【凍結中】亡霊の軌跡   作:機甲の拳を突き上げる

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4話 ジオフロント

ドアの鍵を開き中へと進んでいく、それは地下の用で、先のドアを潜ると予想外の光景であった

 

ミチェルは下水道と聞いていたことから、マンホールの中のような土管の中にネズミや汚水が流れていると思っていた。だが、そこに広がるのは配線が伸びている随分と機械的な場所であった

 

「は~、たまげたな。中世の地下水道あたりが残っている場所かと思ったが」

 

ランディの地下の光景に驚いていた。このジオフロントはクロスベル市全域に張り巡らされているとのことだった

 

「データベースの記録によると、20年前に都市計画と同時に建造が開始された場所らしいです。上水道、下水道、ゴミ処理施設に加え、導力ケーブルや各種プラントなども後から増設されたようですね」

 

ティオの説明を聞き、重要施設である発電所や浄水所も、この区画にあるんだなとミッチェルは思う

 

「……いや、これは確かに予想外の場所だったかもしれない。しかし、この上は確か中央広場あたりになるんだよな?」

 

驚いた様子で言うロイドはティオに問うと、ティオは頷く。市民が暮らす地下に魔獣がいるとは危険ではないかとロイドが言うと

 

「普段は封鎖されているため、都市に現れることはありませんが……たまに工事現場の作業員の方々が襲われてケガをする事があるようです」

 

それは大問題だろとミッチェルは思う。市民が襲われた事案があるのなら普通なら対策をするはずだが

 

「ですが現在、警察の方では対処しきれていないみたいですね」

 

警官が無能なのか、定期的に駆除しているがどこからとなく湧いてくるのか……はたしてどっちなのか

 

「でも、そのための特務支援課じゃないかしら?」

 

エリィのいう通り警察の手が回りにくい所で仕事をするのが、この課の仕事かもしれない

 

「ま、それならそれで、判りやすくていいけどな」

 

肩を竦めながらランディが言う

 

「話は仕事を終えてからにするぞ」

 

ミッチェルが仕事を先に済ませるように言うと、ロイド達は頷く

 

「それじゃ、隊列だけど……そうだな……」

 

どういう隊列を組んで戦うかロイドが悩み始めるか

 

「ロイドとランディが前衛だ。中衛にはエリィが着け。後衛は私とティオが着き後方を警戒する」

 

テキパキとミッチェルが隊列の指示をだす。その指示は文句をつける所などなく、全員の武器の特性を活かせる編成であると言えた

 

「へぇ~、それじゃそれでいこうか」

 

ランディは感心したように言い、ロイド達も直ぐに隊列の構成を考え指示を出せるミッチェルに驚きはするが、実戦の経験があるであろうと納得する

 

「詳しい指示は頼むぞ。この隊のリーダーはお前だ」

 

ロイドに指示を仰ぐ。少なくともここでの隊長はロイドであり、自分はそのサポートであると主張した

 

「あ、あぁ。とりあえず魔獣を見つけたら倒していこう」

 

そしてジオグロンと奥へと潜っていく。ドアを抜けると、通路があり、そこにネズミみたいな魔獣が二体いた

 

「さっそくいたか」

 

ロイド達が武器を構え

 

「最初は自由に動け、援護してやる」

 

全員がどれだけの技量なのか知らない状態では、指示もだしにくいだろうから、最初の戦闘は自由に動くべきだとミッチェルが主張すると

 

「いいねぇ、じゃあいくぜ!」

 

ランディがスタンハルバートを振り上げ、突撃しロイドもそれに続く

 

「エリィはロイドの援護、私はランディをする。ティオは撃ち洩らしを注意しながら自由に動け」

 

中衛、後衛にミッチェルが指示をだす。エリィは頷き、ロイドの援護位置に向かい

 

「了解、分析を開始します」

 

ティオがオーバルスタッフを掲げると足元に魔法陣が現れた、既に摩訶不思議な光景には耐性ができたミッチェルはこの程度では驚かない、ランディの援護位置に向かいネズミの動きを止める。ランディの一撃でネズミの体が消え、既にロイドの方もネズミの姿もなく戦闘終了である

 

「はっ、チョロいチョロい」

 

器用にスタンハルバートを回して肩に担ぐ。各自怪我がないか確認していく

 

「ティオ、先程のは何をしていた」

 

ティオがしていた行為はなんなかをミッチェルが聞くと

 

「あ、あれは敵の分析です。情報分析して相手の弱点や耐性、セピスの落とす数も取得できます」

 

