【凍結中】亡霊の軌跡   作:機甲の拳を突き上げる

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10話 子猫

バスを後にして、進むこと数十分。森を抜けた先には石畳の駐車場に大きな門、その目の前に医科大学という名に恥じぬ大きな病院があった。その敷地の広さも凄まじく、相当な費用を掛けて建造したのであると分かる

 

「へぇ……ここが医科大学か。随分立派な建物だな」

 

初めて見るランディは、その建物と大きさと立派さに感想を漏らした

 

「……聖ウルスラ医科大学。大陸有数の総合病院にして、医療研究機関として有名ですね」

 

そこまで設備の整った有名な病院なのかとミッチェルが少し驚いていると

 

「元々は、医療先進国であるレミフェリア公国の協力で設立されたと聞いているわね。周辺諸国からも重病人を受け入れているって聞いているわ」

 

ティオの説明に続きエリィも説明してくれて、この病院がどれほどのものかと言うのがミッチェルはある程度理解できた様子であった

 

「お!ナース服のお姉ちゃんがいるじゃないか!眼福、眼福」

 

そんな説明を聞かずに看護師の女性を目で追っているランディにエリィやロイドは苦笑いしている。すると、病院ついてから目に見えて元気がなくなっているティオに

 

「……キツイなら、そこのレストランで休んでおくか?」

 

すぐ傍にある宿泊施設を兼ねたレストランを指さしてミッチェルが言うが

 

「いえ……大丈夫です。それよりもロイドさんの知り会いのお姉さんに会いに行かなくてもいいのですか?」

 

ミッチェルの提案に首を横に振り、先にロイドの知り合いに会いに行くべきだと言う。それにランディも激しく同意し、ロイドも話が通じやすいからと病院内へと入っていく。中には患者の姿も少なく、これなら直ぐに会えそうだと思っていると

 

「ようこそ、ウルスラ病院へ」

 

早速受付でロイドの知り合いを呼んで貰うべく警察手帳を取り出して、事件の関係者に話を聞かせてもらいたいと言う。すると受付の人は二つ返事で了承し、看護師長を呼んでくれると言うのだが

 

「い、いえ。個人的な知り合いがこちらに勤めていまして……その人が忙しくなかった、案内してもらおうと思いまして……」

 

ロイドが知り合いを呼んで貰うべく説明をしているが

 

「(何だか緊張していますね)」

 

ティオがロイドの様子が可笑しいと言い

 

「(確かに緊張しているな……久しぶりに会うからか?)」

 

久しぶりに知り合いのお姉さんに会うのだから緊張しているのかとミッチェルが言うと

 

「(そりゃ、ナースのお姉さんで美人とくりゃ緊張するだろ!)」

 

どうもランディの観点はズレていそうでズレてないようなと思いながらヒソヒソ話していると

 

「……ロイド?」

 

階段の方から女性の声が聞こえた。ロイド達は声のした方を向くと、ナース服に身を包み、温和な表情で、ウェーブのかかったブラウンの長髪で母性に満ち溢れてそうな女性がそこにいた。その姿にランディとロイドは目を奪われ

 

「綺麗な人……」

 

エリィも女性として見ても綺麗であると見惚れ、ミッチェルもここまで美人な人は元の世界でもお目にかかれないと思っていると、誰かが足にぶつかってきた。それはティオであり、不機嫌な表情をしていた

 

「えっと……その、いきなりゴメン……先に連絡すればよかったかな?」

 

緊張して、ぎこちない笑顔を浮かべてロイドが言うと

 

「……ッ!」

 

するとそのナースはロイドに急いで近づき、抱き締める

 

「ちょっ!セシル姉!?」

 

いきなり抱き締められて、ロイドは驚いた声をだした

 

「やっと……やっと会えたわね。お帰りなさい……本当に久しぶりね」

 

セシルは嬉し涙を流しながら、ロイドを抱き締める

 

「う、うん……会いに行けなくてゴメン。しばらくずっと忙しくてさ……そ、それよりも、流石に少し恥ずかしすぎるんですけど……」

 

ロイドも再会できて嬉しそうだったが、公衆の面前で抱き締められてるのは恥ずかしいと思っていた

 

「いいから……このままお姉ちゃんに抱き締められてなさい」

 

抱き締める腕を緩める所か、更に抱くセシル。久々の再会で嬉しいのが分かるがと思うミッチェル、なんせ隣にいる恨み言を言いそうに歯ぎしりしているランディが面倒だったのだ

 

場所は変わってレストランへと移動すると、セシルとロイドの甘々っぷりにゲンナリなりながらも自己紹介をしていく。更にセシルの天然ぶりが暴走して、エリィとティオの両方が彼女やらランディやミッチェルと付き合っているのか等言い出して場が混乱し

