフィールド上から離れた時、装備していたモンスターの攻撃力は0になる

「銀河零式」は1ターンに1枚しか発動できない

 

「そのカードはカイトの…‼」

「そうだ‼ 蘇れ、銀河眼の光子竜‼」

遊馬の墓地から光が溢れ出すと、銀河眼の光子竜が再び姿を現す。

「銀河眼の光子竜…フン、だが忘れたわけではあるまい‼ 銀河零式の効果で特殊召喚したモンスターは効果も発動できず、攻撃もできないことを‼」

「そんな…‼」

「それ以前にホープの攻撃力は2500‼ 現状倒せる私のモンスターは攻撃力2600ホープレイVのみ‼ 僅かに足りない‼ そんな苦し紛れで私を倒せるものか‼」

たしかに、ホープの攻撃力ではホープレイVの攻撃力に僅かに届かず、例え届いたとしても

「こうするのさ‼ 俺はRUM−ヌメロン・フォースを発動‼ 希望皇ホープを対象にオーバーレイネットワークを再構築‼ 現れろ、CNo.39‼ 希望に輝く魂よ‼ 森羅万象を網羅し、未来を導く力となれ‼ 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー‼」

大きく跳躍したホープが雄叫びと共に光の中へ消えると大きな爆発が起こる。

するとそこには、赤と銀のカラーリングの一回り以上大きくなったホープの姿が現れた。

「ヌメロン・フォースの効果により、表側表示のカード効果は全て無効になる‼ つまり、暗黒の扉も、銀河零式の効果も無効だ‼」

 

…上手いな。

これなら銀河眼の光子竜の効果も無効にはなるが、縛られることなく攻撃できる。

「いくぜ‼ 俺はホープレイ・ヴィクトリーでホープレイVを攻撃‼ 同時にホープレイ・ヴィクトリーの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、このターンの終了時まで相手の攻撃力分攻撃力をアップする‼」

 

CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー 2800→5400

 

「ぐおおお‼」

 

Mr.ハートランド LP4000→1200

 

「いけ、銀河眼の光子竜‼ ハートランドラコに攻撃‼」

ゼアルの宣言に銀河眼の光子竜が咆哮で応えると、大きく吸い込み、白い光のブレスを吐き出した。

ハートランドラコも負けじとブレスを吐くが、力量の差かジワジワと押されていく。

「くっ…‼ だが、ハートランドラコとの攻撃力差は1000。このターンを終えてもまだ私にはライフポイントが残る‼」

「いいや‼ お前にライフは残らない‼ フォトン・トライデントを発動‼」

 

フォトン・トライデント

速攻魔法

自分フィールド上の「フォトン」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる

エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は700ポイントアップし、守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える

また、選択したモンスターが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる

 

「俺は銀河眼の光子竜を選択‼ よって、攻撃力は700アップだ‼」

 

銀河眼の光子竜 3000→3700

 

「な、何⁉」

「いけ、銀河眼の光子竜‼ 破滅のフォトン・ストリーム‼」

フォトン・トライデントの力を受けた銀河眼の光子竜のブレスが一段と強くなる。

ジリジリと押していたハートランドラコのブレスを一気に押し切り、そのままハートランド諸共光の奔流に掻き消された。

「ぬおおおおおああああああ‼」

 

Mr.ハートランド LP1200→0

 

「やった‼ 遊馬、アストラル‼」

2人の勝利を告げるブザーが鳴り、ゼアルから遊馬とアストラルへ戻ると、小鳥が嬉しそうに声をあげる。

「お、おのれ…‼ 貴様らごときにこのハートランドが…ッ⁉」

叫ぼうとしたハートランドがそのまま不自然に叫ぶのを止める。

それと同時にハートランドの眼前にハートランドラコ、希望皇ホープ、ホープレイVの3枚が浮かび上がる。

 

「これは…?」

ハートランドがそう呟くと3枚のカードは黒い炎へと姿を変え、ハートランドへと戻った。

そのままハートランドが一瞬にして燃え上がる。

「も、燃えている…⁉ この私が‼ ベクター様‼何故⁉ ベ、ベクター様ああぁぁぁ‼」

そのままハートランドの身体が燃え上がる炎の中、完全に姿を消すとその炎は形を変え、羽の生えた禍々しい影へと姿を変える。

 

『あれは…‼』

その姿に見覚えのあるアストラルがそう叫ぶと炎は粒子状になり、クラゲ男が消えたようにして消え去った。

「やったな、遊馬‼」

「トドのつまり、完全復活ですね‼」

そうやって口々に遊馬の帰還を喜びながらナンバーズクラブの面々が遊馬に駆け寄っていく。

 

「零君?」

「ん?」

「どうかしたの?」

「ああ…偽ナンバーズを所有していた徳之助はあの柱に吸い込まれたのに、さっきのハートランドは消えただけだったなって」

「そういえば…」

そう言い2人して柱を見たところで異変に気付く。

 

「吸い込みが…」

「消えた?」

徳之助も含め、デュエル前まではあんなに柱に集まっていた光の塊が今や1つもない。

バラまいた偽ナンバーズの所持者が全て吸い込まれたのか?

もし、そうなのだとするなら…

 

「おい、見ろ‼」

シャークが叫び、全員が柱へと視線をやると先程までとは違い柱を中心にバリバリと猛烈なスパークが起こり始めていた。

その姿は、まるで手に入れた力を自由に振るいたくてたまらないかのようだ。

 

バリアン世界と人間世界を繋ぐ柱。

吸い込まれたバリアン製ナンバーズの所持者。

「まさか…」

 

計画は次のステップに進んだとでもいいたいのか…⁉




いかがでしたでしょうか?

休む暇など与えんよ。
アニメでもそうでしたが、ノンストップで仕掛けたのは誰かしらの消耗狙いだったのでしょうかね?

例によっていつも通りレシピやら裏話やらを活動報告に載せましたので、よければどうぞ。
それでは。

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