声を掛けられたのに驚いて、少し慌てながら答える。情報解析ができるのは戦闘で優位な立場動けるなとミッチェルが考えると

 

「今回の戦闘は誰も怪我をしなくてよかった。基本の隊列はこのままでいこう」

 

ロイドも今回の戦闘で何かを掴んだのか、この隊列の戦法を基本型とすることを決めた

 

「次の戦闘ではアーツを使って戦闘しよう。これの使い方も覚えておかないと」

 

エニグマを取り出し、次の戦闘ではアーツ主体にすると言う。エリィ達が頷くが

 

「すまないが、アーツの説明を頼む」

 

一人、ミッチェルだけが魔法(アーツ)の説明を求めた。今の戦闘からミッチェルの実力は十分窺えた、指揮官としても有能で前に出て戦うことができるオールマイティは兵士である。だが、それほどの実力者が戦術オーブメントを知らないとは思いもしなかったのだ

 

「それに頼らずに今まで戦ってきてな、こいつでどんな時も生き残ってきた」

 

SCARを掲げて言う。これは嘘ではなく特殊作戦訓練を修了し、最初の任務はイスラム過激派がいるフィリピン軍の訓練であり、そこでは特殊作戦群として活躍した。さらにグルジアに派兵され、ゴースト部隊に配属されエリトリア、キューバの紛争に参加し、活躍し続けた

 

その結果、銀星章を授与され、ゴースト部隊でのチームリーダーとしての地位と大尉の階級を得た。メキシコで北米サミット開催中、アメリカ大統領が過激派に襲撃されるもこれを救出しメキシコ大統領も救出して事態を鎮圧した。更に翌年ではアメリカ・メキシコ国境付近で反乱軍によるテロが発生し、米国大統領からの命令はテロリストの無力化と核弾頭の存在を確認で、テロリスト・核弾頭の両方を無力した。そこで生き残れたのも信頼する上司と部下、そして相棒たる銃の存在である

 

「アーツとは導力魔法(オーバルアーツ)と呼ばれています。戦術オーブメントにクオーツをセットし、連結構造(ライン)がアーツ毎に定められた属性値を満たすことによって使用可能となります。このラインの下にあるゲージがアーツの使用容量となり、使う度に減少していきます」

 

魔法……随分とファンタジーな世界に来たんだな。と、ミッチェルはティオの説明を聞きながらそう思った。説明にはクオーツには身体能力を上昇させる効果が含まれており、スロットを解放してセットしていくことで、更に戦闘で優位性に立てると言うのだ。組み合わせ次第では相手を一撃で葬るモノから一帯を焦土と化すようなモノ、補助では自分の姿を消せると言うのだ

 

既にこの世界が自分のいた世界ではないと薄々感じていたが、これが決定打となった。それほどの優れた兵器が存在し、第5世代と世代を重ねているにも関わらず、アメリカでは欠片すら話題に上がらなかった。更にGPSのオフラインに新型アサルトライフルであるSCARを骨董品と扱う……自分の知識と相手の知識との食い違いに若返りと、判断できる要素は実に多々とあった

 

「……大体は理解した。今度は俺が前に出よう、アーツの発動に隙が生じるなら時間稼ぎが必要だ」

 

大体の状況が見えてきて、後は仕事を終わらせるのみである。弾幕を張ればアーツの準備中に襲われる可能性が減り、時間を稼げると意見を言うと

 

「そうだな、お願いするよ」

 

ロイドはその意見に賛同し、他も反対はなかった。隊列をミッチェルがワントップに中衛にロイド、ランディと後衛にティオ、エリィの隊列を取った

 

「進むぞ、ついてこい」

 

つい、いつもの調子で言ってしまったが、ロイド達は快く返事をしてくれる。それにホッとしたミッチェルが先へと進む。ドアを潜ると広い場所に出て、目の前にはスライムのような見た目の魔獣がいた

 

ミッチェルは拳を握り手を挙げる。それにロイド達が止まるが、そのままミッチェルはハンドサインを出し続ける。右に2人、左に2人散開し攻撃準備とサインを出すが、そんな意味を知らないロイド達は混乱する。それにミッチェルが気づき説明しようとすると

 

「ティオすけは俺と右だ、ロイドとお嬢は左でアーツの準備……だな?」

 

笑みを浮かべながらランディが言う。ハンドサインの意味の説明をしていないのに、大体の意味を察したランディに少し感心しながらも頷く。配置の準備を終えると、アーツの準備を始める。クオーツに触れると、足元に魔法陣が展開され、それに魔獣が気づく

 

