インフルにかかりました。世界が揺れておるわ…‼
真月君はミザエル相手にどうやって乗り切るのか⁉
それでは、どうぞ。
何故ミザエルがここに…⁉
いや、それよりも
「…バリアン…⁉」
そう、こいつは今俺を見てバリアンだと言った。
俺はバリアンだ。そんなことはわかっている。
だが、それは誰にも知られないよう慎重に慎重を重ねて隠していた…まさかギラグから漏れたのか?
「つい先日、バリアンの力をこちらの世界で観測した。最初はギラグの手駒かと思っていたが…操られた者が発する力にしてはやけに強力だった。バリアンズスフィアキューブを持っていなかったギラグにはこちらの世界でバリアンの力を使えない。アリトでもなかった。ならば誰なのか?調査を続行した結果、辿り着いたのがお前だ。あの日、お前はこちらの世界でバリアンの力を用いた」
…アリトも既にこっちに来ていたのか。いや、それよりもバリアンの力を俺が使った?一体いつだ?
「お前の名前は?」
「…真月零だ」
「人間の名前など聞いてはいない。貴様のバリアンの名前はなんだ」
…どうする。
ここで俺がベクターだと名乗ったとする。だが、ベクターはバリアン七皇からも良く思われてはいない。おそらく名乗ることでベクターに向けられる感情を俺が受けなくてはならなくなる。
ならば未だ欠番のままになっているナッシュかメラグだと名乗るか?
…いや、名乗ればそのままバリアン世界に連れて行かれるだろう。おそらくそこにはドルべが待っている。ナッシュとメラグとドルべは同郷だ。一発でバレるだろう。
となれば…
「…わからない」
「わからない?」
「俺は自分がバリアンだというのはわかっている。だが、それ以外の全てを俺は覚えていない。今の俺にとってバリアンを信じていいのかもわからない」
こう言うしかない。
全てが嘘ではないが全てが真実というわけでもない。さあ、どう来るミザエル。
「…バリアンの記憶はない…ならば、お前の記憶を探る方法が1つある」
「それは?」
「デュエルだ。バリアンである私とデュエルを行うことであるいは記憶への手がかりを掴めるかもしれない」
…とりあえず、急場は凌げたということなのだろうか。
「ああ、わかった」
「いくぞ‼」
「「デュエル‼」」
真月 LP4000
ミザエル LP4000
「私の先攻、ドロー‼ 神獣王バルバロスを召喚‼」
神獣王バルバロス
☆8 地属性 獣戦士族
ATK 3000(1900)
DFE 1200
このカードはリリースなしで通常召喚できる
この方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる
また、このカードはモンスター体をリリースして召喚できる
この方法で召喚に成功した時、相手フィールド上のカードを全て破壊する
「妥協召喚により元々の攻撃力は1900になる」
バルバロス 3000→1900
「ターンエンド‼ さあ来い‼」
ミザエル LP4000
手札 5
モンスター 1
神獣王バルバロス 攻撃
魔法・罠 0
相手は遊馬達を叩きのめしたミザエル…不足はない‼
「俺のターン、ドロー‼ おろかな埋葬を発動‼」
おろかな埋葬(制限カード)
通常魔法
デッキからモンスターを1体墓地へ送る
「セイクリッド・エスカを墓地へ送る‼ 手札の鬼ガエルを墓地に送り鬼ガエルを特殊召喚‼効果によりデッキの黄泉ガエルを墓地に送る‼ 更に鬼ガエルをリリース‼ セイクリッド・エスカをアドバンス召喚‼ 効果によりデッキからセイクリッド・スピカを手札に加える‼ いけ、エスカ‼ 神獣王バルバロスに攻撃‼」
「ぬっ…」
ミザエル LP4000→3800
よし、僅かだがミザエルにダメージを与えることができた。
この調子で押し切る‼
「ターンエンド‼」
真月 LP4000
手札 3
モンスター 1
セイクリッド・エスカ 攻撃
魔法・罠 0
「私に手傷を負わせるか…なるほど、バリアンとしての記憶は失っても力はあるようだ。私のターン、ドロー‼ ならばこれはどうだ⁉ 相手フィールドに攻撃力2000以上のモンスターが存在するので限界竜シュヴァルツシルトを特殊召喚できる‼」
限界竜シュヴァルツシルト
☆8 闇属性 ドラゴン族
ATK 2000
DFE 0
相手フィールド上に攻撃力2000以上のモンスターが存在する場合このカードは手札から特殊召喚できる
「更に自分フィールドにレベル8のモンスターがいることにより星間竜パーセクをリリース無しで召喚‼」
星間竜パーセク
☆8 光属性 ドラゴン族
ATK 800
DFE 800
