ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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希望への前進!!?の巻

「ジゼル、マータ、ハータ 準備はいいか」

 

    \ \ はーーい!!! / /

 

(ちぇ~ いいなー おれも行きたかったな~)

 

《サータも水が苦手でしょ いっしょに行ってどうするの?》

 

(その苦手をなくす特訓をするんだろ

ハドラーさんがジゼルにどんなことをさせるのか気になるじゃないか)

 

「流石に今日一日で克服できるとはオレも考えてはおらん

たやすく克服できない 火竜特有の弱点らしいからな

他の者まで面倒をみきれんのだ」

 

水竜のマータと火竜のハータには 水から上がってからの補助を頼んでいる

 

「では いってくる」

 

〔いってらっしゃい 子竜たちをよろしくお願いしますねハドラーさん〕

 

ジゼルを肩に乗せ しゃがみこんでマータとハータの手をとる

 

「ルーラ!」

 

 ドヒュッ!!      ビュワッ

 

目的地はあのときの池

 

              ドーーン!!

 

「着いたぞ」

 

マータらと手を離すと

 

         \ ・・・・・・ /

 

ジゼルの背中に不安の表れである暗竜の翼がでていることに気付いた

オレにくっついているときはまず見えることはないが

やはり一度溺れた場所なだけに苦手意識があるようだ

 

「では特訓の説明をする

ジゼルはオレの肩に乗ったままでよい

このままオレがこの池に入る

マータとハータは水から上がったときにジゼルの服を乾かし

暖めるようにしておけ」

 

『あなたのことですから 池にジゼルを放り込んで「さあ泳げ」

とか言うのかと思ってました』

 

ジゼルが水に浮くかも怪しいのにそんなことができるか

 

≪ハドラーさん 竜術で溺れないようにしたり 

池の水の冷たさを感じないようにできますよ≫

 

「今回は泳ぐことが目的ではない 水への苦手意識をとることが目的だ

あらかじめ水を無害化させたのでは克服したとはいえん」

 

[そうかー ぼくも水は苦手だけど ジゼルがんばってね

水からでたらすぐにあっためるからね]

 

        コクコク

 

ジゼルがうなずき返すが この池に着いてから一度も言葉を発していない

ジゼルの緊張がオレにも伝わってくる

こんなことはこいつが生まれてから はじめてかもしれんな

 

『そうですね』

 

「ではいくぞ」

 

  ドボオン      ・・・ぷかあっ

 

池は意外と深いがジゼルを抱えたまま顔が出せる程度に浮いた状態を維持

 

      \ ぷはあ ・・・はあっ はあっ はっ・・・ /

 

「ジゼル まずは呼吸を整えろオレに合わせてもいい そうすれば落ち着く」

 

オレはそれだけ言って ジゼルが落ち着くのを待った

 

・・・

・・・・・・

 

ジゼルの呼吸は落ち着いてきたが顔色が悪い

 

      \ つめた・い・・・ざ・ざむい・・・ /

 

水のつめたさで弱ってきているな

 

「一度上がるか・・・」

 

       ザアアアッ

 

池から地面に上がるとすぐに寄ってきた子竜たちにジゼルを預けた

 

     ポウ・・・  パアアア・・・・・・

 

二人同時に術を使っている マシェルの子竜たちが得意な同調術だな

ずぶ濡れだったジゼルがあっというまに乾き顔色もみるみる回復していた

 

            ボウ!

 

オレも火の玉を生み出し自分の身体を乾かしていると

 

   \ ハドラーさま~ 私の力を使ってください /

 

すっかり回復したジゼルがやってきた

 

「よし 力を貸せジゼル オレの火竜術をみせてやろう」

 

ポワア・・・

 

服が傷まない温度で乾くまで維持するのは呪文より竜術の方がむいていたが

やはり火の力は制御が難しい・・・が

 

『子竜たちの手前 ミスはできませんね』

 

火や熱は昔からオレのもっとも得意とする術法だ

失敗など・・・

 

・・・とりあえず髪以外は大体乾いたな

どうせまた池に入って濡れるのだからこんなものでいいだろう

 

『・・・池に入る前に ドラゴラムで私に代わって下さい』

 

どうするつもりだ?