数は二体、マガジンには24発の銃弾があることを計算しながら牽制する。魔獣の注目を集めるとジワジワと寄ってくるのを確認し、近くに纏まったのを見てトリガーの下にある別のトリガーに指を掛け、引き金を引く

 

気の抜けるような音と共に硝煙で軌跡を描きながら魔獣のいる場所に着弾。その音から予想だにできない爆発を引き起こし、魔獣を遠ざける。SCARの下部に装着されているEGLMと呼ばれるアンダーグレネードを発射したのだ。しかし、これだけの銃弾と砲撃を浴びせても、まだ1体残っていた

 

「それっ」

 

アーツの準備が終わったのか、ティオの声と共に氷の刃が魔獣を切り裂く。その攻撃で一体が消える、戦闘終了である

 

「敵集団、撃破しました」

 

オーバルスタッフを振り払い、一息つく

 

「いや~しかし、その銃凄いな!」

 

アーツの準備を中断させたランディがミッチェルのSCARを見ながら言う

 

「そうね、火薬式の銃は骨董品と言われるぐらいだから性能が悪いと思ってたけど……私のより性能が格段に上だわ」

 

エリィも銃使いとして命中精度と集団率の良さに舌を巻く

 

「まぁ、銃だけじゃなく使ってる本人の腕にもあるかもな。それに、拡張性が随分とあるみたいだしね」

 

銃の性能もだが、ミッチェル自身の錬度の高さにもあるとロイドが言う。それと、SCARのレイルに装着しているACOG、フラッシュライト、アンダーグレネードと装備の追加仕様を珍しそうにみている

 

「高威力の爆発系にスコープ、暗闇でも使えるライト、戦闘ではどれも重要であると判断できます」

 

外付けされている装備の使い所を分析しているティオ。その会話内容から、この世界の銃にはレイルシステムが無いのか、それほどアクセサリーが無いのかとミッチェルが考えていると

 

「話は後だ、隊列を戻して先に行くぞ」

 

ここに留まるのは得策ではない、とミッチェルが言い空になった弾倉を交換し、銃弾をチャンバー内に送り込む。先に進むべきだと言うと、ロイド達が頷き先に進む

 

道中に何度か戦闘になったが、魔獣の種類も多くなく、弱点も割れており、奇襲を仕掛ければ無傷で先に進めた。すると、日の光が入る場所に出た。地下を進んでいるはずなのに日の光が入るのは可笑しいと言えた

 

「ティオ、あの場所が分かるか?」

 

ミッチェルは日の光がある所指す。地上に出る梯子があり、その上から燦々と太陽の光が降り注いでいた

 

「上はマンホールのようですが……データベースには記載されていません」

 

記録に載っていない場所であり、しかもマンホールが開きっぱなしである

 

「……これは後で報告だな。とりあえず先に進もう」

 

作業後に誰かが閉め忘れたのだと判断し、報告するとロイドは言い、先へと進む。ドアを潜り、ダクトが見える部屋で誰かが泣くような声が微かに聞こえてきた

 

「こ、子供の泣き声!」

 

その声には幼さが残り、子供の声だとエリィは言う。部屋を見渡しても何処にもおらず、ダクトの入り口が空いていることからダクトの中だとロイドは判断して中へと入っていく。それは正解であり、子供の泣き声へと近づいていき、見つけた

 

「おーい、誰かいるのか!」

 

ロイドが声を掛けてみる。そこまで大きな声ではないのだが、ダクトの狭い空間ではそれが響き、少年の体が強張る。恐る恐る振り返ると

 

「だ、だれ~っ!?」

 

少年が聞き返す。そこへロイド達が向かい、少年の姿と怪我のない様子に安堵する……だが

 

「ううううう……ふえええええええっ!」

 

大声を上げて少年が泣き出した。人の姿を見て、安心して緊張の糸が切れたのだ。これにはどう慰めたらいいものかロイドが困っていると

 

「ロイド、私が代わるわ」

 

するとエリィが子供の方に近づいていき、しゃがんで目線を合わして頭を撫でてあげる

 

「……よしよし、恐かったね。もう大丈夫だから……お姉さん達が付いてるからね」

 

笑みを浮かべながら安心させる言葉を言うエリィ。それに少年は徐々に泣き止んでいく

 

「外にいた恐い魔獣はお姉さん達が退治したわ。ここは暗くて狭いから、いったん外にでましょ。ほら、抱っこしてあげるから」

 

少年は完全に泣き止み、自分で歩くと言う。その手際の良さに他のメンバーは舌を巻く

 

「鮮やかなもんだねぇ」

 

