俺ガイル~二次 雪ノ下父が贈賄容疑で逮捕!雪乃が独立する? BT付き 作:taka2992
「やべーな。これじゃあ外に出れない。由比ヶ浜の姿をした俺が由比ヶ浜の家に帰宅するのか? 家でどんな生活しているのかもわからないのに? お父さんとかお母さんとどんな会話してんだよ」
「私だってヒッキーの家に帰れないよ。コマちゃんがいるからフォローしてくれるかもしれないけど……ヒッキーはゆきのんと入れ替わればいいんだよ……」
「あのな、俺たちに選択が可能だったと思うか?」
そんな会話をしていると、雪ノ下と三浦がにらみ合っていた。これから世界最終戦争でも起きそうな気配。
「なんだかわからないけど、あーし、雪ノ下さんの体にだけは入りたくなかったし」
「そうね。私だってこんなビッチ臭い体、お断りよ。この体に入るとわかるのよ。穢れていることが。感覚的に。すごく嫌な感じだわ。胸が重くて気持ち悪いし」
「あ? なめとんか! それはおめぇがちっぱいだからだろ? そんだけ大きくなりゃあ、違和感バチンバチンだろ。感謝しときな! 今のあーしなら、あんたの体ですごくビッチみたいなことができるんだけど?」
そういいながら三浦を宿した雪ノ下がスカートをヒラヒラとまくり始めた。時々大腿のきわどいところまで見える。おいおい。それはヤバイだろ。
「なんてことするの? さすがビッチね。それ以上やったら、あなた、社会的に死ぬことになるわよ」
雪ノ下を宿した三浦が、ゆるふわウェーブの金髪を乱しながら、三浦を宿した雪ノ下につかみかかる。とうとう始った。お互いに腕を取ろうとして取っ組み合う。
普通の状態だったらこの二人の喧嘩は雪ノ下のほうに分があるはずだが、雪ノ下は三浦の体だと勝手が違うのか、まったくの互角だ。三浦の体の手が雪ノ下の体の頬をビシッと打つ。「ひゃいん!」と響く悲鳴。この悲鳴は雪ノ下の声帯から出たものだ。こんな声出るんだな。俺も由比ヶ浜も海老名さんも小町も大志もしばらく無言で見守っていた。
「二人とも! 止めてください。今の状態だと相手への攻撃は自分の体にダメージを与えるということですよ!」
小町がそういうと、二人の動きが止まった。どちらも息が荒い。その傍らで俺の体がモジモジしはじめた。
「ヒッキー、わたし、トイレ……行きたい」
「え? マジか」
「男の体でトイレ行ったことないよ。おしっこするときってアレ触るんでしょ? どうしたらいいの?」
俺の体に入った由比ヶ浜が俺の顔を赤くしてそういう。
「ユイ~、ヒキオのことなんて気にすることないじゃん。行ってきなよ」
「でも……」
おしっことか言うもんだから俺も気がついてしまった。俺もトイレ行きたいことに……。
「よし、由比ヶ浜、俺も行く。一緒に行こう」
「え? ヒッキーももしかして行きたいの? いやあ~、絶対いやあ~!」
俺の体に入った由比ヶ浜がなみだ目になって叫ぶ。そんなこと言っても俺だって……膀胱さまのお怒りには抗うことができない。
「じゃあ、どうすんだよ!」
「ヒッキー、お願いだから、トイレの便座に座って、パンツ下ろしたら、絶対見ないで。見たら私、一生恨むよ!」
「わかった、わかった。俺のは別に触ってもいいから。触らないとできないから。行くぞ!」
俺と由比ヶ浜は連れ立ってトイレに行った。一瞬、入るべきはどちらか迷ったが、俺は女子トイレに入った。女子トイレなんて初めてだわ。
用を足して部室に帰ると、窓際には三浦の体に宿った雪ノ下と小町、そして海老名さんの体に宿った大志がいて、向かい会う形で大志の体に宿った海老名さんと雪ノ下の体に宿った三浦が睨みあっていた。
「ユイ~、ユイはどっちにつく? まさかあーしを裏切らないよね?」
「由比ヶ浜さん、あなた、まさか三浦さんみたいなビッチと付き合い続けたいとは思わないわよね」
「また言ったし! このハブられ優等生が! お上品ぶりやがって」
「あのぅ~ 私、中立ということでいいでしょうか」
由比ヶ浜が優柔不断なことをいったとたんに「ダメだし!」「だめよ!」と一喝されて由比ヶ浜が「ひっ」と体を震わせる。
「じゃあ、ヒッキーはどっちにつくの?」
「え?俺?」
「比企谷君、あなたわかってるでしょうね」
「ヒキオはキモイからそっちでいいわ。そのかわり、ユイはこっちにもらう。でもヒキオの体もキモイなぁ」
「おいおい、二手に分かれて一体なにをやろうってんだよ」
「決まってるじゃん。すぐバトロワが始まるらしいから、仲間を作っておくんだよ」
大志の体に入った海老名さんがそう答えた。
「とにかく落ち着け、とりあえずみんな座れ。現状をしっかりと認識して対策を考えよう」
俺はそう言いながら、人数分のイスを並べた。これ以上いがみ合っていてもどうしょうもない。ふうせんかずらの思う壺だ。みんな不満顔のまま、とりあえずイスに座った。