第7話
「切原赤也、朝練の災難」
テニス部に入部した次の日の朝…。
現在時刻…6:50。
昨日のオレなら今頃はきっと男共の朝飯を作っていただろう…だが今日のオレは違う…今オレは学校に向けて全速力で走っているのだ。
何でかって?
テニス部の朝練の存在すっっっっっっかり忘れてたんだよ!!
遅刻したらあの腹黒魔王と暴力副部長に怒られんだよ!!
「仕方ねぇ!!近道だ!!」とオレは住宅街の隙間の細い路地に入る。
そして路地を進み、塀を登り、屋根を渡る(いわゆる野良猫コースというやつだ)←良い子は絶対真似したらダメだよ(笑)
オレは遅刻ギリギリになった時のみこの道を使う。
ギリギリの時にしか使わないのって?もちろんだ。普通に危ないからな。
そんなこんなで道を大幅にカットし、走っているとだんだん学校が見えてきて、オレは…丁度遅刻1分前に到着した。
校門に仁王立ちしていた真田が「小向ぃぃぃぃ!!入部早々遅刻ギリギリとは何事だ!!たるんどるぞ!!!!」とご立腹の様子だ。
その隣には魔王と糸目もいらっしゃるがオレの知ったことではない。
間に合ったからいいではないか。
幸「よくないよ」と微笑む幸村。
!!!!
柳「今お前が間に合ったからいいではないかと思った確率、97%」
一体何の確率だよ!!!!なにコイツら?読心術でも会得してんの?人の心を読むんじゃねーよ!!
そんな二人の隣で「朝練は7時からだと昨日言ったであろうが!!!大体ジャージはどうした!!」と説教を始める真田。
あー聞こえない聞こえない。
「持ってきたよ、持ってましたよ。今着替えてきますよ」とオレは部室に向かおうと三人に背を向ける。
すると「早くしないと朝のメニュー3倍にするからね」と幸村の声が…。
この鬼畜部長めが…。
オレは足早にその場を去った。
柚瑠が部室に行ったその数十秒後…。
ダダダッと切原が猛ダッシュしてきた!!!
切「よっしゃセーフ!!!!」と勝ち誇ったような表情の赤也に柳は「残念だったな赤也。30秒の遅刻だ」と苦笑する。
切「えっ!!!!30秒って!!!!?ちょっと待ってくださいよ柳先輩!!!」という切原の背後にはすでに真田がスタンばっている。
真「30秒でも遅刻は遅刻だ。分かっているな…赤也!!!!」
切「ゲッ!!副部長!!!!ちょっとタンマ!!!!!」と切原は言うが真田は「問答無用!!!!」と切原の頬にバチーンと強烈なビンタを食らわせた。
その威力で切原は3mほど後方に吹き飛んだ。(←どんだけ威力あんだよ(−_−;))
幸村は完全に伸びている切原に近づき「赤也はその遅刻癖を何とかしないとね」と微笑み、彼の耳元で「早く起きないと…朝のメニュー10倍にするよ」と囁いた。
すると切原はスッと起き上がり「着替えて来るッス!!!!!」とその場から逃げ出した。
逃げて行く切原を見て幸村は「本当に赤也は見ていて飽きないよ」と満足気に微笑む。
もうドS以外の何者でもない。
そんな幸村の横で柳は「精市、あまり赤也をいじめてやるな」と苦笑する。
幸「分かってるよ。そろそろオレ達も練習に戻ろうか」と三強はコートに戻った。
その頃、切原は部室に向かって歩を進めていた。
切「ったく、副部長め…30秒くらいおおめに見てくれたっていいのによ」とビンタされた左頬を摩りながら文句を言う切原…だがこの後切原は更なる災難に見舞われる…。
柚瑠が着替えている時に彼は部室に入ってしまったのだ!!!!
当然着替え中の柚瑠はジャージのズボンこそ穿いているが上はサラシである。
「バカ!!!!!入ってくんじゃねぇ!!!!!!」と柚瑠が怒鳴ると切原は顔を真っ赤にして「す!!!!!!すみませんでした!!!!!!!!!」と勢いよくドアを閉めた。
切(こ、小向先輩!!!??だよな!!?えっ!!!!女!!?嘘だ!!!!!)と切原が扉の前で混乱しているといきなり扉が開き、ガンっと扉の角が切原の頭にクリーンヒットする。
これは痛い!!!!
「〜〜〜〜!!!!!!!」と痛みに頭を抱える切原…。
「きりは〜ら〜君…覚悟はいいかな?」と柚瑠は切原に覗き(事故)の制裁…頭グリグリの刑を執行した。
もう一度言おう。あれは完全に事故である。
「切原、オレが女ってことは連中には黙っとけよ。色々面倒臭そうだからな」と切原に念を押し、柚瑠はコートに向かって歩いて行った。
この後、切原は真田に殴られた跡を丸井と仁王にからかわれ災難続きの朝練であった。
to be continued
遅刻癖がある赤也を話に入れたらこんな風になりました(笑)
駄文ですが温かい目で読んでくれれば幸いです。