時系列はインハイ後+パラレルです。
会話文と改行だけで試した実験作な上、本編には関係は薄いので、読み飛ばしても結構です。
バレンタイン模様
ケース1:佐河信一の場合
「バレンタインのチョコ何個貰ったことがあるかって?俺の親戚筋は宗教家だから、そんなお菓子業界の陰謀なんかにゃ乗らないっての」
──ああ、つまり貰ったことがないと。
「……上等だよ。最高記録は七個、全部手作り、以上だ!」
──なん……だと……。
──佐河信一、七個(全て手作り)。
ケース2:弘世命の場合
「えーっと、姉と母から二つ、中学までは貰ってましたよ毎年」
──高校に入ってからは?
「部員のみんなから、たくさんもらっちゃってね。全国から色んなところから郵送で来てたりもするんだ。食べきれないし、お返しも大変だから二年の頃から断っているんだけど……どうしてもね。それにしても郵送はともかく、部員のみんなはどうしたんだろうなぁ……全部手作りだったし。学生寮に台所なんてないし」
──モテるんですね。男女ともに。
「そんなことないですよ。こんな女顔の男、欲しいって人はいませんから」
──弘世命、たくさん(集計不可能)。
ケース3:能海治也の場合
「……彼女持ちの俺に言うセリフか?」
──!?
「心音が異様に大きくなった。こんな老け顔がなぜ彼女、とでも思ったか」
──そ、それは……。
「図星か。まあ、そういうことだ。プロになってからファンからも何個か貰うようになったが、実際は一個だけだよ」
──能海治也、一個(ファンからのもあり)。
ケース4:男神蘇芳の場合
「えーっと……」
──あ、そんな指折って見栄を張らなくていいですから。
「うるせえっ!事実だタコ!」
──じゃあ、さっさと教えて下さいよ。
「数えたことなんかねえんだよ、そもそも異性間でチョコ渡すのって日本だけだぜ。海外だと年賀状とか暑中見舞いみたいなもんだよ」
──では、チョコだけじゃなくてもいいですから。
「……ポストカードやら何やら含めれば、まあ百は超えるな」
──嘘!?
「嘘じゃねぇよ」
──男神蘇芳、百個以上(チョコ以外のカードなどを含めて)。
ケース5:白水浬の場合
「俺にまで?一応俺にだって彼女もいるんだけどなぁ……」
──大丈夫、まだこの人なら納得できる。大人だし。
「失敬な。まあ、プロになってから結構もらってるよ。実際受け取ってるのは彼女のと、妹の分だけだから」
──兄想いの良い妹さんですね。
「兄離れが未だできてなくてなー、可愛いんだコレが。地元から東征大に進学するとき、『いかん、あんじゃーもん行っとういかん』って離れてくれなくてさ。泣きながら言うもんだから堪ったもんじゃなくてさ。だけどそこがいじらしくて可愛くて──(以下延々と続く兄バカの妹自慢」
白水浬、二個(ファンからのもあり)
ケースFinal:須賀京太郎の場合
「さあ、京太郎。聞いたばっかりにはお前も吐け」
──え、えっと勘弁してもらえませんか?
「その勘弁してもらいたいことをお前は質問したんだぞ、わかってんのか」
──だ、だって皆さん予想以上に貰ってますし……。
「ふむ、一人も貰えていなかったという奴がいなかったのが計算外というだったわけか?」
──!?
「図星だね。まあ、私には別に恥ずかしいことでもないんだけど」
「お前と一緒にすんなよ、命。ああ、彼女持ちがいたことにお前びっくりしてたな。もてねぇって馬鹿にするつもりだったか、もしくは同類を探そうとしていたか……」
──え、ええーっと……。
「「どっちだ、
「……後者」
「「ハッ」」
「うわ、この二人のドヤ顔はうっざい」
「見た目チンピラ二人に馬鹿にされるのは、ちょっとね」
──ち、ちくしょー!悔しくなんかないんだからなー!!
「逃げた」
「逃げたな」
「逃げたわね」
「逃げやがった」
「逃げたなぁ」
──いいじゃないか、俺だって夢を見ても……。
──まさかあの変人メンバー以下とか、本当笑えない……。
──和はああだし、タコスはタコスだし、部長も染谷先輩も義理でもうっかりで忘れてるし。
──どこにいるんだよ、俺の天使……。
……京ちゃん、どうかしたの?
──え、ああ、いや、なんでもないぞ。
──そっちこそ、どうしたんだ。
……えっとね。あの……コレ。
受け取って、くれないかな。