ご愁傷さま金剛くん 作:やじゅせん
――織斑一夏は困惑していた。
(……どういうことだよ)
……困惑――否、それだけではない。いま現在、目の前に広がるこの状況が――彼には到底理解できなかったのである。時刻はPM11:00ちょうど。そして……自分は今、自室のベッドの上に横たわっている。あー……うん。……ここまでは辛うじて理解できる。だがしかし……。
「やめろぉ・・・(建前) ナイスぅ・・・(本音)」
(……なんで金剛が俺のベッドにいるんだ)
ふと半分ほど片目を開けると……自身の太ももに、その細く、白い足を絡ませてくる親友が一名。彼、……いや、彼女は、悶々とした表情をその顔に浮かべながら――それでいてどこか――発情した雌猫のように全身をはぁはぁと上気させながら、自身の太ももの辺りに、股の割れ目の部分を必死に擦り付けてくるではないか。……布越しの彼女の秘部から伝わってくる、ひんやりとした液体の感覚は自分の気のせいだと必死に思い込みながら、織斑一夏はただひたすらに、目の前の思い人(絶対、寝ぼけてる)からのエロエロ攻撃にひたすら耐えていたのである。
「だめぇ……中はダメぇ……。やめてっ、やめてぇ」
口元から漏れる、その拒絶の言葉とは裏腹に――ぎゅっ――と絡ませてきた脚に力を入れる金剛。その瞬間……じわっとしたどこか生暖かい感触が、自身の太もものあたりから伝わって来た。心なしか……すごくいやらしい匂いが、布団の中のほうからムンムンと漂ってきた気がする。
(こいつ、どんだけエロい夢見てんだよ!)
一夏のドリルは、いまにも天元突破しそうなほど、荒々しくいきり立っていた。
ドリルの先端部分がパンツに当たり、ものすごく痛かった。
少しでも気を緩めたら、己のドリルが、天を目指して飛び立ってしまうかもしれない。
――一夏は自身の肛門を、ぎゅっ、と引き締めた。
「ん…………あ、あんっ……ソコ、……ダメぇ」
「!?」
そして、あろうことか金剛がやたらエロい顔をしながら、エロい声をあげて、自身の上腕二頭筋にその乳房を擦り付けてくるではないか。布越しに、彼女のそのマシュマロのような柔らかいおっぱいの感覚と、痛々しいくらいに勃起した乳首の感覚が、――同時に伝わってくる。外はサクッと、中はモッチリならぬ……外はモッチリ、先っぽはコリコリの感覚であった。
……ここまではよかった。
いや、倫理的には全然よくないのだが、まだ、ぎりぎりセーフだと思ってた(自身の中では)。
――しかし、次の瞬間、一夏は固まった(股間がではない)。
(ちょ、それはマズいですよ!!)
なんと、金剛が、自身の股間をサワサワとイヤらしい手つきで弄ってくるではないか。……アカン。これはアカンやつや。一夏はそう思った。そしてついに一夏は、今現在、自分が享受しているエンペラータイムを諦め、彼女を起こす決意をするが――……。
「……ん、、ふっ、、、うっ!?」
なんと――あろうことか、金剛に己の唇をふさがれてしまっているではないか。と同時に、一夏は果てた。自身のパンツの中が、ねっちょりとした白い海で満たされたことに気が付いたのは、数十秒後のことである。
題名:射精
ぉとこのセィシはね・・・?
ぉちんぽの涙なんだょ・・・?
だゕら ぉとこの子にセィシを流させるってのはね・・・?
ぉとこの子を泣かせるってことなの。
ぉんなの子には気づいて欲しぃ。
ぉちんぽから涙を流す ぉとこの子の気持ちを・・・。
などと、ネットに載っていたくだらないポエムを思い出せるくらいには、一夏の頭は冷静になっていた。恐ろしくも……射精からわずか数十秒後のことである。
「……そんなに吸ったら赤ちゃんのぶんなくなっちゃうよぉ。ダメぇ……おっぱい空っぽになっちゃうぅ……」
(……もう出産したのか。早いな)
賢者タイムの一夏は、冷静に考え、そう思った。
胸の辺りを押し付けてくるかのように金剛が自身の頭を抱きしめてくる。
一夏は顔一面をおっぱいに埋もれさせながら、文字通り、一度スッキリした頭で再度考える。
――どうしてこんなことになったのか、と。
ことの顛末は、数時間前に遡る……。