ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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ジゼルの目標

マシェル家にまたアグリナとヤチが来ている

・・・今回は手紙を見せに来たということだが こいつの場合は

来る理由は何でもよく ただマシェルやハータ達に会いたいだけだろう

 

≪リタからの手紙面白かったね~≫

 

(スウも里でがんばってるんだなあ 

でも方向音痴の火竜が里々を行き来する使者なんて大丈夫なのか)

 

〔大丈夫だよ メオみたいにがんばれば方向音痴も治せるみたいだし〕

 

<レリさんの婚約はびっくりしたよね~>

 

〔レリはメオより早く成竜(おとな)になったといっても12歳だからね

まあ婚約だし結婚はまだまだ先みたいよ〕

 

<そういえば木竜家の補佐竜同士も卵ちゃんのときから

里が決めた婚約者だった>

 

《でも反対者が多いのは大変だよ》

 

「知らん名前ばかりだな」

 

〔先代のオヤジのときの火竜家の二番竜がレリ レリが里に帰ったから

繰り上がって二番竜になったのがリタで 三番竜がマノ 四番竜がスウね

あ 一番竜は前にハドラーさんも会ったことがあるメオよ

今はマノが引退したオヤジと一緒に母さんのお墓がある村で鍛冶屋をやってて

マノとスウはレリがいる大きな火竜の里にいるの〕

 

「なるほど それでこの手紙は現況報告といったところか」

 

『内容盛りだくさんでしたね』

 

「オレはあまり興味がないが 子竜たちは随分盛り上がっているな」

 

〔みんな 友達がどうしているか気になってましたから 

竜の里のことも みんなよく知らないし〕

 

[アグリナ もう二番竜が来るんだね ヤチもお兄ちゃんになるんだね]

 

        \  おにいちゃん! /

 

{ジゼルはお姉ちゃんになるんだね}

 

        \  おねえちゃん♡ /

 

妹分ができることに目を輝かせるジゼル

これはジゼルの成長にもプラスとなりそうだ

 

『そういうものですか』

 

   \  ねえハドラー様 こんやくとか けっこんってなんですか? /

 

「・・・オレは経験がないからよく知らん」

 

『私も知らないですね 聖母竜や竜の騎士のそういった概念はないので

バランは本当に例外でしたし』

 

〔あれ ハドラーさんと聖母竜さんはご夫婦じゃないんですか?〕

 

「いやちがう ジゼルの両親ではあるが・・・

あれは月の精霊とやらの影響で起きた 偶然の産物に近いからな」

 

『ひとつの奇跡ですよね 結婚のことなどはフェルリに聞いてみるのがよいかと』

 

「今回ばかりはオレも役に立たんからな フェルリの知恵を借りてこい」

 

         \  わかりました~ /

 

ジゼルはフェルリのいる地下に降りていった やれやれ・・・

 

〔それでマシェル レリたちのことなんだけど・・・〕

 

〔うん 僕も手紙をだして応援するよ 

それにアグリナも新しい卵ちゃんをむかえる準備大変だろうけど いつでも協力するよ〕

 

[ぼくもー]

 

〔ありがと マシェル ハータ!〕

 

         \  ハドラー様ああああ♡♡ /

 

ヒュウ!!

 

ジゼルが地下から飛んできた・・・が

 

ゴツン!

 

天井に頭を打って墜落した が、ものともせず立ち上がりオレの元へ来た

 

    \  ハドラー様♡ 私と結婚してください! /

 

・・・頭痛がした

 

「お前はオレの娘なのだが・・・」

 

         フワリ

 

‘ごめんなさい ハドラーさん 

ジゼルちゃんに結婚のことを聞かれたのでお話していたのですが

途中で飛び出しちゃいまして・・・’

 

「すまんなフェルリ面倒をかけた」

 

『フェルリこの状況は?』

 

‘私には夫も子供もいましたが 竜都の時代では

実際に竜と結婚した竜術士は珍しくなかったといったお話をしたあたりで・・・’

 

「ジゼルが飛び出してこうなったと」

 

‘ええ とても懐かしいです とても昔の  --とても昔のことを思い出します

私も自分の子竜に同じようなことを言われたことがあります’

 

『フェルリ・・・』

 

        \  ハドラー様~~♡ /

 

[あまえんぼいいな~]

 

        \  アグリナぼくも~ /

 

〔ハータはもっとお兄ちゃんになるんだから あまえんぼうはしないよね〕

 

〔そうそう! ヤチも リタが選んだ卵ちゃんが来たら

おにいちゃんになるんだから!〕

 

ジゼルにつられるように甘えたがる子竜をなだめるマシェルとアグリナ

なるほどああやってなだめるのか と感心しオレも試してみたが

ジゼルにはきかなかった

やはり 一人前の竜術士のようにはいかんな

 

         \  ハドラー様~♡ /

 

「考えてみればいつもとあまり変わらない気もしてきたな」

 

このまま飽きるまで放っておこうかとも思ったが 

折角ならこのテンションを利用できないものか

 

『大丈夫でしょうか?』

 

「ジゼルよ お前がもしこのオレよりも強くなれば・・・」

 

      \  結婚してくれるんですね♡! /

 

「いや そういうわけではな」

 

   \  ハドラー様 修業しましょう! 今すぐに!! /

 

「しまった もう聞いてないな・・・」

 

『あなたは何をしているのですか・・・

もしそうなったら私がジゼルと結婚しましょうか』

 

‘聖母竜さんそれもどうかと・・・

まあ こういったやりとりも どこの家でもありましたね・・・’

 

そういうものか・・・ まあオレがさらに強くなっていけばいいことだ

ジゼルには上には上がいることを教え続けてやらねばな

 




久しぶりに投稿できましたウジョーです。
原作の「コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~」の新刊が小冊子付で発売されてから
構想は はかどっているのに書く時間が・・・、というのがようやくスッキリしました
それでも予定の半分も書けてないですが また次の機会で

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