ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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風竜家勢ぞろい マシェルの兄妹たち

      ヒュウウウ・・・          すとん

 

〔わあ もう大勢いるね 

あ、ハドラーさん 風竜家みんなでお祝いにきました〕

 

風竜術士ミリュウが風竜4人 人間1人を連れて飛んできた

 

『ミリュウとグレイス以外は はじめて見る顔ですね』

 

「そうか ジゼル 挨拶しろ」

 

            ペコリ

 

今度は体勢を崩すことはなかった

・・・・・・これでオレにつかまっていなければ文句なかったが

 

「ええい、離れんか ジゼル」

 

            \~♡/

 

〔すげーーーーっ

ジゼル きのう うまれたのにもう立てんのか!?

ちわっ ふーなだっ よろしくなっ〕

 

〔フアナはボクの妹なんです〕

 

ジゼルに最初に挨拶した小娘は 風竜術士ミリュウの妹だったのか

まだ少年竜よりも幼竜に近い背丈だ 容姿もミリュウによく似ている

ミリュウは初対面から笑顔を絶やさんやつだったが どうやら風竜家そのものが

そういう気風なのだろう

 

〔そしてミリュウさんが僕の兄さんなので 風竜家はみんな僕にとっても兄妹なんです〕 

 

マシェルの物言いからすると どうやら風竜家に住んでいた時期もあるようだな

 

〔おっちゃんがじぜるの とーちゃんか? そっくりだな!

かわいい方のあんちゃんの家に住んでるんだな〕

 

似てるか ジゼルとオレが?

まだオレにつかまり立ちしているジゼルに あの羽は生えていない

少なくとも顔は似ていないようだが・・・

 

             \~♡ ~♡/

 

ジゼルの顔を見ていると なにやらジゼルが喜んでいるようだ

 

(においがおんなじですよ ジゼルとハドラーさん

あたしはジェン

師匠の補佐竜だよーーっ)

 

子竜の中では一番大きい風竜が名乗った そういえばサータも似たようなこと言っていたな

やはり補佐竜は成長が著しいな

 

(あたしは ロッ・・・ロッタルク  でも よぶときはロッティってよんでねジゼルっ)

 

『男性名のような女の子ですね』

 

多分本人も気にしているのだろう

 

(おれはグレイス こっちはゼイン)

 

武術訓練に来ていた少年竜のグレイスと いっしょにいる幼竜がゼインか

まだジゼルより少し大きい程度だが やはり立つ姿に安定感があるが・・・

 

「やはり そのでかい上に短い足では歩くのが不便そうだな」

 

〔そうですね やっぱり幼竜の内は速く走ったりは苦手みたいですけど

風竜は飛ぶのが得意ですから ゼインくんも家の周りなら一人で飛べますよ〕

 

「ほう それは興味深いな そうだ たしかサータが言うにはジゼルには

風の力もあるらしい

この機会に ひとつ見てやってくれんか」

 

(ああ そういえばたしかに少し力を感じますね

じゃあ ちょっといっしょに遊んでみましょうか

フアナ ジェンさん ロッタルクさん グレイスくん ゼインくん

ジゼルさんといっしょに 空を飛んでみようか)

 

             \\はーいっっ//

 

〔サータも いっておいで ジゼルちゃんをよろしくね〕

 

(おうっ いこうジゼル)

 

「行ってこい ジゼル」

 

ジゼルを促し風竜たちの 輪にいれた 渋々といったとこなのだろう

やはり背に不安をあらわす羽がでていた 

だがいつまでもオレにくっついては強くなれん 

今がどれほど弱かろうと 努力次第で 強くなれる可能性があることをマシェルの子竜たちが

そして何より・・・我が生涯の宿敵アバンの使徒たちが見せてくれたからな

 

(わー ジゼル 暗竜みたいな羽がある!すごーい)

 

(かっこいいな ししょー おれにもあれ生えないのか?)

 

〔ゼインくんも元竜になれば立派な羽があるよ〕

 

元竜、たしか竜本来の巨大な オレがよく知る方の姿だったな

ここの竜は生まれた頃から竜人化術をかけられ 人間サイズのままが一般的で

元竜になることなく一生を過ごすことも珍しくないとか

・・・といった内容のことをアグリナが自慢げに話しているが すでにマシェルの家で読んだ

基本竜術の本に書いてあった

 

〔あんちゃん ふーなもっ ふーなも羽あんのか?