自分フィールド上にレベル8のモンスターが存在する場合このカードはリリースなしで召喚できる
レベル8が2体‼ ということは…ヤツが来る‼
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ、No.107 銀河眼の時空竜‼」
No.107 銀河眼の時空竜
★8 光属性 ドラゴン族
ATK 3000
DFE 2500
レベル8モンスター×2
自分のバトルフェイズ開始時に1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる
このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの効果は無効化されその攻撃力・守備力は元々の数値になる
この効果を適用したターンのバトルフェイズ中に相手のカードの効果が発動する度にこのカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで1000ポイントアップしこのターンこのカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる
「どうだ‼ これが私のエース‼ 銀河眼の時空竜だ‼」
「…‼」
今まで遊馬やシャークがナンバーズを召喚するのは見てきたが…なんだこの力は…‼
「いくぞ‼ タキオンドラゴン‼ セイクリッド・エスカに攻撃‼」
「ぐ…あああっ‼」
真月 LP4000→3100
「私のタキオンドラゴンに打ち砕けないものはない‼ ターンエンド‼」
ミザエル LP3800
手札 4
モンスター 1
No.107 銀河眼の時空竜 攻撃
魔法・罠 0
「俺のターン…」
今迄の戦いでカオスエクシーズとは戦ってきたし耐え抜いてきた。だが、相手はこれまでを一笑に付してしまえる程の強敵…俺は勝てるのか?
「…ドロー‼」
ドローカードはセイクリッド・シェラタン…とにかく、今は壁を貼って耐えるしかない。
「墓地の黄泉ガエルの効果発動‼自分フィールドに魔法・罠がない場合守備表示で特殊召喚する‼ モンスターをセット‼ カードをセットしターンエンド‼」
真月 LP3100
手札 2
モンスター 2
黄泉ガエル 守備
裏側守備
魔法・罠 1
⁇?
「私のターン、ドロー‼ タキオンドラゴンを前に膝を折らなかったことは褒めてやろう。しかしいつまで持つかな? 私は仮面竜を召喚‼」
仮面竜
☆3 炎属性 ドラゴン族
ATK 1400
DFE 1100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時自分のデッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる
「いくぞ‼ タキオンドラゴンでセットモンスターに攻撃‼」
「リバースカードオープン‼ 月の書‼」
月の書(制限カード)
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し裏側守備表示にする
「対象は銀河眼の時空竜‼」
「くっ…ならば仮面竜でセットモンスターに攻撃‼」
「セットモンスターはセイクリッド・シェラタン‼ 守備力は1900だ‼」
「なっ」
ミザエル LP3800→3300
「小癪な真似を…カードを1枚伏せターンエンド‼」
ミザエル LP3300
手札 3
モンスター 2
裏側守備(No.107 銀河眼の時空竜)
仮面竜 攻撃
魔法・罠 1
⁇?
「俺のターン、ドロー‼」
引いたカードは…よし、こいつなら。
「シェラタンと黄泉ガエルをリリースし現れろ‼ 光と闇の竜‼」
光と闇の竜
☆8 光(闇)属性 ドラゴン族
ATK 2800
DFE 2400
このカードは特殊召喚できない
このカードの属性は闇としても扱う
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする
この効果でカードの発動を無効にする度にこのカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする
このカードが破壊され墓地へ送られた時自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する
自分フィールド上のカードを全て破壊する
選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する