子供の扱いに慣れている様子にランディが感心しながら言うダクトから出てアンリと名乗る少年の話を聞くに、中央広場で遊んでいると開いたマンホールを見つけ、中に入っていったと言うのだ

 

「ボク達、ということは他の子も一緒に入ったのか?」

 

アンリはボク達と言うことは複数人で入ったことを指すとミッチェルが聞くとロイド達もそれに気づく。それにアンリは頷き、友達であるリュウが冒険すると言い一人で先に行ってしまったと言うのだ

 

「……ロイド、どう動く。二手に分かれ先にこの子を地上に戻すか、連れて先に進むか」

 

ミッチェルはロイドに判断を仰ぐ。このチームのリーダーはロイドであり、決定権は彼にある。ロイドが少し考えた後

 

「……時間がない、この子と一緒に奥へ進もう」

 

アンリと共に先へ進む事を決断する。ランディやティオが先にアンリを地上に戻さなくてもいいのかと聞くと

 

「とにかく一刻を争う。いきなり戦力分散をするのは得策ではないないだろう」

 

子供が一人で先にいるのなら、いつ魔獣に襲われていてもおかしくない。護衛対象を連れた戦闘になるだろうが、急ぐべきだとロイドが言う

 

「ランディ、後衛で背後を警戒。中衛にエリィとティオが少年の護衛に付け。前衛は私とロイドがする。時間がない、魔獣は可能な限り速やかに排除、または無視して進むぞ」

 

そうと決まれば、ミッチェルが隊列の指示を出す。本来はロイドが指示する所だが、人命が掛かっているのであれば話は別である。その指示にロイド達は頷く

 

現れた魔獣は即座にミッチェルが撃ち抜く。あのスライム型でなければ数発で撃ち殺せるので、ミッチェルの敵では無かった。奥へと進むと、他の場所より広い場所に出た

 

「く、くるなよ~っ!」

 

奥の方から少年と思わしき声が聞こえた。急いで向かうと、魔獣が少年を襲う一歩手前まで迫っていた

 

「スコット!敵の注意を引き付けてくれ!」

 

ロイドが咄嗟に指示を出す。ミッチェルが階段を駆け上がり、魔獣に銃撃を加える。しかし、スライム型であり銃撃の効果は薄く、ダメージは見込めなかった。だが、注意を向けるのは成功し、ロイド達も武器を戦闘準備が完了している

 

「ランディ!前に出ろ!」

 

ランディに前衛に行くよう指示すると、ミッチェルは魔獣へと突っ込む。魔獣の攻撃が飛んでくるが、それを転がって避けて、魔獣を無視し更に奥へと進み、そこにいた子供を抱えた

 

片手でSCARを撃つが、思うように撃てず、狙いが甘くなる。だが、それはミッチェルの狙いであり、魔獣が動き回るミッチェルを追うが、動きが鈍い魔獣は一直線に集まっていく

 

「ティオ!今だ!」

 

魔獣の後ろでスタンバイしていたティオがオーバルスタッフを構え

 

「ガンナーモード、起動します……オーバルドライバー出力最大!」

 

スタッフの先端が変形すると、光が集まっていく。ミッチェルが射線上からの離脱を確認すると

 

「エーテル……バスター!」

 

青い極光が魔獣を貫いていく、光が収まるとそこに魔獣の姿は無かった。ミッチェルは道中にティオが範囲攻撃できる手段を聞いていて、エーテルバスターの存在を知り、先に作戦内容を伝えていたのだ

 

「データ収集、終了しました」

 

周囲に魔獣の姿はなく、ティオが一息つく。ロイドとランディは壁役をしていたが、殆ど魔獣の注意をミッチェルが持っていき、エリィはアーツの準備をしていたが無駄に終わっていた

 

少年同士がお互いの無事に喜びあっていると

 

「兄ちゃんたち、初めてみる顔だな。結構強いけど、新人の人たち?」

 

リュウと呼ばれた少年がロイドの方を見ながら聞くと

 

「ったく、調子のいいガキンチョだな。助けられたんだったら、まずはお礼を言うのが先だろ」

 

ランディがリュウを叱ると

 

「へへっ、まぁ助かったよ。危ない所もあったけど、カスリ傷一つもなかったから合格点かな」

 

点数までつけるリュウにロイド達は苦笑いする。取り敢えず怪我が無くて幸いであった

 

「魔獣の相当も完了し、子供の救出も完了した。後は報告するだけだ、戻るぞ」

 

空になった弾倉を交換しながらミッチェルが言うと

 

「こんなハプニングはあるとは思わなかったけどな。そんじゃあ、ガキンチョ共を送ったら警察本部に戻るか」

 