 

「お姉さんの為なら俺はそれでも構わないっす!」

 

などとランディが言うから余計に混乱し、ミッチェルもその手の話に理解はあるがノーサンキューであった。そこでロイドが咳払いをして、本題にはいる

 

「それで、セシル姉。魔獣騒ぎのことなんだけど……」

 

それにセシルが説明を始めていく。一週間前の夜、病院の研修医が魔獣に襲われたのだ。だが、おかしな事があり、その内容は襲われた場所が屋上で襲われた本人の記憶も曖昧なのだ。屋上は庭園みたいなテラスとなっており、普通なら魔獣が現れるような場所ではなかったのだ

 

とりあえず、被害者の人に話を聞くべく、病室までセシルに案内してもらった。場所は病院本棟の二階で、中には他の患者などがおり、お目当ての人物は水色の髪をした医者と話していた。ヨアヒムいう名の医師で、どうも研修医であるリットンが彼の手伝いをしているそうであった

 

「それじゃ、話を聞かせてもらえますか?」

 

それで被害者であるリットンに話を聞いた所、研修レポートを書き上げた深夜のことであった。徹夜で全神経を集中させてレポートを完成させ、意識は朦朧だったが気分はハイで夜風に当たっていると、魔獣の声が聞こえて襲われたのである

 

「魔獣の姿は見ていないか?」

 

襲われた本人ならどんな魔獣だったか期待したのだが

 

「いや、恥ずかしながらショックで気絶したらしくて……真っ赤な目に白い牙、後は黒っぽい毛並しか覚えてないよ」

 

どんな魔獣かは覚えてはいなかったが特徴だけでも覚えていたのは進展に繋がるとミッチェルは思った。リットン自身も寝惚けていたと思っているが、そんなことは置いておき現場である屋上へと来ていた

 

「リットンさんは、そこのベンチの前あたりで倒れてたらしいわ」

 

セシルの説明を聞きながら、ミッチェルが辺りを見回し

 

「協力感謝する」

 

とセシルに言い、その場を歩き回る。もし狼型の魔獣が侵入してきたのなら、そのポイントが存在しているはずであった。既にポイントを探しにいったミッチェルを見て、ロイドもセシルに礼を言って自分たちも不審な所が無いかを探す。側面、裏、正面と見て回るが

 

「どこも入ってこれそうにないな」

 

一通り見まわったロイドが言う。どこも距離に高さ、川を挟んでいるなどで魔獣が入り込める余地がなかったのだ

 

「鳥型の魔獣なら可能でしょうが、狼型なら不可能だと思います」

 

それこそ飛んでこないと無理だと言うティオの言う通りであった。場所を医師の宿泊棟へと向かうと、あることに気付く

 

「……ここなら上ってこれるんじゃないか?」

 

ミッチェルが言うとおり、その下にはダンボールや資材の入った箱などが積まれていた。それに同意するロイド達がその場まで急行し、ロイドとランディが資材の上を調べると

 

「……ビンゴだ」

 

ロイドが何かを見つけたようで、ランディも同様に見つけたようだった

 

「魔獣の足跡……それも狼型のヤツだろう」

 

長い間放置されていただろう箱の上に埃が溜り、その上に魔獣の足跡があったのだ。それにティオが侵入してきただろう方向をみて対策をしたほうがいいと言う

 

「(しかし、侵入してきた目的はなんだ……)」

 

エリィが一応探索終了だと言うが、ミッチェルは魔獣が病院なんかに入り込んで中途半端に人を襲うなどありえるのか、と考えていた。

 

「……どうしてわざわざこんな所に入ってきて……リットンさんを中途半端に襲ったのだろう」

 

ロイドもミッチェルと同じことを思っていたのか、疑問を口にする。それは魔獣の心境を理解しろと言わんばかりに無理な相談だが、なにか手がかりがないかと見回っておく……すると

 

「(ん?これは……)」

 

ミッチェルが見つけたのは手すりの上の部分の塗装が、所々こすって剥がれた跡があった。その跡は古くからあったのではなく最近できたようであった。更に、侵入してきたと思われる方の箱の上に積もっていた埃には足跡がなかったのだ。これはロイドも気づいて不審がっていた

 

ナースセンターにきたが、セシルはどうやらいない様子でランディがナースにナンパして食事をさそいそうになるも、突如として現れたマーサ看護師長に止められる。セシルの場所を聞くと、マーサ師長が今いるであろう病室の番号をおしえてくれた。行っていいのかと思っていると

 

「……あら?あなた……もしかしてティオちゃん?」

 

するとマーサ師長がティオの顔を見て驚いた顔をする。ティオは肩を震わせ、ミッチェルの裾を掴む

 

「その……お久しぶりです」

 

ティオがおずおずと答えると

 