「このドラゴンは…⁉」
「ミザエル‼ お前のドラゴンがそいつなら俺のドラゴンはこいつだ‼ いけ、光と闇の竜‼ 銀河眼の時空竜に攻撃‼」
「ぐっ…タキオンドラゴン‼」
よし、これでミザエルのエースは墓地に送った。
ここから巻き返す‼
「ターンエンド‼」
真月 LP3100
手札 2
モンスター 1
光と闇の竜 攻撃
魔法・罠 0
「よくも私のタキオンドラゴンを‼ 私のターン、ドロー‼ 私のタキオンは不滅だ‼ 死者蘇生‼」
「無駄だ‼ 光と闇の竜の効果発動‼ 攻守を500ダウンし死者蘇生の発動を無効にする‼」
「なんだと⁉」
光と闇の竜
2800→2300
2400→1900
「おのれ…仮面竜を守備表示に変更。1枚伏せてターンエンドだ」
ミザエル LP3300
手札 2
モンスター 2
仮面竜 守備
魔法・罠 2
⁇?×2
流れは俺に傾いた。なら一気に攻め込む‼
「俺のターン、ドロー‼ 墓地のセイクリッド・シェラタンを除外し霊魂の護送船を特殊召喚‼」
霊魂の護送船
☆5 光属性 悪魔族
ATK 1900
DFE 1000
このカードは通常召喚できない
自分の墓地に存在する光属性モンスター1体をゲームから除外した場合に特殊召喚する事ができる
「いけ、光と闇の竜‼ 仮面竜に攻撃‼」
「墓地の仮面竜の効果発動‼」
「無駄だ‼ 光と闇の竜‼」
光と闇の竜
2300→1800
1900→1400
「霊魂の護送船でダイレクトアタック‼」
「ぐっ‼」
ミザエル LP3300→1400
「ターンエンド‼」
真月 LP3100
手札 2
モンスター 2
光と闇の竜 攻撃
霊魂の護送船 攻撃
魔法・罠 0
「エンドフェイズ時にリバースカードオープン‼ 竜の逆鱗‼」
「光と闇の竜‼」
光と闇の竜
1800→1300
1400→900
「何度発動しようと光と闇の竜がいる限り無駄だ‼」
「それはどうだろうな? 2800の攻撃力をほこる貴様のドラゴンは今や半分以外の1300。後1回の効果無効が限界だ」
「………」
「私のターン、ドロー‼ 貪欲な壺を発動。だが」
「くっ…光と闇の竜は発動を無効にする」
光と闇の竜
1300→800
900→400
「これで効果の発動はなくなった。リバースカードオープン‼ エクシーズ・リボーン‼ 墓地のモンスターエクシーズを1体選択し特殊召喚‼更にこのカードをORUとする‼ 蘇れ、銀河眼の時空竜‼」
まずい…リバースカードは無い上にフィールドは攻撃表示の効果を使い果たした光と闇の竜…‼
「いけ、タキオンドラゴン‼ 光と闇の竜に攻撃‼」
「あああああっ‼」
真月 LP3100→900
「光と闇の竜の、効果発、動‼墓地のセイクリッド・スピカを選択し自分フィールドのカードを全て破壊…‼ その後、スピカを特殊召喚する‼」
「なるほど、モンスターを残したか。1枚伏せてターンエンドだ」
ミザエル LP1400
手札 1
モンスター 1
No.107 銀河眼の時空竜 攻撃
魔法・罠 1
⁇?
「俺の、ターン…‼」
まだだ。まだ途切れるな、俺の意識…‼
このターンだけでいい。このターンだけ保ってくれ‼
「ドロー‼ …墓地の黄泉ガエルの効果により黄泉ガエルを守備表示で特殊召喚‼黄泉ガエルをリリース‼ セイクリッド・スピカをアドバンス召喚‼ スピカの効果発動‼ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ、セイクリッド・プレアデス‼ プレアデスの効果発動‼ ORUを1つ取り除き超銀河の時空竜をエクストラデッキに戻す‼」
「ならばチェーンしリバースカードオープン‼ デモンズ・チェーンをセイクリッド・プレアデスを対象に発動‼」
「何⁉」
「これによりセイクリッド・プレアデスの効果は発動せず攻撃もできない‼」
しまった…‼ このままじゃ次のターンにミザエルにやられて俺は…
どうする、とりあえずこのターンを流して…いや、次のターンまで俺の意識が保っていられるかわからない。
意識が無くなった間にバリアン世界に連れて行かれたら…‼
「どうした‼ 何もしないならターンを回せ‼」
どうする…どうする…‼
ー真月。
「…?」
誰だ…?
ー真月よ。力を望むか?
…ああ、負けたくない。
ーならば呼べ。我らが真の力を‼
と言う声と共に俺のエクストラ用のケースが光を放ち始めた。
「な、なんだ⁉」
「この光は…⁉」
と俺がおそるおそるエクストラケースを開くと無かったはずのカードが追加されていた。
「こいつは…⁉」
ひょっとして今の声はこいつから…?
