ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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補佐竜の正装

「ジゼル 力を借りるぞ」

 

           \ はい!ハドラー様♡ /

 

オレの首にとびつき(こんな術ばかりうまくなるなこいつ・・・)しがみついた

ジゼルから力を借り熱調節の術を使う

 

ポウ・・・

 

冷たかった石の感触が 溶岩魔神のような熱をだしはじめた

 

「いかん! 火力が強すぎる」

 

ジゼルの力が強すぎるのか ギラで十分なところにべギラマ級の力が流れ続ける

 

「ぬうぅ・・・」

 

術の制御に集中するなか つい土鍋を強く握ったが割れる様子はない

 

『メオいい仕事してますね あなたの力でも割れないとか』

 

「ならばオレも本気をだ?!」

 

             \ ハドラー様!! /

 

オレが目的をズレそうになったところで鍋から煙がでてきた

急いでフタをあけると 中には黒く焦げた物体が一つ・・・

 

ガジリ・・・

 

「炭だな ほとんど・・・」

 

            \ ハドラー様 私も私も! /

 

かじりかけの 黒い物体をジゼルによこし

 

ガジガジ・・・

 

  \ ハドラー様 まんなかはちゃんとお芋の味がします おいしいですよ /

 

「なら成功か」

 

『失敗です!! ジゼルも焦げたお芋はたべないで!

せめてまんなかの部分だけを』

 

(あらあら)

 

先日 紙芝居を披露したニアキス族の子供たちの親から 大量の芋を差し入れされ

それを利用した術練習をしようと 土鍋で焼き芋を作ろうとしたのだが いきなりうまくはいかんな

 

「まずジゼルの竜術士としてオレが術を使えねばな・・・」

 

残った焦げ芋を食べながら 出来を分析する

 

「やはり火力が強すぎるな 理想は弱い火力で時間をかけた方がいいのだろうな」

 

だからこそ熱調節の術練習の課題にちょうどいいのだが それだけ難しいということだ

 

『いっそ 石釜で芋をいっぱい焼いて 中心部の芋だけ食べるとか』

 

「焼き芋を作ることが最終目的ではないぞ」

 

『土鍋を割るのが目的でもないですよ』

 

「ムムム・・・」

 

              \ むむむ・・・ /

 

(ハドラーさんの真似をするジゼルもかわいいですね)

 

地下の術部屋は 今日もあつかった・・・

 

 

 

・・・とりあえず 食えそうな焼き芋が8本できたところで 保温用に温めた石釜に入れ

それを抱えて地上階に上がってみると

 

     \ \ わーっ ナータはマシェルとおそろいがいいんだーーっ / /

 

何やら マシェルの子竜たちの歓声が聞こえた 様子を見に行くと

 

「どうした? 随分と盛り上がっていたようだが」

 

〔あ ハドラーさん 術練習お疲れ様です その石釜が成果ですか?〕

 

(お またパン?)

 

石釜をあけて焼き芋を見せると

 

           \ \ わーっ おいしそーっ / /

 

また子竜たちの歓声があがったが 先ほどの歓声より小さい気がする

何があったのか余計気になってきた

 

『あなたの負けず嫌いも相当なものですよね・・・』

 

《・・・数が人数分はないね》

 

「オレとジゼルは試食でかなり食べたからな

お前たちでひとつずつ食えばよい

結局 先ほどまで何を騒いでいたのだ?」

 

〔グイ族の族長さんから 先代補佐竜の資料をかりて来たので

それを参考にみんなの補佐竜の正装を考えていたんですよ〕

 

            \ ! それっ 私も見たいーっ /

 

ジゼルがせがむとマシェルは すぐにその資料を見せ マシェルの子竜たちがその解説をはじめた

 

・・・その資料には火竜はオレが知るメオではなく 女の補佐竜が描かれていた

先々代の補佐竜ということらしい

 

『かわいらしいですね 赤がとっても華やかで・・・ 

ジゼルも成長したらこういった服が似合うようになるのでしょうね

今から楽しみです』

 

・・・オレにとっての正装は戦いを前提としたものなのだが そこに描かれていた服は

それを感じさせないものだった    ・・・まあジゼルには似合うかもしれんが

 

・・・一とおり眺めていたが 暗竜のものはないようだ 黒を基調とした正装は気になったのだが

ラルカより前の代は長い空白期間があったらしい

 

<ジゼルはどんな感じがいい?>

 

[やっぱりこの火竜の女の子みたいな服?]

 

≪あら こっちの水竜の女の子の正装もいいわよ

きれいなおひめさまみたいで ジゼルにはこんなひらひらが似合うと思うの≫

 

(ひらひらならマントつけようぜ ジゼルはもうとべるし ほらこの木竜みたいにさ)

 

マータやタータを中心にジゼルの正装の話になりだした

成る程このように盛り上がっていたのだな

 

〔そうだね ジゼルの正装はまだずっと先だろうけど

どんなのがいい?〕

 

マシェルの問いにジゼルは少し考え・・・

 

       \ 私もハドラー様とおそろいがいい このピンク色で /

 

オレのピンクのエプロンをつかんで答えた

たしかに術練習とはいえ 調理作業ゆえに今はエプロンを装備しているのだが

オレのイメージはピンクなのか・・・

 

『黒いエプロンも交互に着てるので単純にジゼルの好みなのでは?』

 

ジゼルの発言に一番笑っていたサータに対して 黙々と芋を食っていたナータが

 

【・・・火竜のジゼルが赤系統の色を望むのは自然なことだろう

だから竜術士のハドラーもピン・・・くっ くっ・・く・・・】

 

           \ \ あはははははっ / /

 

オレがピンク色の正装をしたのを想像したのか ナータまで笑い出したのをきっかけに

部屋中が笑い声にあふれた

 

『アバンがあなたをダシに笑いを生み出したのを思い出しますね』

 

ああ あったな そんなことも・・・

補佐竜の正装か このハナタレ小娘がこんな服が似合うようになるのか・・・

 

『本当に楽しみですね』

 

「・・・フン」

 

 

 

            ハドラーはレベルがあがった

 

            ちからが2あがった

 

            すばやさが1あがった

 

            たいりょくが2あがった

 

            かしこさが3あがった

 

            うんのよさが1あがった

 

            さいだいHPが2あがった

 

            さいだいMPが4あがった

 

 

            ジゼルはレベルがあがった

 

            ちからが3あがった

 

            すばやさが2あがった

 

            みのまもりが1あがった

 

            たいりょくが2あがった

 

            かしこさが2あがった

 

            うんのよさが3あがった

 

            さいだいHPが 5ふえた!

 

            さいだいMPが 2ふえた!

 

            2Pの スキルポイントを かくとく!

 

            ジゼルのドラゴンが スキルアップした!

 

            はげしいほのおをおぼえた

 




今回はコーセルテルのイラスト集の全員サービスの特別小冊子が忘れた頃に届いたので
その内容が元になっています。
ジゼルがスキルアップでおぼえた「はげしいほのお」はしゃくねつよりも一段弱い特技ですが DQⅢやⅣでは最強の火炎系ブレス もちろん鍋の保温はできません
本年はじわじわのびるお気に入り数などのおかげで ついつい小説を書き続けてまいりました 去年の今頃はそんなことになろうとは考えもしなかったもので 感謝しております
それではみなさま よいお年をお迎えくださいませ。

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