やたらと脇道にそれようとするアグリナを注意しつつもどうにかクランガ山に辿りつき
グイ族の工房へ入り 村長を紹介された すずめ色の翼と耳以外は普通の人間に見える女だ
゜お話はわかりました ではすぐにとりかかります゜
あの 卵ちゃんのお名前はもう考えてますか?
産着に刺繍で名前をいれられますよ)
「名前か・・・」
『私にひとつ腹案があるのですが ジゼ というのはどうでしょうか?』
・・・わるくないが 一文字加えて ジゼル というのはどうだ?
『いい名前ですね
あなたが魔王だったときの片腕だった子のバルトスから一文字とったのですね』
もう一人 オレの子には珍しい女タイプの親衛騎団・女王アルビナスからもな
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『これから補佐竜となる子に あなたの腹心の名前を・・・ いい名前ですね
この子も喜んでいるようです』
これできまりだ。
たしか命名の儀式を竜術士が竜人化術を込めて行うことでより高い効果があるのだったな
魔法力が回復したらやってみるか
「こやつの名はジゼルだ」
゜ジゼルちゃんですね 女の子ですか?゜
「そうだ よろしくたのむ」
(わかりました 明日のお昼頃には出来上がると思いますが 火竜家にお持ちしましょうか?)
「いや できれば完成まで過程を見せてもらいたいのだが」
゜いいですよ では椅子をお持ちしますね゜
「すまんな 邪魔をして
オレは仕立てや裁縫はまったく知識がないのでな
この機会を生かしコーセルテル随一と呼ばれる職人の仕事を見ておきたくてな」
゜まあ うれしいお言葉です どうぞみていってください
色やデザインの好みなどがあったら言ってくださいね゜
「うむ 今回は一般的な火竜の衣装でよい」
『見ただけでできるようになるんですか』
さあな 今のオレはエプロンを直すことすらできんからな まずは見てみねばな
オレは用意された椅子に座り 卵を抱いたままグイ族の仕事を観察した
型紙をもとに赤い布を裁断 縫製と 思ったほどのスピードはなかったが
迷いがなく流れるような動き 手入れの行き届いた道具と熟練の技術
それに服を仕立てている村長、いやほかの機織などをしているグイ族らも常に笑顔だった
まさに天職として仕事を楽しんでいるのだろう
『ただ器用なだけではないのですね』
やはり一朝一夕で再現できるようなものではないか・・・
まったくこの修業はいつ終わるのか
『これも子育て修業の一環なんですか?』
「衣・食・住 どの分野も 子を守り育てるためにはある程度の知識や技術は必要だろう」
゜ハドラーさん勉強熱心ですね。
その卵ちゃんも幸せでしょう はいお茶をどうぞ゜
湯呑みをうけとり のんだ茶は なかなかうまかった
・・・しかし 『幸せ』か・・・
考えたことのないないものだな
『はずかしながら 私もありませんね』
まあ『よろこび』ならわかるのだが・・・
『お互いベストを尽くしましょう』
・・・お前も随分と地上に感化されてきたな
湯呑みを返し再び村長の仕事に目を移した
先ほど決めたばかりの名前を服に刺繍しているようだ
「ジゼルか・・・」
・・・茶で僅かにあったまった手を通して 抱いていた卵は
熱くもなく冷たくもなく かといってぬるいとも違う・・・感、触・・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・zzz
『ジゼル』は 私のオリジナルキャラではなく ハーメルン内でご活躍中のディアさん作のダイの大冒険2次創作『魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!』のオリジナル主人公です。
ディアさんからコラボ出演の許可はいただいておりますが、出生からして設定が違う上に現在は卵ちゃんで メタルスライムなどがでてこない拙作では『魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!』中のようなステータスは表現されない残念仕様です。
ディアさん 『魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!』の読者さんごめんなさい
『魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!』未読の方は是非ご一読ください 拙作ではかけそうにない別の魅力が溢れているハドラー様も活躍しています。
ハドラーの・・・???の巻 は あともうちょっとだけつづきます。