ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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ハドラーの・・・??? パート6 エプロンをつけた『竜』!の巻

「・・・ド・ラ・ゴ・ラ・ム!!」

 

             ゴアアアアア!!

 

             ドドオオオン!!!

 

呪文が発動しオレの体は最強の力を持つ巨大な竜の姿になった・・・が

 

〔ハ・ハドラーさん・・・なんですか?〕

 

マシェルの言葉に応えたのは

 

『私は聖母竜マザードラゴン 竜の騎士の生と死を司る神の使い』

 

[神々しいって こういうことなのか・・・]

 

つぶやくメオの声が聞こえるが どうやら体の主導権を聖母竜に奪われているようだ

聞いておらんぞ・・・

 

『すみません まさかこんなことになるとは

あなたをだますようなかたちになったのは 申し訳ありません

ですが当初の目的を果たせそうです

・・・ メオ 私の卵をこちらに』

 

[ハ、ハイ!]

 

卵をうけとった聖母竜がそのまま抱きかかえると 卵に光が集まり

人にとっての手のひらサイズから竜にとっての手のひらサイズに成長した

 

『ご覧のとおり この卵ちゃんは紛れもなく私と ハドラーの子竜です』

 

[わかりました 火竜の里には俺が責任を持ってこの旨をつたえます]

 

メオも納得したようだ こいつがこれほど役にたつときがくるとはな・・・

 

『あ、折角ですからこの機会にハドラーの手料理 食べてみたいです』

 

〔すみません 今はハドラーさんがつくってくれた料理が 何もないんです〕

 

『それは残念です・・・』

 

≪水晶のおひめさまもそうだけど すごいのに普通のおねえさんみたいだ・・・≫

 

アータよ いいたいことはよくわかるぞ・・・

やれやれ・・・ 聖母竜よ それはまたの機会しておけ

 

『わかりました

私がこの姿でいられる時間はもう残されておりません

みなさん これからも私の娘と ハドラーをよろしくお願いします

私はハドラーとともに いつも見守っています』

 

              シュウウウ・・・・・・・

 

「戻った・・・か」

 

オレは元の姿に戻り 体の自由も取り戻し 腕の中には例の卵があった

今ではひと抱えほどの大きさだな

 

『もちろん私はあなたの中にいますよ』

 

そのようだな

殻越しに卵の中の様子が感じやすくなった気がする

感触的には卵の中に子竜の姿はなさそうだが・・・

 

                 ///

 

どうやらちゃんと中にはいるようだな

しかし あのドラゴラムで魔法力がほぼ尽きてしまったか

これほど消耗したのは久しぶりだ

・・・久しぶりに今日はゆっくり寝るか

 

<ハドラーさん 聖母竜さんが娘って言ってたから この卵ちゃん女の子なのよね

ついに私たちに妹ちゃんができるわ>

 

「そうか タータやマータには特に面倒をかけるかもしれんな」

 

≪私たちの後でコーセルテルに来た子竜はみんな男の子ばっかりだったもんね

妹って はじめてだから嬉しいもん

まっかせてー!≫

 

{そっか 光竜家のレオノラは人間の赤ちゃんだから

たしかに子竜の妹はまだいないね}

 

子竜たちはこの卵に 目を輝かせながらテンションを上げていた

まだ生まれたわけでもないうちからそんなにハイテンションでどうするのだ

 

 

 

・・・

・・・・・・

メオやアグリナらもまじえ茶会をした後

 

[ハドラーさん 俺はこれから里に戻ってこの一件を報告します

これでも族長候補ですし 竜の神さまと聖母竜さん マシェルさんの

お墨付きもあるから絶対大丈夫ですよ]

 

「面倒をかけるなメオ」

 

〔メオ! あたしを数にいれてないでしょ〕

 

[おまえはお墨付きとか言うまえに自分の仕事をしっかりしろよ!

一人前の竜術士として ヤチのことを任せてるんだからな]

 

             \アグリナやさしいよ/

 

「やれやれ」

 

好戦的な火竜に劣らぬ鼻っ柱のアグリナがヤチを抱えたまま 

また一戦はじめるのかと思ったが

 

〔そうだ ハドラーさん!

卵ちゃんに着せる服を作るなら家に帰ったあとにグイ族にお願いしておきましょうか?〕

 

アグリナがふと思いついたのか 思わぬ提案がでた

 

「ム、そうか あのクランガ山の山頂付近に住んでる獣人が服屋だったな

折角だからオレも同行するとしよう。

機織や裁縫はまだわからんことだらけだからな 参考になることがさぞ多かろう」

 

里の中央にそびえるクランガ山を見上げ アグリナ達に同行を申し出た

たしか火竜家もあの山にあるのだったな

 

(火竜だけの案内でちゃんと辿りつけるのか~?)

 

≪大丈夫だよ アグリナはウチとの往復に慣れてるから・・・多分≫

 

サータの心配半分からかい半分な台詞をアータがフォローしたがその呟きが気になるぞ

そもそもコーセルテル内ならどこからでも見える山に向かうだけなら

方向音痴の火竜といえど迷いようがなかろう

それに見える場所ならルーラ(瞬間移動呪文)ひとつで行ける

 

『今のあなたは 先ほどのドラゴラムで魔法力が尽きてますが』

 

・・・そうだったな まあいい 歩いても問題ない

 

〔じゃあ いきましょうハドラーさん〕

 

            \\いってらっしゃーい//

 




このシリーズもパート7くらいでキリがつきそうです。
ついにこのコーセルテル編も ハドラーが子竜もちに 子育て日記らしくなっていく・・・予定。
梅雨を前に雨と夏日が交互にきてるこの時期 みなさま風邪や食中毒などにどうかお気をつけください。 

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