僕とキリトとSAO   作:MUUK

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日間ランキングが、前日より上昇し、十二位となりました!
本当に、読者の皆様には頭が上がりません!
嬉しいです。すっごい嬉しいですっ!
ダラダラと続くこの駄文ですが、これからも、皆様の暇つぶしになれば最高です!


第二十三話「班分け」

「えー……じゃあ、第二層ボス攻略を祝して、乾杯!」

「「「乾杯!」」」

 

僕らは今、毎回恒例の酒屋祝賀会を開催している。

二層のときと違うところといえば、幹事を、キリトではなくユウがしているところと、皆のテンションが一様に高いところだろうか。

きっと景色が綺麗だったからだろうな、と思いつつ、僕は取り敢えずで頼んだ黄金色の液体を、渇いた(ように感じられる)喉へと流し込む。

アットホームな雰囲気があった二層の酒場とは違い、この店は、シックな白と黒のツートーンカラーで統一されている。

店員のNPCの衣装も、ドイツの村娘みたいだった前の酒屋とは違って、むしろかっこいいとさえ思えるようなメイド服だった。

 

「よし、取り敢えず、ギルド結成クエストの情報を皆に伝えようと思うんだけど、聞いてくれるか」

 

そのキリトの言葉に、僕らは、真剣な表情で先を促す。

キリトは、僕ら全員の表情を見回した後、小さく頷き、説明を開始した。

 

「まず、明日の朝一番に、この街から南へ1kmぐらいのとこにある村に行く。で、そので村長の話を聞かなきゃいけないんだけど、それがびっくりするぐらい長いんだ。確か……ええっと、何時間ぐらいだったかな……」

「五時間ぐらいだったと思いますよ。まあ、あの時、キリトさん寝てましたし、覚えてないのも無理ないですよね〜」

 

思わず笑ってしまった。キリトも結構抜けてるとこあるからなあ。

毒づいたアレックスに、キリトは表情を強張らせながらも、話を続けた。

 

「……まあ、それでクエストが受注できるから、そっからが本番なんだけど、次が面倒なことに、採取クエなんだ。しかも、十種類ぐらいの、いろんな薬草やら鉱物やらモンスター素材やらを採ってこなきゃいけない。だから、クエスト受注した後、まず五手に分かれて採集に向かってもらおうと思う」

 

そう言ってキリトがアイテムストーレージから取り出したのは、五つの、何かがメモ書きされた羊皮紙だった。

 

「納品しなきゃいけないアイテムは、ここに書いてある通りだ。で、次に班わけだけど……」

 

そこで、キリトの言葉を遮ったのは、以外なことに、優子だった。

 

「ちょっといいかしら。納品しなきゃいけないアイテムが要求されるのは、一種類ずつなんでしょ?納品でフラグ立てとかしなくていいの?」

 

なるほど、それはもっともな疑問だ。RPGで先に進むためには、フラグ立てが必要な場合が多い。

例えば、今回の場合、採集する対象がクエスト限定アイテムだったら、一種類目を採集して納品し、フラグを立てないと、次のアイテムがフィールド上に発生しない、なんてこともままある。

だが、その優子の心配は、次のキリトの言葉で杞憂だと解った。

 

「ああ、このクエストで要求されるアイテムは、クエ限とかじゃなくて、普通にフィールドで取れるアイテムばっかりだからな。極論、先にアイテムを集めておいて、村長の講話を聴き終わった瞬間、一気に納品したっていい」

 

それは……村長に嫌な顔されないかな……。まあ、NPCだから大丈夫か。

 

「で、次に班わけだけど、何か意見あるか?」

「……私は、ユウと一緒がいい」

「うん、じゃあ一班決定だな」

「おい、ちょっと待て!俺の意……」

「他に何かあるか?

「ちょっと待てコラァ!」

 

キリトの素無視も、板についてきたな。こういう時のユウの扱い方が分かってきたのだろう。

 

「はいはーいっ!私、ライトさんと一緒がいいですっ!」

「え?ええーっ!?僕?」

「はい。何かおかしいことでも?」

「いや、まあアレックスがいいならいいんだけどさ……」

「じゃあ、そこも決定だな」

「いや、ちょっ!ちょっと待ちなさい!」

 

焦ったような声でそう言ったのは、優子だった。

どうしたんだろ。優子の気に障るようなことでもあったんだろうか。

 

「いや……あの、その二人に任せたら、ロクなことにならないでしょ?だ、だから……ア、アタシもその班に入るわ!」

 

何故か、意を決したような優子のセリフ。そんなに僕達、信用ないかなあ……。

 

「えっと……じゃあ、そこは三人班な。で、次は……」

「それなら、わたしはあなたと組むわ。あなたとペアだと、いろいろと楽そうだし」

 

そんな理由を、アスナは早口でまくし立てた。

なんで、皆そんなに焦ってるんだろう。

 

