ハドラー子育て日記 コーセルテル編   作:ウジョー

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新天地 対するはコーセルテルの竜術士

ハドラー子育て日記  コーセルテル編

 

旅の扉をくぐりたどりついた地 その名は「コーセルテル」

 

オレがこの地に着いたとき出迎えた者たちから まず「竜術士」と「竜」について説明を受けた。

 

竜術士とは子竜を預かり 竜の力を引き出す術を使うことで力の扱いを学ばせるというもので

竜の中では最高の英才教育であり 主な仕事は弱く未熟な子竜の保護者であることから

「子守り術士」とも呼ばれる

なるほどオレが聖母竜から受け継いだ使命に似ている 竜の神が修業の地として勧めるわけだ。

竜には火・水・地・風・木・光・暗の7種が存在し 

その属性ごとに担当する竜術士が一人ずつと竜術士によってはその見習い

7種7竜を預かる竜術士がいる

この地にいるのは基本的に子竜であり 一人前の成竜はそれぞれの属性ごとの里にいる。

 

・・・といったことを竜術士の一人が語った

オレが知る竜・ドラゴンとは印象がずいぶん違うな

そしてどうやらオレのことは竜の神からある程度説明があったようで いくつかの条件を呑めば

ここで竜術士のもと 子守りの修業ができるということだった。

 

その条件は・・・

・ コーセルテルのことを口外しない

・ 竜や竜術士をコーセルテルから外に出さない

・ コーセルテルの住人に危害を加えない

・ 他者をコーセルテルに連れてこない

等々といったものだった。

それについてはオレに異存はなく・・・

 

「わかった それら条件全て呑もう よろしく頼む 

オレの名はハドラー 好きに呼んでくれ 何か聞きたいことはあるか?」

 

〔ええと、ボクは風竜術士のミリュウ。 ハドラーさん、その格好はどうしたんですか?〕

 

こやつはオレをみてからずっと笑ってた眼鏡の男か なかなか強い魔法力を持っているな

この中でもかなり高い方だ

しかしオレの格好だと・・・ 今のオレの装備は

 

Eピンクのエプロン

Eさんかくきん

 

「そういえば調理の片付けの直後だったからそのままだったか

後で洗濯をしなければならんな とりあえず次の調理ではさっき受け取った黒いエプロンを使うか」

 

とりあえず三角巾をはずしエプロンを脱いだ 布の服の姿となったところで声をかけた

 

「調理服姿で失礼した どうした まだ何かおかしいか?」

 

〔俺は木竜術士のカディオだ 失礼を承知で聞きたいのだが あんたは魔族?それとも竜族?

精霊のようにも感じるのが・・・ 差し支えなければでいいのだが〕

 

ほう こやつもなかなかの魔法力を感じる 

そうか三角巾をとったからこのとがった耳も見えたのか それにオレの魔法力の質も感じ取ったようだ

おそらく術者としてもかなりの使い手だろう

 

「オレは生まれは魔族だ 年齢は360ぐらいか わけあって何度か体を失ってな

今はかつての体だったものの一部と人間の作ったアイテムの破片を聖母竜の力でつなぎあわせている」

 

〔ああそれで 同化術のような感じを受けるんですね 

ボクは竜術士のマシェルといいます]

 

ほう、線は細く若いがこいつも強い魔法力だな

竜の属性を言わなかったが こいつが7種7竜を預かる竜術士か?

 

「その同化術がどういったものかは知らんが 聖母竜は融合という形で今はオレの中にいる」

 

〔あ、あたし火竜術士のアグリナ ねえねえハドラーさん 本当に竜術士になりにきたんじゃないの?

すごい強い火の術資質を感じるんだけど〕

 

おそらく一番若いだろう娘だ なるほどこの中でも一際熱さを感じさせる

 

〔そうね水の術資質も感じるわ それに腕も立つようだし 

あ、失礼 私は水竜術士のエレというわ よろしくおねがいしますね〕

 

この術士は物腰が戦士の訓練を受けたものだな レベルもそこそこのものだろう

 

〔はじめまして 私は先代暗竜術士のメリア 当代の暗竜術士は幼竜の手が離せないので

後で紹介いたします それはさておき、

あなたからは暗竜の術資質も感じます これは大変珍しいことなのです〕

 

ふむ 外見からみても 発言の影響力からみても竜術士の中でも一番の古株だろう。

どうでもいいが竜術士の着る服の色が属性のイメージそのままだな 

流石にマシェルの服は七色ではないが

 

〔私は光竜術士のモーリンともうします あなたからは光の術資質も感じます。

あなたの修業を心より歓迎いたします。

何かご相談があればいってくださいね 私は手芸が趣味ですからお裁縫などでお力になれます〕

 

・・・会ったことはないが ダイの母親はおそらくこういう人物だったのだろう 

と思わせるような術士だな 

 

〔だが月や木の術資質は感じない おそらく彼の複雑な状態によるものだろう〕

 

〔カディオ 地の資質も感じないぞ それに竜の神さまのお使いなんだ

俺達の常識がそのまま当てはまらなくても不思議じゃないさ。

おおっと 自己紹介が遅くなって悪かった

俺は地竜術士のランバルス これからよろしく

コーセルテルに住む竜術士が全員揃うのは寄り合いぐらいだが

家どうしの付き合いは結構あるんだ そんときは俺の自慢の子竜たちを紹介するぞ〕

 

言動は親しげで飄々としているが オレを一番注視しているな

術士というより冒険者や盗賊のような注意力だ 

それにおそらくこの竜術士の中で一番のつわものだろう 長身で体格もある上にかなりの実戦経験者だな

それに知性も感じる オレの知る人間では外見以外は アバンに近いだろうな

 

「竜の神がオレをどう紹介したのかは知らんが オレはここに子守りの修業にきたつもりだ

オレと融合した聖母竜の使命『竜の騎士の保護者』として子供の世話ができないのは致命的なのでな

少し子育ての経験があるが己のレベル不足を実感したのだ このとおり料理の修業はやったのだが

それだけではどうにもならんのは 貴様らの方がわかっているはずだろう」

 

〔それは本当によくわかります。

ハドラーさん あらかじめ相談していたのですが まずは僕の家で色々手伝ってもらえませんか?

その中でいっしょに勉強していきましょう 

僕の子竜たちは7人もいて みんなとっても可愛いんですが色々大変なこともあります

お手伝いしてもらうと とっても助かりますし・・・いかがですか?〕

 

やはりこのマシェルが7種7竜を預かる竜術士か

見た目はこの中でもかなり若い方だろうが只者ではないのだろう

 

「いいだろう 今のオレは力仕事と料理しかできん未熟者だ

実力者に従うのは当然のことだ 宜しく頼む」

 

〔ええと よろしくおねがいします〕

 

そしてオレのコーセルテルでの子守り修業がはじまった。




冬眠といいつつ新作が形になったので投稿してみました
原作2つ以上のクロスオーバーは不慣れなので一区切りできるまではまたチラシの裏で
ぼちぼちとやっていました どうかよろしくお願いします。
ちなみに原作「コーセルテルの竜術士」の時系列でハドラーが来たのは
単行本でいうとコーセルテルの竜術士~子竜物語~の5巻終わりからのつもりです。
季節は夏ですね
前作の ハドラー子育て日記 http://novel.syosetu.org/16700/ も最終回更新しました。

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