ふーなもほしいぞ〕

 

〔あははっ そーだね あったら空を飛ぶのも もっと楽しくなりそうだね

さあ それじゃ みんなで飛んでみようか〕

 

               \\せーのっ//

 

              ブワアア

             

                ヒュウウウウウッ

 

                   フワアア・・・

 

「ほう 風竜たちが 巻き起こす大風か」

 

〔すごい ねえっ あれにあたしが入ったら いっしょに飛べるの?〕

 

〔風竜術以外にも空を飛べるものがあるから 練習すればできるよ〕

 

[成竜になったメオも飛んでたね]

 

《で・・・でも地竜にとっては 飛べなくても 不便はないし

アータは前に飛んだけど》

 

《あれはとっさだったし すごい怖かったよ・・・》

 

<アータすごーい 地竜は高いところが苦手で 飛行術も習ってなかったのに>

 

アグリナも空を飛んでみたいのか アータ達の言うように

向き不向きの程度はあれ どうやら飛ぶこと自体は可能なのだろう

 

【ロービィは この大地の上ならどこにだっていっしょに連れて行ってくれるって 約束してくれた

ロービィも・・・すごい ロービィ・・・やさしい ロービィ・・・勇気ある

ロービィ・・・かっこいい】

 

               ぼっ

 

《が がんばるよ! エリーゼ!!》

 

 

ロービィとエリーゼがまた二人の世界をつくっていた あの空気はマシェル家では味わえんな

まあ それはいいとして・・・

風竜家の連中の笑顔の中 ジゼルは手足や羽をバタつかせるばかりで不安な様子のままだ

 

『ハドラー!』

 

「例え墜落しようと オレは手を貸す気はない・・・」

 

ジゼルのレベルアップの好機を潰すこともなかろう

 

「・・・だが風竜家総出で作り上げた大風 間近で見る好機でもある

直接手を貸すわけではないが オレも飛んでみるとしよう

トベルーラ(飛翔呪文)!」

 

                 ギュン

 

「ほう これほどの風の力でありながら バギ(真空呪文)や台風のような破壊を生まん ぬるい風だ

なるほど これは面白い ジゼルが不安になる気持ちがわからん」

 

              \ !  ~♡! /

 

ジゼルがオレの声で気付いたのか振り向いて手を振っている

オレはこれ以上近づく気はない たとえミリュウ達に招かれようと やつらから近づこうとも

距離はとるつもりだ・・・が・・・

 

――――

ミリュウとジェンがジゼルに何か話している 風で声は聞こえず口元もよく見えないが

ジゼルをとりまく風が変わりはじめた しかもどうやらジゼル自身がコントロールしている?!

 

ギュィン           ーードン!!

 

「ぐつ!!」

 

オレの胸元に風の弾丸が突っ込んできた

無論 その正体はジゼルだ そのままオレの胸に頬ずりのようなことをしている

背中の羽も もう消えていた

 

「今のは お前が自分でやったのか?」

 

               \~♡ ~♡/

 

ジゼルはオレの質問に答えているつもりなのか それとも聞いていないのか

変わらずオレにくっついている

 

           \ \ジゼル やった~~/ /

 

どうやら風竜家の連中の笑顔と歓声から 本当に自力で飛んだようだ

 

「やれば できるではないか」

 

                 \~♡/

 

ジゼルにも風竜家の笑顔が移ったようだ

 

 

 

 

              ジゼルはレベルがあがった

 

              ちからが1あがった

 

              すばやさが3あがった

 

              みのまもりが2あがった

 

              たいりょくが2あがった

 

              かしこさが1あがった

 

              うんのよさが3あがった

 

              さいだいHPが2ふえた!

 

              さいだいMPが1ふえた!

 

              ジゼルダイブをおぼえた

 

              1Pの スキルポイントを かくとく!

 

              ジゼルのメイドが スキルアップした!

 

              スマイルをおぼえた

 

 




台風が過ぎてからは連日の蒸し暑さ いかがお過ごしでしょうか
夜の風が涼しいのが救いです
ジゼルの成長が速すぎる気がしなくもないですが ダイがアバン先生の元で修業した期間がたった3日(実質2日半)だったことを考えれば まあギリギリありかな と思っています
ちなみにコーセルテルの竜の姿ですが ドラクエで例えると 幼竜がコロヒーロー 
少年竜~成竜がエルフや竜人 元竜がモンスターのドラゴン といったイメージで大体合ってると思います

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