ランディも同意し、出口から地上に戻ろうとすると、少年達がお互いを見合わすと

 

「兄ちゃんたちって、新人なんだよな?」

 

リュウが再びロイドに尋ねると

 

「あぁ、そうだな。しかし、よく分かるな?制服だって着ていないのに」

 

ロイドは頷く。警察の制服を着ていないのに新人であると見抜いた少年に少し驚きながら

 

「お兄さん達ってギルドの人たちじゃないんですか?」

 

アンリが質問をしてくる。ギルドとは何を指しているのかをミッチェルは分からなかったが

 

「ギルドって……遊撃士協会(ブレイサーギルド)のこと?」

 

エリィが少年達に尋ねる。遊撃士が何者かとミッチェルが考えていると

 

「ギルドって言ったらそれしかないじゃん。えっ!?本当に遊撃士(ブレイサー)じゃないの!?」

 

リュウが心の底から驚いた表情をしながら言う

 

「い、いや……俺達はクロスベル警察に入ったばかりの新人だけど……」

 

自分たちがクロスベル警察の人間だとロイドが言うと

 

「ケーサツの人間っ!?うっそだ~、なんでこんな所にケーサツのお巡りがいるんだよ!」

 

まったく信じられない様子で言うリュウにロイドは唖然としている

 

「あ、あぁ。任務でここに来てね、その途中で君たちを見つけたんだ。でも、そんなに警察の人間がいるのが不思議なのか?」

 

クロスベルから三年間離れて暮らしていたロイドが警察の人間がいることに驚くのが理解できなかった

 

「だってケーサツのお巡りって言ったら腰抜けで有名じゃんか!態度もオーヘイなわりに何の手助けもしてくれないって父ちゃんが言ってたぞ」

 

その理由を聞き、ロイドは唖然とし、他は驚いた表情をした。ミッチェルはガイやアリオスの姿から、そんな腰抜けであるとは実感できなかったが、一般の警察官はそうなのかと思っていると

 

「……ッ!全員構えろ!」

 

ミッチェルが言うと、上から巨大な魔獣が降ってきた。先ほどのスライム型の何倍もの大きさであり、少年たちも驚き顔に恐怖が浮かぶ

 

「なんて大きさなの!」

 

突然の大型魔獣にエリィは混乱し

 

「後ろのドアはロックされています!」

 

退路も防がれ、逃げ道は巨大魔獣の後ろであった。すると、ロイドがトンファーを構え

 

「ここは俺が引き付けるから、みんなh」

 

「ランディ、ロイドと共に魔獣を撹乱しろ。エリィとティオは少年達と下がり援護に専念。私が仕留める」

 

ロイドが身を犠牲にして活路を開こうとしたが、喋っている途中でミッチェルに邪魔され、指示をだされた。ミッチェルはZeus T2を手に持つ

 

「攻撃はヒットアンドアウェイに徹し、回避を優先させろ」

 

それにランディがスタンハルバートを取出し

 

「よっしゃ!いっちょやるか!」

 

構えてやる気を見せる。エリィやティオも武器を取出し応戦の構えを見せるが

 

「その必要はない」

 

上から男性の声が聞こえた。全員が上を向くと、そこには刀を手にした長髪の男がいた。男は魔獣に飛び掛かり、着地する。一拍置いて大型魔獣が切り裂かれた

 

その光景にロイド達や少年達が唖然としていると

 

「まさか……アリオスか?」

 

ミッチェルはその男の姿に見覚えがあり

 

「ん?……お前は!……ミッチェルか!?」

 

アリオスと呼ばれた男もミッチェルの姿をみて驚きを露わにした




さてSCARやPx4にZeus T2を数値化しますと

SCAR
STR+250,RNG+15,命中率+100%に加えグレネードではSTR+350,RNG+10,命中率+50%範囲中円

Px4
STR+160,RNG+6,命中率+75%、なおサプレッサー装備だとSTR+145,RNG+5,命中率+60%『消音』(敵に狙われる確率を30%低下し、奇襲の場合は50%の即死)

Zeus T2
STR+500,RNG+25,命中率+100%、てかロックオンできるから逃げれないという仕様。範囲は大円

軌跡世界での数値にしたらこんな感じですね。え?強すぎないかって?だって元の世界じゃ世界最高水準の兵器ばっかですし、SCARに関しちゃ小口径の5.56mmのLタイプですし。7.62mmのHタイプなら更に+20ですよ。まぁ、ある設定を入れたせいでもあるんですが。

あ、こんなバグ兵器は基本使用はしません。使用は今回を入れて2回あればいい方じゃないかな?

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