ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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ちょっと不思議な書庫

 

「弁当は持ったなジゼル」

 

   \  はい!ハドラー様♡ おっきなパンですね  /

 

「それがお前の分だ なくすなよ」

 

『ジゼルが食べるには大きすぎませんか ジゼルの頭ぐらいありそうですが・・・』

 

「今日はジゼルが今までで もっとも歩くことになるかもしれんからな」

 

そのため今回は 軽く動きやすい風竜のサータの古着を着せている

こうして見ると白い色も似合うな

 

『ポニーテールもいいですね ヘアバンドもいいアクセントで』

 

「では行くぞ この感覚を憶えておけ  ルーラ(瞬間移動呪文)!」

 

   ビュン

 

      \ \ いってらっしゃーい! / /

 

                       ドオオン

 

目的地の地竜家の前に着いた

 

「どうだジゼル

これを使いこなせば たとえお前が世界のどこで迷子になろうとも

一瞬で飛んで帰ることができる

もっとも天井があるところでは使えんがな

今のように術者以外も対象に含むことができることも大きな特長だ

逆にリリルーラ(合流呪文)は術者のみだが空間を直接渡ることにより

場所を選ばず移動が可能だ

前者は目印のイメージに場所を 後者は個人を対象にするのが基本だ」

 

         \  うーーん・・・  /

 

〔お 来たなハドラー〕

 

ジゼルが頭をかかえていたところでランバルスが声をかけてきた

 

「手紙で伝えた通り 今日は地下書庫を利用したいのだが」

 

〔ああ 待ってたよ 好きに使ってくれ ただし言うまでもないとは思うが

書庫だからな 火竜術は厳禁で頼むぞ

ここはおばけがでるからな〕

 

          \  おばけ?!  /

 

「ほう 面白そうだな 何の危険もない場所かと侮っていたが」

 

〔いやいや あんたが楽しめそうなもんじゃないよ

でもジゼルを一人にさせないようにな〕

 

『大丈夫でしょうか?』

 

危険はないだろう それにジゼルにちょうどいい刺激かもしれん

 

〔これが蔵書リストだ 本当に案内はいらないのか?

今日はアータもいないみたいだが〕

 

「ああ 折角の機会だ 久しぶりに探検を楽しむとしよう

案内人がいてはつまらぬ」

 

〔ああ それはよくわかる〕

 

  キビッ

 

《師匠(せんせい)! もう・・・

ハドラーさん 本を持ち出すときは必ずこちらで記録をお願いします

あの どんな本をお探しか聞いてもよろしいですか?》

 

「裁縫と料理の本だ」

 

《でしたら このリストのこちらがオススメです

私もよく読んで参考にしましたから

ジゼルは何か読みたい本ある?》

 

         \  結婚の本!  /

 

「お前はまだ字が読めんだろう」

 

《まあ だったら・・・

リストのこのあたりの本は竜の花嫁衣裳や結婚式の本で

絵が多いから楽しめると思うわ》

 

〔へえー 流石ユイシィ面白いチョイスだな〕

 

   カ~~~っ

 

補佐竜のユイシィがランバラスの声で真っ赤になっていた

 

『どうしましたあなた? ニヤニヤして』

 

聖母竜はオレの考えがわかるはずだが やはり理解ができないようだな

 

「ではいくぞ ジゼル」

 

〔ああ ハドラー 夕方になっても帰らなかったら探しにいくぞ

俺も含めてみんな紙芝居の続きが気になるからな〕

 

「ああ これか わかった

邪魔になるから預けておくぞ 先に読んでも構わんが」

 

〔そんなもったいないことしないさ

言ったろ俺も楽しみにしてるんだ 先に読んだら楽しみがへるだろう?〕

 

「そうか」

 

紙芝居を受け取ったランバルスの答えで 今回はオレ一人でやることが決まった

まあそれも一興か オレはリストを借り受け地下書庫に向かった

 

        \  じゃあ いってきまーす!  /

 

ジゼルもすぐ後について歩いてきた

地下一階に下りたところで・・・

 

「ジゼルよ ランバルスも言っていたがここでは火竜術は禁止だ

火竜術はな・・・」

 

『・・・』

 

オレはジゼルに念を押した 

オレの考えを読みとった聖母竜はあえて何も言わない

この地下書庫で本を読むことと もうひとつのねらい・・・

 

         \  うわーーーっ  /

 

見渡す限りの本棚 圧倒するような本の量に まぬけに口をあけているジゼル

 

「この地下一階は先代の地竜術士の書庫だそうだ

そしてその下の階はさらにその先代の書庫と代々の竜術士の書庫を

竜術で地下に下ろしているらしい

なかなか面白い作りだ」

 

リレミト(迷宮脱出呪文)ですぐに出れるとはいえ 

時間の感覚がわかりにくいこの地下書庫で

本を読みだしたら夕方などすぐだろう

 

「この料理本も気になるな・・・ コーセルテルの食材を使ったレシピ集か」

 

ジゼルも気になる本を手にとって見ている

 

いくらか歩き 本を読む それを繰り返し・・・

地下3階でジゼルは今 竜の花嫁衣裳の絵が載った本に夢中になっていた

そろそろよいか・・・

 

オレは気配を消し ジゼルから見えないように本棚の陰に隠れた

 

しばらくすると オレの姿が見えないことに気付いたジゼル

 

   \  ハドラー様?! ハドラーさまーーー!!  /

 

オレの名を呼んでいるが オレはそれに応えず そのままジゼルを見ていた

本をその場に置き オレを呼びながら探しはじめたジゼル

いきなりオレのいる場所とは逆方向に歩き出した

気配殺しながら後をつけ 置いていった本は元の場所に戻した

 

    \  ハドラーさまーーー ハドラーさま~~・・・  /

 

ジゼルがオレを呼ぶ声に力が無くなってきたところで ふと立ち止まった

 

『ジゼル・・・』

 

  \そうだ! ハドラー様は火竜術を使ってはいけないと言ったけど! /

 

気付いたか?

