ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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炎の中から

    \ ウフ♡ ウフフフ!  ハドラーさま~♡ /

 

今朝からジゼルが妙に熱く ハイテンションだ

 

「体温が異常に高いな 火竜特有の体質か?」

 

『病気かもしれません フェルリどうなんですか?!』

 

‘これは術暴走ですね 成長期の子竜は時々力を暴走することがあるんです

体は心配ないですが 竜術で力を抑えてあげてください

おそらく今日一日でおさまるでしょうから それまでがんばってください’

 

「ちょうどフェルリがいる地下の術部屋でよかったな

ではこのオレが火の力をおさえてやろう」

 

『マシェルに知らせなくてよいのですか?』

 

「この術部屋であれば魔法力はある程度 自然と抑制されるからな

ジゼルはここから出さん方がよかろう

それにオレが目を離している内にここが火の海になるかもしれん」

 

『それは大変ですね ここはそもそもフェルリの眠る墓地

そのような事態は避けなければ・・・』

 

‘私しかいないんですもの それはあまり気にしないで

ジゼルちゃんのことを第一に考えてあげてくださいね

子竜ちゃんたちが咲かせてくれた このお花畑が燃えちゃったら悲しいですけど’

 

「ああ そういえばこの術部屋を越えて地下に広がる花は マシェルの子竜達が

連係術で咲かせたものだと聞いたことがある

オレに任せておけ 花びらひとつ燃やさずにおさめてみせる」

 

‘ハドラーさん・・・’

 

『・・・あなた 大丈夫なんですか?

ジゼルの炎をおさえる竜術なんて使ったことないはず・・・』

 

「オレは閃熱と爆裂の呪文をきわめ 地獄の炎を使う男だぞ

こんな子竜の力程度におくれをとるわけがない」

 

ジゼルを抱き上げ早速術を・・・

 

       \ きゃっ きゃっ  ハドラーさま~♡ /

 

「え~い おとなしくせんかジゼル 集中できん」

 

‘火竜ですから熱が高くなるとハイになるんです’

 

           プスプス・・・

 

「い いかん! 服が燃えはじめている!」

 

とっさに ジゼルを掲げたところで

 

            ゴオオオ

 

ジゼルが炎に包まれた

 

「ゲエッ!?」

 

炎の中 笑顔ではしゃぐジゼル どうやら着ている服が燃えただけのようだが

ジゼル本人も更に熱くなってきている

 

「・・・だがかえって好都合だ 竜術を使うならより密着した方が使いやすい」

 

その最たるものがマシェルが使える同化の術――

流石に同化はできんが オレはジゼルを抱きしめ魔法力を

 

    \ !!?♡   !!!!♡♡ ハドラーさま!!!!!♡ /

 

「・・・クウッ  いかんジゼルがますます熱くなってきた!」

 

この熱量はべギラゴン級!?

くっ このオレに炎でダメージを与えるだと!!

ジゼルに直接触れていたオレの着ている布の服も上半身部分が燃え出してきた

 

「ぐぐぐっ・・・!! まだ体温が上がるだと!?」

 

『・・・私まで熱くなってきました・・・でも耐えてみせます!』

 

‘・・・ジゼルが熱くなったのは術暴走のせいだけではなくなってきましたね’

 

――――――――――

 

久しぶりに魔炎気まで使い どうにか周囲に引火するのは防ぎきり

騒ぎに気付いたマシェル達がかけつけ ことなきを得た

今は子竜たちの同調術でジゼルは平熱より少々高い程度の熱で落ち着き

オレの腕の中にいる まだハイテンションではあるが・・・

ジゼルが着ていた寝巻きは全焼し オレの服も上半身は完全に燃えたが

床に広がる花は死守できた

 

「ハータは熱を調節する火竜術が得意なようだな」

 

[熱の調節ができないと お料理がお手伝いできないし

ガラス細工もこわれちゃうもん それにマータたちは暑いの苦手だし]

 

「なるほど やはり日常で必要な術ほど経験を積み磨きがかかるのだな

その術 是非とも盗みたいものだ」

 

〔ハドラーさん ぼくの子竜達に変な言葉教えないでください!〕

 

肝心な子守り術士であるマシェルがこれほど過保護でありながら 

子竜達の成長が著しいのは やはりこのあたりにあるのだろうか

 

<ジゼル この寝巻きを着て 私のおさがりだけど>

 

「ああ 助かるタータ」

 

≪あー いいな 私もジゼルにおさがり着てほしい≫

 

「マータとナータの水と暗の力で冷気の維持ができているのだろう

オレもジゼルも感謝している」

 

術部屋が暑くなってしまっては花畑が燃えなくとも 枯れかねんからな

ジゼルに服を着せながら ふと かつて天界でダイの世話をしていた頃を思い出した

成長痛や持て余した竜闘気で泣いていたダイに右往左往していたことを・・・

オレはあの頃からレベルアップできているのだろうか?

・・・いやオレは そのためにここにいるのだ

あのときの悔しさは 無力感は! このオレのレベルアップでしか晴らせんのだ!!

まずはハータの熱調節の術を盗む好機を生かすべきだ

ジゼルが作ったこの好機をな・・・

 

 

 

            ハドラーはレベルがあがった

 

            ちからが2あがった

 

            すばやさが2あがった

 

            たいりょくが3あがった

 

            かしこさが3あがった

 

            うんのよさが1あがった

 

            さいだいHPが1あがった

 

            さいだいMPが5あがった

 

 

 

            ジゼルはレベルがあがった

 

            ちからが1あがった

 

            すばやさが2あがった

 

            みのまもりが3あがった

 

            たいりょくが2あがった

 

            かしこさが2あがった

 

            うんのよさが3あがった

 

            さいだいHPが 2ふえた

 

            さいだいMPが 5ふえた

 

            1Pの スキルポイントを かくとく

 

            ジゼルのかくとうが スキルアップした

 

            まわしげりをおぼえた

 




作中で特に書いてませんが ハドラー様にも一応エプロン以外にも グイ族に作ってもらった竜術士見習いの服などの着替えがあります
流石に上半身裸に直接エプロンはジゼルしか得しないでしょうし・・・

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