日がかわり 朝食の準備のために外で作業をしていたところ・・・
〔おーいっ ハドラーさーん〕
火竜術士アグリナが子竜を抱えやってきた
あの子竜は初見だ マシェルの子竜たちよりも小さいな
「どうした朝早くから こんなところに子竜まで連れて」
〔ハドラーさんおめでとうございますっ マシェルから手紙がきてすぐにお祝い言いにきちゃいましたっ〕
「祝い？ なんのことだ？」
まるで見当がつかんが、マシェルに関することか？
〔ハドラーさんに子供が生まれたんでしょ
だからお祝いにきました
あ この子うちの 一番竜のヤチっていいます〕
＼おめでとー／
オレはズボンのポケットにいれていた例の卵をにぎりしめ・・・
「ク・・・ク・・・」
〔ハドラーさん？〕
〔どうしたんです？〕
「クハハハハ！ フハハハハハハッ！！
ヌハハハハハハハッ！！
ワハハハハハーーーーーーーーーッ！！！！」
＼ ？？ ／
オレは 今の今までこの卵をどこか厄介もののようにとらえていた
これからのことがこいつをきっかけに変わるのが不本意だった
だが！！
この瞬間 こやつが生まれたことがめでたいことだと思ったまさにその瞬間から・・・
「オレは決めたぞ こやつをオレの元で オレの手で育てる！」
『よく言ってくれました』
///
ム この卵から何か反応があったような・・・？ まあいいそれよりも
「生まれてくる子竜を強くしてやるわ！ そのために オレは竜術士になることも辞さない」
『・・・あ あの？』
〔おお じゃあ また竜術士の後輩ができるのね！
ん？なんで竜術士？〕
「安心しろ 聖母竜 竜の保護者としての使命は忘れておらん
ただ このコーセルテルでやりたいことが増えただけだ」
バタン！
【今何か 不穏な企みが聞こえたようだが
卵のことだけならともかく妙なことを言ってマシェルに負担をかけるな！】
さっきまで寝ていたはずのナータが いきなりあらわれた
「勘違いするな ナータ オレはこいつをより強くしたいだけだ
そのためには竜術士のやりかたが一番だと思ったからそういう表現を使っただけだ
家事と同様 手伝いの中でその技術を勝手に盗むだけだ」
『あなたは・・・』
キッ
【それが問題なんだろうが！大体・・・！】
ナータが珍しくヒートアップしたところで 騒ぎに気付いたのかマシェルと他の子竜も家からでてきた
〔いらっしゃいアグリナ もう手紙にきづいてくれたんだね
ハドラーさんどうしたんですか？〕
「なに この卵をオレの手元で おまえ達の子育てを参考に育てようと決心してな」
〔そうですか！
それじゃ 火竜の里にそうお手紙しますね〕
〔あたしも手紙だすわ！
この卵ちゃんもきっとよろこぶわ ねえヤチ〕
＼うん／
///
「ム やはり マシェルやヤチの言葉に応えるかのようにこの卵から何か意志を感じたな」
『あなたに応えてるのですよ この子は』
〔ハドラーさん 卵ちゃんが竜術士にと望めば卵ちゃんの心が聞きとれるんです
ハドラーさんならお父さんとしても竜術士としても立派に育てられますよ！〕
マシェルがオレを激励するように力強く言ってくる
ナータはマシェルの熱意を感じたのか諦めたような顔に変わりため息をついていた
「アグリナよ 礼をいうぞ 貴様に預けても こやつはさぞ優秀な竜に育つであろうな」
〔いやぁ～〕
それからというもの オレは卵を常に懐におさめるようになった
まだ大した力は感じないが時折 卵から何か感情のようなものを感じることもあった・・・
そして火竜の里から返事の使者がやってきたときオレは新たな一歩を踏み出すことになる
ハドラーの・・・？？？シリーズはパートいくつまでつづくかは書いてる本人にもわかりませんが
マシェルの子竜と竜の特徴シリーズは前回で一区切りです
他の家はまたの機会に