 

『実は私 泳げるのです!!』

 

「なっ・・・ なんだとっ・・・!!?」

 

『私は竜の騎士の生と死を司る神の使い

竜の騎士が命を落としたとき 例え火の中 水の中

迎えに行くことができるのですよ』

 

「・・・・・・ホウ」

 

『ジゼルを肩に乗せて池に入れば ジゼルが私を頼りに』

 

「・・・残念だが お前が入れるほどこの池は大きくないぞ」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

「・・・・・・もう一度池に入るぞジゼル」

 

       \ はい!ハドラー様♡ /

 

即ジゼルダイブで肩に乗ってきた 同時に背中の羽が消えた

 

「こんな術ばかり上達しているな」

 

       \ ! ・・・ /

 

         ドボン

 

やはり水に入るとジゼルに羽が生えていた

 

『でも先ほどより落ち着いているようですね

この調子なら 案外早く水を克服できるのでは?』

 

もう聖母竜が復活していた

いや それよりも ジゼルのまわりがどうも生温かくなってきた

 

・・・これはもしや

 

 

 

・・・火竜術か!?

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・オレは最初 小便でも漏らしたのかと思ったが

 

『・・・実は私も』

 

今まで熱調節の火竜術はうまくいかなかったが これはいい傾向だな

 

『ですが、これで水の克服という本来の目的が果たせるのですか?』

 

「水の脅威に対して自力で対処することができれば苦手意識克服につながる

それは 水泳でも竜術でもよいのだ」

 

だが

 

       ガクウン

 

ジゼルの顔が急に蒼白になりオレに寄りかかる

 

『ど・・・ どうしたのですか ジゼル!!?』

 

「・・・魔法力がつきたのだ・・・

無理もあるまい 使い慣れん術 しかも火の術を制御しつづけるのは

今のジゼルでは負担が大きすぎる」

 

『・・・今の ですか?』

 

そう 今の・・・だ

 

「とりあえず池から上るぞ マータ! ハータ!」

 

池から上がり オレはジゼルを抱いたまま座り込み

ジゼルに乾燥保温の同調術を受けさせると同時に

オレもホイミ(回復呪文)をかけた

ホイミで魔法力は回復しないが 水中で消耗した体力はもどるはずだ

 

        パアアアア

 

ジゼルの顔色がよくなってきた

 

「収穫はあった 今日のところはこれで帰るぞ」

 

   \ \ はーい!!!! / /

 

マータとハータはオレに抱かれているジゼルの手を握った

 

『ジゼルの顔がよりやすらかになりましたね』

 

そうか

 

「ルーラ!!!」

 

    ビュン!!

 

なんと 茶葉になりそうな葉をてにいれた

 

『あなたいつのまに・・・』

 

 

 

 

 

 

     ジゼルはレベルがあがった

 

     ちからが2あがった

 

     すばやさが2あがった

 

     みのまもりが3あがった

  

     たいりょくが2あがった

 

     かしこさが2あがった

 

     うんのよさが1あがった

 

     さいだいHPが 2ふえた!

 

     さいだいMPが 5ふえた!

 

     熱調節の術をおぼえた!

 

     2Pの スキルポイントを かくとく!

 

     ジゼルのドラゴンが スキルアップした!

 

     ツノのつやが3あがった

 

     いなずまをおぼえた!

 




暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか 涼しい話を書きたくなったウジョーです。

私は貧乏性と水分+栄養補給+冷房が常にせめぎあっていますが まだギリギリ大丈夫です
みなさんは いのちをだいじに でこの夏を攻略しましょう おつかれのでませんように

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