Ⅳ・真月・シャークvsクラゲ先輩 2となっております。
続Ⅳ無双。
今回まだOCG化していないカードが登場しますが、来週には登場するので問題はない。いいね?
それでは、どうぞ。
「後輩の分際で舐めた真似を…‼」
立ち上がった男は先程とは違い、明らかに怒りを灯した瞳でこちらを見る。
「俺のターン、ドロー…ッ‼」
男はドローしたカードを見ると明らかに顔色が変わる。
一体、何をドローした…?
「…コイツはいいカードを引いたぜ。高等儀式術を発動‼」
高等儀式術
儀式魔法
手札の儀式モンスター1体を選び、そのカードとレベルの合計が同じになるようにデッキから通常モンスターを墓地へ送る
その後、選んだ儀式モンスター1体を特殊召喚する
「俺はデッキの恍惚の人魚3体を墓地に送る‼」
そう男が宣言した瞬間、何かに睨まれたような、言い知れない恐怖のようなものを感じ、背筋がぞくっとした。
「…どうした?」
「いや…」
シャークが俺の異変に気付いたのか、声をかけてくる。
「儀式召喚‼ 現れろ、トリシューラの影霊衣‼」
トリシューラの影霊衣
☆9 水属性 戦士族
ATK 2700
DFE 2000
「影霊衣」儀式魔法カードにより降臨
レベル9以外のモンスターのみを使用した儀式召喚でしか特殊召喚できない
「トリシューラの影霊衣」の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない
・自分フィールドの「影霊衣」モンスターが効果の対象になった時、このカードを手札から捨てて発動できる
その発動を無効にする
この効果は相手ターンでも発動できる
・このカードが儀式召喚に成功した時に発動できる
相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚選び、その3枚を除外する
フィールドに現れた儀式の祭壇に人魚が放り込まれると、叩きつけるような猛烈な吹雪が発生する。
すると、龍の咆哮のようなものが聞こえ、吹雪の向こう側にチラリと3ッ首のドラゴンの姿が見える。
その姿が再び吹雪の中に消えた瞬間、吹雪いていた雪が唐突に吹き飛び、ドラゴンを模したような氷の鎧を着た1人の青年が現れた。
手には鎧と同じく、氷でできた鋭い剣が握られている。
「トッ…⁉」
氷結界の龍トリシューラ。
あまりにも有名なモンスターの1体だ。
シンクロ召喚に成功するだけで相手を焼き払うあまりにも強力な効果。
御多分に漏れず、俺も焼き払われた1人だったりする。
制限改定により、早々に制限モンスターとなったが、あのモンスターは多くの決闘者にとってトラウマとなった。
しかし、トリシューラはシンクロモンスター。
いつの間に儀式モンスターになったんだ…?
「大層な演出の割には大したことの無さそうなモンスターじゃねぇか」
Ⅳが鼻で笑い、そんなことを言う。
「このモンスターは18年以上前‼デュエルモンスターズ界を圧巻した最強のドラゴンを元に作られたモンスター‼ 舐めた口はこのモンスターの効果を受けてから言ってみな‼ トリシューラの影霊衣の効果発動‼ 儀式召喚に成功した時、相手の手札・フィールド・墓地から1枚ずつカードを選び、除外する‼」
「なんだと…⁉」
…どうやら、名前だけではないらしい。
まあ、儀式召喚でなければ発動しないだけマシだろう。多分。
「選択するカードはジャイアントキラー‼ 墓地にいるネクロ・ドール‼ そしてお前の残る手札だ‼」
「チッ…」
Ⅳが宣言されたカードをポケットにしまう。
次のエクシーズ用にと早めにネクロ・ドールを墓地に置いたのが裏目に出たか…
「いけ、トリシューラの影霊衣‼ ダイレクトアタック‼」
Ⅳは…リバースカードを発動する気配がない…⁉
「おい、Ⅳ‼」
たまらずシャークがⅣに怒鳴るも、Ⅳは動く気配がない。
いや、それどころか口元に笑みさえ浮かべて…?