いや、なんにしてもこれで‼
「俺はセイクリッド・プレアデスでオーバーレイネットワークを再構築‼」
「何⁉RUM無しでランクアップだと⁉」
「セイクリッドに秘められた力。今こそ解き放て‼ ランクアップ・エクシーズ・チェンジ‼ 現れろ、セイクリッド・トレミス M7‼」
セイクリッド・トレミス M7
★6 光属性 機械族
ATK 2700
DFE 2000
レベル6モンスター×2
このカードはセイクリッド・トレミス M7以外の自分フィールド上のセイクリッドと名のついたエクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる
この方法で特殊召喚した場合このターンこのカードの効果は発動できない
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で自分または相手のフィールド上・墓地のモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す
「セイクリッド・トレミス M7だと…⁉だが攻撃力は2700‼私のタキオンドラゴンには届かない‼」
「いけ‼トレミス‼銀河眼の時空竜に攻撃‼」
「攻撃だと…⁉くっ、迎え撃て‼タキオンドラゴン‼」
「これで終わりだ‼手札のオネストを墓地に送り効果発動‼」
「なっ…先に…⁉」
ということはミザエルもオネストを握っていたわけか。危ない危ない。
「これによりトレミスの攻撃力は銀河眼の時空竜の攻撃力3000分アップし攻撃力は5700となる‼いけ‼」
「ぐああああああああっ‼」
ミザエル LP1400→0
「くっ…私が破れるだと…⁉もしや貴様はドルべの言う通り…」
そう言うとミザエルは懐からカードを1枚取り出すと俺に向かって投げた。これは…⁉
「リミテッド・バリアンズ・フォースだ。その分ではRUMを所持していないのだろう?私とのデュエルではお前の記憶が戻るには至らなかった。しかし、そのカードがお前をバリアンの記憶を導くだろう。お前の記憶が取り戻す日を楽しみにしている」
そう言うと俺が何かを言う前にミザエルは姿を消した。おそらくバリアン世界へと帰還したんだろう。
…満身創痍だが、なんとかミザエルを退けることは出来た。
「あ…?意識、が…」
と俺は本格的に意識が遠くなり始めたのか段々と世界がグラグラと揺れ、視界が暗くなっていくとそのまま意識を手放した。
「ん…」
何処だ…?
「ここは…」
「病院だ」
と声が聞こえそちらを見るとシャークが座っていた。
「シャーク…?」
と見るとシャークは立ち上がり引き戸を開けた。
「おい、真月が起きたぞ」
そう言うと璃緒ががシャークの脇を抜けて現れるやいなやその勢いのまま俺を抱きしめた。
「⁉」
「………」
「…り、璃緒さん?」
「…ボロボロの零君の動かない姿を見た時、身体中から血の気が引いたわ」
「…璃緒さん」
「心配させないで…零君。貴方にもしものことがあったら…」
どうしよう、こんな時どうすればいいかわからない。
璃緒の気持ちはとても嬉しい。
それに精神的に弱っているという今の状況を差し引いても、今の璃緒はすごく可愛い。正直、このまま抱きしめたい。
でも、シャークがこっちを見てる。そしてなんか未だかつて見た事が無いような顔になりつつある。
やめろ、シャーク。その顔でこっちを見るな。
「璃緒さん、ありがとう。俺は大丈夫だから」
そう言って俺は璃緒を少し強引に離れさせ、何処となく不満げな璃緒を極力視界に入れないようにすると遊馬と小鳥も現れた。
「大丈夫?真月君」
「ああ、大丈夫だ。ありがとう」
「一体何があったんだ?」
「…ミザエルと会った」
「何だって⁉」
「ミザエルだと…⁉」
「なんとか退けることは出来たけど…かなり手強かった」
「でも、なんでミザエルが真月の前に現れたんだ?」
………
「多分1人だったからとか、そんなんじゃないか?実際俺はみんなから離れてたし」
「そっか。ま、とにかく真月が無事で良かったぜ‼」
そう言って笑う遊馬を見て俺は心中でホッと息を吐いた。
どうやら遊馬達は俺がバリアンなことを知らないようだ。
俺は遊馬やシャーク、小鳥達がいて横には璃緒のいるこの関係を崩したくない。
その為には、これからもバリアンについては慎重を期さないとな。
「………」
「これは…アリト‼一体誰にやられたんだ⁉」
「オレンジ頭の、学生服を着た、奴に…ギラグ、気を付けろ…‼」
「真月…‼」
いかがでしょうか?
真月 は バリアンズ・フォース と トレミス を 手に入れた!(なお、バリアンズ・フォースの使用は真月君はない模様)
例によって裏話とデッキレシピは活動報告にありますのでよければどうぞ。
それではまた次回。