「自分ひとりで見てきます」
最初、その言葉を聞いたとき耳を疑った。
その時はフータさんの張った見張り用の影分身がやられたことでどういったふうに行動をするかを決めていた時であった。
その影分身がやられた場所に一人で行くと言いだしたのだ。
責任を感じているのかもしれない、フータさんは今回の任務で一度やられている、
相手は血型限界の忍びであった、それならばある程度の動揺は隠せずに戦うことになることだって多い、事実フータさんは氷遁ということに驚き水遁を全く使わなかったそうだ。
水遁のフータ、里ではこう呼ばれている。水辺でもない所で発動する水遁の強さは二代目に勝らずとも劣らない、そんな風にも言われている。
そんな彼が水遁を使わずに戦うのは無理があった。故にやられた。
そして彼を助けるために敵を逃してしまったことも事実、そんなことが彼を追い詰めているのかもしれない、いやもう一つあった。
ナルトが倒れてしまった、体を酷使しすぎたのが原因のようだ。それによって人手が減ってしまったということも彼を追い詰めているのかもしれない。
だがそれでも彼がそんなことを言い出すとは思ってもいなかった。
その言葉を聞いたときはすぐに止めようと考えた、だが彼の目を見てその考えを捨てた。
その黒き瞳に確かに見える強い意志、それはまるで自身の手にクナイを刺したナルトのような強い眼だった。
だからこそ俺は止めたかった、こんな人間を亡くすには惜しいとけれど止められなかった。心のどこかで応援する気持ちと心配する気持ちが混ざり合ってどんな風にしたらいいかすら分からなかった。
チーム分けはこうなった。
タズナさんの護衛に俺とサスケ、ツナミさんの護衛にサクラと一応ナルト、そして調査班のフータさん。サスケ達には「フータさんは異常がないか調べてくる、その内俺達と合流する」そう伝えた。サスケはともかくサクラは心配性だ、それで集中をかけられたら不味いとのフータさんの判断であった。
そして現在、タズナさんの後ろを俺、サスケが前を歩いている。
タズナさんは最初のうちは気を張っていたが少々それも薄れてきている。
サスケは常に周りに気を配って歩いている、がほんのたまに緩んでいる時がある。
フータさんの修行によって大分力をつけているがまだまだ改善の余地があるだろうが、下忍になりたてにしては優秀だ、これからどういう風に育っていくかと考えると楽しくなる。
その時、何やら鳥が騒ぎ出した。そのことにサスケも気づきクナイを右手に構え臨戦態勢を取る、タズナさんは何が起こっているのかを把握しておらず少し慌てている。
俺は感知タイプではない、がどこかで戦闘が起きているのだと直感で感じ取った。
サスケにタズナさんを任せ木の上に登り鳥が飛んできた方向へと目を向ける。
そちらには霧がかかっている森が見えた。
恐らくは霧隠れの術、敵だ。わざわざ近接を得意とするフータさんが視界を悪くするようなことはしない。
少しずつ薄くなっていく霧の中で大量の水しぶきが上がったのが見えた。
少し間を置いてからまた水しぶきが上がる、今度は連続だ。
そして完全に霧が無くなった森の中から一本の巨大な線が伸びていく、その長さはまるで雲まで届くのではないかと見間違えるほど長い。
そして伸びきったかと思ったらその線が突如倒れるように森へと落ちていき、少し経ったあと、森を裂いた音が響き渡った。
俺達は少し落ち着いたあと、フータさんの一撃だったことを祈りながら足を進めた。
更新が遅れた理由というのもおこがましいんですが騒ぐんですよオリキャラたちが、没や打ち切り、削除した奴らが勝手に頭の中でストーリーを進めて何故か連載中のはずのやつらは何も騒がなくて。
短編とか書いても形にできないし頭の中で出せと騒ぐ奴らがいるんです。
解決方法とかないですかね?