 

  \ハドラー様はこんなときのためにあの術を・・・ リリルーラ(合流呪文)!/

 

       ジゼルはリリルーラをとなえた!

 

       しかし なにもおきなかった

 

『あなたの思惑どうりとはいきませんか』

 

オレもいきなりうまくいくとは 思っておらん まあ見ていろ

 

   \ リリルーラ!  リリルーーラーーーー!!/

 

しかし なにもおきなかった  しかし なにもおきなかった

地下書庫に大した術防止の術はかかっていない

術がうまくいかないのはジゼルの集中力が足りんだけだ

 

   \はあ・・・ はあ・・・  はあーー・・・・・・/

 

息をきらし座り込んだジゼル

どうやら腹が減ったようだ 手持ちのパンを食べ始めた

 

「一息ついたようだな そういえばもうそんな時間か」

 

この位置からでは表情が読み取れんがまだあきらめてはいないはずだ

 

・・・食べ終わったのか顔を上げたジゼルがまた声を上げた

 

       \ おかあさまーーー! /

 

『ここですジゼル!!』

 

いかん!!

オレは気配を消したまま走り出しその場を離れた

 

っく そうきたか・・・

 

台無しになるところだったぞ聖母竜

 

『あなたこそ これだけ離れてはジゼルの様子がわかりません!

すぐに戻ってください!』

 

やれやれまったく過保護なやつだ

心配せずとも 場所は忘れておらん

聖母竜をある程度落ち着かせ 先の場所にもどったが

 

「おらんな ジゼル・・・」

 

『・・・いませんね』

 

どうやら聖母竜の返事に気付いたのか探しに行ったのだろう

・・・見当違いの方向に

 

『どうするんですか!これでは何かあったときに?!』

 

まったく・・・ オレの耳は並ではない

この階なら 声や足音ですぐに場所が特定できる

 

 

・・・はずなのだが まったくわからんな

気配までしないとは妙だな

 

『本当にどうしたのでしょう? まさか例のおばけに?!!』

 

ジゼルに害があるようなものなら ランバルスやユイシィが

許可をだすはずがないだろうが

 

『ハドラー!!』

 

まったく うるさくてかなわんな・・・ 

まあジゼルの探検はこれぐらいにして

オレのリリルーラで合流してお・・・?

 

            フッ

 

       なんとジゼルがあらわれた

 

       しかしジゼルはねむっている

 

いきなりオレの胸元にジゼルがくっついてきた 寝ながら・・・

 

「今のはリリルーラ・・・ どうやら成功したようだな眠りながら」

 

『ジゼルの顔に涙のあとがありますが 笑顔ですね』

 

どうやら空腹を満たしことと疲労感から眠りだしたジゼルが

術を成功させたのだろう

夢の中でかえって集中し オレか聖母竜をイメージできたということか?

寝ていたから足音もせず 気配も感じなかったと

 

          \ zzz・・・ /

 

フッフッフッ それにつけてもジゼルめ・・・

早くもリリルーラのコツをつかんだか

まさかこれほどうまくいくとはな

 

『眠った状態で・・・とは 流石にあなたも想像してなかったようですね』

 

まったく・・・ 子供というものは つくづく驚くことばかりだな

 

「まあ今回は ほめてやろう」

 

ジゼルを抱いたまま起こさない程度に顔を拭いてやり オレはリレミトをとなえた

 

 

 

          ハドラーはレベルがあがった

 

 

          ちからが1あがった

 

          すばやさが3あがった

 

          たいりょくが2あがった

 

          かしこさが3あがった

 

          うんのよさが1あがった

 

          さいだいHPが3あがった

 

          さいだいMPが4あがった

 

          しのびあしをおぼえた

 

 

 

          ジゼルはレベルがあがった

 

          ちからが1あがった

 

          すばやさが3あがった

 

          みのまもりが2あがった

 

          たいりょくが2あがった

 

          かしこさが1あがった

 

          うんのよさが3あがった

 

          さいだいHPが2ふえた!

 

          さいだいMPが1ふえた!

 

          ジゼルダイブ・改をおぼえた

 

          リリルーラをおぼえた

 

          1Pの スキルポイントを かくとく!

 

          ジゼルのじゅもんが スキルアップした!

 

          トベルーラをおぼえた

 

          ジゼルのかくとうが スキルアップした!

 

          ハートブレイクをおぼえた

 




ドラクエヒーローズ クリア後も楽しむこといっぱいで まだまだ終わりそうにないウジョーです。
ルーラはダイの大冒険に限らず本編DQやドラクエヒーローズと習得イベントがそれぞれある上にどれも内容が違う面白い呪文ですが こちらではこんな感じになりました。
まあ今回はルーラ自体はまだおぼえてませんが それはまた別の機会で

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