「すっかり大きくなって!元気だった!」

 

マーサ師長はティオの姿を見て喜んでいた。ロイド達は知り合い程度としか思っていなかったが、ミッチェルはティオとセルゲイから話を聞いて病院にいたことを知っているから、その時の担当医であると思っていた。話を終えて、3階の言われた番号の部屋の前まできた

 

「あ、セシル姉……」

 

病室に入ると、そこにはセシルと看病をしてもらっていた少女がいた。少女の名はシズクと言い、なんとアリオスの娘であったのだ

 

「あのオッサン、娘いたのかよ!?」

 

その事実に驚きはしたものの、アリオスに助けて貰っていい人だと言うとシズクは喜んだ。甘えたい盛りなのに、父親に甘えず我慢しているというのだから、その健気さが分かった。すると、セシルが事件の事をシズクが気付いたことがあると聞き、話を聞くことになった

 

「リットンさんが襲われた夜の時、眠れなかったから点字の本を読んでいて……その時、悲鳴みたいなのが聞こえたんです」

 

その悲鳴とは恐らくリットンさんの事であろう、その続きを聞くと

 

「気になってので、そこの窓を開けて耳を澄ませたんですけど……それ以上、悲鳴は聞こえなくて、かわりにハッハッハッって息遣いみたいな音が聞こえて……そしたらタンタンタンっていう何かはねる音が聞こえて……えっと……それで終わりです」

 

シズクの証言で、息遣いは狼型魔獣のモノで、跳ねる音は屋上から跳んで行った時の音である可能性が高かった。これは屋上での出来事を裏付ける証拠になった

 

「その、わたしの空耳かもしれないですけど……」

 

シズクが何か言いたそうにモジモジしていると

 

「……構わない、気になったことは何でも言ってくれ」

 

ミッチェルがシズクに優しく言う。現状で最も情報を持っているのは彼女であるのと、少女を怖がらせない為の配慮であった

 

「は、はい。その……さっき話した音が聞こえてる最中なんですけど……なにか……キーンってかすれた音が聞こえたような気がするんです」

 

その掠れた音がなんなのかとティオやランディが憶測を言いながら考えていた。その音も普段は聞こえず、あの晩のみであると言う

 

「貴重な意見、感謝する。また遊びにこさせてもらってもいいかな?」

 

その表情は普段じゃ滅多に見られない温和な表情をしながら言うミッチェル。恐らく重い病気か何かであると予想しているが、それにも負けず健気な姿に敬意を表していた

 

「は、はい。ミッチェルさん達もお仕事頑張ってください」

 

シズクも嬉しそうに言うと、エリィやランディも遊びに来ると言い、病室を後にした

 

「セシル姉。その、彼女は……」

 

ロイドが言いにくそうに尋ねるのはシズクの病状だ。その病状は事故で目が見えなくなったというのだ。だが、二度と日の光が見えないのではなく、回復治療をおこない少しずつ回復しているとのことであった

 

その後、調べた結果を報告すると、侵入してきたであろうポイントに柵が設けられた

 

「ふふ、お疲れ様。これで皆も安心できるわ、本当にあなた達のおかげね」

 

セシルが頭を下げて礼を言う。これも仕事の一環であるとデレデレしながらランディが言う。更にセシルから激励を貰い、やる気も満ち溢れた様子であった

 

「また、何かあれば連絡を。可能な限り駆けつけます」

 

ここで話を区切るべく、ミッチェルが落ちをつける。ランディはまだ話したかった様子であったが、日が傾き時期に夜となる。その前にクロスベル市に戻りたかったのだ。ロイド達がセシルと別れの挨拶を済ませ、医科大学を後にした……その光景を白い狼が見ているのも知らずに

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

クロスベルに戻った翌日、ビルの課長室に全員が集まっていた。なんでも客人とのことで向かうと、そこには昨日のソーニャ副指令と副官がいた

 

「ふふ、おはよう」

 

朝の挨拶を交わすが、客人が誰なのかは全員が予想できていた。恐らく、昨日ロイドが纏めた調書が目的ではと思っているが、まだ鉱山町の方に向かっていな状況では急すぎないかと言うと

 

「悪いわね、急がすようで。此方も事情が変わってね。実は昨日まで、ウチの方で鉱山町方面の警備・巡回を行っていたんだけど……今朝をもって完全に引き上げることになったのよ」

 

その事実にロイド達は驚く

 

「……それは余りにも早くありませんか?」

 

ミッチェルが最もな疑問を口にする。鉱山町に魔獣が出たのは3日前であり、再び出現する可能性も十分ありえるのだ

 

「ええ、こちらとしても1週間くらいは警備を続ける予定だったけど……警備隊司令からのお達しでね。これ以上、無駄なことはするなと」

 