「じゃあ、消去法でボクらがペアだね、ムッツリーニ君」

「……このペアを却下する!」

「我儘言っちゃダメだよ、ボクらがペアなのは決定事項なんだから」

「……くっ!何処で、何処で選択を間違えたんだ!」

 

強いて言うなら、このゲームにログインしたところだろう。

 

「えーっと……わしは、どうすればいいんじゃろうか……」

 

意外なことに、最後まで残ってしまった秀吉が、悲しそうな声でそう言った。

 

「ほんとは優子と組んでもらおうかと思ってたんだけどな……。じゃあ、五班じゃなくて、四班にしようか。どっかで、秀吉を入れてやってくれないか?」

 

入れてあげたいのはやまやまだけど、この班がもう既に三人班だしな。

と、思っていると、ムッツリーニが前に進み出て、言った。

 

「……俺達の班に入るといい」

「ヒューヒュー!両手に花だね、ムッツリーニ君!」

 

テンション高く、そう言ってるにも関わらず、リーベはどこか不満そうだ。

しかし今度は、そんなリーベの言葉に秀吉が不満を漏らした。

 

「……リーベよ……。わしは男じゃと、何度も言っておろうが……」

「「「えええええぇぇぇぇっ!」」」

「待て、ライト!キリトとアスナとアレックスが驚くのは解る!いや、解りたくないが、まあ解る!じゃが、何でお主まで驚いておるのじゃ!?」

「う、嘘だ!秀吉が男だなんて、絶対に嘘だ!」

「ライト……もうお主に解らせるのは、一生無理な気がしてきたぞい……」

「…………結局、どっちなんだ?」

「男じゃ!」

 

何故秀吉は、そこまで頑なに男と言い続けるのだろう……。

うーん……やっぱり乙女心は解らないな……。

 

「うん、じゃあまあ……それぞれで採集する感じで……」

「チッ!まあ、こうなることは大体予想してたしな……。取り敢えず、今は楽しもうぜ!」

 

自分の悩みを吹き飛ばそうとするかのようにユウが言った。

よく、こんな班分けになることが予想できるもんだなあと、感嘆してしまう。

 

結局、その宴は、日を跨ぐまで続いた。

 

 

「ついに明日、僕らのギルドができるんだね!」

 

宿屋のベッドに寝転びながら、僕は少し興奮気味に言った。

ベッドがギシギシと音を立てた。

少し間が空いたので、同室の男連中は全員寝てしまったのかと思ったが、少しして応答がかえってきた。

それに真っ先に応えたのは、キリトだった。

 

「明日中に出来るかどうかは、解らないけどな」

「そんなに時間かかるもんなのか?」

「ああ、ベータの時は、人数が少なかったせいもあるけど、三日かかったな」

「……でも、今回は情報も最初から揃っている」

「ああ、そうなんだよ。だから俺は、一日か二日で終わると思ってる」

 

少しづつ、目が暗順応する中、キリトがそう言った。

まあ、キリトがそう言うのだから、間違いないだろう。

秀吉の声は聞こえないが、おそらく、例によって寝ているのだろう。

ああ、そうだ。ギルドといえば、一応僕も、名前を考えてるんだけど、どうしよう。発表しようかな。

 

「そういえば、皆はギルドの名前ってもう考えてるの?」

 

取り敢えず、わざと回りくどく言ってみた。

まずは、皆のアイデアを聞き出してからにしよう。

 

「お前がそう言うってことは、もうお前は考えてあるんだろ?お前が最初に言えよ」

 

なんでこいつ(ユウ)は、コンスタントに僕の心を読んでくるんだろうか。

 

「うん……。えーっとね。僕は『ザ・サーバンツ』にしようかと思ってるんだけど……」

「ライト、お前その綴りかけんのか?」

「バカにしないで欲しいな!自分で考えた名前ぐらい、自分で英語に直せるよ!」

「ほーう、じゃあ書いてみろよ」

 

僕は、ザ・サーバンツを英語に直し、三人にインスタントメッセージとして送った。

 

『Za・Servents』

 

何故だろう。視線なんて解らないはずなのに、ユウとキリトの視線が、妙に優しい気がする。

 

「お、おう……いいんじゃないか?」

「えっと……じゃあ、おやすみ、ライト」

「え?ちょっと待って!僕何か間違えてたの!?ねえ二人とも?おーい!」

「……大丈夫だ、ライト。俺にも、解らない」

「ああ、良かった。仲間がいた……いや、全然良くないよ!?まあいいか……明日の朝に聞こう……おやすみ、みんな」

 

そう言って、僕達は、ボス戦の疲れを癒すため、深いまどろみの中へと落ちていった。

 




やっぱりギルド結成クエストに入ってくれない!
でもまあ、流石に次は、入れ込む話もありませんからね!次こそは、クエストに入れると思います!

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