ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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武術訓練!? ~中編~

〔そこまでっっ!!〕パン

 

久しぶりに闘気を高めようとしたがそこで審判エレの制止の合図がでる

 

〔はい 双方武器破壊で戦闘不能 引き分け〕

 

「引き分けか まあいいだろう」

 

[・・・・・・フゥ   まあいいか]

 

剣の形をしているがあくまで訓練用の木製 ひのきの棒程度 あの衝撃なら折れて当然だったな

 

『ムキになりすぎですよ』

 

「久しぶりに 上には上がいることを教えてやりたかったのだがな」

 

このように力を振るうのは久しぶりだったからな 

この分野ならオレが遅れをとることもないかと思っていたがやはりこの地は面白い

 

〔ハドラーさん 子竜たちを紹介します まず年長組から はい自己紹介〕

 

≪じゃあぼくから ぼくは水竜家の一番竜 エレの補佐竜のリリック よろしくお願いしますハドラーさん≫

 

<ぼくは木竜家の二番竜 カディオの補佐竜のロイ はじめましてハドラーさん>

 

「ほう さっきの折れた木剣をキャッチしていたのがリリックで 

破片が当たらないようにさりげなく他の子竜たちを誘導していたのがロイだな

流石年長組といったところか」

 

≪えっ! 気付いてたんですか!?≫

 

{すごくかっこよかったですよ リリックさん!}

 

ホウ

 

<剣が飛んだりするのはよくありますから 流石にあんな風に折れることまでは予想できなかったけど>

 

もう一人いるおそらくロイと同じくらいの年代だろう木竜の娘が 誇らしげな顔をしている なるほど

 

【・・・なにを笑っている?】

 

「気にするなナータ」

 

〔じゃあ次は年少組 ナータとサータ以外は初顔合わせのはずよね?〕

 

{はじめまして 私っ 光竜術士モーリンの一番竜 補佐竜でマリエルですっ}

 

先ほどまで リリックを憧れのまなざしで見ていた 子竜だな

あまりにもまっすぐだったな・・・ 

 

《ぼくは地竜家二番竜の ロービィです ランバルス師匠からハドラーさんのことは聞いてました 

お話どうりすごいですね》

 

ランバルスというとあの雰囲気がアバンに似た男か やはり力を値踏みされていたか

ナータに似た子竜 おそらく暗竜がロービィに くっつくように寄り添っている

 

【ロービィ さっきはありがとう やっぱりロービィ・・・かっこいい】

 

ほう 暗竜も笑うのだな

そういえば オレの木剣が折れたときにロービィが動いていたようだが とっさにかばったのだろう

・・・当たってないだろうが

 

<あの二人はいつも熱いなあ>

 

{あの関係はあこがれます}

 

ロービィが茹で上がっているが 周りの反応からどうやらいつものことのようだ

 

(おれは 風竜家の三番竜グレイス ハドラーさん さっきのすごかったよなー 

嵐と台風がぶつかって竜巻がおきたみたいなかんじで 

おれにもあんなことができるようになるかなー?)

 

例えがいかにも風竜だな 強さへの純粋な憧れを向けてくる オレがよく知る目をしている

 

〔あとは見学組もこの際紹介しとく?〕

 

<私は木竜家カディオの一番竜で補佐竜のノイ>

 

「また『補佐竜』か マシェル家は全員補佐竜だったようだが・・・ 他の家では違うのか?」

 

(簡単にいうと 竜術士の手助けをするその家の年長者の竜です 

木竜家には私とロイが同時に卵で預けられ私が先に孵ったので 私が一番竜で二人とも補佐竜なんです)

 

そういえばマシェルの子竜は皆同じぐらいの年恰好だったな

同時期に一度に預かったということか?

 

『今度フェルリにくわしいこと聞いてみますよ』

 

【わたし・・・ 先代暗竜家メリア母さんの二番竜エリーゼ ロービィにおべんとうもってきた・・・】

 

やはり暗竜か こやつもナータと同じくらいの力を秘めているのだろうか

アバンやダイで散々思い知らされたが やはり見た目で強さは はかりずらいな

 

〔これで自己紹介も終わりね カシは・・・〕

 

[俺はいい また時間があるときに個人的にじっくり話すさ それより訓練を開始しよう

俺たちのせいで ずいぶん遅れちまったからな]

 

〔そうね ハドラーさんも稽古つけてくれます?〕

 

「いや オレのは戦場で磨いた侵略者の武力だ 子竜に伝えるようなものではあるまい」

 

〔・・・わかったわ じゃあ訓練をはじめましょう〕

 

侵略者という言葉に反応したのかエレの声に冷たいものが混じったな 正直なやつだ まあいい

訓練を開始した子竜を見ながら腰を落ち着けた

弁当を手にし ちょうど持て余していた熱を発散させるように呪文を唱えた

 

「ギラ」

 

これでよし と

 

≪たのしみですね≫

 

・・・・・・ムゥ 今オレは 聖母竜の言葉で 何を考えたか

 

『ナータとサータの喜ぶ顔ですか』

 

・・・こやつ・・・まさかフェルリやバランにこんなことまで話さんだろうな・・・

 

 




まさかの前・中・後編に・・・ 登場人物多い上にコーセルテル原作の武術訓練はいつも面白いのでつい色々書きたくなってしまう。

地竜の主な特徴
真面目なインドア派 知識欲が強く本が好きで高いところは苦手
頑強な体をもち重力を感じないため重いものを軽々と運ぶことが可能
術は重力を操るものや地震を起こしたりとパワフルなだけにつかいどころが難しく
周りに迷惑がかからないものは 地殻の動きを読んだり地下の様子を見たりと一気に地味になる
本などから積極的に知識を求めることが日常なので知恵の竜ともよばれる
地黄色を基調とした服を着ている

地竜・アータ
三番補佐竜 男子
何でも真面目に取り組むつっこみ担当の苦労人 生後ほぼ三年でナータ、サータがマシェル家入りした翌日に卵ちゃんの状態で預けられた
筋金入りの読書好きで孵化のきっかけや孵化直後の行動も絵本の先が気になるというもの
地竜術が地味な術が多いことを気にしているが 幼竜の頃からサータのストッパー(うまくいかないことが多いが)や力仕事 必要な本をすぐに用意するなどよく働き ナータから頭がいいと評価されている
相性がいいのか木竜・タータとは自然と隣にいたり いたずらに気付いていたりと特に仲がいい模様
典型的な地竜のようだがサータの影響で同族のロービィが驚くほど冒険慣れしておりとっさに飛行術で落下を防いだり 将来本で見たものを実際に自分で見るために旅に出ようと夢見たりと意外な成長を続けている

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