それにランディが舌打ちして悪態をつく。ランディだけでなく全員が無駄なことなんてないと思っているのだ

 

「局地的な被害なら、最悪遊撃士に任せるのもありだったんだけど……今回のは範囲が広すぎるわ、警備隊としてもこれ以上は看過できないの」

 

魔獣の被害は全てバラバラで共通点などは皆無に等しかった

 

「問題は、3週間に渡って魔獣の正体が突き止められなかったこと……そして、広範囲とはいえ、実際の被害状況がそれほど深刻ではなかったこと……それを理由に、司令閣下からストップがかかったんです」

 

副官が詳しく説明をしてくれるが

 

「……十分、被害は深刻じゃないか」

 

自国民が被害を受けた事実が深刻でないはずがなかった。それを軽視する司令はとことん無能であるとミッチェルは思わずにいられなかった

 

「その通りなんだけどね……と、そういえば紹介していなかったわね。彼女はノエル曹長、まだ若いけど戦闘能力に運転技術共に優れていてね、私の護衛とサポートをして貰ってるわ」

 

副官であるノエルの紹介をすると

 

「ノエル・シーカーです。改めてよろしくお願いします」

 

敬礼して明るく自己紹介すると、それに反射的に敬礼を仕返すミッチェルが名乗り、それに続くようにロイド達も自己紹介をする。なんでも、ノエルは期待のホープと言うのだ

 

「現状は伝えた通り……ちょっとマズイ状況なのよ。打開できる要素があるとしたら、あなた達の調査結果くらい……正直、ワラにもすがる思いで様子を確かめに来たってわけ」

 

組織のトップにストップされているのは確かによろしくない状況であった。ロイド達は纏めた調書を元に状況報告をする。その内容にソーニャ副指令は言葉を失っていた

 

「ふむ……なるほど。どうだ、ソーニャ。ウチの小僧どもの手際は?」

 

セルゲイは報告に頷き、口元に笑みを浮かべながらソーニャ副指令に言うと

 

「……期待以上ね。『神狼』の言い伝えに、病院屋上に現れたルート……」

 

その報告に期待以上だと言ってくれ、ノエルも感心した様子であった。それ故にロイド達に引き続き鉱山町への捜査を再びお願いされた。どうも魔獣が警備隊に感づかれている様子で、警備隊も動き辛いようだった

 

「おまかせくだい」

 

ただ一言、ミッチェルが言う。この程度の任務はまだまだ軽いもので、これ以上に危険で困難な任務をこなしてきたミッチェルにとって不安の二文字は存在していなかった

 

「ええ、お願いするわね」

 

その返事にソーニャ副指令も頷き、去って行った。その後に武器屋や道具屋に寄って備品を買い、マインツ山道へ向かう……徒歩で。その理由も遊撃士は初めて来た場所は歩いて回るとセルゲイに言われ、それに感化されたのだ。山道の入り口に到着すると、ティオが足を止めて驚いた表情をする

 

「ティオ?また何か聞こえたのか?」

 

アルモリカ村みたく何か聞こえたのかとミッチェルが尋ねると、ティオは頷き

 

「はい……センサーの感度を上げます!」

 

ティオが索敵して数秒後、魔獣の遠吠えはロイド達の耳にも届いた。ティオが索敵を終え、杖を下げると

 

「……やはり、今の遠吠えは山道方面から聞こえたようです」

 

この先に件の魔獣がいるのか……ロイド達は武器を手に、気を引き締めて山道を登っていく。山の中腹の40セルジュまで……

 

山道を登り、徐々に遠吠えが近くになってくるのを確認しながら、中腹までたどり着く。その目の前には大きな滝があり、まさしく圧巻であった

 

「ふむ、狼型魔獣ってのは見当たらなさそうだが……」

 

ランディは辺りを見回しながら、遠吠えの正体をさがしているが、見当たらなかった。すると、脇道があり、そこはデータベースに登載されていない場所であった。事件への関連があるかもしれないと脇道を登っていく。手配魔獣を倒しながらも、道を塞ぐ魔獣を軒並み倒して進んでいくと、そこには家があった

 

「ローゼン……ベルグ工房?」

 

目の前の屋敷の門の看板に名前が書いてあり、ミッチェルが首を傾げると

 

「あぁ、ここが……」

 

エリィが知っている様子であったので、詳細を聞く。なんでも、その筋では有名な人形工房で、高価なアンティークドールを手掛ける天才人形師がいるとのことだった

 

「気難しい人かもしれないけど……話でも聞かせてもらえないかな?」

 

ロイドが人形師に話を聞かせて貰えないかと言うと

 

「おじいさんなら、今は留守よ」

 

幼い少女の声が聞こえた。その声にミッチェルは聞き覚えがあり、振り向くと紫髪でゴッシクなドレスをきた少女がいた

 

