ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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必要は成長の教師

朝食を終え ジゼルを伴い地下の術部屋 フェルリの待つ部屋に向かった

 

『ジゼルはまだ歩くのに不慣れなのですから 下りの階段の時は抱き上げてあげた方がいいのでは?』

 

「この程度の階段で竜が大事になるはずがなかろう

少々の怪我なら」

 

      ゴロ ゴロ ゴロ ゴロ     ズデン

 

言ったそばから足を踏み外したのかジゼルが転げ落ちた

 

     \ ぐすっ ぐすっ ひっく・・・ /

 

「見ろ 問題ない」

 

『たんこぶができてますよ 回復呪文を使ってください!!』

 

まあ 放っておいては集中力が乱れるだろうからな 治療だけはしてやるか

 

「動くなジゼルよ ・・・ホイミ(回復呪文)」

 

          \ハドラー様~♡   ~♡/

 

ジゼルはすぐに泣き止み 治療のため頭に置いた手にしがみついてきた

 

(いまの術すごいですね ジゼルちゃん もうなんともなさそうです)

 

      \ハドラー様すごい♡ もう全然痛くないよ/

 

「まだ不慣れな回復呪文だがな 

それよりもこれからはお前の術練習だ」

 

    \私にもできるようになるの?! ハドラー様みたいに?!/

 

「お前次第だ」

 

こやつも心言葉とはいえ 言葉を発するようになった

ようやく ・・・だな

 

〔まずはどうするのですハドラーさん?

私にもお手伝いできることがあればいいのですが〕

 

「まずは こやつの潜在能力をはかってみたい

以前風竜家に飛行術を学んだが こやつは火竜 火の力でそれをはかろうと思う」

 

オレは部屋の床に魔方陣をかき ジゼルに魔法の契約の儀式をさせようとしたのだが・・・

 

「どうしたことだ?! 火竜でありながらメラ(火炎系呪文)の契約ができんだと?!」

 

いきなり第一段階でつまづいた・・・

 

『あの むしろ火竜だから契約できないのでは?

自分で炎が出せるのですから・・・』

 

「ムウ・・・ 言われてみればたしかに 

炎の息が吐けるドラゴンがメラを使うほうが珍しいな・・・

ではどうしたものか」

 

‘ハドラーさん 幼竜でも成竜並の力はもってます

竜術士はその力を成竜以上に引き出すことができ

子竜はその力を術士にあずけて一緒につかうことで力の使いかたをおぼえていくのです

私は元竜王の竜術士すべての術資質をもっています

ねえジゼルちゃん 私に力をかしてくれない? まず私が引き出して見せるから’

 

「ほう 大したものだ 幽霊の状態でも術が使えるのか」

 

‘ああっ! うう・・・

ご ごめんなさい術 使えませんわ・・・ また忘れてました・・・

お役にたてません・・・’

 

しまった フェルリが泣き崩れてしまった せめて術の使い方だけでも聞きたかったが・・・

 

『大丈夫ですフェルリ 私などまったく役に立ちません』

 

  \ フェルリ元気だして 炎ぐらいだしてみせるから    /

    \   だってわたしは ハドラー様の補佐竜だから♡ /

「フェルリよ オレは竜術は素人だ 今はお前の助言ほど価値あるものはない」

 

‘ありがとうございます みなさん・・・ 

ではハドラーさんにジゼルちゃん 竜術の基礎の力の預けかたですが・・・’

 

フェルリの指導でまずはオレが術を使うことになった

ダイにマホプラウスで魔法力を高めて呪文の練習をさせていたのを思い出すな・・・

 

         \ハドラー様~♡ うけとってくださ~い♡/

 

                ポゥ

 

ジゼルがオレの胸に飛び込んできて力を預けてきたのを感じた

いきなり使ったこともない火竜術では こやつの力をはかるのは難しいだろう

 

「ならばオレの得意呪文で試して見るか

メ・・・ ラ・・・ ゾー・・・ マ・・・!」

 

ホウ 大したものだ 身体にまるで負担をかけずにフィンガーフレア・ボムズ(五指爆炎弾)が

使えるとは しかも右手で維持しながら・・・

 

「メ・・・ ラ・・・ ゾー・・・ マ・・・!」

左手でも使えるとはな・・・

メラゾーマ10発分の火力、これはオレの魔法力も合わさっているとしても大魔王バーン級ではないのか

 

ボオオオオッ                  ボオオオオッ

 

『すごいですね たしかに大魔王バーンのカイザーフェニックスに匹敵するかもしれません』

 

\ハドラー様かっこいいー!/

 

「ヌウゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ブシュウゥゥゥゥ・・・               ブシュウゥゥゥゥ・・・

 

炎を制御し火を消した この手ごたえ やはりこやつの潜在能力 面白い・・・!!

