ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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まよいみち ジゼルとびこむ みずのおと

火竜の特性 それはよくもわるくもジゼルにもあてはまる

基礎竜術の本で知ってはいたが ときにこれがなかなか厄介なこともある

 

       \ 晴れたーーーーーーーーー♡ /

 

『ジゼルはご機嫌ですね』

 

昨日は雨が降っていたせいか 明らかにテンションが低かったからな

朝食を終え 外に出たジゼルに声をかけた

 

「ジゼルよ 今日はお前の力を試す まずはどこでもいい

目的地を定めそこに歩け オレは後からついていく」

 

    \ はい!ハドラー様! じゃあ火竜家にいきます! /

 

「よかろう」

 

火竜家か コーセルテルならどこからでも見えるクランガ山の中腹にある

方向音痴の火竜への配慮らしいが・・・ハータはそれでも迷うと聞く

 

・・・

・・・・・・・

結果から言えば 迷った・・・

ジゼルは一応山を目指していたようだが

やたらと後を振り返るばかりでまっすぐ前に進めていない

 

『振り返るのはあなたを見ているのでしょう』

 

やれやれ・・・

気がつくと少し開けたところについた はじめて着た場所だ

 

「ほう あの木の葉は以前アバンが言っていた茶葉に似ているな」

 

味見をしてみようと ジゼルからわずかに目を離し手を伸ばしたところで

 

           どっぼーーーーん!!

 

ジゼルが池に落ちた

昨日の雨のせいか かなり深いようだ 完全に頭まで沈んでいる

 

「ふん!」

 

   バシャ!!

 

池の淵から手を伸ばしジゼルを拾い抱きかかえた

泣くかと思ったが 呆然とした顔をしている

 

『濡れてパチクリする顔 いいですね!』

 

聖母竜は放っておいて・・・ たしか火竜は水だけでなく寒さにも弱いはず

濡れた状態はまずいか

 

「ルーラ!!」

 

 ビューーン

 

行き着く先は帰るのではなく本来の目的地

 

               ドーーーン!!

 

火竜家に到着した

 

〔何!今の音??! あ ハドラーさんにジゼル!! どうしたのびっしょりよ?!〕

 

ルーラの着地音に驚いたのか アグリナが飛び出してきた

音の正体もわからずにでてくるとは無用心な ・・・まあわかるが

 

「ジゼルが池に落ちてな 服を乾かす火竜術があれば使ってくれるか?」

 

〔たしかに火竜術にも水竜術にもありますけど 

まずはジゼルをあっためて服は洗濯しないと 

ヤチ部屋をあっためて お風呂を沸かすから力を貸して〕

 

        \ うん! /

 

アグリナ達の火竜術で室温が上がった この術も面白いな

火の力の多様性 これを実感できるのはやはり火竜家だな

 

『あなたそれが目当てですか』

 

まあな

 

〔ハドラーさん ジゼルの服を脱がせてこのタオルで身体をふいてあげてください

お風呂はすぐに用意できますから〕

 

「ああ わかった」

 

アグリナからタオルを受け取り ジゼルの濡れた服を脱がせドロに塗れた体を拭く

 

         \ う~~ /

 

火竜にとって 濡れた身体に秋風は沁みるものがあっただろうが

どうやら元気そうだな

 

『一安心ですね』

 

別に心配などしておらん ・・・とりあえず目立つ汚れは落ちたようだな

そうこうしている内にアグリナがやってきた

 

〔じゃあ ジゼルをお風呂にいれるのはあたしたちに任せて お洗濯お願いできますか?

グイ族のところに行けばハドラーさんの着替えもありますし 

洗濯道具もうちより揃ってますから〕

 

「オレの着替え?」

 

〔ハドラーさん ジゼルを抱っこしてたから 前泥だらけですよ〕

 

言われてみて気付いていたが オレの服も前側だけだがびしょ濡れになっていた

 

「むう・・・ わかった グイ族のところに行ってくる」

 

ジゼルを抱きかかえたアグリナが風呂に行き

オレはジゼルの服を小脇に抱え火竜家を出たところで・・・

 

         \ ふええっ わあああんっ /

 

ジゼルの泣き声が聞こえた

 

『ジゼルッ!?』

 

放っておけ聖母竜 アグリナに任せておけばいい 若くとも一人前の竜術士だ

 

          \ わあああああんっっ /

 

〔ええ?! なんでヤチまで泣きだすの??!〕

 

『・・・本当に大丈夫ですか?』

 

・・・アグリナにとっても二番竜を迎える前の いい経験になるだろう

 

オレはグイ族から手ほどきを受けながら服を洗濯した

流石コーセルテルの仕立てを担当する連中だ 洗濯にもこだわりが違う

力の入れ加減 水質・水温の調整など どれも役に立つ貴重な情報だ

ジゼルが池に落ちたことがきっかけで 色々と得るものがあるものだな

 

『いや落ちたことは!』

 

わかっている あれはオレの落ち度でもある

・・・これがきっかけでジゼルが水が苦手になってもいかん

いずれはあの池でジゼルに水練でもさせるか

 

『それでは余計悪化するのでは?』

 

だれのことを言っている オレの子だぞ

 

『・・・まあ 私も自分の子を信じましょうか

あ、そこに泥の染みがありますよ』

 

やれやれ うるさいやつだ

 

゜ハドラーさんのお着替えはこちらです どうぞ

ハドラーさんほど大きい方はコーセルテルでは珍しいですから

服は作り甲斐があります 丁度いくつか作っていたところでした゜

 

「ああ ありがとう」

 

゜ハドラーさんの手 大きくて強そうなのに すごく丁寧です

もうお洗濯のコツをつかんだようですね゜

 

「フン」

 

洗濯の手を止め グイ族から服を受け取り 着替えた

 

――――

 

「以前ここで仕立てた服よりも身体に馴染む感じがする

守備力は変わらないだろうが前よりも動きやすそうだ

この違いは一体?」

 

 

゜実は ハドラーさんがお洗濯をしている間 直接背中が見えていたので

お渡しする前に微調整をしてみました

お気に入りいただけたなら なによりです゜

 

「ほう たいしたものだ いずれはこの技術も習得したいものだ」

 

゜ハドラーさんならできるようになりますよ だってほら・・・゜

 

       \ ハドラさまーーーーーーーーー♡ /

 

風呂上りでヤチの服を着たジゼルがアグリナらと ともにやってきた

 

゜あんなに可愛い娘さんのためですもの♡゜

 

「別にそれだけではないぞ」

 

『ふふふ・・・』

 

 

 

            ハドラーはレベルがあがった

 

            ちからが1あがった

 

            すばやさが2あがった

 

            たいりょくが2あがった

 

            かしこさが2あがった

 

            うんのよさが3あがった

 

            さいだいHPが2あがった

 

            さいだいMPが3あがった

 

 

 

            ジゼルはレベルがあがった

 

            ちからが1あがった

 

            すばやさが2あがった

 

            みのまもりが3あがった

 

            たいりょくが1あがった

 

            かしこさが1あがった

 

            うんのよさが1あがった

 

            さいだいHPが3ふえた!

 

            さいだいMPが3ふえた!

 

            1Pの スキルポイントを かくとく!

 

            ジゼルのメイドが スキルアップした!

 

            エプロン系のそうびで守備力+15

 




「コーセルテルの竜術士物語」の原作が毎度続きが気になって困ります。
面白い作品なのに月刊誌はよくもわるくもこのもどかしさが・・・

この5月は日本中急な夏日の連続と どこもえらいことになっているようで
みなさま おつかれのでませんように

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