「……レン?」

 

そう、その少女こそミッチェルが助けた少女の一人であるレンであった。大きくはなっているが、その雰囲気と声からそうであると確信が持てた

 

「うふふ、久しぶりねスコット」

 

トトトッとミッチェルの方まで近づいてくると、腕を伸ばす。それにロイド達は首を傾げるが、ミッチェルはどういう意味なのかを理解し、目線を合わせて抱きしめた

 

「本当……久しぶりね……会いたかったわ」

 

レンが嬉しそうに……本当に嬉しそうに言う。その声はロイド達にまで届いており、声を掛けづらい雰囲気であった

 

「今まで何処にいたの?探したのだけど、全然わからなかったわ」

 

もう一度ミッチェルを強く抱きしめるレンは腕を離し、ミッチェルに尋ねると

 

「いろいろと……な、今はクロスベルにいる」

 

目の前で消えて、ついこの間目を覚ましたなどと言えるはずがなかって

 

「ふ~ん……」

 

するとレンはチラリとティオの方を向くが、ティオがレンを知らない様子に興味が失せたのか、再び視線をミッチェルに向ける

 

「ねぇ、色々とお話がしたいわ。お茶にしましょ」

 

レンがミッチェルの手を引っ張って満円の笑みで言うが

 

「すまない、今は任務中だ。お茶はまた今度だ」

 

今は任務の最中だと言い、ロイドの方を見ると

 

「えっと、俺たちは怪しい者じゃないよ。クロスベル市の警察の人間なんだけど……」

 

ロイドが警察手帳を取り出して説明するとレンの表情は笑ってはいるのだが、目は全く笑っていなかった

 

「……レン?どうした?」

 

その様子に気づいたミッチェルがレンに尋ねると、また花が咲いたかのような笑みでミッチェルの方を向き

 

「なんでもないわ」

 

そう言い、再びロイド達の方を向いた。ロイドが訪ねた狼型の魔獣のことを知らない様子で、おじいさんも夕方になるまで帰ってこないとのこと

 

「……スコット達についていくのも面白そうね」

 

ロイドが家にいてくれと頼んだのに、正反対のことを言いだして呆けた顔をする。更にレンは独特の言い回しをしてロイド達は混乱するが

 

「レン、今の外は危険だ。今日と明日は家でじっとしておいてくれ」

 

膝をついて目線を合わせるミッチェルがレンに語りかけると、レンは嬉しそうな顔をして頷く

 

「それと……」

 

ポーチからメモ用紙とペンを取出し、何かを書いてレンに渡す。その紙には住所らしき物が書かれており

 

「今住んでいる場所だ。いつでも来なさい」

 

それは今住んでいるビルの住所で、それにレンは心の底から嬉しそうな表情をして、紙を抱きしめる

 

「……今度、一緒にお茶しましょうね」

 

そう言い、レンは門をくぐった。それを見た後、ロイド達も山道を降りていくのだが、ランディが

 

「お前……そっちの趣味があるのか」

 

といいだし、それがロリータコンプレックス……要するにロリコン趣味なのかと言われたので、本気でランディを睨みつけるミッチェルであった

 

 

 

 

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マインツ山道を抜けて、鉱山町マインツへとたどり着き、さっそく町長の家へと向かった。だが、町長の自宅では既に誰かと話し込んでいる様子であった

 

「あれ……あんたら町長に用?」

 

鉱員であるマルロがロイド達の姿を見て、町長は大事な話をしていると言う。その内容が警備隊が去ったことによる街からの助っ人であると言う。遊撃士であるかと尋ねるが、そこまで詳細に知っている訳でなく、先に別の場所で聞き込みをすることになった

 

町を巡り、住民に話を聞いて、再び町長の家まで戻ると、家の扉が開いた。遊撃士かと思ったが、それとは真逆の存在……ルバーチェのマフィアが出てきた

 

「クク……あと一押しってところだな。これでボーナスも期待できるぜ」

 

下種な笑みを浮かべたマフィアの二人が去っていくと、宿場に隠れていたミッチェル達が大通りまで出てきた

 

「まさか『ルバーチェ』の手下……こんな場所に現れるなんて」

 

明らかに不自然であり、更にライフォルト社の最新運搬車もマフィアの持ち物であったのだ。マフィアが来ている理由は不明であるが、間違いなく今回の事件と関連性があるとしか思えなかった。とりあえず、町長宅を訪れると

 

「……また来たのかね、すぐには決められんと言ったばかりだろ?」

 

ため息と共に批難の声が聞こえてきた。どうもロイド達をマフィアであると勘違いしているようであった。だが、ロイド達の姿を見て、マフィアではないと気付いた

 

