ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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そだてるもの

   \う~~~~・・・/

 

今日は武術訓練の日 いつもどうり

サータとナータが出掛けて行ったが

オレとジゼルは家に残っている

まだジゼルは剣を握ることもできない為

行ってもできることは少ないが いつもなら

オレたちも同行しているところだが

 

‘ジゼルちゃん具合どう?気持ち悪くない?’

 

  \そんなでも・・・ない/

 

オレたちは地下の術部屋でフェルリと共にいる

コーセルテルが熱波に襲われたあの日から

ジゼルの体温がどうもおかしい

急に高くなったり低くなったりを繰り返すが

以前の術暴走のような魔法力を感じない

原因として考えられるのは 慣れない術を使ったせいか

氷に触れていたことが火竜の体には負担が大きかったのか

体温調節機能に支障がおこったようだ

・・・もしくはジゼルが火竜の「変種」が原因か?

同じく暗竜の変種であるプレアが術練習をするたびに

熱をだしている症状にも似ているものがある

 

『・・・結局のところ特定はできないのですか?』

 

‘そうね 特定は難しいと思うわ

・・・変種については木竜の里でも調べているから

いずれ里から情報が来ると思うけど

それよりもいまのジゼルちゃんに必要なのは

ハドラーさんたちの看病ですから’

 

    \ ん~ ふふふ♡ /

 

オレのひざの上で寝っころがって笑っている

ジゼルの顔をつついてやる

 

「熱がやや高いが火竜にとっては問題なかろう」

 

『低くなるのが問題なのですか?』

 

「どちらかといえば変動の負担が厄介なのだろう

自力で制御できればよいが・・・

今下手に術による制御をさせるのは逆効果かもしれん」

 

『ふふふ・・・』

 

「何がおかしい?」

 

『あなたの頭の中がジゼルのことでいっぱいですから』

 

・・・それはおまえも同じだろうが

 

「・・・・・・それはジゼルが弱いからだろう」

 

『・・・そうきますか』

 

「ジゼルは竜とはいえ 火がだせることを除けば

力も経験も足りんガキに過ぎん

・・・かつてバルトスやブラスがヒュンケルやダイを育てるために

心血を注ぎ 自らの力を高めてきたのは

か弱い命を相手にしていたからだ

昔のオレは強い力同士だけが互いに力を高めあうものだと

弱いものに価値などないと信じていたものだった

今のジゼルを見て ふとそんなことを思い出した

まあそれはさておき これからどうするか

マシェルが果物の砂糖漬けを用意してくるとは聞いているが

ジゼルをひざの上でただ寝かせるだけでは芸がない」

 

‘そういうことでしたら’

 

『私の出番でしょうか』

 

「おまえが役に立つ・・・と」

 

『ええ フェルリ直伝のとっておきがあります』

 

「・・・・・・面白いっ 見せてみろ そのとっておきとやら

ドラゴラム(竜変化呪文)!!」

 

オレは呪文を唱え聖母竜の姿となり体を貸した

 

       \ お母様? /

 

聖母竜がジゼルを抱きかかえ自身の腹の上に寝かせた

 

『ジゼル あなたをこれから幸せオーラに包んでみせましょう』

 

ほう 大きく出たな

 

『これから私は あなたをイメージという夢の世界へ

誘いましょう 自由な心で感じてください』

 

    \ はーい? /

 

「わかってないだろ」

 

‘大丈夫ですよ 聖母竜さんのお腹でそのまま

寝てしまってもいいのですから’

 

『それでは かる~く 目をとじてください』

 

・ ・・

 

『大きくゆ~っくり 深呼吸です

お鼻から吸って~  お口から吐いて~

はいて~・・・  すって~・・・』

 

\  ハーーーー・・・   スーーー・・・/

  \ハーーーー・・・ スーーー・・・/

 

『ひと息をするごとに あなたの体の中から

いらないものがでていきます

さあ はいてー・・・  すってー・・・ 』

 

\  ハーーーー・・・ スーーー・・・  /

  \ ハーーーー・・・スーーー・・・/

 

暗示か・・・

 

『さあ あなたの体が少しずつあたたかくなっていきます

ツノの先から・・・ おでこ・・・ほっぺた・・・ おはな・・・

おくち・・・ くび・・・ むね・・・ おなか・・・』

 

 \ スーーー・・・ ハーーーー・・・ /

 

「ほう・・・

たしかにジゼルの体温が落ち着いてきた

言うだけのことはあったか」

 

『あなたのしっぽの先まで ゆったりと・・・

ぽかぽかに~ 』

 

    \ ぽかぽか~・・・ /

 

・・・いうほど発熱はしていないが 効果はあるようだな

オレにも使えないだろうか?

 

『どうでしょうか?

私もフェルリに教わって実践したのはこれがはじめてですし』

 

まあ今回はおまえの手並みを見るとしよう

 

  \ スーーー・・・ ハーーーー・・・ /

 

『どんどん力が抜けて ゆったりとしていきます

・・・いまあなたはとても落ち着いています

そのあたたかくゆったりとした気持ちをじっくりと

味わってください・・・』

 

  \ スーーー・・・ スーーーー・・・ /

 

『あなたがその気になれば・・・

その静かで幸せな心がいつでもあなたのものになります』

 

\   スーーー・・・ スーーーー・・・   /

 \ ハドラー様と・・ お母様のにおい・・・/

 

『!?』

 

落ち着け・・・ おまえが心を固くしてどうする

今のジゼルが纏う気質 闘気ではない

それとはまったく逆の静かだがたしかに感じる気・・・

 

『・・・ジゼル また深呼吸をしましょう

さあ・・・ 吐いて・・・・・・

吸って・・・・・・』

 

\ ハーーー・・・ スーーーー・・・ zzz・・・ /

 

・・・どうやらねむってしまったか

 

‘ジゼルちゃん 落ち着いた よい寝顔ですね

お疲れ様です 聖母竜さん’

 

『フェルリのおかげですよ ハドラー、あなたも・・・』

 

ああ ご苦労

おまえも成長するのだな

 

『ええ ジゼルやダイのためでしたら

・・・私も強くなりたいですから』

 

・・・こういった分野ではオレもまだまだ弱者に過ぎん

バルトス・・・ ブラス・・・

おまえたちのレベルに達するのはまだまだ先のようだな

 

 

 

 

    せいぼりゅうはレベルがあがった!

 

    おしゃべりが3あがった

 

    たてがみがすこしながくなった

 

    おなかがすこしやわらかくなった

 

    暗示法をおぼえた




仕事帰りに自転車で台風に直撃したウジョーです。
あれはきつかった しかも社旗復帰の初日に・・・

それはさておき 聖母竜さんが一話まるまる活躍したのは
もしかして拙作でははじめてかもしれません ほぼ全話でてるのに

今回の聖母竜さんの暗示法に とあるヒーリングCDを参考にしたのですが
久しぶりに聞いてみると本気で眠くなったり・・・zzz(声優さんすごい)

私自身不養生を重ね 色々と面倒ごとが増えてしまいましたが
大分暑さが過ぎ 過ごしやすい秋がやってまいりました
心穏やかに 幸せな気持ちに包まれますように

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