そして、Ⅳが僅かに手を動かした瞬間、トリシューラが振り下ろした剣により起こった土煙りで周囲が見えなくなった。
「ハハハハハハハッ‼ あれだけデカい口を叩いておきながら他愛ねぇ奴だ‼」
「…クククッ…」
男が笑いながら一歩踏み出そうとした瞬間、Ⅳの笑い声が聞こえてくる。
Ⅳ LP6000
舞い上がった土煙りが晴れていくと、そこには黄金色に輝くリンゴと共に相変わらず不遜な笑みを浮かべているⅣの姿がある。
「いやぁ、見事ですねぇ。素晴らしい攻撃だぁ」
「な、何だと…⁉ たしかにダメージを与えたはず」
「残念ですが、我々はダメージを受けていません。ダメージを受ける瞬間、俺はこのカードを発動していた」
フリッグのリンゴ
通常罠
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、自分が戦闘ダメージを受けた時に発動する事ができる
自分が受けた戦闘ダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復し、自分フィールド上に「邪精トークン」(悪魔族・闇・☆1・攻/守?)1体を特殊召喚する
このトークンの攻撃力・守備力は、この効果で自分が回復した数値と同じになる
「邪精トークンの現在の攻守は受けたダメージと同じ、2700だ」
邪精トークン
?→2700
?→2700
「なっ…こんなリンゴがトリシューラと同じ攻撃力だと…⁉」
「ふぅ…」
一先ず息を吐く。
モンスターもなく、ライフを削られるかもしれない局面をノーダメージでかわし、おまけに攻守2700のトークンを1体出すというこれ以上ないリターンだったわけだが…全く動こうとしないⅣにヒヤヒヤさせられた。
「焦ったか?」
Ⅳが口元を笑みに歪ませたまま、こちらを見る。
「スリルがあっただろ?」
「Ⅳ…‼」
「イライラすんなよ、凌牙。敢えてピンチを演出し、鮮やかな反撃で観客のカタルシスを掴む。エンターテイメントの基本だぜ?」
そう言うとⅣは肩を竦めて見せた。
「いつまで喋ってやがる‼ ターンエンドだ‼ さっさと回しやがれ‼」
クラゲ先輩 LP6700
手札 2
モンスター 1
トリシューラの影霊衣 攻撃
魔法・罠 1
ウォーターハザード
「俺のターン、ドロー‼」
少し調子が狂ったが、ともかく俺のターンだ。
この手札なら問題はないはず。
「俺は死者蘇生を発動‼ 墓地のマシンナーズ・カノンを特殊召喚する‼ さらに、混沌空間を発動‼」
フィールドに小さな渦がいくつも現れる。
これで全ての準備が整った…‼
「いくぞ‼ エクストラデッキのスターダスト・ドラゴンを除外し、現れろ‼ Sinスターダスト・ドラゴン‼」
マシンナーズ・カノンの隣にSinスターダストが現れる。
白と黒い仮面の奥にある瞳がキラリと光ると力強い嘶きをあげた。
カオスカウンター 0→1
「俺は2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼エクシーズ召喚‼ 現れろ、聖刻神龍−エネアード‼」
2体のモンスターが爆発と共に姿を消す。
すると、まるで太陽の光を消すかのように暗雲が立ち込める。
フィールドに赤い球体が昇り始める。
「な、なんだ…?」
男が現れた球体を見ながらそんなことを呟いた瞬間、球体が光を放ちながら開き始めた。
中から大きなドラゴンが現れ、地面に降り立つと大きな咆哮と共に暗雲を吹き飛ばし、空が晴れ渡る。
「お前のドラゴンが最強なら、俺もまたドラゴンを呼ぶ‼ エネアードの効果発動‼ ORUを1つ取り除き、手札・フィールドのモンスターをリリースした数だけ相手のカードを破壊する‼ 俺は手札のエクリプス・ワイバーンとトライホーン・ドラゴンを墓地に送り、トリシューラとリバースカードを破壊する‼」
「くっ…‼ リバースカードオープン‼ダイヤモンド・ダスト‼ トリシューラを破壊し、お前達に500ポイントのダメージを与える‼」
真月 LP6000→5500
「エクリプス・ワイバーンの効果により、デッキからレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを除外する‼」
カオスカウンター 1→2
破壊されて使えなくなるくらいなら、ということか。
だが…‼
「これでお前のフィールドにモンスターはいない‼ いけ、エネアード‼ ダイレクトアタック‼」
「ぬっ…ぐおおおおお‼」
クラゲ先輩 LP6700→3700
エネアードの口から放出された光線が男を襲う。
光線によるダメージで男は吹き飛ぶと木に激突した。
「まだまだァ‼ 邪精トークンでダイレクトアタック‼」
クラゲ先輩 LP3700→1000
「俺は1枚伏せてターンエンド‼」
真月 LP5500
手札 0
モンスター 2
聖刻神龍エネアード 攻撃
邪精トークン 攻撃
魔法・罠 3
混沌空間(カオスカウンター 2)
⁇?×2
残りライフ1000。一方こちらは500減ったとはいえ、5500。
スタートを思えば、かなりライフ差がついた。
次ターンがどうなるか、まだわからないがシャークならなんとかしてくれるはず。
いかがでしたでしょうか?
不動遊星 第1期の年齢 18歳(らしい)。
となると、ゼロ・リバースは大体18年前後くらい。
Mr.ハートランドが25〜30くらいだとして、クラゲ先輩はおそらく2〜3歳は上。
つまり、ゼロ・リバース時のクラゲ先輩は9〜14歳くらい。
それでは。