「すみません、お取込み中失礼します。俺たちはクロスベル警察、特務支援課に所属する者です。魔獣被害についてお尋ねさせてもらってもいいでしょうか?」

 

警察の人間であると言うと、快く迎えてくれた。町長に聞いたところ魔獣被害は3回にも及んでおり、食糧や人に被害が及んでいるとのこと。警備隊のパトロールをしている時は被害が起きない所を見るに知能が高い様子でもあった。そして突然の警備隊の退去に大きな不満をもっていた

 

「遊撃士に依頼をしなかったんですか?」

 

ランディの言うとおり、遊撃士へ依頼するのも手だったが、毎日見回りしてもらうとなると警備隊ということになるのだ

 

「警備隊が頼れなくなり、ダメ元で遊撃士協会へ相談に行こうと思った矢先に彼らがきたんじゃ」

 

ルバーチェの人間がきたと言うのだ、その要求も警備隊の代わりに用心棒として雇えと言い、その見返りに七曜石(セプチウム)の取引を護衛期間中は独占させろと言うのだ。明らかに胡散臭かった

 

「そんなこと言われても、付き合いのある商人さん達もいることですしねぇ……」

 

商売は信用が第一で、誰かに取引権をポンッと渡すなど論外であった。するとロイドが

 

「町長、この事件……俺たちにお任せできませんか?」

 

と言い出し、エリィ達も驚く中で、町長も疑っている様子であった。だが、ロイドは明日中に片が付くと大見得を切ったのであった。町長宅から出て、安請けした理由を尋ねると、自分たちの仕事は警備隊の調書の不可解な部分を探るということであると

 

更に、町に来る前に白い狼と遭遇していたのだ。最初は事件の犯人かと思ったが、狼の方は敵意がない様子で、ティオが話を聞きたいといった所、狼の言ったニュアンスが『最後の欠片はこの先にある』とのことであった。ティオが狼の言葉を分かるのかと言う点は、ティオが嘘をつく理由がないとなり、宿屋にて話を纏めることになった

 

「今回の一連の魔獣被害だけど……最初の警備隊の調書には不可解な部分があった。俺たちの調査で、その不明点の幾つかが明らかになったけど……本当なら判明しているはずのある情報がまだ判っていないんだ」

 

ロイドがいつ魔獣事件には調書に無かった不明な点は判っていたが、判明しているはずの情報とやらにエリィ達は首を傾げていた

 

「魔獣の目的……か?」

 

一連の魔獣被害はすべてバラバラな所で起きており、それを行った目的が不明のままであるとミッチェルが言うと

 

「そう、魔獣が被害を起こした目的が不明のままなんだ」

 

飢えが目的であるとしても病院を狙う理由にならない。伝承にある『神狼』が警告している可能性もあるが、各地を襲ったのは白い狼でなく、黒い狼であると言っていた

 

「だが、ここで黒い狼の気まぐれな行動だと決めつけるのも早すぎる」

 

病院での一件では非常に巧妙なルートを使って病棟の屋上に侵入していた。被害者を必要以上に襲わなかった点を見ると、明らかに狙って事件を起こしたとロイドが言う。それには皆も同意であり、目的が見えないことに理由があるのではと思い始めた

 

「そういう事。人は一つの枠組みで考えがちだけど、黒い狼の襲撃事件……そこに納得のいく目的を見いだせる別の枠組みを考えるべきだろう」

 

別の枠組みを言われて難しく考えるが、ロイドが言うには『犯人』『目的』『手段』『結果』があるが、その幾つかがズレていると言うのだ

 

「ちょっと待って、纏めてみるから」

 

エリィが紙に纏めると、犯人が狼で、目的が不明、手段は狼の身体能力、結果が各地の被害となる。そう書かれた紙を見て、ミッチェルはあることに気づく

 

「まて、こう並びなおしてみると……」

 

ミッチェルが並びなおしたのは、犯人が不明で、目的が狼の身体能力、手段は黒い狼、結果が各地の被害である。それを見たロイド達も、その事実に驚く

 

「犯人は分からないが、狙いは能力テスト、その手段として黒い狼を使い、実験場を各地の被害とすれば」

 

辻褄があう、とロイドが言う。狼の背後に人間がいるのが分かったが、それを操る為には……となるとロイドとランディはそれに気づいた

 

「二人は解るな。病院でシズクちゃんが言っていたキーンという音、あれは犬笛の可能性がある」

 

その説明にエリィとティオも納得いった。犬笛は人には決して聞こえない周波数である。そこで運搬する物が必要となるが……それにエリィが気づく

 

「ティオ、エニグマの通信機能はこの町でも使えるかな?」

 

