ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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ハドラーの・・・???の巻 パート5

卵が生まれてから早一週間がたった 卵自体には特に変わりがなく オレは日々家事の合間を見ては

マシェル家の本を読みあさり竜術の研究をしていた

そんな中 アグリナと共にやってきた竜が状況を変えた

 

[まさかこんなに早く またコーセルテルに来ることになるなんてな]

 

〔そうね でもあんたも立派そうになって元気でやってきて

ヤチも喜んでるし よかったじゃない〕

 

[あのなあ おまえとマシェルさんの二人からきた手紙が

両方とも要領をえなくて里が混乱したんだぞ

それで先代補佐竜の俺が詳しく状況を見聞きしたうえで 竜術士である

お前の意見を尊重するようにということで来たんだ]

 

〔大丈夫 ハドラーさんに直接会って話をすれば すぐわかるわよ

ホラ! あそこでみんな待ってるよ〕

 

かなり離れたところから会話がまる聞こえでやってきたのは

アグリナと見慣れない竜、おそらく火竜なのだろうが

身長といい 充実さを感じる力といい どうも子竜たちとは雰囲気が違う気がするな

 

 

 

〔こんにちはみんな ハドラーさん紹介しますね

こいつは火竜の里からの使いで〕

 

[先代火竜家補佐竜のメオです

ええと あなたが竜の神さまの使いのハドラーさんですか?]

 

「いかにもそうだが」

 

[マシェルさんとアグリナから里にきた手紙によると

ハドラーさんが火竜の卵を生みだして 自分でその子竜を育てる上で

竜術も使いたいから許可してほしいということだったんですが・・・

ハドラーさんはどう見ても男性ですし コーセルテルには火竜は 

男しかいないはずなんで

どういうことなのか説明してもらいたいのですが・・・]

 

火竜メオに卵を生んだ経緯を説明し オレの意志を伝えた

 

[・・・これは里が混乱するはずだ・・・ 

ハドラーさん 一応お話はわかりましたが その卵を見せてもらえますか?]

 

「ああ いいだろう」

 

オレは懐から卵をだし メオにあずけた

 

[たしかに 火竜の卵だな・・・ 

あの ハドラーさん 手紙によると生まれたのが一週間前なんですよね

それからこの卵はずっとハドラーさんが抱いてて大きさはこのままなんですか?]

 

「?そうだが」

 

<たまに私たちも抱かせてもらうけど いつもハドラーさんの懐にいるよね>

 

[あの非常に言いにくいんですが 火竜の成長速度の速さから考えて一週間も親元にいて

まったく成長しないのは考えにくいんですけど・・・本当に生みの親なんですか?」

 

〔え!? そうなの?!〕

 

お前が一番驚くのか 火竜術士アグリナ

 

[アグリナ! おまえはもう一人前の火竜術士なんだぞ!

火竜のことなんだし まっさきに気付けよ!!]

 

〔ちょっと ど忘れしてただけよ! 

それに生まれたての卵はみたことないんだもん!

ヤチはすぐ生まれちゃったから卵自体あんまり触ったこともないんだからね!!〕

 

[そういう問題じゃないだろ! 大体おまえは!!]

 

アグリナとメオが本題そっちのけでケンカをはじめたがそれはさておいて・・・

 

「証拠か 難しいかもしれんな・・・」

 

(そんなことないよ 卵ちゃんの空気はたしかにハドラーさんとにてるし!)

 

[それは風竜にしかわからない感覚だから火竜の里が納得するにはちょっと弱いんだよ]

 

ケンカを中断しメオはサータに困ったように答えた

 

[ハドラーさんがせめて女性の火竜だったりすればいいんだが・・・

子供は母親と同じ種族で生まれるから 母親が竜なら子は必ず竜になるからな

ハドラーさん自身は竜じゃないみたいだし

里は基本的に竜じゃない部外者を 信用してないみたいなんだ

竜の神さまの使いだからできるだけ要望はかなえようとの意見もあって

里でも混乱してるんだよ それでオレが直接会いにきたんだが]

 

アグリナや子竜たちはメオの言葉に まったく納得できない様子だ

 

『私が直接話せればいいのですが・・・ 

・・・・・・ハドラー私にひとつ考えがあるのですが』

 

なんだ聖母竜?

 

『あなたも知っているはずの 竜に変身する呪文を使うのです

そうすれば 少しは事態が好転するかもしれません』

 

竜に変身・・・ ドラゴラム(火竜変化呪文)か!?

古より伝わる幻の攻撃呪文だな

だがオレはかつて更なる力を求めようとそれを研究したが呪文の契約ができなかった

その上 アバンが使えるようになったときには本当に悔しい思いをしたものだ

 

『いえ 今のあなたは竜の保護者として生まれ変わりレベルアップしてきました

今なら できるかもしれません 

・・・アバンに遅れをとったままでいたくはないでしょう』

 

メオに対しアグリナだけでなくサータやマシェル、そして他の子竜たちまでが

この卵とオレについて熱く語っていた

卵が生まれてから いやオレがコーセルテルに来てから まだ大してたっておらんのに

よくもあれだけしゃべることがあるものだな

よくみればあのナータまで口数は少ないが加わっている

 

『さあハドラー呪文の契約の儀式を』

 

そうだな 

魔方陣を描き呪文継承の儀式をはじめた・・・

 

「・・・・・・竜の神よ!今こそ我に古の呪文を与えたまえ!!

大いなる竜の力 たくわえし その力強き御言葉は・・・!!

ドラゴラム!!!」

 

以前はこれで何もおきなかったが・・・

 

 

             \ \|  ボワツ!!!  |//

 

〔メオ! なにっ?あれ !!?   ハドラーさんが炎に包まれた!?〕

 

[俺にもわかんねえ! けど これは普通の炎じゃない!!

竜術の炎とも何か違う!!]

 

                 ハドラーよ・・・

 

[この声! あの竜の神さまのものだ!!]

 

[ぼくにも聞こえた ハドラーさんに話しかけてるんだ!!] 

 

この声が竜の神だと!? ということはこれは呪文継承の試練か?!

 

             そなたはじゅうぶんにつよい

            さらなる竜の力を欲する汝の心の根源を見せよ・・・!

             子の為か 使命の為かっ・・・!!?

 

・・・強さというのは空しいものだ いくら上げても上には上がいる

だが!! オレはあの男の腕の中で燃え尽きたあのとき!知ったのだ!!

あの充実感・・・

全てを捨てて全身全霊で力を求め高めなければ得られなかったものだ 悔いは・・・ない!!

そして 戦場がかわった今 新たな力が必要になった

無力なままでいることは ・・・だれより このオレが自分自身を許せんのだ!!

 

             認めよう ハドラー

           われら神々が失ったその尽きることなき覇気を・・・

            そしてかの呪文とともに改めて使命を託そう

 

                 カァアツ

                 バアッ!!

 

〔ハドラーさんのまわりの炎が消えて 体が光輝いてる!〕

 

 

 

 

            ハドラーはレベルがあがった

 

            ちからが2あがった

 

            すばやさが1あがった

 

            たいりょくが2あがった

 

            かしこさが2あがった

 

            うんのよさが1あがった

 

            さいだいHPが3あがった

 

            さいだいMPが4あがった

           

            ドラゴラムをおぼえた

 

 

 

            

 




魔王ハドラーは DQ1の竜王がモデルっぽいのにドラゴラム使えるのは勇者アバンの方ってのは皮肉にも感じます
しかもそれがデルムリン島での再戦のときのアバンの敗因の一つにもなってるのは因縁深い・・・かもしれない

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