 

「次は お前が力を使って見せろ」

 

とは言ってみたが メラが使えない以上どうしたものか

 

        \ハーイ♡  メ! ラ! ゾー! マ!! /

 

ただオレの真似をしているジゼルの指に火がつく様子はない

 

「・・・! そうだジゼル少し待ってろ」

 

オレは自作の紙芝居を持ってきて 竜の戦闘シーンの絵を見せた

 

「見ろジゼル この竜を

メラ系呪文は 魔法力をプラス方向にグングン高めたものだ

この絵のように 自分の高めた力を口から吐くようにやってみせろ」

 

         \ ハイ! ハドラー様!   ・・・はーーー!/

 

と生あたたかそうな息を吐くジゼル・・・

こんなもの そこらの猫でも吐けるぞ・・・

 

「道は長そうだな・・・」

 

『そうですね 私もブレス系の特技は使えませんし・・・

教えられることもありません』

 

お前が役に立つとは思っておらんが・・・

などと考えていると フェルリがジゼルに抱きついていた

 

『・・・どうやらジゼルにだけわかるように 念話をしているようですね』

 

・・・ム

 

         \ ! ・・・ ・・・!! ・・・・・・!!! /

 

一目でジゼルの力が高まっていくのがわかる

フェルリの助言の成果か 何を言ったのかは知らんが 流石竜王の竜術士だ

!くるか!?

 

             \ハドラー様―――――――♡♡!!!!/

 

    ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

「ウオオオッ!?」

 

                       ガシイィッ

 

「ヌゥン!!」

 

            ジリ・・・ ブワアッ!!

 

ジゼルの口からでた灼熱の炎をなんとか左手で握りつぶしたが

このオレの手が僅かに焦げた だと!?

 

『ハドラーに 10の ダメージ! といったところですか

まさかあなたの手が焦げるほどの火力とは驚きですね』

 

‘ハドラーさん大丈夫ですか?! ごめんなさい まさかこんなことになるなんて’

 

               \ ハドラー様!? /

 

                ドン! 

 

ジゼルがまたオレの胸に飛び込んできた また速度が上がってきたな

 

「下らん心配するな 魔炎気を操るこのオレがあの程度の炎でどうにかなるものか

精々皮一枚といったところだ」

 

 \ハドラー様!?あの呪文を! さっきわたしに使ったあの呪文を 今度はわたしが!/

 

「ほぅ それは面白いかもしれんな」

 

再びジゼルの呪文の契約を試してみた 

今度は成功 回復呪文の方が相性がいいのか

 

          \ハドラー様 おてて おてて  ・・・ホイミ!!/

 

                 パアアーッ

 

呪文も発動し 火傷がみるみる回復していく もともと大したダメージではなかったが

すぐに完治した

 

『お見事ですジゼル!』

 

‘すごいわ! ジゼルちゃん!!’

 

             \  ・・・・・・  /

 

聖母竜たちの賛辞が聞こえていないのかオレの手をじっと見ているジゼル

 

「上出来だ」

 

回復したことをわからせるために その手でジゼルの頭をつかんでみせる

 

           \ハドラー様~♡ ♡ ♡・・・/

 

尻尾を振りながらも蕩けそうな顔していたジゼルだったが

 

               ぱたん

 

ジゼルはたおれてしまった

 

『ジゼル!?』

 

‘ジゼルちゃん!?’

 

「・・・心配いらん 魔法力が尽きただけ 慣れない力を使いきったのだ 当然だろう」

 

‘ああ なるほど“卵がえり”ですね疲れすぎると卵の中にいた頃のように眠り続ける幼竜特有の

これなら明日の朝には普通に目を覚ましますよ だから安心して聖母竜さん’

 

「今は眠るがよい そして目が覚めたときにはお前はまた一つ強くなっている」

 

 

            ジゼルはレベルがあがった

 

            ちからが2あがった

 

            すばやさが3あがった

 

            みのまもりが2あがった

 

            たいりょくが1あがった

 

            かしこさが3あがった

 

            うんのよさが3あがった

 

            さいだいHPが 2ふえた!

 

            さいだいMPが 5ふえた!

 

            しゃくねつをおぼえた!

 

            1Pの スキルポイントを かくとく!

 

            ジゼルのじゅもんが スキルアップした!

 

            ホイミをおぼえた!




やらなければいけないことがあるときに限って執筆がはかどってしまう・・・
3000文字近くも書いてる時ではなかったのに さすがに仕上げは資格試験が終わった今やってますが・・・
今回いきなり大技をみにつけましたが 炎の術は 小さく扱う方が難しく地味になるのがコーセルテルの世界観なのでそちらに合わせました
つまりジゼル(ハドラーも)まだスタートラインにたっただけです

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