ロイドが尋ねると、ティオはギリギリ届くといい、医科大学の受付に通信を繋いだ。その結果、魔獣が屋上に現れた夜にルバーチェの運搬車が駐車場に止まっていたと言うのだ。車が止まっていたと決めつける理由も、シズクがエンジンの音を聞いていないのと草むらの方に置いてあった埃に足跡が付いていなかったのが理由である

 

「じゃあ、ルバーチェの狙いは七曜石の取引独占……はオマケね」

 

ルバーチェの狙いを考えると、取引独占ではオマケ程度であるとエリィはいい

 

「今奴らが欲しいのは対抗組織である『黒月』と抗争する際に決定打となる戦力。その為に狼を戦力として使うのが目的だろう」

 

ミッチェルがルバーチェの狙いを言うと、そうであると言い切れる証拠は揃っていた。魔獣を操るテストが今回の事件の真相であると行き着いたのだ

 

「恐らくテストは十分し終えただろう。だが、奴らは今夜あたりに来る」

 

言い切るミッチェルにエリィが理由を尋ねると、今日来た連中は欲を出しすぎていた……七曜石の独占取引だ。その甘い蜜に魅入られたマフィアが来る可能性が高かった。

 

「……よし、やるか」

 

ランディがそういうと、スタンハルバートのチェックを行う。ミッチェルもカートリッジの数と銃、武器屋で買っておいたナイトゴーグルのチェックをする。警備隊が呼べない今、マフィアの拘束と狼の撃退ができるのは彼等だけであった

 

 

 

 

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夜が深まった頃合い、遅くまで飲んでいた鉱員が帰宅している最中

 

「くそぉ……次こそルーレットで大当たりを~」

 

足も千鳥足になりながら言っていると、何かが呻く様な声が聞こえて振り向くと、そこには魔獣がおり、囲まれていた。突然の出来事に酔いも完全に覚めてパニックになっていると

 

「お前たち、目と耳を閉じていろ」

 

青年の声が聞こえ、言われた通り目と耳を塞ぐと、当たりに激しい閃光と爆音が響く。それに魔獣が怯むと、スタンバイしていたロイド達が現れた

 

「早く宿屋の方に避難してください!

 

ロイドの指示通りに宿屋へと逃げていく鉱員。すると体がフラフラと揺らしながらも立ち上がる魔獣

 

「フォーメーションは何時も通りだ。片づけるぞ」

 

魔獣とのフォーメーションは既に説明しており、ハンドサインや室内への突入にクリアリングまでロイド達と勉強し、その講師役をミッチェルがしていた。だからこそ、この場合での動きに乱れはなかった

 

「そこっ!」

 

ロイドがトンファーで防ぎながらカウンターを食らわせる。三体なら各個撃破で、ランディとミッチェルが前線を立ち、援護にエリィとティオとの配置であった

 

「おらおら!どうした」

 

スタンハルバートを振り下すも、魔獣は避けるが、何回も攻撃を食らわされて息が荒かった。ミッチェルもフェザーライトを散弾にしており、至近距離で散弾を食らわされて吹き飛ばされて、起き上がった所に再び食らわされてと、起き上がる余裕すら与えずに一方的に銃撃を食らわせていた

 

「よし!こっちは終わった。援護するぞ!」

 

ランディが吹き飛ばした魔獣が動かないのを確認すると、ロイドの方へ向かう。ミッチェルの方は既にボロ雑巾の用に魔獣が転がっており、新たなカートリッジを装填して、銃をM14に切り替えていた

 

「こうしてみると……狼というより犬みたいね」

 

三体いた犬が動かなくなっており、訓練された犬だけあって、無傷でという訳にはいかないようであった。ランディやロイドには引っ掻かれた跡があった。すると犬が立ち上がって逃げていき、まだそんな余裕があったのかと驚きながらも追いかけていく。その先にマフィアもいると確信しながら

 

マインツ山道の方にへと逃げていき、その先には先ほどの運搬車とマフィアの姿があった

 

「おい、なんでこんな早く戻ってくるんだ!?町の人間を襲うように指示を出していたはずだ」

 

待機していたマフィアは予定よりも早く戻ってきた犬に、驚いていると

 

「そこまでだ!」

 

そこへロイド達が現れる。襲っていた犬がひれ伏す先にいるマフィア、いいのがれ出来ない状況であった

 

「クロスベル警察、特務支援課の者だ!」

 

ロイドが名乗ると、警察であると共に、前の旧市街で仲間を捕えた奴らであるとマフィアが気づくと

 

「へ、まぁいい。警察の跳ねっ返りなんぞ、ここで痛めつければ済むことだ」

 

すると、マフィアの二人が武器を構える。それは抵抗すると言う意思に違いなかった

 

「仲間が世話にっブアァ!」

 

