ハドラー子育て日記 コーセルテル編

いっぱいの水

　　　＼　ハドラーさま～♡　／

ジゼルはオレの髪に巻きついて寝ている

‘ハドラーさんの熱調節の術も上手になりましたね

ジゼルちゃんの術暴走の余波がほとんどでてません’

『ジゼルまで熱調節の術が使えるようになりましたから

同じ術で遅れをとるわけにはいかないですからね』

「余計なことは言わんでいい　聖母竜」

髪に巻きついて寝ているジゼルはフェルリに任せて

オレは紙芝居にとりかかっている

『あなたがジゼルの方を向いてくれないと

私がジゼルを見れないのですが』

「それはおまえの都合だろうが

今日はジゼルの世話ということで家事から外れているからな

この機会に新作を仕上げておきたい」

今回は勇者視点のシーンが多い　じっくり描けるこの機は逃せん

‘ジゼルちゃんの様子は私が常におはなししますから

今日はずっとおしゃべりしましょう’

『・・・そうですね　これもよい機会でしょう

私も少し過保護が過ぎてるでしょうし』

「少し？」

『あなたも余計なことを言わなくていいです』

　　　カリカリカリ・・・

　　　ペタペタペタ・・・・・・・

　　＼　ウフフフ・・・　　ハドラーさま～♡　／

ジゼルは相変わらず熱気を出しながら寝言を言っている

‘ハドラーさん　紙芝居の作業をしながら術のコントロールが

まったく揺らぎませんね　すごいです

ジゼルちゃんも本当に安心した顔で　見てる方も笑顔になります’

『フェルリはいつも笑顔ですけどね』

たしかにな

「術の扱いには年季が入っているからな

コツさえおぼえればこの程度は造作もない」

『以前の術暴走のときは物理的に手を焼いてましたが・・・』

「・・・フン

・・・・・・ム　誰かこの術部屋に向かってきているぞ」

‘あらマータちゃんにヤチちゃん’

マシェルとアグリナの子竜か

かきかけの紙芝居を子竜たちの目にふれないように伏せ

顔を向けるとマータが水の入ったコップを差し出した

≪どうぞ≫

「手間をかけたな　飲めジゼル」

コップを受け取りジゼルを起こし飲ませた

　　　　　ごくごくごく・・・

ジゼルがノドを鳴らせる

「いい飲みっぷりだ　よいタイミングだったようだなマータ

む　どうした？」

いつのまにか　周りからジゼルではなく

オレに笑顔が向けられていることに気付いた

‘ふふ　マータちゃん　だれに水をとは言ってないのに

ハドラーさんがジゼルちゃんに自然に水をあげたから’

≪火竜家に二番竜がきたらヤチがお兄ちゃんになるから

そのお手本を見にきたんだって

だからいいお姉ちゃんを見せようと思ってお水を持ってきたら

いいお父さんが見れちゃった≫

　　　　　　　＼　ね～♡　／

『ふふふ』

　＼　ハドラーさまがのませてくれたおみず　おいしいです～♡　／

なんだこの居心地のわるさは・・・　

特に考えることもなく水を飲ませただけだが

たまらず　空になったコップをマータに返し

「オレにもいっぱいよこせ」

≪はーい！≫

　　　ファアァ・・・

その場でマータが水竜術で水をつくっている

けっこう難しい術だと聞いていたが一人で難なくやってみせている

　　＼　マータおねえちゃんすごーい！　／

ヤチの前で面目も果たせているようだ

その水を一息で飲む

ウム、わるくない

「便利な術だな火竜術でも同じようなことが出来ると聞くが？」

‘ええ火竜術でもできます　勿論火竜にもできるということですが

まるっきり水竜と同じようにとは難しいですけど’

≪さっきもナータが地竜術みたいなことやってたものね≫

　　　＼　ナータおにいちゃんもすごかった！　／

まあ今のジゼルならオレがヒャドでつくった氷を

熱調節で融かすぐらいが精々だろう

・・・だがオレは　水を飲んで一段と上機嫌なジゼルに

更なる可能性を期待せずにはいられなかった

　　　　　　　　　　　　ハドラーはレベルがあがった

　　　　　　　　　　　　ちからが１あがった

　　　　　　　　　　　　すばやさが２あがった

　　　　　　　　　　　　たいりょくが１あがった

　　　　　　　　　　　　かしこさが３あがった

　　　　　　　　　　　　うんのよさが１あがった

　　　　　　　　　　　　さいだいＨＰが２あがった

　　　　　　　　　　　　さいだいＭＰが４あがった

---

いただいた感想からネタがひろがったので　折角なのでここで書きます


「ジゼルの熱がなかなか下がらんな　この状態がいつまで続くか・・・」

‘心配ですね’

『・・・どうやら私の出番がきたようですね』

「なんだと？」

『私もひそかにレベルアップをしてますから
おぼえたての特技をつかいましょう』

「フフフッ　よかろう聖母竜よ　ドラゴラムを使うか？」

『いえ　このままジゼルをあなたの視界にいれていただければ使えるようです
・・・いきます　マザースキャーーン！！！』

カァッ

‘ハドラーさんの目が光った！？’

ピピピ

『わかりました・・・』

「・・・・・・」

『・・・ジゼルの７割は可愛さで出来ています・・・！』

「！？」

『ジゼルの３割はやさしさで出来ています』

‘やさしくてかわいい　ほんとうにいい子ですよね’

　　　　たら・・・

鼻水を垂らしながらも

「それはただの親の欲目だろ　などと色々と言いたい事はあるが・・・
・・・やはりおまえは役に立たんな！」


こんなとこです　
ちなみに成分解析のサイトの解析結果の表記を参考にしています