つまり、障害、器物破損に加えて公務執行妨害も追加ということであった。ミッチェルは迷いなく銃を持っている方の顔にダブルタップで撃つ。目の前で隙を見せている犯罪者に情け容赦など存在しなかった

 

「お。お前らいっツァ!」

 

驚きながら犬に指示を出す、鉈を持ったマフィアの腕を撃ち抜く。非殺傷性であるから血は出ないが、撃ち抜かれた並みの痛さを味わい、鉈を落とす

 

「ランディ、ロイド先ほど通りだ。エリィはマフィアの警戒、ティオは援護」

 

指示を簡素に言って、目の前に牙をむき出して噛みついてくる犬を銃床で殴りつける。地面に転がった犬の頭に銃床を振り下ろして止めを刺す。念のため首に膝をついて、体重をかけて身を封じると近くで戦っているロイドの援護をしようとするが

 

「調子に乗んな!ガキ共が!」

 

左手で鉈を持ったマフィアがロイドに突っ込むも、そんなに大声を出してミッチェルが気づかないはずがなく、即座に狙いを変えて、太腿に3発。足を撃たれたマフィアはその場に転倒して撃たれた箇所を抑える

 

「はっ!さっきのダメージが抜けてないみたいだな!」

 

前の戦闘で撃退された犬は、その体のダメージが蓄積して、明らかに動きが鈍り迫力がなかった。そんな相手に後れを取るランディとロイドではなく、各個撃破した

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

連戦でロイド達は肩で息をしながらも、制圧を完了した

 

「これ以上の抵抗は無駄だ。あんた達の身柄は明日の朝、警備隊に引き渡す」

 

ロイドがマフィア達に言うが、突如としてマフィア達が笑い出し、懐から犬笛を取りだす。すると荷台を開けた運搬車から6匹もの犬が出てきて、合計10匹とマフィア二人となった

 

「形勢逆転だな!」

 

マフィアが勝ち誇った用に言い、ロイド達の表情に焦りが浮かぶが

 

「エリィ、ランディ……切り替えろ。犬は殺すぞ、マフィアは足か手を撃ち抜けば死にはしない」

 

その時、ミッチェルが弾倉を交換して、銃本体にある非殺傷のセレクターから殺傷へと切り替える。それにはロイド達どころかマフィアも驚きを見せた

 

「このままやられて、奴らを見逃すか?それにティオやエリィを慰み者にさせるか?切り替えろ……目の前のは犬畜生だ」

 

その場にいるのは警察としてのミッチェルでなく、アメリカ陸軍第7特殊部隊の隊長……ゴーストとしてのミッチェルであった。そこまで言われてもロイドやエリィにティオは戸惑うが、ランディは覚悟を決めた……その時

 

「アオォォォォン!」

 

狼の遠吠えが深夜の空に響いた。何事かと辺りを見渡すと……そこには狼の群れがマフィアや犬たちを取り囲んでいた。そのリーダーであろう白い狼が再び力を込めて咆哮を上げると、犬たちが怯えてひれ伏した

 

「お、お前ら!なに怯えてやがる!か、数じゃこっちが上だぞ!」

 

マフィアどもが犬に言うが、獣の本能に逆らえない犬たちはひれ伏したままであった。

 

「本物と偽物の格の差……か。お前たちを器物破損、障害、公務執行妨害で拘束する」

 

セレクターを非殺傷に切り替えたミッチェルがマフィアに手錠をかける。それを見た白い狼が去っていくが、ある方角をじっと見つめた後に去って行った

 

「あら残念、スコットの本気をみれると思ったのに」

 

戦闘していた場を見渡せる崖の上にいたのはレンであった

 

「でも、あの技術に度胸、それに指揮……どれをとっても素晴らしいわ。レーヴェと渡り合ったのも今なら頷けるし……早く一緒にお茶がしたいわ」

 

ミッチェルの実力を垣間見たレンは、その姿に嬉しそうにしながら、子供ではとても思えない艶やかな表情をしながらミッチェルを見ていた

 

「でも、あの狼さん……何者かしら?タダ者じゃないみたいだけど……」

 

自分を見つめていた狼のを気にしながら、後ろに気配を感じ

 

「クスクス、また会いましょスコット」

 

その場から消え去った

 




いや~レン可愛いよレン。ティオも可愛いけど、レンも可愛くてたまんない!

しかし零に出てくる女性キャラの殆どが魅力的すぎてヤバイ、ノエルやリーシャも魅力的だし、むろん男性キャラもいい味だしてるけどw

ミッチェルのエニグマのライン構成は2ラインの5-1連結で、時属性限定スロットが2つです。ですがATSは低くて、ロイド以下ランディ以上です。代わりにSTRは高くて、ロイド以上ランディ以下です。まぁ、器用貧乏というか器用万能というかわかりませんが、どちらかというとアタッカー向けですね

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